JP3017573U - 包装用枠及び包装用枠付包装用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 包装用容器に装着して使用するスカート付の
包装用枠を、整然と容器内に装着できるようにすること
を目的とする。 【構成】 上面に被包装物を安定保持するための凹凸３
が形成されたスカート５付の包装用枠Ａにおいて、前記
スカート５は下方へ向けて広がったテーパー面とし、枠
の上面の隅部４を切欠して包装用枠を構成する。 【効果】 切欠された隅部４においてスカート５を内側
へ屈曲させることによりスカートの外側面は容器周壁の
内側面に沿った角度に自動修正され、スカートは無理な
く容器周壁に当接する。また、スカート５によって枠の
移動が規制される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、果物その他の被包装物を安定載置するための包装用枠、及び包装 用枠付包装用容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

果物を包装するために容器に装着して使用する包装用枠として、本願考案の上 板部分のみからなるものは知られており、現に実用化されている。 ところで、ビワや贈答用の苺などの高級果物を包装する場合、見栄えの良さが 要求されるが、上記従来の包装用枠においては枠の周縁部の剛性が低く形態が不 安定であり、容器に装着した際に形が歪み、見栄えが悪くなることが避けられな い。特に輸送時の横揺れによって一方に偏ることが多い。 また、透明な合成樹脂製容器に装着する場合には、側面から果物を抱持するた めの凹部が透視でき、美観上好ましくない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

枠の周縁部の形態を安定させ、かつ透明な容器に装着した際にも果物抱持用の 凹部が見えないようにするためには、果物などの被包装物を載置する上板の周縁 にスカートを連設すればよい。しかしながら合成樹脂の成形上、上板に凹凸を有 する包装用枠のスカートは下に向けて広がるテーパー面とならざるを得ず、一方 上方が開口した容器の周壁は、上に向って広がるテーパー面とならざるを得ない 。すなわち、包装用枠のスカートと容器の周壁とは逆テーパーであるから、容器 に無理なく収る大きさの包装用枠を装着すると、上板周縁と容器周壁との間に間 隙Ｓが生じて見苦しい（図８参照）。また、前記間隙が生じない大きさの枠とす ると、テーパーをなすスカートの装着に寸法上の無理がかかり、装着作業に手間 取るのみならず、スカートの各面中央部が内側へ湾曲して容器の周壁から離れて しまうので見栄えが悪い。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、上方が開口した容器に嵌装される合成樹脂シート製の包装 用枠を、被包装物が載置される多角形状の上板と、この上板の周縁に連設された スカートとを有するものとし、上板及びスカートを以下のように構成したもので ある。 すなわち、前記上板は上面に被包装物を安定保持するための凹凸を形成すると 共に、隅部を切欠してある。 前記スカートは前記上板の全周にわたり連続して、前記上板と一体的に形成し 、 その下縁が前記容器の底に接する上下寸法とし、外側面は下方に向けて広がった テーパー面に形成してある。 請求項２の考案は、被包装物を安定保持するための凹凸を、被包装物である果 実を抱持する半球状凹部としたものである。 請求項３の考案は、上板隅部の切欠形状を、上板の内側に向けて凸をなす円弧 状又は屈曲した直線状としたものである。 請求項４の考案は、スカートの下縁形状を、隅部において上板の内側に向けて 凸をなす円弧状又は屈曲した直線状としたものである。 請求項５の考案は、上方が開口し、その周壁内側面は上方へ向けて広がったテ ーパー面に形成された多角形状の容器に、請求項１ないし４の何れかに記載の包 装用枠を嵌装して構成した枠付包装用容器であって、包装用枠のスカート外側面 は上下にわたり前記容器の周壁内側面に当接し、包装用枠のスカートは隅部にお いて内側へ屈曲している。

【０００５】

【作用】

この考案の包装用枠において、前記上板の全周にわたりスカートを連設してあ るので、上板の剛性が増して歪が可及的に防止される。特に、スカートと容器側 壁とが面接触となるので、横方向の振動を受けても枠が移動することなく、輸送 による偏りも未然に防止される。また、スカートが上板の凹凸を隠すので、透明 容器を使用した場合にも凹凸が見えることなく、見栄えが良い。 次に、上板は隅部を切欠してあるので、上板隅部に連設されたスカートと容器 との間に間隙が得られる。そのために、容器に装着した際に隅部スカートを内側 へ屈曲させることによりスカートのテーパーが吸収され、スカートの外側面は容 器周壁の内側面に沿った角度に自動修正されるので、スカート外側面は無理なく 容器周壁の内側面に当接する。 特に、請求項３のように上板隅部を内側に凸となる円弧状又は屈曲した直線状 としたり、請求項４のようにスカート下縁を内側に凸となる円弧状又は屈曲した 直線状としたりすると、容器周壁に沿ってスカートが内側へ変形する力が円弧状 部の中心部又は直線の屈曲部に集中し、スカートの内側への屈曲が容易であり、 かつ屈曲状態が整然とする。

【０００６】

【実施例】

図１において、符号Ａは上方が開口した平面方形とした透明な合成樹脂容器で あって、その周壁１の内側面は上に向けて広がったテーパー面をなしている。 符号Ｂは前記容器Ａに嵌装される包装用枠であり、発泡合成樹脂シートの成形 加工により得られるものである。

