JP3018484B2 - 殺虫、殺ダニ組成物 - Google Patents

殺虫、殺ダニ組成物

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JP3018484B2 JP2314778A JP31477890A JP3018484B2 JP 3018484 B2 JP3018484 B2 JP 3018484B2 JP 2314778 A JP2314778 A JP 2314778A JP 31477890 A JP31477890 A JP 31477890A JP 3018484 B2 JP3018484 B2 JP 3018484B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は殺虫、殺ダニ組成物に関するものである。
〈従来の技術〉 従来、ある種の混合組成物が殺虫、殺ダニ剤として用
い得ることについて、例えば、特開昭60−248601号公報
に記載されている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、従来知られている殺虫、殺ダニ組成物
は、致死効力が充分でなかったり速効性が充分でなかっ
たり、各種の要件を充分に満足させられるものではなか
った。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者らはこのような状況に鑑み、より優れた殺
虫、殺ダニ組成物を開発すべく鋭意検討を行った結果、
で示される2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピ
ニル)シクロペント−2−エニル クリサンテマート
(以下、化合物〔I〕と記す。) と、式 で示される2−イソプロポキシフェニル メチルカーバ
メート(以下、化合物〔II〕と記す。)とを有効成分と
する殺虫、殺ダニ組成物(以下、本発明組成物と記
す。)がその相乗的な作用により、致死効力においても
速効性においても、非常に優れた性質を有することを見
出し本発明に至った。
本発明組成物は、 1. 致死効力、ノックダウン効力共に優れていること 2. 相乗効果の程度が、従来相乗効果があるとされてい
るピレスロイド系化合物とカーバメート化合物との混合
剤の相乗効果に比べてはるかに大きいこと 3. 各種殺虫、殺ダニ剤に対して低感受性の害虫に対し
ても卓効を示すこと 4. それぞれの単剤では効力が弱い有害ダニ類に対して
も卓効を示すこと 等の優れた性質を有するものである。
化合物〔I〕と化合物〔II〕との混合割合は、通常、
重量比で、95:5〜5:95、好ましくは、90:10〜10:90の範
囲である。更に好ましくは、90:10〜30:70の範囲であ
り、中でも特に優れた速効性(ノックダウン効果)を示
す混合割合は、90:10〜50:50の範囲である。
本発明組成物は各種の害虫および有害ダニ類に対し有
効であるが、特に衛生害虫、木材害虫、衣料害虫、食品
害虫、屋内棲息性不快害虫等に対し卓効を示す。
具体的な防除対象虫の例を以下に示す。
鱗翅目害虫 イガ、コイガ、ノシメコクガ等 双翅目害虫 イエカ類、ハマダラカ類、ヤブカ類、イエバエ類、シ
ョウジョウバエ類、チョウバエ類等 鞘翅目害虫 コクゾウムシ、アズキゾウムシ、コクヌストモドキ、
シバンムシ類、ヒタラキクイムシ類、アオバアリガタハ
ネカクシ等 網翅目害虫 チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、
トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等 膜翅目害虫 アリ類、アリガタバチ類等 隠翅目害虫 ヒトノミ等 シラミ目害虫 ヒトジラミ、ケジラミ等 等翅目害虫 ヤマトシロアリ、イエシロアリ等 ダニ目 コナダニ類、チリダニ類、ツメダニ類などの室内塵性
ダニ類、オウシマダニなどのマダニ類、イエダニ類等 本発明組成物は、通常、固体担体、液体担体、ガス状
担体、餌と混合するか、または蚊取線香やマット等の基
材に含浸し、必要により界面活性剤やその他の製剤用補
助剤を添加して、油剤、乳剤、水和剤、水中懸濁剤・水
中乳濁剤等のフロアブル剤、粒剤、粉剤、エアゾール、
蚊取線香・電気蚊取マット・ノーマット等の加熱燻蒸
剤、自己燃焼型燻煙剤・化学反応型燻煙剤・電熱型燻煙
剤等の加熱燻煙剤、樹脂蒸散剤・含浸紙蒸散剤等の非加
熱蒸散剤、フォッギング等の煙霧剤、ULV剤、毒餌等に
製剤して使用する。
これらの製剤には、有効成分として化合物〔I〕およ
び化合物〔II〕の総量を重量比で通常0.001〜95%含有
する。
製剤化の際に用いられる固体担体としては、たとえば
粘土類(カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、
ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、タルク
類、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石
英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、
化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉
末あるいは粒状物などがあげられ、液体担体としては、
たとえば水、アルコール類(メタノール、エタノール
等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン
等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、
灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル
等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリ
ル類)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキ
サン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素
類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素
等)、ジメチルスルホキシド、大豆油・綿実油等の植物
油等があげられ、ガス状担体、すなわち噴射剤として
は、たとえばフロンガス、ブタンガス、LPG(液化石油
ガス)、ジメチルエーテル、炭酸ガス等があげられる。
界面活性剤としては、たとえばアルキル硫酸エステル
類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン
酸塩、アルキルアリールエーテル類およびそのポリオキ
シエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、
多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等があ
げられる。
固着剤や分散剤等の製剤用補助剤としては、たとえば
カゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん粉、アラビアガ
ム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導
体、ベントナイト、糖類、含成水溶性高分子(ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸
類等)があげられ、安定剤としては、たとえばPAP(酸
性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル
−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−
4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メト
キシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、界面活
性剤、脂肪酸またはそのエステル等があげられる。
蚊取線香の基材としては、たとえば木粉、粕粉等の植
物生粉末とタブ粉、スターチ、グルテイン等の結合剤と
の混合物等があげられる。
電気蚊取マットの基材としては、たとえばコットンリ
ンターまたはコットンリンターとパルプとの混合物のフ
ィブリルを板状に固めたもの等があげられる。
自己燃焼型燻煙剤の基材としては、たとえば硝酸塩、
亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウム、ニトロセル
ロース、エチルセルロース、木粉などの燃焼発熱剤、ア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重クロム酸塩、ク
ロム酸塩などの熱分解刺激剤、硝酸カリウムなどの酸素
供給剤、メラミン、小麦デンプンなどの支燃剤、珪藻土
などの増量剤、合成糊料などの結合剤等があげられる。
化学反応型燻煙剤の基材としては、たとえばアルカリ
金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、含水煙、酸化カル
シウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、活性白土など
の触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニル
ヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ポ
