JP3015037U - 靴 下 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 指股部分の通気性に優れ、かつ、その部分の
強度が高い靴下を提供する。水虫の予防、または、スポ
ーツに好適な靴下を提供する。 【構成】 ５本指の靴下１１の指股部分とその近傍部分
１７をタック編みで形成する。タック編み部分１７は、
その他のニット編み部分に比べて編み目が粗く、しか
も、糸が２重にかかっているため伸び縮みし易い。この
結果、各指の指股部分に対して風通しがよく、しかも、
強い靴下を得ることができる。なお、１個の袋状の靴下
の指股部分に相当する部分をタック編みとしても同等に
効果がある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は靴下、例えば５本指の靴下（ソックス）の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの５本指タイプの靴下は、水虫の予防などの目的に、または、スポー ツ用として市販されてきた。５本の指袋部分に指を入れることで各指を分離して 発汗を抑えることにより、水虫の予防に資するものである。また、５本の指を指 袋に入れることで、各指の動きを自由にさせ、特にその指先に力をかけやすくす るものである。ところが、このような従来の５本指ソックスは踵部分から爪先部 分（各指袋を含む）まですべて一様の粗さの編み目、例えばニット編みで形成さ れていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の靴下は、このように踵部分から爪先部分まで すべて一様の粗さの編み目で編まれていたため、特に大きな力が作用する指先・ 指股部分の強度が劣るという不具合があった。また、指股部分にとってはその編 み目が密であり通気性に劣り、発汗抑制が充分ではないという課題を有していた 。

【０００４】

【考案の目的】

そこで、この考案は、通気性に優れるとともに、強度が高くなるタック編みを この指先・指股部分に適用した靴下を提供することを、その目的としている。ま た、この考案は、スポーツソックスとして好適な靴下を提供することを、その目 的としている。また、この考案は、通気性に優れて発汗作用を抑え患部である指 股部分を乾燥させることができる靴下を提供することを、その目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 請求項１に記載した考案は、靴下の爪先部をタック編みで形成した靴下である 。ここに、タック（ＴＵＣＫ）編みでは、高針と低針とを有する編み機でキャリ ッジ内のカムを作動させ、低針だけの旧ループ（糸目）をはずさずに、次の糸を かける。このため、タック編みでは一つの編み目の中に２回分の糸をかけること になる。このタック編みとニット編みとで交互に例えば指股部分を編むことで生 地的には糸量が多くなり、強くて、横方向への伸びが通常の編み目より大きくな り、通気性が増すことになる。ここに、爪先部とは足の各指が入る程度の部分を 言う。

【０００６】 請求項２に記載した考案は、本体部に連続する爪先部が複数の指袋状に形成さ れた靴下において、この指袋状の部分と本体部との連続部分をタック編みで形成 した靴下である。

【０００７】

【作用】

請求項１に記載の靴下は、爪先部をタック編みで形成しているため、その爪先 部は通気性に優れ、かつ、その部分の強度が高くなっている。よって、足指の発 汗に対しても乾燥作用に優れ、例えば水虫防止用の靴下として好適なものとなる 。この場合、踵部分等はニット編みで形成してもよい。また、爪先部は例えば５ 本指に対応して指袋部分が５つに分離されているタイプのものでも、分離されて いないものであってもよい。

【０００８】 請求項２の記載の靴下にあっては、複数に分離された指袋部分の付け根をタッ ク編みとしたため、通気性および強度を共に高めることができる。よって、この 靴下は特に水虫防止用として、また、スポーツソックスとして有用である。また 、この靴下の指袋の付け根部分以外はニット編みで形成してもよい。そうすると 保温性等に優れ、かつ、その製造も容易となる。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。図１はこの考案の一実施 例に係る靴下を示す斜視図である。この図に示すように、この実施例では５本指 タイプの靴下について本考案を適用した例を示している。５本指ソックス１１は 、筒状（または袋状）に編まれた本体部１２と、本体部１２の先端側に連続して 編まれた爪先部１３と、本体部１２の後端側に連続する踵部１４と、踵部１４よ りもさらに後端側に連続する穿き口部１５とを有している。各部１２〜１５は、 着用したとき足の各部、すなわち土踏まず、足の甲などを含む足の本体・５本の 指を含む爪先・足の踵・脚下端部分およびくるぶしをそれぞれ覆うものである。

