JP3015352B1 - 線状体把持器 - Google Patents

線状体把持器

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JP3015352B1
JP3015352B1 JP30621598A JP30621598A JP3015352B1 JP 3015352 B1 JP3015352 B1 JP 3015352B1 JP 30621598 A JP30621598 A JP 30621598A JP 30621598 A JP30621598 A JP 30621598A JP 3015352 B1 JP3015352 B1 JP 3015352B1
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賢至 吉田
義雄 鈴木
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Abstract

【要約】 【課題】何れの方向への衝撃力を受けても線状体に対す
る掴持力が減少することがなく、線状体をその形状の変
化に追従して確実に掴持することができ、しかも、マニ
ピュレータや絶縁操作棒でも容易に取り扱うことのでき
る線状体把持器を提供する。 【解決手段】作動部材23A,23Bに引っ張り手段に
より一方向への作動力を付与される。作動部材23A,
23Bの一方向への作動により一対の掴線部24,27
が互いに近接して線状体9を掴持する。一対の掴線部2
4,27は作動部材23A,23Bの他方向への作動に
より互いに離間する。作動状態に設定されたときに作動
部材23A,23Bの一方向への作動のみを無段階に許
容する一方向クラッチ28を設け、両掴線部24,27
を互いに近接方向へのみ変位するようにする。一方向ク
ラッチ28を、切換機構部29によって作動状態と作動
解除状態とに切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、活線振分
装置や張線装置などに適用されて活線や電線などの線状
体を掴持する用途に使用される線状体把持器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電線の振り分け工事などを行
うに際しては、伸縮自在の棒状となった装置本体の両端
部に電線把持器を固定した活線振分装置を用いて、両側
の電線把持器により電線の2か所をそれぞれ掴持したの
ちに、装置本体を縮小させて両電線把持器を互いに近接
させることにより、電線を両電線把持器で両側から引き
寄せて両電線把持器の間に弛ませている。このように、
電線を2箇所で掴持してその間の部分を弛ませることに
より、その後の作業、例えば電線の弛ませた箇所を切断
したのちに振り分ける作業を容易に行えるようにしてい
る。また、電線振り分け工事などを無停電で行うため
に、電線は通電状態の活線のまま切断して振り分けられ
る。
【0003】このような電線振分装置に用いられている
従来の電線把持器は、図8および図9に示すような構成
になっている。すなわち、この電線把持器は、把持器本
体1、作動部材2、連結部材3および可動側掴線部4を
主構成要素として構成されており、把持器本体1には、
可動側掴線部4と共に電線9を掴持する固定側掴線部7
が一体形成されているとともに、連結部材3を挿通させ
るガイド部8が一体に延出されている。作動部材2は、
ほぼ三角形の形状を有しており、その三角形の基端角部
が把持器本体1に枢軸10を介して回動自在に取り付け
られているとともに、三角形における一方の角部に支軸
11を介して連結部材3が回動自在に取り付けられてい
る。この作動部材2の三角形における他方の角部には、
取付ピン12を介して可動側掴線部4が回動自在に取り
付けられている。
【0004】また、枢軸10を挿通させて取り付けられ
たねじりコイルばね13の両端部が把持器本体1と作動
部材2に係止されており、このねじりコイルばね13
は、作動部材2を把持器本体1に対し枢軸10を支点と
して図8の矢印方向に回動付勢している。すなわち、ね
じりコイルばね13は、可動側掴線部4が固定側掴線部
7に近接する方向に作動部材2を把持器本体1に対し回
動付勢している。
【0005】上記の電線把持器は、例えば活線振分装置
における装置本体に連結部材3の先端の連結部14を固
定して取り付けられる。そして、使用に際しては、図8
に示すように、作動部材2をねじりコイルばね13の回
動付勢力に抗して同図の反矢印方向に回動させることに
より、可動側掴線部4を固定側掴線部7から離間させ
る。この状態を保持しながら両掴線部4,7の間に電線
9を挿入させた後に、作動部材2の保持を解除すると、
作動部材2は、ねじりコイルばね13の回動付勢力によ
り図8の矢印方向に回動して連結部材3を同図の矢印方
向に押し出す。このとき、可動側掴線部4は、作動部材
2の回動に伴って図の上方に押し上げられて、図9に示
すように、固定側掴線部7と共に電線9を上下から掴持
する。それにより、電線把持器は電線9に吊り下げ状態
に取り付ける。
【0006】続いて、活線振分装置の装置本体が縮小さ
れることにより、連結部材3が図9の矢印方向に移動さ
れて、両掴線部4,7で掴持した電線9を同図の矢印方
向に引っ張る。その引っ張り力により作動部材2に図8
の矢印方向への回動力がさらに付与されて、両掴線部
