JP3017954B2 - 非接触形メカニカルシール - Google Patents

非接触形メカニカルシール

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JP3017954B2 JP9033800A JP3380097A JP3017954B2 JP 3017954 B2 JP3017954 B2 JP 3017954B2 JP 9033800 A JP9033800 A JP 9033800A JP 3380097 A JP3380097 A JP 3380097A JP 3017954 B2 JP3017954 B2 JP 3017954B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1密封環とその
構成材より軟質のカーボンからなる第2密封環とを、第
2密封環に被密封流体により弾性限度内の圧力歪が生じ
る高圧条件下で相対回転させることにより、両密封環の
対向端面たる第1及び第2密封端面間にてその内外周側
領域である被密封流体領域と非密封流体領域とをシール
するように構成された非接触形メカニカルシールに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種の非接触形メカニカルシールは、
一般に、両密封端面をその間に作用する動圧により非接
触状態に保持させるように構成された動圧形シールと両
密封端面をその間に作用する静圧により非接触状態に保
持させるように構成された静圧形シールとに大別され
る。一般に、動圧形シールは、タービン,ブロワ,遠心
圧縮機等の高圧気体を扱う回転機器に使用され、静圧形
シールは、ポンプ等の高圧液を扱う回転機器に使用され
ている。
【0003】而して、従来の動圧形シールm1 は、例え
ば図8に示す如く、回転軸11に固定された第1密封環
12と、シールケース13に保持環15及びOリング1
6を介して軸線方向摺動可能に保持されたカーボン製の
第2密封環14と、第2密封環14を第1密封環12へ
と押圧附勢するスプリング17とを具備してなり、両密
封環12,14の対向端面である第1及び第2密封端面
12a,14aをその間に動圧を発生させることにより
非接触状態に保持して、両密封端面12a,14a間に
てその外周側領域である被密封流体領域A1 と内周側領
域である非密封流体領域A2 とをシールするように構成
されている。第1密封環12の密封端面たる第1密封端
面12aには、被密封流体領域A1 に開口する動圧発生
溝12bが形成されていて、密封環12,14の相対回
転により密封端面12a,14aに被密封流体による動
圧を発生させるようになっている。両密封端面12a,
14aは、その間に発生された動圧と第2密封環14に
作用する被密封流体による背圧及びスプリング17の附
勢力とがバランスすることにより、図9(A)に示す如
く、微小間隔を隔てた非接触状態に保持される。
【0004】また、従来の静圧形シールm2 は、所謂テ
ーパフェースシールと称されるもので、例えば図10に
示す如く、回転軸21に固定された第1密封環22と、
シールケース23にOリング25を介して軸線方向摺動
可能に保持されたカーボン製の第2密封環24と、第2
密封環24を第1密封環22へと押圧附勢するスプリン
グ26とを具備して、両密封環22,24の対向端面で
ある第1及び第2密封端面22a,24a間にてその外
周側領域である被密封流体領域A1 と内周側領域である
非密封流体領域A2 とをシールするように構成されてい
る。第1密封環22の密封端面である第1密封端面22
aは、動圧形シールm1 における第1密封端面12aと
同様に、軸線に直交する環状平面とされているが、第2
密封端面24aは、第1密封端面22aとの間に内周方
向(非密封流体領域A2 方向)に漸次窄まる断面楔状の
環状空間27を形成しうる環状テーパ面(凸状の截頭円
錐面)とされている。なお、以下の説明において、被密
封流体領域A1 の被密封流体圧力Pは、非密封流体領域
2 の非密封流体圧力を基準とするものとする。各シー
ルm1 ,m2 において、非密封流体領域A2 は大気領域
であることが多いが、かかる場合には、被密封流体圧力
Pは大気圧を基準とするゲージ圧を意味することにな
る。
【0005】かかる静圧形シールたるテーパフェースシ
ールm2 にあっては、密封端面22a,24a間に被密
封流体の漏れ方向(非密封流体領域A2 方向)に漸次狭
まる断面楔状の環状空間27が形成されることから、被
密封流体圧力Pにより、軸線方向に移動可能な第2密封
環24には図11に示す如き圧力分布をなす閉力FC
開力FO とが作用して、密封端面22a,24a間に隙
間Sが形成される。そして、この隙間Sは、閉力FC
開力FO とがバランスされた状態で安定し、一定の微小
隙間(以下「平衡隙間S0 」という)に保持される。こ
こに、閉力FCは第2密封環24に作用する背圧によっ
て(より正確には、被密封流体圧力による背圧及びスプ
リング26による附勢力によって)生じるものであり、
開力FOは環状空間7に侵入した被密封流体の圧力(静
圧)によって生じるものである。ところで、閉力FC
背圧(及びスプリング26)によるものであるから、図
