JP3017745U - アンカー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンカー部鉄筋にねじ加工する際に生ずる作
業難、コスト高等の問題を解決しかつアンカー効果も十
分なアンカーを提供する。 【構成】 ねじ筒部(1)と鉄筋部(2)を有している。該ね
じ筒部(1)はその軸孔(11)の全長にわたり切られたねじ
部(12)を備え、該鉄筋部(2)は直状部(21)と波状部(22)
を備えている。また、該鉄筋部(2)の直状部(21)は該ね
じ筒部(1)の軸孔(11)にその一端から嵌合し該ねじ筒部
(1)の変形部(13)でそのねじ部(12)により咬着されてい
る。該直状部(21)の全長が該軸孔(11)に没入している。
該直状部(21)は曲率半径の大きいうねり形の該波状部(2
2)の両側に形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は鉄筋コンクリート製品に埋設されるアンカーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３に示したように、一端部にねじ４１を切り他端部を屈曲してＵ字状部４２ を形成した鉄筋アンカー部４３をそのねじ４１で長ナット４４にねじ込んでから 両者を熔接４５し、ろう付けし、又はかしめている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

アンカー部鉄筋にねじ加工するのは厄介で、これを長ナットと螺合するのも面 倒な作業である。単なる螺合では抜ける恐れがあるため、熔接等を必要とする。 アンカー部鉄筋にねじを切るとねじの谷部分での直径が小さくなり、大きな荷 重を受けるとこの部分で欠損し易い。また加工費が高くなるため製品価格も上が る。

【０００４】 アンカー部鉄筋にＵ字形の屈曲部を形成すると、狭い間隔の配筋の間を通す場 合にこの屈曲部を間隔方向と平行に向けなくてはならず、大変厄介である。 本考案はこれらの問題を解決できかつアンカー効果も十分なアンカーを提供す ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかるアンカーはねじ筒部と鉄筋部を有している。該ねじ筒部はその 軸孔の全長にわたり切られたねじ部を備えている。また、該鉄筋部は直状部と波 状部を備えている。そして、該鉄筋部の直状部は該ねじ筒部の軸孔にその一端か ら嵌合し該ねじ筒部の変形部でそのねじ部により咬着されている。 この変形の仕方は、通常のようにかしめたり、たがねを用いて行う等、自由に 選択できる。

【０００６】 該直状部の全長が該軸孔に没入している。 該直状部は該波状部の両側に形成されている。 該波状部は曲率半径の大きいうねり形となっている。

【０００７】

【作用】

ねじ筒部と、直状部及び波状部を形成した鉄筋部を、別個に用意する。このね じ筒部に鉄筋部の直状部を挿し込み、このねじ筒部を外部から変形させることに より、ねじ部が直状部の外周に咬みついてねじ筒部と鉄筋部が強固に一体化され る。従って、ねじ込み、熔接やろう付けは必要ない。

【０００８】 このアンカーは、その鉄筋部を通常のようにコンクリート製品構成用型枠内の 配筋間に介在させてねじ筒部の開口面を型枠面に治具を用いて取付ける。 ここで型枠内にコンクリートを打設し、その固化をまって脱型すれば自身の表 面にアンカーが開口したコンクリート製品が得られる。

【０００９】 鉄筋部は波状部を備えているので、アンカー効果が大となり、また、ねじ筒部 の軸線上に配筋があっても、この配筋がこの波状部に適合する位置を通っていれ ば、この波状部に跨いで配置できる。 また、直状部にねじが切られないので欠損がおきにくい。

【００１０】 更にねじ筒部と鉄筋部がかしめ一体型式なので、螺合型式のように内外径寸法 の適合が必要なく、厳密な寸法チェックは不要にできる。 該直状部の全長が軸孔に没入していると、コンクリート製品の表面から比較的 浅い層で波状部による抜け抵抗作用が発揮される。

【００１１】 該直状部が波状部の両側に形成されていると、ねじ筒部と鉄筋部の位置関係が 二者択一となり、各場合でアンカーとしての外形が変化するので、設置場所等の 制約を受ける場合に都合よい。 該波状部が曲率半径の大きいうねり形となっていると、コンクリート打設前の 配筋間へのインサートの挿入及び取付けが容易で、取扱いも安全となる。