4,7がさらに強く電線9を掴持する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の電線把持器で
は、ねじりコイルばね13の回動付勢力と活線振分装置
の装置本体の縮小による引っ張り力とにより、作動部材
2に図8に矢印で示す一方向への回動付勢力を付与し
て、両掴線部4,7による電線9の掴持力を得る構成に
なっている。しかしながら、電線9を引っ張った図9の
状態で2〜3日放置しておく場合に、例えば電線の風振
動や電柱に自動車が衝突するなどの何らかの原因で電線
の張力がゆるむと図8の反矢印方向に瞬間的に僅かに回
動して両掴線部4,7による掴持力が弛み、引っ張って
いた電線9が弛んでしまうおそれがある。
【0008】そこで、図8および図9に示すように、端
部にリング状の操作つまみ18を固着したボルト17を
ガイド部8に螺合して取り付け、電線把持器で電線9を
掴持した後に活線振分装置の装置本体を縮小させて電線
9を所定状態に引っ張り終えた時点で、操作つまみ18
を回転操作してボルト17をねじ込み、このボルト17
の先端を連結部材3に圧接させて連結部材3とガイド部
8とを相互に固定している。それにより、衝撃力を受け
た場合に作動部材2が瞬間的に回動するのを阻止するよ
うにしている。
【0009】しかし、上記のボルト17による固定手段
では作動部材2が何れの方向へも回動しないよう固定さ
れてしまい、両掴線部4,7の間隔もボルト17の締め
付け時の状態に固定されてしまう。そのため、電線9を
引っ張った状態で2〜3日放置しておく場合に、電線9
における両掴線部4,7による掴持箇所が、両掴線部
4,7により両側から圧潰されて細くなるよう変形する
と、両掴線部4,7の間隔が電線9の変形に対し全く追
従できないために、電線9に対する掴持力が減少してし
まう。この場合、衝撃力を受けなくても、電線9の引っ
張り力が減少して電線9が弛んでしまう不都合が生じ
る。
【0010】ところで、近年では、無停電で電線の振り
分け工事を行うために、電線9を活線のまま引っ張って
切断したりすることが行われているが、このような作業
は、作業員が感電するおそれが全く無いわけではないの
で、好ましい作業とは言いがたい。そこで、活線振分装
置を配線作業用マニピュレータ(ロボット)により電線
9に取り付け、マニピュレータを遠隔操作して作業する
ことや絶縁操作棒により取付けることが考えられる。し
かし、上記の電線把持器では作動部材2がねじりコイル
ばね13により常に一方向に回動付勢されているため、
電線9への取り付けに際して、マニピュレータによって
両掴線部4,7を図8に示す離間した状態に保持させる
ことが極めて難しい。すなわち、上記の電線把持器では
マニピュレータで取り扱うことができない。
【0011】そこで本発明は、何れの方向への衝撃力を
受けても線状体に対する掴持力が減少することがなく、
線状体をその形状の変化に追従して確実に掴持すること
ができ、しかも、マニピュレータでも容易に取り扱うこ
とのできる線状体把持器を提供することを目的とするも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の線状体把持器
は、上記目的を達成するために、引っ張り手段により一
方向への作動力を付与される作動部材と、この作動部材
の一方向への作動により互いに近接して線状体を掴持す
るとともに、前記作動部材の他方向への作動により互い
に離間する一対の掴線部と、作動状態に設定されたとき
に前記作動部材の一方向への作動のみを無段階に許容す
る一方向クラッチと、この一方向クラッチを前記作動状
態と作動解除状態とに切り換える切換機構部とを備えて
いる。
【0013】この線状体把持器により電線などの線状体
を掴持して引っ張る場合、切換機構部により一方向クラ
ッチを作動解除状態として作動部材を他方向に作動さ
せ、それにより互いに離間した一対の掴線部間に線状体
を挿入する。つぎに、切換機構部により一方向クラッチ
を作動状態としたのちに、引っ張り手段により作動部材
を引っ張って一方向へ移動させると、一対の掴線部が互
いに近接して線状体を掴持する。
【0014】上記の線状体を両掴線部により掴持して引
っ張った状態で数日間放置しておく場合に、何らかの原
因で作動部材を逆方向へ作動させるような衝撃力が加わ
っても、作動状態の一方向クラッチにより作動部材の逆
方向への作動が阻止されるので、両掴線部による線状体
の掴持力が減少することがない。一方、線状体における
両掴線部に掴持されている箇所が圧潰されて変形した場
合、作動部材は、引っ張り手段により常に一方向への引
っ張り力を付与されているので、線状体の変形に応じて
一方向に作動され、それにより、可動側掴線部が線状体
の変形に追従して固定側掴線部に近接する方向に変位さ
れる。それにより、両掴線部による線状体に対する掴持
力は線状体の変形に拘わらず常に一定に保持される。
【0015】また、上記の線状体把持器では、作動部材
に対し作動力を付与する部材が何ら設けられていないの
で、通常時には、切換機構部により一方向クラッチを作
動解除状態としたのちに、作動部材を他方向へ作動させ
て両掴線部を離間した状態とすれば、この状態をそのま
まで保持できる。そのため、線状体に取り付けて掴持す
る作業をマニピュレータにより容易に行わせることがで
き、特に、マニピュレータや絶縁操作棒による作業を必
要とする活線振分装置に適用して大きな効果を得られ
る。
