JP3015619U - 釣り用手袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 釣り針の脱落及び覆体の甲部からの分離を招
くことなく確実に釣り針が保持できる釣り用手袋を安価
に提供することを目的とする。 【構成】 親指、人差し指、中指の第一関節部分から指
先が出るように指袋をカットした手袋主体１の甲部２
に、釣り針を吸着するゴム製で矩形の磁性板３を、縫着
手段により固定するとともに、前記磁性板３に覆い被さ
る面積であって、磁性板３の表面に接する面が大なる摩
擦抵抗を有する生地又は生地と粗面ゴムシートを積層し
た柔軟性材料からなる覆体４の一端縁を甲部２に縫着固
定し、覆体４の開閉自由端となる縁部内面と、該縁部内
面が対応する甲部２の表面とに、雌、雄面ファスナー
５、６を設けた釣り用手袋の構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、釣り人が、滑止防止、汚れ防止、寒さ防止等を目的として使用する 釣り用手袋の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に釣り用手袋は、釣り針の糸付け、釣り針への餌付け等の指先作業を容易 にするために、指袋の全部又は一部の指先部分をカットした手袋が多く使用され ている。

【０００３】 特に、釣り場における釣り針への糸付け作業は、回遊時期、魚種等に応じて迅 速に行う必要があるが、通常、釣り針は釣り糸や餌等を一緒に収納した釣り道具 箱に収納されており、これから一々釣り針を取り出して糸付け作業をしていたの では、釣り上げのタイミングを失することになる。

【０００４】 このため、釣り針の糸付け作業を迅速にできるように、前記指先部分をカット した手袋の甲部に、雌雄面ファスナーの一方の全周縁を装着し、かつ前記甲部に 雌雄面ファスナーの他方の一側縁を開閉自在に装着し、前記甲部に全周縁を装着 した方の面ファスナーの中央部に釣り針吸着用磁性板を装着し、前記甲部に一側 縁を装着した方の面ファスナーで磁性板を覆体で被覆するようにした釣り用手袋 が考案され、実公平１−２４０９９号公報により公知となっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが前記公知の釣り用手袋は、釣り針を吸着している周囲全域を、雌雄面 ファスナーで密着する構成であるから、高価な雌雄面ファナーの使用量が多くな り不経済であるとともに、広い面積に渡って雌雄面ファスナーが密着するために 被覆密着力が強くなって、被覆状態においては釣り針が脱落することはないが、 覆体を開く場合に、面ファスナーを剥す場合に強い力が必要となる関係から、剥 離ショック（縫着部分で剥離がストップした場合に加わる力）で、釣り針が磁性 板から脱落したり、覆体の固定部に加わる強い力で、覆体が甲部から分離される 等の欠点があり、これらの欠点が解決すべき課題であった。

【０００６】 本考案は、釣り針の脱落及び覆体の甲部からの分離を招くことなく確実に釣り 針が保持できる釣り用手袋を安価に提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決し目的を達成するために為されたものであって、指袋 の全部又は一部の指先部分をカットした手袋主体の甲部に固定された釣り針吸着 用の磁性板を、一部が甲部に固定されて雌、雄面ファスナーを利用して開閉自在 とした覆体で覆うようにした釣り用手袋において、覆体の開閉自由端となる縁部 内面と該縁部内面が対応する甲部表面にのみ、雌、雄面ファスナー等の開閉手段 を設けたことを特徴としている。

【０００８】 なお、甲部への覆体の固定は、従来と同様一端縁部のみを縫着してもよいが、 縦、横のいずれかの中心線上を縫着するか、複数の覆体を並設して、複数の釣り 針保持部を形成し、釣り針の大小を区別して保持するようにすれば便利であり、 また、覆体として、磁性体に接する面が大なる摩擦抵抗を有する生地、ゴム等の 単一柔軟性材料又は生地にゴム等を積層若しくはコーティングした積層柔軟性材 料を使用する場合には、磁性板に吸着保持させた釣り針の滑りを押えることがで きる。