12に鎖線で示す如く、被密封流体圧力Pが変動しない
限り一定であるが、開力F O は環状空間27に作用する
静圧によるものであるから、同図に破線で示す如く、隙
間Sの変動によって反比例的に変化する。つまり、開力
O は隙間Sが大きくなるに従って減少し、小さくなる
に従って増大することになる。したがって、隙間Sが平
衡隙間S0 より大きくなると、開力FO が閉力FC より
小さくなって密封端面22a,24a間が閉じられ、逆
に隙間Sが平衡隙間S0 より小さくなると、開力FO
閉力FC より大きくなって密封端面22a,24a間が
開かれて、何れの場合にも、隙間Sは閉力FC と開力F
O とがバランスされた平衡隙間S0 に復帰,保持される
ことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の非接触形メカニカルシールm1 ,m2 にあっては、そ
の何れにおいても、カーボン製の第2密封環14,24
に生じる圧力歪により第2密封端面14a,24aが弾
性変形するため、高圧条件下では良好なシール機能を期
待し得ないといった問題があった。
【0007】すなわち、静圧形シールm1 にあっては、
両密封端面12a,14aを、その間に発生させた動圧
により、流体膜が介在する非接触状態に保持させること
から、良好なシール機能を発揮させるためには、図9
(A)に示す如く、両密封端面12a,14aを平行状
態に維持させておくことが必要である。しかし、第2密
封環14が第1密封環12より軟質のカーボンからなる
ものであるため、高圧条件下では、第2密封環14に被
密封流体による圧力歪(弾性歪)が生じて、第2密封端
面14aが、図9(B)に示す如く、両密封端面12
a,14aの間隔が内周方向に漸次拡大するような状態
(以下「外高状態」という)に弾性変形する虞れがあ
る。
【0008】ところで、動圧発生溝12bは密封端面1
2a,14aの外周側(被密封流体領域A1 )に開口さ
れたものであり、密封端面12a,14aの相対回転に
より被密封流体をその開口部から密封端面12a,14
a間に導入させて内周側(非密封流体領域A2 )へとポ
ンピングさせる形状のものとされていることから、第2
密封端面12aが歪んで両密封端面12a,14aの平
行性が損なわれた場合、両密封端面12a,14aが平
行状態にある場合に比して、両密封端面12a,14a
間の動圧が、外周側において小さく且つ内周側において
大きくなるように変化する。その結果、第2密封端面1
2aには第1密封端面14aとの間隔を外周側において
狭めようとする方向のモーメントが作用することにな
る。
【0009】したがって、第2密封端面12aが、仮
に、図9(C)に示す如く、両密封端面12a,14a
の間隔が外周方向に漸次拡大するような状態(以下「内
高状態」という)に歪んだ場合には、上記モーメントの
作用によって、内高状態から平行状態に自動的に復元修
正されることになるが、第2密封端面14aが外高状態
に歪むと、上記モーメントが第2密封端面14aの歪を
却って増大させるべく作用することになる。すなわち、
このモーメントによって、両密封端面12a,14aの
間隔が内周側においては更に拡大され、外周側において
両密封端面12a,14aが接触せしめられることにな
る。その結果、シール機能が大幅に低下し、特に、外周
側においては密封端面12a,14a同士が接触破損し
て、シール機能が停止する虞れがある。
【0010】一方、テーパフェースシールm2 において
も、高圧条件下では、カーボン製の第2密封環24に圧
力歪(弾性歪)に生じて、第2密封端面24aが、その
テーパ量(密封端面24aにおける内外周端間の軸線方
向距離)Δを減じる方向に弾性変形する虞れがあり、極
端な場合には断面楔状の環状空間7が消失してしまう虞
れがある。これは、動圧形シールm1 において第2密封
端面14aが外高状態に弾性変形する現象と同一である
が、このような状態となると、閉力FC にバランスしう
るに足る開力FO が確保されなくなって、密封端面2
a,4a間に所定の平衡隙間S0 を確保,維持すること
ができなくなり、シール機能が大幅に低下することにな
る。
【0011】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、カーボン材製の第2密封環に圧力歪が生じるよ
うな高圧条件下においても、第2密封端面を適正な状態
に維持させて良好なシール機能を発揮しうる非接触形メ
カニカルシールを提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1密封環と
その構成材より軟質のカーボン材からなる第2密封環と
を、第2密封環に被密封流体により弾性限度内の圧力歪
が生じる高圧力条件下で相対回転させることにより、両
密封環の対向端面たる第1及び第2密封端面間にてその
内外周側領域である被密封流体領域と非密封流体領域と
をシールするように構成された非接触形メカニカルシー
ルにおいて、上記の目的を達成すべく、次のように構成
しておくことを提案するものである。
【0013】すなわち、請求項1に記載された本発明の
非接触形メカニカルシール(以下「第1シール」とい