【0016】上記発明において、作動部材は、先端部に
引っ張り手段への連結部を有する連結部材の基端部に回
動自在に連結され、一対の掴線部は、前記作動部材の前
記連結部材に対する一方向への回動により互いに近接
し、且つ他方向への回動により互いに離間するよう前記
作動部材に取り付けられ、一方向クラッチは、前記連結
部材と前記作動部材との互いの連結箇所の間において、
作動状態に設定されたときに前記作動部材の前記連結部
材に対する一方向への回動のみを許容するよう介設され
ている構成とすることが好ましい。
【0017】これにより、引っ張り手段の引っ張り力
を、連結部材を介して作動部材の回動力に変換し、作動
部材の回動により互いに近接される一対の掴線部で線状
体を掴持することができる。したがって、引っ張り手段
の引っ張り力を増大して一対の掴線部に効率的、且つ確
実に伝達することができる。
【0018】また、上記発明において、切換機構部は、
一方向クラッチにおける軸体または外輪に対し一体回転
するよう連結されたラチエットホイールと、このラチェ
ットホィールを前記連結部材に固定して前記一方向クラ
ッチを作動状態とする係止爪と、この係止爪を前記ラチ
ェットホィールに対し係脱させる操作レバーとにより構
成することができる。
【0019】それにより、切換機構部により一方向クラ
ッチを作動状態に切り換えたときに、連結部材がラチェ
ットホィールを介して一方向クラッチの軸体または外輪
に固定された状態となる。したがって、作動部材は一方
向クラッチを介して連結部材に対し一方向に無段階に回
動できるから、可動側掴線部は線状体の変形に正確に追
従して固定側掴線部に近接する方向に変位し、両掴線部
による線状体への掴持力を確実に一定に保持することが
できる。しかも、一方向クラッチの切換操作を操作レバ
ーにより行えるので、マニピュレータや絶縁操作棒でも
容易に操作できる。
【0020】さらに、上記発明において、略く字形状と
なった同一の作動部材を一対備え、この両作動部材を、
所定の間隙で配置して各々の一端部を連結部材に枢着す
るとともに、各々の他端部に固定側掴線部を、且つ各々
の屈曲部に可動側掴線部をそれぞれ枢着してなる構成と
することが好ましい。
【0021】上記構成とすることにより、両掴線部と両
作動部材とで構成される矩形空間は、これらの作動に拘
わらず常に平行四辺形を形作る。したがって、両掴線部
は常に互いに平行に位置することになり、両掴線部によ
り線状体を円滑に掴持できるとともに、線状体把持器を
線状体へ取り付ける作業をマニピュレータや絶縁操作棒
でも容易に行うことができる。
【0022】一方、上記発明において、作動部材が、固
定側掴線部を有する把持器本体に、引っ張り手段の引っ
張り方向に移動自在に保持され、前記作動部材は、先端
部に引っ張り手段への連結部を、且つ前記固定側掴線部
への対向箇所に可動側掴線部をそれぞれ備えるともに、
一方向への移動により前記可動側掴線部が前記固定側掴
線部に対し近接するよう前記把持器本体に保持され、一
方向クラッチは、前記把持器本体に設けられて前記作動
部材に対し一方向への移動のみを無段階に許容するよう
に係合している構成とすることもできる。
【0023】それにより、衝撃力が加わった場合にも一
対の掴線部による線状体の掴持力の減少を阻止でき、両
掴線部による線状体に対する掴持力を線状体の変形に追
従して一定に保持する効果に加えて、作動部材の直線運
動により一対の掴線部の間隔を直接調節するので、構成
を簡素化してコストダウンできる利点がある。
【0024】また、上記発明において、作動部材は、可
動側掴線部とは反対側箇所に形成されたラックが把持器
本体に回転自在に支持されたピニオンを回転させながら
移動するよう前記把持器本体に移動自在に保持され、一
方向クラッチは、前記ピニオンの軸部に固定され、切換
機構部は、前記一方向クラッチに一体回転するよう固着
されたラチエットホイールと、このラチェットホィール
を前記把持器本体に固定して前記一方向クラッチを作動
状態とする係止爪と、この係止爪を前記ラチェットホィ
ールに対し係脱させる切換レバーとを備えた構成とする
ことが好ましい。
【0025】それにより、作動部材の直線運動をピニオ
ンの回転運動に変換し、このピニオンの回転を一方向ク
ラッチと切換機構部とにより規制しているので、直線運
動する作動部材を、回転機構である一方向クラッチによ
って一方向への移動のみを無段階に許容するよう規制す
ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら説明する。
【0027】図1および図2はそれぞれ本発明の一実施
の形態に係る線状体把持器を示す正面図で、図1は電線
のような線状体9へ吊り下げ状態に取り付けた状態、図
2は線状体9を掴持した状態をそれぞれ示す。
【0028】これらの図において、この線状体把持器2
0は、先端部に後述の引っ張り手段への連結部22を有
する連結部材21と、所定の間隔で並設されて各々の一
端部を連結部材21の基端部に回動自在に連結された略
く字形状の一対の作動部材23A,23Bと、この両作
動部材23A,23Bの各々の他端部に対しまたがるよ
うに位置してそれぞれ回動自在に連結された固定側掴線
部24と、両作動部材23A,23Bの各々の折曲部位
に対しまたがるように位置してそれぞれ回動自在に連結
された可動側掴線部27と、後述の一方向クラッチ28