リスチレン、ポリウレタン等の有機発泡剤、天然繊維
片、合成繊維片等の充填剤等があげられる。
非加熱蒸散剤の基材としては、たとえば熱可塑性樹
脂、ろ紙、和紙等があげられる。毒餌の基材としてはた
とえば穀物粉、植物精油、糖、結晶セルロース等の餌成
分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイ
アレチン酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、
トウガラシ末などの誤食防止剤、チーズ香料、タマネギ
香料などの誘引性香料等が挙げられる。
フロアブル剤(水中懸濁剤または水中乳濁剤)の製剤
は、一般に1〜75%の化合物を0.5〜15%の分散剤、0.1
〜10%の懸濁助剤(たとえば、保護コロイドやチクソト
ロピー性を付与する化合物)、0〜10%の適切な補助剤
(たとえば、消泡剤、防錆剤、安定化剤、展着剤、浸透
助剤、凍結防止剤、除菌剤、防黴剤等)を含む水中で微
小に分散させることによって得られる。水の代わりに化
合物がほとんど溶解しない油を用いて油中懸濁剤とする
ことも可能である。保護コロイドとしては、たとえばゲ
ラニン、カゼイン、ガム類、セルロースエーテル、ポリ
ビニルアルコール等が用いられる。チクソトロピー性を
付与する化合物としては、たとえばベントナイト、アル
ミニウムマグネシウムシリケート、キサンタンガム、ポ
リアクリル酸等があげられる。
このようにして得られる製剤は、そのままであるいは
水等で希釈して用いられる。また、他の殺虫剤、殺ダニ
剤、殺菌剤と混合して、または混合せず同時に用いるこ
ともできる。
尚、乳剤、水和剤、フロアブル剤等は水で1〜10,000
ppmに希釈して施用し、油剤、エアゾール、燻蒸剤、燻
煙剤、蒸散剤、煙霧剤、ULV剤、毒餌等についてはその
まま施用する。
これらの施用量、施用濃度は、いずれも製剤の種類、
施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種類等の状況に
よって異なり、上記の範囲にかかわることなく増加させ
たり、減少させたりすることができる。
〈実施例〉 以下、本発明を製剤例および試験例にてさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるもの
ではない。
尚、以下の製剤例および試験例において、化合物は第
1表の化合物記号で示す。また、製剤例中の部は重量部
を示す。
製剤例1 化合物〔I−a〕と化合物〔II〕との混合物(混合比
または重量比で90:10、70:30、50:50、30:70または10:9
0)1部を灯油99部に混合溶解して油剤を得る。
製剤例2〜15 化合物〔I−a〕と化合物〔II〕との混合物x部と灯
油y部より製剤例1と同様に油剤を得る。xとyとは以
下の通り。
製造例16 化合物〔I−a〕と化合物〔II〕との混合物(混合比
は重量比で90:10、70:30、50:50、30:70または10:90)
1部を灯油59部に混合溶解し、エアゾール容器に充填し
てバルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴
射剤(液化石油ガス)40部を加圧充填して油性エアゾー
ルを得る。
製剤例17〜29 化合物〔I−a〕と化合物〔II〕との混合物x部、灯
油y部、噴射剤40部を用いて製剤例16と同様にして油性
エアゾールを得る。xとyとは以下の通り。
製剤例30 化合物〔I−a〕と化合物〔II〕との混合物(混合比
は重量比で90:10、70:30、50:50、30:70または10:90)
1部、乳化剤〔レオゾールMO−60(花王株式会社登録商
標)とレオドールTW−0120(花王株式会社登録商標)と
の4:1混合物またはレオドールSP−L10(花王株式会社登
録商標)〕1部および灯油8部を混合溶解したものとイ
オン交換水50部とをエアゾール容器に充填し、バルブ部
分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化
石油ガス)40部を加圧充填して水性エアゾールを得る。
製剤例31〜41 化合物〔I−a〕と化合物〔II〕との混合物x部、乳
化剤1部、灯油y部、イオン交換水50部および噴射剤40
部を用いて製剤例30と同様にして水性エアゾールを得
る。xとyとは以下の通り。
製剤例42〜43 化合物〔I−a〕と化合物〔II〕との混合物(混合比
は重量比で90:10、70:30、50:50、30:70または10:90)
x部、乳化剤〔ニューカルゲン1015−H(竹本油脂登録
商標)〕7部およびキシレンy部をよく混合溶解して乳
剤を得る。xとyとは以下の通り。
製剤例44〜45 化合物〔I−a〕と化合物〔II〕との混合物(混合比
は重量比で90:10、70:30、50:50、30:70または10:90)
x部、乳化剤(ソルポールSM−200(東邦化学登録商