う)においては、特に、第2密封環をカーボン製の密封
環本体とその一部分であって第2密封端面を形成すべき
部分に被覆形成された炭化珪素膜とで構成して、その膜
表面を、上記圧力歪が生じない低圧条件下において第1
密封端面に平行する環状平面をなす第2密封端面に構成
すると共に、その膜厚を、上記高圧条件下において、第
2密封端面が上記した低圧条件下での形状を維持すべ
く、当該炭化珪素膜が前記密封環本体に生じる圧力歪と
バランスする弾性歪を生じるように、設定しておくこと
を提案する。このように構成しておくことによって、第
2密封環に圧力歪が生じる高圧条件下においても、第2
密封端面を第1密封端面に平行する適正状態に維持し得
て、良好なシール機能を発揮させることができる。
【0014】また、請求項2に記載された本発明の非接
触形メカニカルシール(以下「第2シール」という)に
おいては、特に、第2密封環をカーボン製の密封環本体
とその一部分であって第2密封端面を形成すべき部分
被覆形成された炭化珪素膜とで構成して、その膜表面
を、上記圧力歪が生じない低圧条件下において第1密封
端面に平行する環状平面をなす第2密封端面に構成する
と共に、その膜厚を、上記高圧条件下において、当該炭
化珪素膜に生じる弾性歪と前記密封環本体に生じる圧力
歪との干渉により第2密封端面が第1密封端面との間に
非密封流体領域方向に漸次窄まる断面楔状の環状空間を
形成しうる環状テーパ面に弾性変形されるように、設定
しておくことを提案する。このように構成しておくこと
によって、第2密封環に圧力歪が生じる高圧条件下にお
いて、第2密封端面を適正な環状テーパ面に維持し得
て、良好なテーパフェースシール機能を発揮させること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、第1及び第2シールの実施
の形態を、図1〜図7に基づいて具体的に説明する。
【0016】すなわち、図1〜図4は第1シールの実施
の形態を示したものである。この実施の形態における第
1シールM1 は、図1に示す如く、タービン軸等の回転
軸11に固定された第1密封環12と、シールケース1
3に保持環15及びOリング16を介して軸線方向摺動
可能に保持された第2密封環14と、第2密封環14を
第1密封環12へと押圧附勢するスプリング17とを具
備してなり、両密封環12,14の対向端面である第1
及び第2密封端面12a,14aをその間に動圧を発生
させることにより非接触状態に保持して、密封端面12
a,14a間にてその外周側領域である被密封流体領域
(例えば、タービン等の機内である高圧ガス領域)A1
と内周側領域である非密封流体領域(例えば、タービン
等の機外である大気領域)Lとをシールするように構成
されている。この第1シールM1は、以下に述べる第2
密封環14の構成を除いて、図8に示す公知の動圧形シ
ールm1 と同一構造をなすものであるから、同一部材に
ついては同一の符号を付すことによって、その詳細は省
略する。なお、第1密封環12は、その密封端面たる第
1密封端面12aを軸線に直交する環状平面としたもの
で、WC,SiC等の超硬質材で構成して、カーボン製
の密封環が圧力歪を生じるような高圧条件下において
も、第1密封端面12aが圧力歪により変形されること
のないものである。また、第1密封端面12aには、被
密封流体領域A1 に開口する適宜形状の動圧発生溝12
bが形成されていて、回転軸11の回転に伴い密封端面
12a,14a間に被密封流体による動圧を発生させる
ようになっている。
【0017】而して、この第1シールM1 にあっては、
本発明に従って、第2密封環14を次のように構成して
ある。
【0018】すなわち、第2密封環14は、図1及び図
2(A)に示す如く、第1密封環2の構成材より軟質の
カーボンからなる密封環本体141と、第2密封端面1
4aを形成すべき部分である密封環本体141のノーズ
部141aに被覆形成された炭化珪素膜142とからな
る。密封環本体141は、先端部をその内外周部を切欠
して得られた環状のノーズ部141aに構成した断面凸
字状のものである。炭化珪素膜142は、常法によりノ
ーズ部141aの先端面に被覆形成された均一厚さのも
のであり、その膜表面を第1密封端面12aに平行する
環状平面をなす第2密封端面14aに構成してある。つ
まり、第2密封端面14aは、カーボン製の密封環本体
141に被密封流体による圧力歪が全く生じない又は殆
ど生じない低圧条件下(例えば、運転初期の状態)では
軸線に直交する平滑面をなすように、鏡面加工されたも
のである。
【0019】そして、炭化珪素膜142の膜厚(表面を
密封端面に鏡面加工した後の膜厚)Tは、カーボン製の
密封環本体141に被密封流体による弾性限度内の圧力
歪が生じる高圧条件下(当該第1シールM1 が通常運転
されている状態)において、第2密封端面14aが上記
した低圧条件下での形状を維持すべく、当該炭化珪素膜
142が上記密封環本体141に生じる圧力歪とバラン
スする弾性歪を生じるように、設定されている。
【0020】すなわち、第1シールM1 の運転により、
被密封流体領域A1 がカーボン製の密封環本体141に
圧力歪(弾性歪)を生じるような圧力にまで昇圧された