および切換機構部29とを主構成要素として構成されて
いる。
【0029】図3は図2の状態における要部を破断して
示した左側面図である。同図において、両掴線部24,
27は、各々の2箇所と各作動部材23A,23Bとに
それぞれ支軸31が挿通されるとともに、この支軸31
をCリング34で抜け止めすることにより、支軸31を
支点として回動自在に各作動部材23A,23Bに取り
付けられている。両掴線部24,27の対向面には、そ
れぞれ線状体9を嵌め込むことのできる半円形状の嵌合
溝32,33が凹設されている。また、図1および図2
の右方の作動部材23Bと連結部材21とは枢軸30を
介して回動自在に連結されているが、上記各図の左方の
作動部材23Aと連結部材21とは一方向クラッチ28
および切換機構部29を介して回動可能に連結されてい
る。
【0030】一方向クラッチ28は、図3に示すよう
に、軸体28aと、円筒状の内周面にカム面(図示せ
ず)が形成されているとともに、上記軸体28aを所定
の間隙を存して内部に挿入させた外輪28cと、軸体2
8aと外輪28cとの環状空間内に介在された係止機構
部28bとにより構成されている。係止機構部28b
は、例えば、外輪28cのカム面と軸体28aとの間に
入り込んだときに外輪28cと軸体28aとを一体回転
するよう係合する複数個のころ部材と、ころ部材と同数
の保持器と、各ころ部材を個々の保持器に支持させると
ともに、ころ部材をカム面の方向に付勢するばねとによ
り構成されている。そして、この係止機構部28bおよ
び外輪28cは軸体28aの両側にそれぞれ係着された
Cリング37により抜け止めされている。
【0031】また、作動部材23Aと連結部材21との
間には、スペーサとしてのリング体38が一方向クラッ
チ28の外輪28cの外周に嵌まり込む状態で介在され
ており、作動部材23Aには、一方向クラッチ18の外
輪28cおよびリング体38が複数個の固定ねじ39に
より一体回転するよう連結されている。
【0032】切換機構部29は、この実施の形態ではラ
チェット機構が用いられており、六角頭ボルト40によ
り一方向クラッチ28の軸体28aに固定されたラチェ
ットホィール29aと、図1および図2に示すように連
結部材21に固定した取付板48に回動自在に設けられ
た操作レバー29cと、この操作レバーの回動によりラ
チエットホィール29に対し係脱する係止爪29bとに
より構成されている。
【0033】ラチェットホィール29aは、その歯部に
係止爪29bが係合されると、係止爪29bを介して連
結部材21に固定されて何れの方向への回動も阻止され
る。
【0034】上述の係止爪29bがラチェットホィール
29aに係合したときに、一方向クラッチ28が作動状
態となる。すなわち、一方向クラッチ28は、ラチェッ
トホィール29aにより回転不能に固定された軸体28
aに対して、外輪28cが、図1のA矢印方向へは係止
機構部28bのころ部材が外輪28cのカム面から離れ
て空回り状態で自由に回動し、同図のB矢印方向へはこ
ろ部材がカム面のかみ合い位置に進んで外輪28cと軸
体28aとの楔作用で回動を阻止される。
【0035】なお、図1および図2に示すように、固定
側掴線部24における各作動部材23A,23Bの取付
面とは反対側の面には、脱落防止カバー41が枢ピン4
2を支点にして回動自在に取り付けられており、この脱
落防止カバー41のガイド孔47に、固定側掴線部24
に固設されたガイドピン44が摺接自在に挿通されてい
る。したがって、脱落防止カバー41は、図1の状態に
おいて操作片43を押し下げ操作すると、ガイド孔47
の孔縁部がガイドピン44に摺接してガイドされながら
枢ピン42を支点に下方に回動する。
【0036】つぎに、上記の線状体把持器20の作用に
ついて説明する。先ず、線状体把持器20を、図1に示
すように、掴持すべき線状体9に吊り下げ状態に取り付
ける。その場合、操作レバー29cの回動操作により係
止爪29bをラチェットホィール29aから離間させて
相互の係合を解除する。それにより、一方向クラッチ2
8は、外輪28cが軸体28aに対し一体回転または空
回りして両方向に自由に回転する作動解除状態となる。
この状態において、外輪28cと一体となった作動部材
23Aを連結部材21に対して図1のB矢印方向に回動
させて、両掴線部24,27を互いに離間して開いた図
1の状態とする。
【0037】図1の状態において、両掴線部24,27
の間に線状体9が挿通するよう位置させたのちに、固定
側掴線部24の嵌合溝32に線状体9の上面部分を嵌入
させて、固定側掴線部24を線状体9上に載置し、線状
体把持器20を線状体9に吊り下げ状態に取り付ける。
このとき、線状体保持器20は、図8および図9に示し
た従来の把持器とは異なり、作動部材23A,23Bに
回動力を付与する部材を一切備えていないから、図1の
状態を保持する。また、両掴線部24,27と両側の作
動部材23A,23Bとで囲まれる矩形空間は、これら
の作動に拘わらず常に平行四辺形を形作る構成になって
いるので、両掴線部24,27は常に互いに平行に対向
する。そのため、この線状体把持器20は、線状体9に
吊り下げ状態に取り付ける作業をマニピュレータや絶縁
操作棒によっても容易に行わせることができる。
【0038】続いて、図2に示すように、操作片43を
同図の矢印方向に押圧操作することにより、脱落防止カ
バー41を下方に回動させて両掴線部24,27にまた
