JP3015242U - 地震用避難装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度性、安定性に優れ、地震時に身を守るに
適した安全な簡易式の地震用避難装置を提供する。 【構成】 上面を物載せ面とし下側を避難空間４とする
頑丈な作りとなり、設置面であるフローリング床、畳み
等を脚部が突き抜けない高い保形性と安定した定着性を
発揮する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は地震用避難装置、更に詳しくは地震時に一般家庭、教育施設等で住人 、子供達が一時的に避難する鉄骨製の地震用避難装置に関するものである。

【０００２】

【技術背景】

地震で最も生命の危険が晒される大きな要因の中には、家具、家庭電化製品等 の横倒、天井からの落下物によるものが挙げられる。 阪神大震災等を警鐘として家具、家庭電化製品等の固定、天井の照明等の強固 な固定等が叫ばれてはいるものの、その安全策には限度がある。 これらの横倒物、落下物等から身を守る方法として一般家庭ではテーブル等に 、また教育施設では机等に隠れる習慣を身につけることが手短な護身方法として 実践されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、テーブル、机等では安定性、強度性に信頼性がなく、震動で横倒する 。落下物等によって天板が割れる。脚部が折れる。横倒物の圧力で畳み等の床に めり込む。震動で避難者が放り出される。等の問題が現実的に起こることになり 、護身手段としては決して安全なものではなかった。 また、折角用意している避難用品（非常用食品、非常用用具）が横倒物、落下 物等で壊されて使えなくなる虞れもあるし、避難用品を一括して纏めておく場所 の確保や選定も狭小化する住宅事情では難しい問題もある。

【０００４】 本考案は、上記従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、強度 性、安定性に優れ、地震時に身を守るに適した安全な簡易式の地震用避難装置を 提供することにある。 他の目的とする処は、避難用品を纏めておくこともできる簡易式の地震用避難 装置を提供することにある。 更に他の目的とする処は、上面を物載せ台として利用でき、しかもその物載せ 台に載置された品物の落下を防止することもできる簡易式の地震用避難装置を提 供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために講じた技術的手段は、請求項１は鉄骨を一体的に固 定して形成した金属枠の所望箇所に鉄骨からなる支持脚を一体的に設けて金属枠 と支持脚とで囲まれた空間を人が屈んで避難できる程度の高さの避難空間とする テーブル形状の骨組体を形成するとと共にその金属枠に補強用の化粧パネルを固 定して避難体を構成し、前記支持脚下端に設置面との当接面積を拡大する拡大座 部を設けたことを要旨とする。 また、請求項２は請求項１記載の金属枠がその対向する一対の構成鉄骨中途部 に亘って避難空間の上部部分を横断する用具掛け兼用手摺部を備えていることを 要旨とする。 更に、請求項３は請求項１記載の金属枠がその対向する一対の構成鉄骨に亘っ て避難空間の上部部分を横断する用具掛け兼用手摺部を備え、該前記用具掛け兼 用手摺部が複数人が隣り合って把持できる程度の長さを有していることを要旨と する。 そして、請求項４は請求項３記載の避難体が家屋の建築壁に沿って設置され、 前記用具掛け兼用手摺部がその金属枠の中央よりも建築壁側に寄って備えられて いることを要旨とする。 更に、請求項５は請求項３記載の化粧パネルを金属枠に固定する複数の固定金 具が同化粧パネルから上方に突出するフック部を備えていることを要旨とする。 更にまた請求項６は請求項４記載の避難体が家屋の建築壁に沿わない側の避難 空間への出入部を開閉するカーテンを備えていることを要旨とする。 ここで前記補強用の化粧パネルとしてはコンクリートパネル、金属パネル等が 挙げられる。 また、前記隣設する支持脚同士を鉄骨からなる連結杆で固定しても良いもので ある。 そして、避難体の平面視形状は方形状、三角形状等任意である。