場合、炭化珪素膜142も当然に弾性歪を生じるが、炭
化珪素膜142と密封環本体141との剛性度に明らか
な差があることから、両者141,142の歪形態は大
きく異なる。そして、両者141,142が一体構造を
なしていることから、それらの歪は相互に干渉して、第
2密封端面14aはカーボン製の密封環本体141のみ
の歪による影響を受けた場合(例えば、ノーズ部141
aの先端面を第2密封端面14aとした場合)と異なる
形態に変形することになる。一方、炭化珪素膜142の
歪形態はその膜厚Tによって異なり、両者141,14
2の歪干渉形態及びその歪干渉による第2密封端面14
aへの影響も膜厚Tによって異なることになる。したが
って、両者141,142の歪が相互に相殺されるよう
にバランスして、それらの歪による第2密封端面14a
の影響を消失させる(第2密封端面14aが実質的に変
形せず、第1密封端面12aに平行する運転開始前の形
態に維持される)ような膜厚T(以下、その寸法を「平
行状態維持値T0 」という)が存在するはずである。つ
まり、膜厚Tを特定の寸法(平行状態維持値T0 )に設
定しておくと、カーボン製の密封環本体141が圧力歪
を生じると否とに拘わらず、第2密封端面14aを第1
密封端面12aに平行する適正状態に維持しておくこと
ができると考えられる。
【0021】そこで、当該第1シールM1 においては、
カーボン製の密封環本体141が圧力歪を生じるような
高圧条件下で炭化珪素膜142が密封環本体141の圧
力歪とバランスする弾性歪を生じるような寸法(平行状
態維持値T0 )の膜厚Tを見出し、このような膜厚T0
の炭化珪素膜142により第2密封端面14aを構成し
ておくことによって、第2密封端面14aが第1密封端
面12aに平行する適正状態に維持されるように工夫し
ているのである。
【0022】このような条件を満足する膜厚Tは、具体
的には、例えば被密封流体圧力Pが30kgf/cm2
となる高圧条件下で運転される場合であって、第2密封
環12の全長(炭化珪素膜142を含む軸線方向長さ)
Lが21mmであり且つノーズ部141aの突出量(軸
線方向長さ)L0 が5mmである場合(ノーズ部141
aの内外径は夫々187mm,199mm)において
は、以下の実験結果からも明らかなように0.8mm≦
T≦1.2mmの範囲で設定しておけばよい。
【0023】すなわち、上記した構成の第1シールM1
を使用して、膜厚Tを0mm、0.1mm、0.3m
m、0.8mm、1.0mm、1.2mm、1.5m
m、2.0mm、2.5mm、3.0mmとした各場合
について、被密封流体として窒素ガスを使用すると共に
非密封流体領域A2 を大気に開放した状態でシール運転
(被密封流体領域A1 における圧力:30kgf/cm
2 )を行なった。なお、T=0mmの場合とは、ノーズ
部141aに炭化珪素膜を形成せず、ノーズ部141a
の先端面を第2密封端面14aに鏡面加工した場合であ
り、図8に示す従来の動圧形シールm1 と同一構造とし
た場合である。
【0024】そして、運転中における第2密封端面14
aの状態(第1密封端面12aに対する状態)及びシー
ル性能について確認した。その結果は、表1に示す通り
であった。なお、シール性能は、密封端面12a,14
aからの窒素ガスの漏れ量を測定して、それが許容範囲
内であるものについてはシール性能が良好として○で示
し、許容範囲を超えるものについてはシール性能が不良
であるとして×で示した。
【0025】
【表1】
【0026】すなわち、炭化珪素膜142を有しないT
=0mmの場合には、第2密封端面14aが外高状態に
変形し(図9(B)参照)、漏れ量が許容範囲を大幅に
上回わった。このような第2密封端面14aの変形は、
カーボン製の密封環本体141の圧力歪によるものであ
る。
【0027】これに対して、T=0.8mm、1.0m
m、1.2mmの炭化珪素膜142を有する場合には、
カーボン製の密封環本体141が圧力歪を生じているに
も拘わらず、第2密封端面14aが、図2(B)に示す
如く、第1密封端面12aに平行する適正状態に維持さ
れ、漏れ量も許容範囲内となって良好なシール性能が発
揮された。これは、被密封流体(窒素ガス)の圧力Pに
よりカーボン製の密封環本体141と炭化珪素膜142
とに異なる圧力歪が生じ、第2密封端面14a上におい
ては両者141,142の圧力歪がバランスして相殺さ
れ、第2密封端面14aの変形を阻止するためである。
【0028】しかし、第2密封端面14aを炭化珪素膜
142で構成した場合にも、T=0.1mm、0.3m
mとしたときには、炭化珪素膜142を有しない場合と
同様に、第2密封端面14aが、図3(A)に示す如
く、外高状態に変形し、良好なシール機能を発揮し得な
かった。このように、第2密封端面14aを炭化珪素膜
142で構成しても、その膜厚Tが平行状態維持値T0
(0.8mm≦T0 ≦1.2mm)に満たないような薄
膜であるときには、炭化珪素膜142の圧力歪による第
2密封端面14aへの影響は炭化珪素膜142を設けな
い場合と変わりなく、炭化珪素膜142の存在意義が認
められない。一方、T=1.5mm、2.0mm、2.
5mm、3.0mmとした場合には、T=0mm、0.