がるように位置させる。これにより、上下に位置する両
掴線部24,27と、前後に位置する脱落防止カバー4
1および両作動部材23A,23Bとにより、線状体9
の周囲を取り囲む状態となるので、線状体把持器20
は、以後の作業時に線状体9から脱落することのない状
態に取り付けられたことになる。
【0039】また、上述の線状体把持器20を線状体9
へ取り付ける以前に、または取り付けた後に、切換機構
部29の操作レバー29cを図1の矢印方向に回動操作
して、係止爪29bを図2に示すようにラチェットホィ
ール29aの歯部に係合させる。それにより、一方向ク
ラッチ28は、その軸部28aがラチェットホィール2
9aおよび係止爪29bを介して連結部材21に回転不
能に固定され、作動状態に切り換えられる。すなわち、
一方向クラッチ28は、外輪28aと一体回転する作動
部材23Aに対し図1のA矢印方向へは自由に回動でき
るよう許容し、且つ図1のB矢印方向への回動を阻止す
るように機能する。
【0040】つぎに、連結部材21の連結部22に連結
した引っ張り手段(図示せず)を作動させて連結部材2
1を図2のC矢印方向に引っ張る。この連結部材21が
引っ張られていくのに伴って両作動部材23A,23B
が固定側掴線部24の支軸31を支点として図2の左方
に回動されていく。その結果、両作動部材23A,23
Bの折曲部位にまたがって枢着されている可動側掴線部
27は、斜め上方に向けて押し上げられて、その嵌合溝
33に嵌まり込んだ線状体9を固定側掴線部24と共に
上下から挟み付けて掴持する。その後に、引っ張り手段
が線状体把持器20をさらにC矢印方向に引っ張ると、
両掴線部24,27で掴持された線状体9が図2の左方
に引っ張られていく。
【0041】このようにして線状体9を引っ張った状態
で2〜3日の間放置しておくときに、何らかの原因で線
状体把持 20に対し図1および図2の右方向への衝撃
力が加わった場合、線状体把持器20には、連結部材2
1を右方に移動させて作動部材23A,23Bを連結部
材21に対しB矢印方向へ回動させようとする力が瞬間
的に加わる。しかし、一方向クラッチ28は作動部材2
3Aの連結部材21に対するB矢印方向への回動を阻止
するため、可動側掴線部27が固定側掴線部24から離
間する方向に変位することがなく、両掴線部24,27
による線状体9への掴持力が弛むことがない。
【0042】一方、上記の状態で2〜3日の間放置して
おくときに、線状体9が両掴線部24,27により上下
から締め付けられて細くなるよう変形した場合、その線
状体9の変形に追従して可動側掴線部27が押し上げら
れていき、それにより、線状体9への掴持力は常に一定
に保持される。すなわち、連結部材21が常に図2のC
矢印方向に引っ張られているから、作動部材24A,2
4Bには連結手段21に対しA矢印方向への回動付勢力
が常時付与されているとともに、可動側掴線部27には
作動部材24A,24Bにより押し上げ力が常時作用し
ている。したがって、線状体9の変形に応じて可動側掴
線部27が押し上げらていくとともに、一方向クラッチ
28が作動部材23Aの連結部材21に対するB矢印方
向への回動を阻止しているので、可動側掴線部27は押
し上げられた位置から下がるのを阻止される。
【0043】ここで、作動部材23A,23Bは、一方
向クラッチ28を介して連結部材21に対し一方向に無
段階に回動できるから、可動側掴線部27は線状体9の
変形に正確に追従して固定側掴線部24に近接する方向
に変位し、両掴線部24,27による線状体9への掴持
力は確実に一定に保持される。これに対し、連結部材2
1が一方向のみに回動できる構成として、もし仮に歯車
機構などを用いた場合には、連結部材21が歯車の1ピ
ッチ分だけ回動しないと、連結部材21の他方向への回
動を阻止することができない。そのため、何らかの衝撃
を受けたときに、連結部材21は歯車の遊び分だけ他方
向に戻されるよう回動してしまい、両掴線部24,27
による線状体9への掴持力が低下することになる。
【0044】図4は上記の線状体把持器20を適用して
構成した活線振分装置50を示す正面図である。この活
線振分装置50は、棒状の装置本体51の両端部に連結
具52を介してそれぞれ本発明の線状体把持器20を取
り付けて構成されている。なお、右側用の線状体把持器
20は上述の実施の形態のものと同一であり、左側用の
線状体把持器20は、連結部材21、作動部材23A,
23Bおよび両掴線部24,27の位置関係を右側用に
対し前後入れ換えて左右対称に配置したものであって、
実質的に右側用のものと同一である。装置本体51に
は、中央部に把持部53が設けられ、この把持部53の
両側にそれぞれ絶縁部材54を介して絶縁鍔部57が形
成されている。
【0045】さらに、装置本体51には、各絶縁鍔部5
7の外方箇所に線状体9を挿通させて支持するための棒
状の線状体支持具58が取り付けられている。装置本体
51の内部には、図示していないが、送りねじなどから
なる伸縮機構が装備されており、この伸縮機構にはハン
ドル軸から傘歯車を介して駆動力を与えるようになって
いる。左側の線状体支持具58の外方箇所には、上記の
ハンドル軸に回転力を与えるための駆動連結部59が設
けられている。
【0046】上記の活線振分装置50は、マニピュレー
タにより使用するためのものを例示してある。マニピュ
レータや絶縁操作棒により把持部53を掴ませて、両側