【００１０】 爪先部１３は、５本の指に対応した大きさの５つの指袋部分１６Ａ・１６Ｂ・ １６Ｃ・１６Ｄ・１６Ｅを有している。これらの指袋部分１６Ａ・１６Ｂ・１６ Ｃ・１６Ｄ・１６Ｅの付け根、すなわち指袋部分１６Ａ・１６Ｂ・１６Ｃ・１６ Ｄ・１６Ｅと本体部１２との連続部分１７は、所定の幅でタック編みで編まれて いる。その他の部分、指袋部分１６Ａ・１６Ｂ・１６Ｃ・１６Ｄ・１６Ｅの先端 部および本体部１２はニット編みで形成されている。また、踵部１４もニット編 みである。

【００１１】 図２はタック編みを説明するためのものである。タックは、ループの頭（ニー ドル・ループ）がウエール方向（編地の縦列）に、二重またはそれ以上に重なる 状態をいう。図２は、ニットとタックとを組合わせて編成したものである。タッ クは何回か積み重ねることができるが、それによって、編地に隆起や、すかし目 ができる。また、タックを積み重ねたところに糸が最終的に集まる。なお、これ らの効果を利用したものをラーベン柄という。

【００１２】 したがって、この靴下１１を穿くと、足の指股部分にはタック編み部分１７が 位置し、通気性、伸び縮みに対する強さが増し、好適なものである。特に、指股 部分に水虫などの疾患を有して通気性を確保する必要がある場合、この靴下１７ で靴を穿いても各指が接触せずかつ風通しがよく、むれる度合いが低く、きわめ て有用である。また、スポーツ選手などがこの靴下１７を穿いた場合は、各指を 自由に動かすことができ、大きな力をかけることができる。この場合でもタック 編み部分１７には通常よりも大きな力が作用するが、その伸縮に対する強度が高 いため、耐久性に劣ることはない。さらに、付加すれば、この靴下１７はタック 編み部分の編み目が他のニット編み部分よりも粗いため、従来よりも洗濯・乾燥 等に有利である。汚れが落ち易いものである。

【００１３】 図３はこの考案の他の実施例を示す靴下の底面図である。この図において示す ように、５本指靴下の爪先部１３にあってその底面側では各指袋部分１６Ａ〜１ ６Ｅの先端までのすべてをタック編み１８としてもよい。爪先部１３の表面側は 上記実施例と同じく指袋部分との連続部分１７のみをタック編みとする。この結 果、上記実施例に比べてさらに強度が増すという効果がある。もちろん、足の指 股部分の表面側および裏面側ともタック編みのため通気性はさらによくなり、発 汗およびむれを効果的に抑えることができる。なお、指袋部分の表面側の先端を ニット編みとしたのは編み機による製造を容易とするためである。その他の構成 は上記実施例と同じとする。

【００１４】 なお、上記実施例では５本指タイプに靴下にこの考案を適用した例を示した。 しかし、この他にも、爪先の指部分が分離していない通常の靴下、爪先の指部分 が２つに分離した靴下、踵部分のない靴下（靴下カバー）等についても、この考 案は適用することができる。また、タック編みと同等の編み方、すなわち編み目 がニット編みよりも粗い編み方などについても、この考案は適用することができ る。この考案の要旨は、力がかかりかつ通気性が高い部分に、タック編みで代表 される編み目が粗くてしかも強い編み方を施すことにある。よって、例えば作業 着・スポーツウェアなどその他の衣服にもこの考案を適用することができる。

【００１５】

【考案の効果】

この考案によれば、穿いた足の指股部分に対応する靴下の部位の通気性が増し 、発汗を抑えて、足がむれることを防止することができる。また、５本指タイプ の靴下では高い通気性に併せてその強度も高くなり、耐久性も増すこととなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る靴下を示す斜視図で
ある。

【図２】この考案の一実施例に係るタック編みを説明す
るための模式図である。

【図３】この考案の他の実施例に係る靴下の底面の一部
を示す図である。

【符号の説明】

１１ ５本指靴下 １２ 本体部 １３ 爪先部 １６Ａ・１６Ｂ・１６Ｃ・１６Ｄ・１６Ｅ 指袋部分 １７ 連続部分（タック編み部分） １８ 底面側のタック編み部分

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 靴下の爪先部をタック編みで形成した靴
   下。
2. 【請求項２】 本体部に連続する爪先部が複数の指袋状
   に形成された靴下において、この指袋状の部分と本体部
   との連続部分をタック編みで形成した靴下。