1mm、0.3mmとした場合とは逆に、第2密封端面
14aが、図3(B)に示す如く、内高状態に変形し
た。このように、炭化珪素膜141の膜厚Tを必要以上
に厚くして、平行状態維持値T0 を超えるような寸法の
厚膜Tとすると、第2密封端面14a上における両者1
41,142の圧力歪バランスが崩れて、第2密封端面
14aに炭化珪素膜142を設けない場合と異なった変
形力が生じ、第2密封端面14aが内高状態に変形する
のである。なお、何れの場合においても、密封環本体1
41及び炭化珪素膜142の圧力歪並びに第2密封端面
14aの変形は弾性限度内のものであるから、シール運
転を停止した状態では、第2密封端面14aは第1密封
端面12aに平行する状態に弾性復帰された。但し、膜
厚Tが平行状態維持値T0 (0.8mm,1.0mm,
1.2mm)である場合、第2密封端面14aは、シー
ル運転開始から運転停止に至る間において、第1密封端
面12aに平行する適正状態に維持された。
【0029】ところで、第2密封環14の形状は種々で
あり、一般に、上記した形状の他、図4に示す如く、ノ
ーズ部141aを外周側に設けた形状(A図)、ノーズ
部141aを内周側に設けた形状(B図)及びノーズ部
141aを設けない形状(C図)に大別されるが、密封
環14の形状が異なっても、図5に示す如く、膜厚Tを
増大するに従って、密封端面14aの圧力歪による変形
態様は外高状態から平行状態を経て内高状態に移行する
ことになる。すなわち、図5は、横軸に膜厚Tをとり、
縦軸に第2密封環14が圧力歪を生じる高圧条件下での
第2密封端面14aの変形程度つまりテーパ量(図3に
示す如く、第2密封端面14aにおける内外周端間の軸
線方向距離であり、外高状態におけるテーパ量を正と
し、内高状態におけるテーパ量を負とする)をとって、
膜厚Tとテーパ量Δとの関係を示した曲線図である。
【0030】この曲線図から理解されるように、第2密
封環14に圧力歪が生じる高圧条件下では、その形状に
拘わらず、炭化珪素膜142を有しない場合(T=0m
m)には第2密封端面14aは外高状態に変形するが、
炭化珪素膜142を有する場合にも、それが薄いときに
は第2密封端面14aは外高状態に変形することにな
る。膜厚Tを増大するに従って、外高状態であることに
変わりはないが、そのテーパ量Δは減少していく。そし
て、膜厚Tが或る値T0 に達すると、第2密封端面14
aは外高状態から平行状態に移行する。更に、膜厚Tが
増大すると、第2密封端面14aが平行状態から内高状
態に移行する。このように膜厚Tを増大させていくと、
第2密封端面14aは外高状態から内高状態に移行し、
その移行途中において、必ず、第2密封端面14aが平
行状態となる。このときの膜厚Tの寸法が前記した平行
状態維持値T0 であり、如何なる形状の密封環14にお
いても、かかる平行状態維持値T0 は存在する。また、
膜厚Tが平行状態維持値T0を超える場合、膜厚Tを増
大するに従って、外高状態であることに変わりはない
が、そのテーパ量Δは増大していく。
【0031】すなわち、膜厚Tと高圧条件下での第2密
封端面14aの形状との間には、 膜厚TがT<T0 の範囲にあるときは、密封端面1
4aは外高状態に変形して、そのテーパ量Δが膜厚Tが
増大するに従って減少する、 膜厚TがT=T0 であるときは、密封端面14aは
圧力歪により変形されずに、平行状態に維持される、 膜厚TがT>T0 の範囲にあるときは、密封端面1
4aは内高状態に変形して、そのテーパ量Δは膜厚Tが
増大するに従って増加する、 といった関係があり、かかる関係は、平行状態維持値T
0 は密封環14の形状によって異なるものの、密封環1
4の形状等のシール条件に拘わらず、常に成立すること
になる。また、密封環14の形状が異なる場合にあって
も、当該密封環14の基本的寸法(主として、密封環1
4の全長L及びノーズ部141aの突出量L0 )が同等
であれば、密封端面14aが平行状態に維持される膜厚
寸法つまり平行状態維持値T0 は同等となる。
【0032】このことは、実験により確認された。すな
わち、第2密封環14の形状を異にする他は上記した実
験で使用したと同一構造の第1シールを使用して、上記
した実験と同一条件で実験した。この実験においては、
第2密封環14として図4(A)(B)(C)に示す3
種類のものを使用した。各第2密封環14における全長
L及びノーズ部141aの突出量L0 (図4(C)のも
のを除く)は、上記実験で使用したものと同一とした。
その結果、何れの場合にも、第2密封端面14aが、T
<0.8mmでは外高状態、0.8mm≦T≦1.2m
mでは平行状態、T>1.2mmでは内高状態となっ
た。また、第2密封端面14aのテーパ量Δは、外高状
態では膜厚Tが大きくなるに従って小さくなり、逆に、
内高状態では膜厚Tが大きくなるに従って大きくなっ
た。また、これらの実験を含めて、同種の実験を数多く
行なった結果、第2密封環14の形状等のシール条件に
もよるが、一般的には、平行状態維持値T0 は、0.3
mm〜3.0mmの範囲において見出すことができ、ま
た第2密封環14(ノーズ部141aを有しないものを