【０００９】

【作用】

上記のように構成した釣り用手袋は、従来と同様、磁性板に吸着保持させた釣 り針上に、開閉自在の覆体を被着して使用するのであるが、覆体の開閉自由端と なる縁部内面と該縁部内面が対応する甲部表面にのみ、雌、雄面ファスナー等を 使用した開閉手段を設けたから、開閉手段が覆体の自由端部とこれに対応する甲 部表面とで密着され、覆体を開く場合に強い力を必要とすることなく開閉操作を スムーズに行えるようになり、このため剥離ショック（縫着部分で剥離がストッ プした場合に加わる力）が無くなり、剥離ショックで釣り針が磁性板から脱落し たり、覆体の固定部の破損防止を解消する。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案の実施例１に係る釣り用手袋の分解平面図、図２は本考案の実施 例２に係る釣り用手袋の甲部のみを示した分解平面図、図３は本考案の実施例３ に係る釣り用手袋の甲部のみを示した分解平面図、図４は本考案の実施例４に係 る釣り用手袋の甲部のみを示した分解平面図、図５は本考案の実施例５に係る釣 り用手袋の甲部のみを示した分解平面図である。

【００１１】 （実施例１） 図１に示すように、親指、人差し指、中指の第一関節部分から 指先が出るように指袋をカットした手袋主体１の甲部２に、釣り針を吸着するゴ ム製で矩形の磁性板３を、縫着手段により固定するとともに、前記磁性板３に覆 い被さる面積であって、磁性板３の表面に接する面が大なる摩擦抵抗を有する生 地又は生地と粗面ゴムシートを積層した柔軟性材料からなる覆体４の一端縁を甲 部２に縫着固定し、覆体４の開閉自由端となる縁部内面と、該縁部内面が対応す る甲部２の表面とに、雌、雄面ファスナー５、６を設けたことを特徴とする釣り 用手袋。

【００１２】 （実施例２） 図２に示すように、手袋主体１の甲部２への覆体４の固定が、 覆体４の縦中心線７上を縫着したものであり、該固定部を基点として開閉する覆 体４の左右の自由端縁部内面と、該縁部内面が対応する甲部２の表面に、雌、雄 面ファスナー５、６を設けたことを特徴とする釣り用手袋。

【００１３】 （実施例３） 図３に示すように、手袋主体１の甲部２への覆体４の固定が、 覆体４の横中心線８上を縫着したものであり、該固定部を基点として開閉する覆 体４の上下の自由端縁部内面と、該縁部内面が対応する甲部２の表面に、雌、雄 面ファスナー５、６を設けたことを特徴とする釣り用手袋。

【００１４】 （実施例４） 図４に示すように、二枚の磁性板３、３が、間隔９を置いて手 袋主体１の甲部２の表面に並設するとともに、これら磁性板３、３を覆う柔軟性 材料からなる覆体４の一端縁を甲部２に縫着固定し、前記間隔９部分とこれに対 応する覆体４の内面及び覆体４の開閉自由端となる縁部内面と該縁部内面が対応 する甲部２の表面とに、雌、雄面ファスナー５、６を設けたことを特徴とする釣 り用手袋。

【００１５】 （実施例５） 図５に示すように、手袋主体１の甲部２の表面に、二枚の磁性 板３、３を並設するとともに、それぞれの磁性板３、３を、一端縁部の縫着固定 部を基点として開閉する二枚の覆体４、４で被覆し、それぞれの覆体４、４の開 閉自由端となる縁部内面と該縁部内面が対応する甲部２の表面とに、雌、雄面フ ァスナー５、６を設けたことを特徴とする釣り用手袋。