標)〕10部およびキシレンy部をよく混合溶解して乳剤
を得る。xとyとは以下の通り。
製剤例46 化合物〔I−a〕と化合物〔II〕との混合物(混合比
は重量比で90:10、70:30、50:50、30:70または10:90)1
0部、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン
酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および
珪藻土64部を混合した中に加え、ミキサーで撹拌混合し
て水和剤を得る。
製剤例47〜48 化合物〔I−a〕と化合物〔II〕との混合物(混合比
は重量比で90:10、70:30、50:50、30:70または10:90)
x部とキシレンy部とをよく混合溶解してULV用製剤を
得る。xとyとは以下の通り。
次に、試験例を示す。以下の例において、比較対照に
用いた組成物は、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド
メチル(1RS)−シス,トランス−クリサンテマート
(フタルスリン:以下、化合物〔A〕と記す。)と、化
合物〔II〕(PHC)との混合物であり、特開昭60−24860
1号公報に記載のものである。
試験例1 製剤例1〜15により得られた油剤および各化合物単独
の同一処方油剤、さらに比較対照組成物の同一処方油剤
を用いて以下の試験を行った。
壁面にワセリンを薄く塗布した直径9cmのポリエチレ
ンカップにチャバネゴキブリ成虫10頭(雌雄各5頭)を
放飼し、16メッシュのナイロンゴースでふたをし、内径
10cm、高さ37cmのガラスシリンダーの底部に設置した。
上記の各油剤を各濃度で0.6mlずつスプレーガンにて0.6
気圧の圧力でシリンダー上端から直接スプレーし、2.5
分経過後のノックダウン虫数を調査した。各濃度におけ
る結果から各混合比の組成物ごとの2.5分後のKC50値(5
0%ノックダウン濃度)を求めた(各3反復)。
その結果を第2表に示す。
試験例2 製剤例30〜41により得られた水性エアゾールおよび各
化合物単独の同一処方水性エアゾール、さらに比較対照
組成物の同一処方水性エアゾールを用いて以下の試験を
行った。
183cm立方(6.1m3)のピート・グラディー・チャンバ
ーを使用するエアゾール試験法〔ソープ・アンド・ケミ
カルズ・スペシャリティーズ・ブルーブック(1965年)
に記載の方法〕に従って、チャンバー当たり100頭のイ
エバエ成虫に対し、水性エアゾールを700mg噴霧した後2
0分経過後供試虫を回収し1日後の生死を調査した。各
濃度における死虫率から各混合比の組成物ごとのLC50
(50%致死濃度)を求めた(各2反復)。
その結果を第3表に示す。
試験例3 製剤例44により得られた10%乳剤および各化合物単独
の同一処方10%乳剤、さらに比較対照組成物の同一処方
10%乳剤を用いて以下の試験を行った。
上記の乳剤の各々を所定濃度段階に希釈し、6cm×12c
mのろ紙に0.36mlずつ均一に処理し、風乾後ろ紙片を二
つ折りにして両端をのり付けし袋状とした。袋の中にコ
ナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)20頭およ
び飼料を入れ、袋上部をクリップで留めた後、温度25
℃、湿度65%RHの条件下に放置し、1日後の生死を調査
した。各薬量における死虫率から各混合比の組成物ごと
のLD50値(50%致死薬量)を求めた(各2反復)。
その結果を第4表に示す。
試験例4 製剤例16〜29により得られた油性エアゾールおよび各
化合物単独の同一処方油性エアゾール、さらに比較対照
組成物の同一処方油性エアゾールを用いて以下の試験を
行った。
183cm立方(6.1m3)のピート・グラディー・チャンバ
ーを使用するエアゾール試験法に従って、チャンバー当
たり100頭のピレスロイド低感受性イエバエ成虫に対
し、油性エアゾールを700mg噴霧した後5分経過後ノッ
クダウン虫数を調査した。各濃度における結果から各混
合比の組成物ごとの5分後のKC50値(50%ノックダウン
濃度)を求めた(各2反復) その結果を第5表に示す。
〈発明の効果〉 本発明の殺虫、殺ダニ組成物は、双翅目害虫、網翅目
害虫、室内塵性ダニ類をはじめ各種の害虫および有害ダ
ニ類に対して有効であり、殺虫、殺ダニ剤として種々の
用途に供し得る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロ
    ピニル)シクロペント−2−エニル クリサンテマート
    と2−イソプロポキシフェニル メチルカーバメートと
    を有効成分として含有することを特徴とする殺虫、殺ダ
    ニ組成物。
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