含む)の全長Lを基準としてL/90≦T0 ≦L/3の
範囲若しくはノーズ部141aの突出量L0 を基準とし
てL0 /20≦T0 ≦2L0 /3の範囲で見出すことが
できることが判明した。なお、平行状態維持値T0 は、
両密封端面12a,14aの平行度が適正なシール機能
を発揮しうる一定の許容範囲内のものとなるような状態
に第2密封端面14aが維持されるときの膜厚寸法を意
味する。したがって、平行状態維持値T0 には或る程度
の幅があり、T=T0 の場合にも、厳格な意味では、第
2密封端面14aが外高状態又は内高状態に変形するこ
とになる場合もありうるが、その場合においても、テー
パ量Δは上記平行度が許容範囲となる程度の微小なもの
である。
【0033】したがって、上記した構成の第1シールM
1 によれば、膜厚Tを平行状態維持値T0 としておくこ
とによって、被密封流体領域A1 の圧力変動に拘わら
ず、第2密封端面14aを第1密封端面12aに平行す
る適正状態に維持させておくことができるのであり、カ
ーボン製の密封環本体141に圧力歪を生じるような高
圧条件下においても、密封端面12a,14a間を適正
な非接触状態に維持して、良好なシール機能を発揮する
ことができる。
【0034】また、図6及び図7は第2シールの実施の
形態を示したものであり、この第2シールは、例えば密
封端面の外周側を被密封流体領域とする場合、テーパフ
ェースシールm2 における第2密封端面24aの形態と
動圧形シールm1 において第2密封端面14が内高状態
に変形されたときの形態とが酷似すること、及び高圧条
件下におけるカーボン製密封環の密封端面変形と当該密
封端面を構成する炭化珪素膜の膜厚との間に上記〜
のような関係があり、膜厚を調整することによって当該
密封端面の高圧条件における形態を制御できることに着
目して、被密封流体領域が一定圧以上に昇圧された場合
に、軸線方向に直交する環状平面とされた第2密封端面
がテーパフェースシールm2 におけると同様の環状テー
パ面に自動的に変形して、良好なテーパフェース機能を
発揮しうるように工夫されたものである。
【0035】すなわち、この実施の形態における第2シ
ールM2 は、図6に示す如く、回転軸(例えば、インペ
ラ軸)21に固定された第1密封環22とこれに直対向
してシールケース(例えば、ポンプケーシング)23に
保持された第2密封環24とを具備して、両密封環2
2,24の対向端面たる密封端面22a,24a間に
て、その外周側領域である被密封流体領域(例えば、ポ
ンプ室)A1 とその内周側領域である非密封流体領域
(例えば、シールケース23外に連通する大気領域)L
とを、テーパフェースシール機能によりシールするよう
に構成されている。この第2シールM2 は、以下に述べ
る第2密封環24の構成を除いて、図10に示す公知の
テーパフェースシールm2 と同一構造をなすものである
から、これと同一部材については同一の符号を付すこと
によっって、その詳細は省略する。なお、第1密封環2
2は、その密封端面たる第1密封端面22aを軸線に直
交する環状平面としたもので、WC,SiC等の超硬質
材で構成して、カーボン製の密封環が圧力歪を生じるよ
うな高圧条件下においても、第1密封端面22aが圧力
歪により変形されることのないものである。
【0036】而して、この第2シールM2 にあっては、
本発明に従って、第2密封環24を、図6及び図7
(A)に示す如く、第1密封環22の構成材より軟質の
カーボンからなる密封環本体241と、第2密封端面2
4aを形成すべき部分である密封環本体241の先端部
に常法により被覆形成された炭化珪素膜242とで構成
してある。炭化珪素膜242は、その膜厚Tを均一とさ
れたもので、その膜表面を第1密封端面22aに平行す
る環状平面をなす第2密封端面24aに構成してある。
つまり、第2密封端面24aは、カーボン製の密封環本
体241に被密封流体による圧力歪が全く生じない又は
殆ど生じない低圧条件下(例えば、運転初期の状態)で
は軸線に直交する平滑面をなすように、鏡面加工された
ものである。
【0037】そして、かかる第2シールM2 の第2密封
端面24aについても、炭化珪素膜242の膜厚Tとの
間に上記〜の関係が成立することから、炭化珪素膜
242の膜厚(表面を密封端面に鏡面加工した後の膜
厚)Tを平行状態維持値T0 を超えるものに設定して、
カーボン製の密封環本体241に被密封流体による弾性
限度内の圧力歪が生じる高圧条件下(当該第1シールM
1 が通常運転されている状態)において、当該炭化珪素
膜242に生じる弾性歪と前記密封環本体241に生じ
る圧力歪との干渉により第2密封端面24aが第1密封
端面22aとの間に非密封流体領域A1 方向に漸次窄ま
る断面楔状の環状空間27を形成しうる環状テーパ面に
弾性変形されるように工夫してある。なお、第2シール
2 の第2密封環24についても、第1シールM1 の第
2密封環14におけると同様に、平行状態維持値T
0 は、一般に、0.3mm〜3.0mmの範囲で、また
は第2密封環24の全長(膜厚Tを含む軸線方向長さ)