【００１２】

【実施例】

１はねじ筒部、２は鉄筋部である。 ねじ筒部１はその軸孔１１の全長にわたって切られたねじ部１２を備えている 。鉄筋部２は直状部２１と波状部２２を備えている。そして、鉄筋部２の直状部 ２１はねじ筒部１の軸孔１１にその一端から嵌合し、ねじ筒部１の変形部１３で そのねじ部１２の変形により咬着されている。この鉄筋部２としては図示のよう な異形棒鋼の採用が望ましい。図示の例で１３はかしめた場合を示しているが、 たがねを用いてねじ筒部１を変形させ、これによりねじ筒部１と鉄筋部２を一体 化させてもよい。

【００１３】 このアンカーは通常のように、成形用型枠３１の内面にねじ筒部１の軸孔１１ の他端の開口面を当てかって、治具によりこの型枠３１に取付けられる。配筋３ ２はその波状部２２で跨ぐので支障にならない。この波状部２２はアンカー効果 を大にする。

【００１４】 型枠３１内に打設されて固化したコンクリート製品３３の脱型作業等でこのア ンカーに引張荷重が加わっても、ねじ筒部１のねじ部１２が鉄筋部２の直状部２ １に緊く咬み着いているので、鉄筋部２の波状部２２の抵抗力が有効に働き、ね じ筒部１やアンカー全体が製品から抜けることはない。

【００１５】 直状部２１の全長が軸孔１１に没入している。こうすると、コンクリート製品 ３３の表面から比較的浅い層で波状部２２による抜け抵抗作用が発揮される。

【００１６】 直状部２１は波状部２２の両側に形成されている。こうすると、ねじ筒部１と 鉄筋部２の位置関係が二者択一となり、各場合でアンカーとしての外形が変化す るので、設置場所等の制約を受ける場合に都合よい。

【００１７】 波状部２２は曲率半径ｒが大きいうねり形となっている。こうすると、コンク リート打設前の配筋３２間へのインサートの挿入及び取付けが容易で、取扱いも 安全となる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によれば、ねじ筒部を変形させることによりそのねじ部で鉄筋部の直状 部を咬着しているので、一体化作業が楽で、鉄筋部にねじを切らないので強度を 損なうことがなくかつ余分な作業を省け、鉄筋部は波状部を有しているので配筋 が邪魔になる場合はこの波状部で跨いで避けることができ、この波状部により抜 け抵抗を大にでき、コストも低減できる。

【００１９】 請求項２によれば、コンクリート製品の表面から比較的浅い層で波状部による 抜け抵抗作用を発揮させることができる。

【００２０】 請求項３によれば、ねじ筒部と鉄筋部の位置関係を二者択一にでき、各場合で アンカーとしての外形が変化するので、設置場所等の制約を受ける場合の適合性 を高められる。

【００２１】 請求項４によれば、コンクリート打設前の配筋間へのインサートの挿入及び取 付けを容易にでき、取扱いも安全となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるアンカーの具体例をねじ筒部と
鉄筋部が離れた状態で示す一部切断側面図である。

【図２】アンカーの一部切断側面図である。

【図３】従来のアンカーの一部切断側面図である。

【符号の説明】

１ ねじ筒部 ２ 鉄筋部 １１ 軸孔 １２ ねじ部 １３ 変形部 ２１ 直状部 ２２ 波状部 ３１ 型枠 ３２ 配筋 ３３ 製品

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ねじ筒部(1)と鉄筋部(2)を有し、 該ねじ筒部(1)はその軸孔(11)の全長にわたり切られた
   ねじ部(12)を備え、 該鉄筋部(2)は直状部(21)と波状部(22)を備え、 該鉄筋部(2)の直状部(21)は該ねじ筒部(1)の軸孔(11)に
   その一端から嵌合し該ねじ筒部(1)の変形部(13)でその
   ねじ部(12)により咬着されていることを特徴とするアン
   カー。
2. 【請求項２】 該直状部(21)の全長が該軸孔(11)に没入
   している請求項１に記載のアンカー。
3. 【請求項３】 該直状部(21)は該波状部(22)の両側に形
   成されている請求項１又は２に記載のアンカー。
4. 【請求項４】 該波状部(22)は曲率半径の大きいうねり
   形となっている請求項１に記載のアンカー。