【０００６】

【作用】

上記技術的手段によれば下記の作用がある。 （請求項１）鉄骨からなる金属枠に天板として補強用の化粧パネルを固定し、そ の金属枠の少なくとも隅部から鉄骨からなる支持脚を一体的に設け、その支持脚 下端に設置面との当接面積を拡大する拡大座部を設けて金属枠と支持脚とで囲ま れた空間を人が屈んで避難できる程度の高さの避難空間とする地震用避難装置で ある。 従って、上面を物載せ面とし下側を避難空間とする頑丈な作りの避難装置とな り、テーブルとしても使用可能となる。 しかも、この地震用避難装置は支持脚下端に設置面との当接面積を拡大する拡 大座部を設けて、横倒物や落下物で大きな負荷が作用しても設置面の局部に局部 圧が集中するのを回避して設置面へのめり込みや設置面からの貫通をも防止し、 また高い保形性と安定した定着性も得られる。 （請求項２）しかも、避難空間の上部部分に横断するように設けられた用具掛け 兼用手摺部を把持することで避難者を固定させ、またその手摺部への引っ掛けや その空間利用によって避難用品を纏めておくことができる。 （請求項３）また、その用具掛け兼用手摺部が長いことから、家族等複数人が一 緒に避難することができる。 （請求項４）タンス、ベッド等の家具や電化製品等に隣設して設置できる物載せ 台として有効に使用できる。 また、用具掛け兼用手摺部が奥側に位置している結果、横倒物や落下物等から 避難者をできるだけ遠ざけることができる。 （請求項５）更に、金属枠に化粧パネルを固定する固定金具が上方に突出したフ ック部を有するものにあってはその隣設するフック部間、所望のフック部間、或 いは所望のフック部と載置物である例えば電化製品等に設けたフック部間に亘っ て棒材や線状材を張架して、それら載置物の落下を防止することができる。 （請求項６）そして、避難空間を開閉容易なカーテンで閉じている。そのため地 震発生と同時に瞬時に逃げ込むことが可能になり、通常時は避難用品を違和感な く隠しておける。

【０００７】

【考案の効果】

本考案は以上にように構成したから、下記の利点がある。 （請求項１）避難体を鉄骨をもってテーブル形状の頑丈な作りにし、その上面を 補強用の化粧パネルで塞ぎ、しかも支持脚の下端に設置面との当接面積を拡大す る拡大座部を設けた地震用避難装置であるから、タンス、机等の家具は勿論のこ と、電化製品が横倒したり落下することがあっても、それら横倒物、落下物から 避難した家人や生徒、幼児を防護し、且つ拡大座部で横倒物や落下物によって大 きな負荷荷重が作用しても化粧パネルが割りたり、倒れたり、設置面であるフロ ーリング床、畳み等を突き抜けたりするようなことがなく、上面がテーブル、物 載せ面、机等と同様に使用でき一般家庭は勿論のこと教育施設等でも有効に常備 させておくことができる利用価値の高い地震用避難装置を提供する。 （請求項２）しかも、避難空間の上部部分に横断するように設けた用具掛け兼用 手摺部で避難者が把持によって固定されるから、震動で外側にほうり出されるこ とがなく、より安全であり、また用具掛け兼用手摺部への引っ掛けで避難用品を 纏めておくことができ、便利である。 更に、避難用品と共に避難できるようになるため、脱出不可能なケースに遭遇 しても落ち着いて救助を待つこともできる。 （請求項３）更に、家人やグループ別に避難できる程度の長さ寸法をもって形成 され、用具掛け兼用手摺部もそれに伴って長くなる地震用避難装置にあっては、 家人全員やグループ全員が震動でほうり出されることなく避難することができる 。（請求項４）また、タンス、ベッド等の家具や電化製品等に隣設して物載せ台 等として設置できるし、用具掛け兼用手摺部が奥側に位置し、横倒物や落下物等 から避難者をできるだけ遠ざける結果、飛散したガラス等や飛んできた品物での 怪我を未然に防止することができる。 （請求項５）そして、金属枠に化粧パネルを固定する固定金具が上方に突出した フック部を有するものにあってはその隣設するフック部間、所望のフック部間、 或いは所望のフック部と載置物である例えば電化製品等に設けたフック部間に亘 って棒材や線状材を張架することが可能となり、それら載置物の落下を防止する ことができ、化粧パネルの固定手段と載置物の落下防止手段とが共用された金具 を有効利用して行うことができる。 （請求項６）しかも、避難空間の出入部をカーテンで開閉可能にしておけば、カ ーテンの隠蔽機能で通常は内部を隠して室内等の雰囲気を阻害せず、また地震発 生時に瞬時に逃げ込むことができる。