【０００７】 前記包装用枠Ｂは上板２には、ビワや苺などの果物を安定保持するために、果 物を抱持する半球状の凹部３が複数形成してある。そして、上板２の形状、大き さは前記容器Ａの所望の深さ位置において上板２の周縁２ａが容器Ａの周壁の内 側面に当接するものとしてあり、四隅部に切欠縁４が形成してある。 前記上板２の周縁には全周にわたりスカート５が一体的に連設してあり、スカ ート５の外側面は下に向けて開いたテーパー面となっている。 また、スカート５の上下寸法は容器Ａに装着した際にその下縁が容器の底に当 接する長さとしてある。

【０００８】 上記上板２の切欠縁４は、上板２の内側に向けて凸をなす円弧状としてあり、 ここに連設されたスカート５もこれに対応した面形状であって、スカート５の隅 部５ａ下縁も同様に上板の内側に向けて凸をなす円弧状としてある（図６参照） 。

【０００９】 上記実施例に示す包装用枠Ｂのスカート５は容器Ａの周壁内側面とテーパーの 向きが逆である。そのため、包装用枠Ｂを容器Ａに装着すると、包装用枠Ｂを容 器Ａの下方へ押込む際にスカート５は容器の周壁の押圧されて内側向きの力を受 ける。この力によってスカート５は内側へ変形すると共に、容器周壁との間に間 隙のある隅部５ａに力が集中し、この力によって円弧状をなす隅部のスカート５ ａは内側へ屈曲する。この隅部５ａの屈曲により包装用枠Ｂと容器Ａとのテーパ ーが逆であることによる寸法差が吸収されるので、スカート５の外側面は容器Ａ の周壁内側面に無理なく当接する。

【００１０】 上記実施例に示す包装用枠Ｂを容器Ａに嵌装装着した状態のものが、この考案 の包装用枠付包装用容器の実施例である。

【００１１】 上記のように、包装用枠Ｂと容器Ａとのテーパーの差がスカート隅部の屈曲に より吸収され、スカート５は容器の周壁内側面に当接するので、包装用枠Ｂの上 板２の周縁２ａと容器周壁との間に図８のような間隙が生じることもない。そし て、果実を抱持する凹部３はスカート５によって隠される。

【００１２】 上記実施例においては、上板２の隅部４及びスカートの隅部５ａを円弧状とし たが、図７のように屈曲直線状に処理することもでき、この場合にはスカート隅 部５ａは稜線６に沿って屈曲される。 なお、隅部は内側に凸になるように処理することにより、スカート隅部の屈曲 の案内となり整然とした屈曲状態が得られるが、内側に凸とすることは必須では ない。また、被包装物保持用の凹凸は包装する物に対応させて適宜の形状とすれ ばよく、包装物も果物に限られるものではない。

【００１３】

【考案の効果】

この考案によれば、包装用枠にスカートを設けたので、上板の剛性が増して振 動などによる撓みや容器内での偏りを未然に防止することができる。そして、上 板隅部に切欠部を設けて隅部においてスカートと容器周壁との間に間隙が得られ るようにしたので、下に向けて広がるテーパーをなすスカートが容器周壁に沿っ た傾斜に変形する際に生じる力、寸法差を前記スカートの隅部の屈曲によって吸 収することができ、スカート外面と容器周壁の内側面とを当接させることができ る。 したがって、この考案によれば収納安定性が良く、かつ見栄えの良い包装状態 を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案実施例の分解斜視図である。

【図２】 同じく包装用枠を容器に装着した状態の縦端
面図である。

【図３】 同じく包装用枠を容器に装着した状態の横端
面図である。

【図４】 同じく包装用枠の縦端面図である。

【図５】 同じく容器の縦端面図である。

【図６】 同じく包装用枠の隅部拡大平面図である。

【図７】 隅部を屈曲直線状とした包装用枠の隅部拡大
平面図である。

【図８】 比較説明のための断面図である。

【符号の説明】

Ａ 容器 Ｂ 包装用枠 １ 周壁 ２ 上板 ２ａ 上板の周縁 ３ 凹部 ４ 隅部 ５ スカート ５ａ スカートの隅部 ６ 稜線

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方が開口した容器に嵌装される合成樹
   脂シート製の包装用枠であって、被包装物が載置される
   多角形状の上板と、この上板の周縁に連設されたスカー
   トとを有し、前記上板は上面に被包装物を安定保持する
   ための凹凸が形成され、隅部は切欠され、前記スカート
   は前記上板の全周にわたり連続して、前記上板と一体的
   に形成され、その下縁が前記容器の底に接する上下寸法
   とされ、その外側面は下方に向けて広がったテーパー面
   に形成された、包装用枠
2. 【請求項２】 被包装物を安定保持するための凹凸は、
   被包装物である果実を抱持する半球状凹部とした、請求
   項１記載の包装用枠
3. 【請求項３】 上板隅部の切欠形状は、上板の内側に向
   けて凸をなす円弧状又は屈曲直線状とされた、請求項１
   又は２に記載の包装用枠
4. 【請求項４】 スカートの下縁形状は、隅部において上
   板の内側に向けて凸をなす円弧状又は屈曲直線状とされ
   た、請求項１ないし３の何れかに記載の包装用枠
5. 【請求項５】 上方が開口し、その周壁内側面は上方へ
   向けて広がったテーパー面に形成された多角形状の容器
   に、請求項１ないし４の何れかに記載の包装用枠が嵌装
   され、包装用枠のスカート外側面は上下にわたり前記容
   器の周壁内側面に当接し、包装用枠のスカートは隅部に
   おいて内側へ屈曲された、包装用枠付包装用容器