の線状体把持部20を活線(線状体)9に吊り下げ状態
に取り付ける。そののちに、線状体把持器20を上述と
同様に操作して、脱落防止カバー41を下方に回動させ
て活線9から脱落しない状態とし、操作レバー29cを
操作して一方向クラッチ28を作動状態とする。この線
状体把持器20を活線9に吊り下げ状態に取り付ける場
合、両掴線部24,27を互いに離間させれば、その状
態を何ら力を加えることなく保持できること、脱落防止
カバー41および切換機構部29をそれぞれ操作片43
および操作レバー29cにより操作できることとによ
り、マニピュレータでも極めて容易に遠隔操作できる。
【0047】なお、上記の活線振分装置50は、マニピ
ュレータや絶縁操作棒が駆動連結部59に回転動力源を
接続して作動させることにより、装置本体51が縮小し
て、両側の線状体把持器20がそれぞれ掴持した活線9
を両側から引き寄せながら互いに近接方向に移動され
る。それにより、活線9は両線状体支持具58の間で弛
ませられるので、活線9のこの弛ませた箇所を切断して
振り分け工事などが行われる。
【0048】なお、上記実施の形態の線状体把持器は、
上述の活線振分装置50に適用できる以外に、電線のよ
うな線状体を掴んだのちに引っ張るむ種々の張線装置に
も適用して、同様の効果を得ることができる。これは、
以下に説明する他の実施の形態の線状体把持器60,7
0についても同様である。
【0049】図5は本発明の他の実施の形態に係る線状
体把持器60を示す正面図である。
【0050】この線状体把持器60は、図8および図7
に示した従来の電線把持器から操作つまみ18付きボル
ト17およびねじりコイルばね13を除外して、連結部
材2と作動部材3との枢着部分に一実施の形態の線状体
把持器20に用いたと同一の一方向クラッチ28および
切換機構部29を設けて構成している。その他の構成は
図8および図9と同一であるので、同一の符号を付して
その説明を省略する。この線状体把持器60において
も、上記の線状体把持器20とほぼ同様の効果を得られ
る。
【0051】図7は本発明のさらに他の実施の形態に係
る線状体把持器70を示す正面図で、図8は図7のD−
D線断面図である。上述の各実施の形態に係る線状体把
持器20,60では、引っ張り手段の引っ張り力を作動
部材23A,23B、2の回動を介して一対の掴線部2
4,27、4,7による電線9の掴持力に変換して伝達
する構成としたのに対し、この実施の形態の線状体把持
器70は、上記回動手段に代えて、作動部材74の直線
的な移動手段を採用したものである。
【0052】把持器本体71は、図7に明示するよう
に、U字形状の一端部から逆L字状の部材が一体に延出
した断面形状を有し、その延出部分の端部に固定側掴線
部72が設けられているとともに、この固定側掴線部7
2に対し非平行な保持部73が間隙を存して対向してお
り、保持部73に対向する内面側に2本のガイドピン7
7が突設されている。
【0053】一方、作動部材74は、一辺側に可動側掴
線部79が、且つ他辺側に可動側掴線部79に対し非平
行であって保持部73に平行なラック80がそれぞれ形
成されている。この作動部材74は、その二つの長孔状
のガイド溝78に上記ガイドピン77が摺接自在に係合
されることにより、把持器本体71に対し図6のE矢印
方向に移動自在に取り付けられている。すなわち、作動
部材74は、ガイドピン77とガイド溝78との係合に
よってラック80が保持部73に沿って平行に移動する
ようガイドされ、それにより、可動側掴線部79が固定
側掴線部72に対し常に平行を保ちながら移動して、両
掴線部72,79の各々に形成された電線9の嵌合溝8
1,82の間隔が変化する。なお、作動部材74は先端
部に引っ張り手段への連結部83を有している。したが
って、この実施の形態の線状体把持器70では、上述の
実施の形態の線状体把持器20,60が備えていた連結
部材21,3の機能を作動部材74が兼備している。
【0054】把持器本体71には、ピニオン87が上記
ラック80に噛み合った状態で軸受84を介して回転自
在に支持されており、ピニオン87の軸部87には、そ
の外周面に一方向クラッチ89が嵌め込み固定されてい
る。さらに、一方向クラッチ89の外周面にはラチェッ
トホィール90が嵌め込み固定されており、ラチェット
ホィール90は、ボール軸受91を介して把持器本体7
1に回転自在に支持されている。また、把持器本体71
には、切換レバー92がラチェットホィール90に対向
して支軸93により回転自在に支持されており、この切
換レバー92には、ラチェットホィール90に噛み合っ
て回転を阻止する係止爪94が設けられている。さら
に、把持器本体71には、係止爪94がラチェットホィ
ール90の歯部にに噛み合うよう切換レバー92を図1
の矢印方向に常時付勢するボールプランジャ97が設け
られている。上記の係止爪94を備えた切換レバー92
およびラチェットホィール90により、一方向クラッチ
89を作動状態と作動解除状態とに切り換える切換機構
部86が構成されている。
【0055】つぎに、上記線状体把持器70の作用につ
いて説明する。切換レバー92をボールプランジャ97
の付勢力に抗して図1の反矢印方向に回動し、係止爪9
4のラチェットホィール90への係合を解除する。それ
により、ピニオン87が一方向クラッチ89を介してラ
チェットホィール90と一体に何れの方向へも回転可能