【０００８】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図面は本実施例地震用避難装置を示している。

【０００９】 この地震用避難装置Ａは、鉄骨ａからなるテーブル形状の骨組体１’の上面に 補強用の化粧パネル１”を固定して避難体１とし、内部に用具掛け兼用手摺部２ を、また出入り側にカーテン３を備えている。

【００１０】 骨組体１’は図示するように鉄骨ａからなる水平状の金属枠11の各コーナーを 含む所望位置から鉄骨ａからなる支持脚21を一体的に設けて、その金属枠11と支 持脚21とで囲まれた空間を人が屈んで避難できる程度の高さの避難空間４とする 大きさに構築されている。

【００１１】 この骨組体１’は詳細には５０ｍｍ角パイプからなる鉄骨ａを溶接等の適宜手 段で平面視横長矩形状に枠組固着すると共に必要に応じて中間に鉄骨ａを架設し て金属枠11を形成し、５０ｍｍ角パイプの鉄骨ａからなる支持脚21の上端を上記 金属枠11の各コーナーに溶接等の適宜手段で固着して同コーナーから支持脚21を 垂設し、その支持脚21、21間に同様に鉄骨ａからなるＬ型アングル材31を架設固 定して縦応力のみならず横応力に対しても安定保形するテーブル形状に構築され ている。 尚、支持脚21の金属枠11に対する固定は支持脚21上端外側の側面２面各々取付 金属板21ａを溶接等で固定しておき、この取付金属板21ａを金属枠11の外面２面 にボルト100 締めやボルト・ナット止めすることで固定され、またＬ型アングル 材31の支持脚21に対する固定も支持脚21の外側の側面２面に取付金属板21ａを溶 接等で固定しておき、この取付金属板21ａにＬ型アングル材31をボルト100 締め やボルト・ナット止めすることで固定される。

【００１２】 また、この骨組体１’は本実施例では縦寸法１５００ｍｍ、横寸法７００ｍｍ 、高さ寸法８００ｍｍ程度としている。 これは金属枠11と支持脚21とで囲まれた部分に複数人が屈んだ状態で一列に避 難できる避難空間４を確保するためである。 無論、避難対象人数の関係でそれ以上の縦寸法、横寸法であっても良いし、そ れ以下の縦寸法、横寸法であっても良いが、上面を物載せ面として使用すること から高さは８００ｍｍ前後が好ましい。

【００１３】 支持脚21はその下端に設置面との当接面積を拡大する拡大座部41を設けている 。

【００１４】 この拡大座部41は図示するように扇形状になっており、その９０度をなすコー ナー部に外面２面を沿わせて支持脚21下端を固着することで避難体１の平面視域 から外側に突出しないようにしてある。 詳細には支持脚21が固着される部分のＸ点（図１）を中心にした５０ｍｍ乃至 １００ｍｍ程度の半径の円弧線を有する面積になっており、底面にクッション材 （図示せず）を備えている。 この拡大座部41の大きさは上記よりも大きくても良いものである。

【００１５】 化粧パネル１”は肉厚なコンクリートパネルや金属製パネルであり、複数本の 固定金具５で金属枠11に固着されて上面を被蓋しており、これにより避難体１を 構成している。

【００１６】 この固定金具５は図示するように上端にフック部15を備えてボルトであり、化 粧パネル１”の各コーナーを含む所望箇所と共にそれに対応する金属枠11部分を 貫通させ、螺軸部25にナット200 を締結して化粧パネル１”を金属枠11に固定す る。

【００１７】 用具掛け兼用手摺部２は避難体１を建築壁Ｂに沿わせて室内に設置した際、金 属枠11の中央よりも建築壁Ｂ側に寄って避難空間４の上部部分を横断するように 金属枠11の対向する構成鉄骨11ａ、11ａから垂下した支持部に亘って架設されて いる。

【００１８】 カーテン３は、布、ビニール製等のように可撓製が高いものが好適であり、建 築壁Ｂに沿わない側の縁部分にカーテンレール等のガイド手段13を付設し、該ガ イド手段13を介して避難空間４を開閉可能にしている。

【００１９】 斯様に構成された本実施例地震用避難装置Ａは例えば一般住居の家具の隣に一 つの家具として設置される。 その時、用具掛け兼用手摺部２には図示するように必要な避難用品Ｃ…を掛脱 可能に引っ掛けておき、カーテン３は閉めておく。 そして、固定金具５…のフック部15…同士に或いは所望のフック部15と載置物 である例えば電化製品（図面ではテレビ300 を開示している）等に設けたフック 部301 間に亘って棒材や線状材400 を張架して、それら載置物の落下を防止でき るようにする。