【００１６】 上記実施例２乃至５の釣り用手袋は、釣り針の種類を区別して吸着保持するこ とができる。

【００１７】 なお、磁性板として、浅い凹部を形成したゴム等の弾性磁石板或は前記凹部に 針掛け突起を多数設けた場合には、釣り針の先の覆体への刺さりが防止でき、ま た釣り針を突起に整列して掛けて定位置保持を可能とするとともに、凹部による 空間が、釣り針の保護作用と甲部の保温性を良好とする。

【００１８】 また、上記各実施例の説明においては、手首部分の緊締手段について説明を省 略したが、各種の手袋に実施されているように、雌雄面ファスナー、雌雄ホック 等の緊締手段が採用されている。

【００１９】 さらに、親指、人差し指、中指の第一関節部分から指先が出るように指袋をカ ットした手袋主体１としたものについて説明したが、全部の指袋の先をカットし て指がだせるようにしたものを手袋主体とする場合もある。

【００２０】

【考案の効果】

上記のように構成した釣り用手袋は、覆体の開閉自由端となる縁部内面と該縁 部内面が対応する甲部表面にのみ、雌、雄面ファスナー等を使用した開閉手段を 設けたから、開閉手段が覆体の自由端部とこれに対応する甲部表面とで密着され 、覆体を開く場合に強い力を必要とすることなく開閉操作をスムーズに行えるよ うになり、このため剥離ショック（縫着部分で剥離がストップした場合に加わる 力）が無くなり、剥離ショックで釣り針の磁性板からの脱落防止と、覆体の固定 部の破損防止が達成できる。

【００２１】 また請求項２乃至５記載の釣り用手袋は、前記効果とは別に、釣り針の大小を 区別して保持することができ、また、覆体として、磁性体に接する面が大なる摩 擦抵抗を有する生地、ゴム等の単一柔軟性材料又は生地にゴム等を積層若しくは コーティングした積層柔軟性材料を使用する場合には、磁性板に吸着保持させた 釣り針の滑りを阻止して、確実な釣り針保持が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１に係る釣り用手袋の分解平面
図である。

【図２】本考案の実施例２に係る釣り用手袋の甲部のみ
を示した分解平面図である。

【図３】本考案の実施例３に係る釣り用手袋の甲部のみ
を示した分解平面図である。

【図４】本考案の実施例４に係る釣り用手袋の甲部のみ
を示した分解平面図である。

【図５】本考案の実施例５に係る釣り用手袋の甲部のみ
を示した分解平面図である。

【符号の説明】

１ 手袋主体 ２ 甲部 ３ 磁性板 ４ 覆体 ５ 雌面ファスナー ６ 雄面ファスナー ７ 縦中心線 ８ 横中心線 ９ 間隔

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 指袋の全部又は一部の指先部分をカット
   した手袋主体の甲部に固定された釣り針吸着用の磁性板
   を、一部を甲部に固定して雌、雄面ファスナーにより開
   閉自在とした覆体で覆うようにした釣り用手袋におい
   て、覆体の開閉用自由端となる縁部内面と、該縁部内面
   が対応する甲部表面に、雌、雄面ファスナー等を使用し
   た開閉手段を設けたことを特徴とする釣り用手袋。
2. 【請求項２】 覆体として、磁性体に接する面が大なる
   摩擦抵抗を有する生地、ゴム等の単一柔軟性材料又は生
   地にゴム等を積層若しくはコーティングした積層柔軟性
   材料を使用した請求項１記載の釣り用手袋。
3. 【請求項３】 二枚の磁性板が、間隔を置いて甲部表面
   に並設され、前記間隔部分とこれに対応する覆体の内面
   に、雌、雄面ファスナーを設けた請求項１又は２記載の
   釣り用手袋。
4. 【請求項４】 覆体の固定が、覆体の縦、横いずれかの
   中心線上を縫着するものである請求項１又は２記載の釣
   り用手袋。
5. 【請求項５】 二枚の磁性板を並設し、それぞれを一端
   縁部の縫着固定部を基点として開閉する二枚の覆体で被
   覆した請求項１又は２記載の釣り用手袋。