となる。この状態を保持しながら作動部材74を図1の
反F方向(図の左方向)へ移動させて、両掴線部72,
79の間隔が大きくなるよう調整したのちに、切換レバ
ー92の操作を解除し、係合爪94をラチェットホィー
ル90に係合させる。そののちに、大きな間隔に設定し
た両掴線部72,79の間に線状体9を挿入させて、固
定側掴線部72の嵌合溝81内に線状体9を嵌入させて
線状体把持器70を線状体9に吊り下げ状態に取り付け
る。
【0056】作動部材74の連結部83に連結した引っ
張り手段(図示せず)を作動させて作動部材21を図6
のF矢印方向に引っ張ると、作動部材74の可動側掴線
部79がF矢印方向に向かって斜め上方に移動して、そ
の嵌合溝82に嵌まり込んだ線状体9を固定側掴線部7
2と共に上下から挟み付けて掴持する。そののちに、引
っ張り手段が線状体把持器70をさらにF矢印方向に引
っ張ると、両掴線部72,79で掴持された線状体9が
図6のF方向に引っ張られていく。
【0057】このとき、一方向クラッチ89は、ラチェ
ットホィール90および係止爪94を介して把持器本体
71に回転不能に固定された作動状態になっているの
で、ピニオン87に対し図6のG矢印方向へは無段階に
回動できるよう許容し、且つH矢印方向への回動を阻止
するように機能する。すなわち、一方向クラッチ89
は、作動部材74の図1におけるF方向への移動を許容
し、且つ反F方向への移動を阻止するため、可動側掴線
部79が固定側掴線部72から離間する方向に変位する
ことがなく、両掴線部72,79による線状体9への掴
持力が弛むことがない。一方、線状体9が細くなるよう
変形した場合には、その線状体9の変形に追従して可動
側掴線部79が移動しながら押し上げられていき、線状
体9への掴持力は常に一定に保持される。
【0058】したがって、この線状体把持器70におい
ても、前述の線状体把持器20,60と同様の効果を得
られるのに加えて、線状体把持器20,60に比較して
構成を簡素化してコストダウンできる利点がある。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に係る線
状体把持器によれば、作動部材を他方向に作動させるよ
うな衝撃力が加わっても、一方向クラッチにより作動部
材の他方向への移動を阻止して、両掴線部による線状体
の掴持力の減少を防止できる。
【0060】また、線状体における両掴線部に掴持され
ている部分が変形しても、線状体の変形に応じて作動部
材が一方向に作動されて、線状体の変形に追従して両掴
線部による線状体に対する掴持力を常に一定に保持する
ことができる。さらに、作動部材には作動力を付与する
部材が一切設けられていないので、両掴線部を離間した
状態に保持でき、線状体に取り付けて掴持する作業をマ
ニピュレータにより容易に行わせることができ、特に、
マニピュレータや絶縁操作棒による作業を必要とする活
線振分装置に適用して大きな効果を得られる。
【0061】また、本発明の請求項2に係る線状体把持
器によれば、引っ張り手段の引っ張り力を、連結部材を
介して作動部材の回動力に変換し、作動部材の回動によ
り互いに近接される一対の掴線部で線状体を掴持する構
成としたので、引っ張り手段の引っ張り力を増大して一
対の掴線部に効率的、且つ確実に伝達することができ
る。
【0062】さらに、本発明の請求項3に係る線状体把
持器によれば、作動部材を一方向クラッチを介して連結
部材に対し一方向にのみ無段階に回動させる構成とした
ので、可動側掴線部を線状体の変形に正確に追従して固
定側掴線部に近接する方向に変位させ、両掴線部による
線状体への掴持力を確実に一定に保持することができ
る。しかも、一方向クラッチの切換操作を操作レバーに
より行えるので、マニピュレータや絶縁操作棒でも容易
に遠隔操作できる。
【0063】また、本発明の請求項4に係る線状体把持
器によれば、一対の両掴線部と二つの作動部材とで構成
される矩形空間がこれらの作動に拘わらず常に平行四辺
形を形作るので、両掴線部は常に互いに平行に位置させ
ることができ、線状体への取付作業をマニピュレータや
絶縁操作棒でも容易に行える。
【0064】また、本発明の請求項5に係る線状体把持
器によれば、作動部材の一方向への移動により両掴線部
を近接させ、且つ作動部材の一方向への移動のみを一方
向クラッチにより無段階に許容する構成としたので、衝
撃力が加わった場合にも一対の掴線部による線状体の掴
持力の減少を阻止でき、両掴線部による線状体に対する
掴持力を線状体の変形に追従して一定に保持する効果に
加えて、作動部材の直線運動により一対の掴線部の間隔
を直接調節するので、構成を簡素化してコストダウンで
きる利点がある。
【0065】また、本発明の請求項6に係る線状体把持
器によれば、作動部材の直線運動をピニオンの回転運動
に変換し、このピニオンの回転を一方向クラッチと切換
機構部とにより規制する構成としたので、直線運動する
作動部材を、回転機構である一方向クラッチによって一
方向への移動のみを無段階に許容するよう規制すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る線状体把持器を示
す線状体への取付状態の正面図。
【図2】同上把持器の線状体を把持した状態の正面図。
【図3】図2の状態における要部を破断して示した左側
面図。
【図4】上記把持器を適用した活線振分装置を示す正面