【００２０】 このようにセットされた地震用避難装置Ａでは鉄骨ａからなる骨組体１’の耐 強度で縦応力、横応力に安定し、また拡大座部41による集中応力の分散作用で横 倒物や落下物で大きな負荷が作用しても設置面の局部に局部圧が集中するのを回 避して設置面へのめり込みや設置面からの支持脚21の貫通を防止することができ る。 咄嗟に逃げ込むにしてもカーテン３であるから、いちいち開けずとも瞬時に逃 げ込むことができる。 そして、用具掛け兼用手摺部２を把持しておけば震動で室内に放り出されるこ ともなく、地震が終わるまで安全に待機しておけるし、万が一回りが横倒家具等 で包囲されても避難用品Ｃ…と共に助けを待つこともできる。 また、用具掛け兼用手摺部２を奥側に位置させ、横倒物や落下物等から避難者 をできるだけ遠ざける結果、飛散したガラス等や飛んできた品物での怪我を防止 することができる。

【００２１】 図５は平面視方形状ではなく、室内のコーナーに設置する平面視三角形の地震 用避難装置Ａを示したものである。平面視形状以外に差異はないため、同一符号 を付けて説明は敢えて省略する。

【００２２】 また、請求項１、２、３は共に、室内の中央等にテーブルとして使用すること を包含する。その際には固定金具５としてフック部15がないものを使用する。そ して、室内に限るものではなく、外装壁に隣設して室外に設置することも包含す る。その際には化粧パネルには盆栽を載置する等その使用方法は任意であるし、 避難空間は逃げる際に持ち出す避難用品の専用置き場として使用することになる 。

【００２３】 尚、本実施例では一般住居について詳述しているが、教育施設等でも等しく利 用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例地震用避難装置の斜視図。

【図２】図１の（２）−（２）線断面図。

【図３】図１の（３）−（３）線断面図。

【図４】図１の（４）−（４）線拡大断面図。

【図５】他の実施例の斜視図。

【符号の説明】

11 ：金属枠 21 ：支持脚 ４ ：避難空間 １’：骨組体 １”：化粧パネル １ ：避難体 41 ：拡大座部 ２ ：用具掛け兼用手摺
部 Ｂ ：建築壁 ５ ：固定金具 15 ：フック部 ３ ：カーテン Ａ ：地震用避難装置 ａ ：鉄骨 Ｃ ：避難用品

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄骨を一体的に固定して形成した金属枠
   の所望箇所に鉄骨からなる支持脚を一体的に設けて金属
   枠と支持脚とで囲まれた空間を人が屈んで避難できる程
   度の高さの避難空間とするテーブル形状の骨組体を形成
   するとと共にその金属枠に補強用の化粧パネルを固定し
   て避難体を構成し、前記支持脚下端に設置面との当接面
   積を拡大する拡大座部を設けたことを特徴とする地震用
   避難装置。
2. 【請求項２】 前記金属枠がその対向する一対の構成鉄
   骨中途部に亘って避難空間の上部部分を横断する用具掛
   け兼用手摺部を備えていることを特徴とする請求項１記
   載の地震用避難装置。
3. 【請求項３】 前記金属枠がその対向する一対の構成鉄
   骨に亘って避難空間の上部部分を横断する用具掛け兼用
   手摺部を備え、該前記用具掛け兼用手摺部が複数人が隣
   り合って把持できる程度の長さを有していることを特徴
   とする請求項１記載の地震用避難装置。
4. 【請求項４】 前記避難体が家屋の建築壁に沿って設置
   され、前記用具掛け兼用手摺部がその金属枠の中央より
   も建築壁側に寄って備えられていることを特徴とする請
   求項３記載の地震用避難装置。
5. 【請求項５】 前記化粧パネルを金属枠に固定する複数
   の固定金具が同化粧パネルから上方に突出するフック部
   を備えていることを特徴とする請求項３記載の地震用避
   難装置。
6. 【請求項６】 前記避難体が家屋の建築壁に沿わない側
   の避難空間への出入部を開閉するカーテンを備えている
   ことを特徴とする請求項４記載の地震用避難装置。