Lを基準としてL/90≦T0 ≦L/3の範囲で見出す
ことできる。
【0038】また、T>T0 であれば、膜厚Tを如何な
る値としても、第2密封端面24aを内高状態に弾性変
形させることができるが、その変形量つまり第2密封端
面24aのテーパ量Δは上記した如く膜厚Tの増大に従
って大きくなる。一方、テーパフェースシール機能を良
好に発揮するに最適なテーパ量Δには一定の制限があ
り、一般に、3μm〜50μmである。したがって、膜
厚Tを決定するに当たっては、Δ=3μm〜50μmと
なるように配慮しておく必要があり、第2密封環24の
形状等のシール条件にもよるが、一般には、膜厚Tを2
mm〜8mm程度に設定しておくことが好ましい。
【0039】以上のように構成された第2シールM2
よれば、被密封流体領域A1 の圧力条件に応じて第2密
封端面24aが自動的に弾性変形して、良好なテーパフ
ェースシール機能が発揮される。
【0040】すなわち、第2シールM2 の運転により、
被密封流体領域A1 が一定圧以上に昇圧されると、膜厚
TがT>T0 とされていることから、図7(B)に示す
如く、密封環本体241と炭化珪素膜242との歪干渉
により第2密封端面24aが内高状態に弾性変形され
て、つまり凸状の環状テーパ面に変形されて、密封端面
22a,24a間に被密封流体の漏れ方向(非密封流体
領域A2 方向)に漸次狭まる断面楔状の環状空間27が
形成されることになる。その結果、冒頭で述べたテーパ
フェースシールm2 と同様の原理により、密封端面22
a,24a間が一定の微小隙間たる平衡隙間S0 に保持
されることになる。
【0041】すなわち、第2シールM2 がテーパフェー
スシールm2 に相当する構造に変化し、図11及び図1
2に示す如く、第2密封環24の背面に作用する被密封
流体圧力Pによる背圧によって(より正確には、背圧及
びスプリング26による附勢力によって)生じる閉力F
C と環状空間7に侵入した被密封流体の圧力(静圧)に
よって生じる開力FO とがバランスされることになり、
密封端面22a,24a間の隙間Sが一定の平衡隙間S
0 に保持されることになる。
【0042】そして、このようなテーパフェースシール
構造となすための第2密封端面24aのテーパ量Δは圧
力歪によって確保されたものであるから、冒頭で述べた
テーパフェースシールm2 における如く圧力歪によって
テーパ量Δが減少したり環状空間27が消失したりする
ことがなく、良好なテーパフェースシール機能が発揮さ
れることになる。
【0043】一方、シール運転が開始された直後等にお
いては、つまり第2密封環24に圧力歪が生じない(回
転軸21の停止等による圧力低下により圧力歪が消失し
た場合を含む)低圧条件下においては、第2密封端面2
4aは変形されず又は元の状態に弾性復帰して、軸線方
向に直交する環状平面となり、密封端面22a,24a
が平行状態となる。このように密封端面22a,24a
が平行する状態では、密封端面22a,24a間を背圧
たる閉力FC に抗して開くだけの開力FO は生じない。
したがって、テーパフェースシール機能は発揮されない
が、密封端面22a,24aが流体膜を介して相対回転
摺接することによって、所謂端面接触形シールと同一の
機能により、良好なシール機能が発揮されることにな
る。すなわち、テーパフェースシール機能が発揮されな
い低圧条件下においても、テーパフェースシール構造か
ら端面接触形メカニカルシール構造へと自動的に変化し
て、良好なシール機能を発揮し、密封端面22a,24
a間から大量漏れが生じるようなことはない。
【0044】なお、テーパフェースシールm2 において
は、第2密封端面24aをテーパ面に鏡面加工しておく
必要があるが、そのテーパ量Δは微小である(密封環2
2,24の径等のシール条件にもよるが、一般にはΔ=
3μm〜50μm程度である)から、このような加工は
極めて困難であり、密封端面24aの加工費(ひいては
密封環24の製作費)が徒に高騰する上、適正な加工精
度を確保することも容易ではない。しかし、第2シール
2 では、第2密封端面24aをテーパ面に加工してお
く必要がないから、このような加工上,製作上の問題は
ない。
【0045】ところで、第1及び第2シールM1 ,M2
の構成は、上記した実施の形態に限定されるものではな
く、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、適宜
に改良,変更することができる。
【0046】例えば、前記した構成の第1及び第2シー
ルM1 ,M2 は、何れも、密封端面の内周側領域が被密
封流体領域A1 となり且つ外周側領域が非密封流体領域
2となる場合にも使用することができる。但し、この
場合、第2密封端面14a,24aにおける外高状態と
内高状態との関係は、前記した場合と逆になる。例え
ば、第2シールM2 においてT>T0 とすると、高圧条
件下では、第2密封端面24aが外高状態に変形して、
テーパフェースシール機能を発揮する。また、第1密封
環12,22をシールケース13,23側に設け、第2
密封環14,24を回転軸11,21側に設けるように
することも可能である。