図。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る線状体把持器を
示す正面図。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係る線状体把
持器を示す正面図。
【図7】図6のD−D線断面図。
【図8】従来の線状体把持器を示す線状体への取付状態
の正面図
【図9】同上把持器の線状体を把持した状態の正面図。
【符号の説明】
2,23A,23B,74 作動部材 3 21 連結部材 4,27 可動側掴線部 7,24,72 固定側掴線部 9 線状体 20,60,70 線状体把持器 22 連結部 28,89 一方向クラッチ 28a 軸体 28c 外輪 29,86 切換機構部 29a ラチェットホィール 29b 係止爪 29c 操作レバー 50 活線振分装置(引っ張り手段) 71 把持器本体 80 ラック 83 連結部 87 ピニオン 88 軸部 90 ラチェットホィール 92 切換レバー 94 係止爪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 稔 大阪府大阪市北区本庄東2丁目3番41号 株式会社きんでん内 (56)参考文献 特開 平11−4510(JP,A) 特開 平11−4511(JP,A) 実公 平3−33158(JP,Y2) 実公 昭35−28256(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 1/00 - 1/10 H02G 7/00 - 7/22

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引っ張り手段により一方向への作動力を
    付与される作動部材と、 この作動部材の一方向への作動により互いに近接して線
    状体を掴持するとともに、前記作動部材の他方向への作
    動により互いに離間する一対の掴線部と、 作動状態に設定されたときに前記作動部材の一方向への
    作動のみを無段階に許容する一方向クラッチと、 この一方向クラッチを前記作動状態と作動解除状態とに
    切り換える切換機構部とを備えたことを特徴とする線状
    体把持器。
  2. 【請求項2】 前記作動部材は、先端部に引っ張り手段
    への連結部を有する連結部材の基端部に回動自在に連結
    され、 前記一対の掴線部は、前記作動部材の前記連結部材に対
    する一方向への回動により互いに近接し、且つ他方向へ
    の回動により互いに離間するよう前記作動部材に取り付
    けられ、 前記一方向クラッチは、前記連結部材と前記作動部材と
    の互いの連結箇所の間において、作動状態に設定された
    ときに前記作動部材の前記連結部材に対する一方向への
    回動のみを許容するよう介設されている請求項1に記載
    の線状体把持器。
  3. 【請求項3】 前記切換機構部は、前記一方向クラッチ
    における軸体または外輪に対し一体回転するよう連結さ
    れたラチエットホイールと、このラチェットホィールを
    前記連結部材に固定して前記一方向クラッチを作動状態
    とする係止爪と、この係止爪を前記ラチェットホィール
    に対し係脱させる操作レバーとにより構成されている請
    求項2に記載の線状体把持器。
  4. 【請求項4】 略く字形状となった同一の前記作動部材
    を一対備え、この両作動部材を、所定の間隙で配置して
    各々の一端部を前記連結部材に枢着するとともに、各々
    の他端部に前記一対の掴線部における固定側掴線部を、
    且つ各々の屈曲部に前記一対の掴線部における可動側掴
    線部をそれぞれ枢着してなる請求項2または3に記載の
    線状体把持器。
  5. 【請求項5】 前記作動部材が、前記一対の掴線部にお
    ける固定側掴線部を有する把持器本体に、前記引っ張り
    手段の引っ張り方向に移動自在に保持され、 前記作動部材は、先端部に前記引っ張り手段への連結部
    を、且つ前記固定側掴線部への対向箇所に前記一対の掴
    線部における可動側掴線部をそれぞれ備えるともに、一
    方向への移動により前記可動側掴線部が前記固定側掴線
    部に対し近接するよう前記把持器本体に保持され、 前記一方向クラッチは、前記把持器本体に設けられて前
    記作動部材に対し一方向への移動のみを無段階に許容す
    るように係合している請求項1に記載の線状体把持器。
  6. 【請求項6】 前記作動部材は、前記可動側掴線部とは
    反対側箇所に形成されたラックが前記把持器本体に回転
    自在に支持されたピニオンを回転させながら移動するよ
    う前記把持器本体に移動自在に保持され、 前記一方向クラッチは、前記ピニオンの軸部に固定さ
    れ、 前記切換機構部は、前記一方向クラッチに一体回転する
    よう固着されたラチエットホイールと、このラチェット
    ホィールを前記把持器本体に固定して前記一方向クラッ
    チを作動状態とする係止爪と、この係止爪を前記ラチェ
    ットホィールに対し係脱させる切換レバーとにより構成
    されている請求項5に記載の線状体把持器。
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