【0047】
【発明の効果】以上の説明からも容易に理解されるよう
に、本発明によれば、カーボン製の第2密封環を使用し
た非接触形メカニカルシールにおいて不可避的に発生す
る第2密封端面の圧力歪によるシール機能低下を、第2
密封端面を特定の膜厚とした炭化珪素膜で構成すること
によって、確実に防止し得て、第2密封環に圧力歪が生
じる高圧条件下においても、良好なシール機能を発揮す
る非接触形メカニカルシールを提供することができる。
しかも、膜厚の調整により、高圧条件下における第2密
封端面の形状を自由に制御することができるから、シー
ル構造を含むシール条件に応じて、良好なシール機能を
発揮しうる非接触形メカニカルシールを容易に設計,製
作することができ、設計通りのシール機能を発揮させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1シールの一例を示す半截の縦断側面図であ
る。
【図2】図1の要部を拡大して示す作用説明図である。
【図3】膜厚が不適正な場合における第2密封端面の変
形状態を示す図2相当図である。
【図4】第1シールにおける第2密封環の変形例を示す
縦断側面図である。
【図5】膜厚Tと第2密封端面のテーパ量Δとの関係を
示した曲線図である。
【図6】第2シールの一例を示す半截の縦断側面図であ
る。
【図7】図6の要部を拡大して示す作用説明図である。
【図8】従来の動圧形シールを示す半截の縦断側面図で
ある。
【図9】図8の要部を拡大して示す作用説明図である。
【図10】従来のテーパフェースシールを示す半截の縦
断側面図である。
【図11】第2密封端面が加工された又は弾性変形され
た環状テーパ面である場合において両密封端面間に作用
する圧力分布ないし開閉力を示す説明図である。
【図12】第2密封端面が加工された又は弾性変形され
た環状テーパ面である場合における両密封端面間の隙間
と開閉力との関係を示す曲線図である。
【符号の説明】 11,21…回転軸、12,22…第1密封環、12
a,22a…第1密封端面、13,23…シールケー
ス、14,24…第2密封環、14a,24a…第2密
封端面、141,241…密封環本体、141a…ノー
ズ部(密封環本体の一部分であって第2密封端面を形成
すべき部分)、142,242…炭化珪素膜、27…環
状空間、A1 …被密封流体領域、A2 …非密封流体領
域、M1 …第1シール(非接触形メカニカルシール)、
2 …第2シール(非接触形メカニカルシール)、T…
膜厚、Δ…テーパ量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/34 - 15/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1密封環とその構成材より軟質のカー
    ボンからなる第2密封環とを、第2密封環に被密封流体
    により弾性限度内の圧力歪が生じる高圧条件下で相対回
    転させることにより、両密封環の対向端面たる第1及び
    第2密封端面間にてその内外周側領域である被密封流体
    領域と非密封流体領域とをシールするように構成された
    非接触形メカニカルシールにおいて、 第2密封環をカーボン製の密封環本体とその一部分であ
    って第2密封端面を形成すべき部分に被覆形成された炭
    化珪素膜とで構成して、 その膜表面を、上記圧力歪が生じない低圧条件下におい
    て第1密封端面に平行する環状平面をなす第2密封端面
    に構成すると共に、 その膜厚を、上記高圧条件下において、第2密封端面が
    上記した低圧条件下での形状を維持すべく、当該炭化珪
    素膜が前記密封環本体に生じる圧力歪とバランスする弾
    性歪を生じるように、設定したことを特徴とする非接触
    形メカニカルシール。
  2. 【請求項2】 第1密封環とその構成材より軟質のカー
    ボンからなる第2密封環とを、第2密封環に被密封流体
    により弾性限度内の圧力歪が生じる高圧条件下で相対回
    転させることにより、両密封環の対向端面たる第1及び
    第2密封端面間にてその内外周側領域である被密封流体
    領域と非密封流体領域とをシールするように構成された
    非接触形メカニカルシールにおいて、 第2密封環をカーボン製の密封環本体とその一部分であ
    って第2密封端面を形成すべき部分に被覆形成された炭
    化珪素膜とで構成して、 その膜表面を、上記圧力歪が生じない低圧条件下におい
    て第1密封端面に平行する環状平面をなす第2密封端面
    に構成すると共に、 その膜厚を、上記高圧条件下において、当該炭化珪素膜
    に生じる弾性歪と前記密封環本体に生じる圧力歪との干
    渉により第2密封端面が第1密封端面との間に非密封流
    体領域方向に漸次窄まる断面楔状の環状空間を形成しう
    る環状テーパ面に弾性変形されるように、設定したこと
    を特徴とする非接触形メカニカルシール。
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