JP3014974B2 - 首振り機構およびそれを利用した立体視スコープ - Google Patents

首振り機構およびそれを利用した立体視スコープ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、形状記憶部材から
なる駆動部を動作させることにより首振り部を湾曲させ
得る首振り機構に関し、さらには、前記首振り機構を利
用した立体視スコープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の首振り機構は、例えば細管内や人
間の体内など通常の状態では観察できない場所を観察す
るための首振り内視鏡などにおいて、首振り動作を行わ
せるために用いられている。そして前記首振り内視鏡と
しては例えば内視鏡の先端部と、基端側の操作部とを牽
引ワイヤで連結し、操作者が前記操作部についた操作ノ
ブを操作して前記牽引ワイヤを引張り、内視鏡先端部を
首振り動作させるものが開発されている。しかしながら
このような首振り内視鏡では操作に高度な熟練が要求さ
れ理想的な方法とは言えない。
【0003】そこで、このような方法に代えて、首振り
機構に形状記憶合金を用いて機械化を図った首振り内視
鏡が提案されている。例えば前記牽引ワイヤに形状記憶
合金ワイヤを用い、前記形状記憶合金ワイヤを加熱する
ことにより前記形状記憶合金ワイヤが縮み、内視鏡の挿
入先端部を牽引ワイヤにより引張った状態と同様の効果
を奏して首振り動作をする首振り内視鏡や、前記牽引ワ
イヤの末端部に形状記憶合金コイルを備えて、これを加
熱することにより、形状記憶合金コイルが変位し前記牽
引ワイヤを引張り、内視鏡の挿入先端部が首振り動作す
るものなどが提案されている。
【0004】例えば、後者の具体例としては図12に示
すように、外被チューブ7内に、予め密巻状態を記憶さ
せた形状記憶合金コイル2a、2bが伸張された状態で
前記外被チューブ7の長手方向に並列に付設され、一端
側が首振り部1bの最も先端側に固着され、他端側が前
記形状記憶合金コイル2a、2bに接続されている牽引
ワイヤ4a、4bからなる首振り機構に内視鏡5が備え
てある2方向首振り内視鏡がある。
【0005】この首振り内視鏡の動作原理としては、例
えば形状記憶合金コイル2aを加熱すると、変態により
形状記憶合金コイル2aが収縮し牽引ワイヤ4aを牽引
することになり、当該内視鏡は前記牽引ワイヤ4a側に
首振りする(図12に示した状態)。次いで加熱を止め
ると、前記形状記憶合金コイル2aは逆変態して牽引力
が弱まり、形状記憶合金コイル2bの牽引力と同じにな
り、首振り部は前記形状記憶合金コイル2a、2bの牽
引力のつりあった状態(通常は首振りしていない状態)
になる。また、この状態では形状記憶合金コイル2a、
2bの冷却時の弾性力(牽引力)が同じ状態であり、首
振り動作としてはつりあっている状態にある。しかしな
がら、首振り部1bには前記2本の形状記憶合金コイル
2a、2bによる力が加わった状態にある。
【0006】また、2本のイメージガイドを備えた立体
視スコープにおいて、2本のイメージガイドそれぞれに
前述の首振り機構を適用し、イメージガイドの輻輳角を
それぞれ別個に変更可能にしたものなどが提案されてい
るが、この手段では、各イメージガイドが別個に独立し
て輻輳角を変更する機構であり、意図する立体視像が得
にくく、また複雑な立体を正確に観察することが難しか
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記首振り機構におい
て、前述した例のうち、前者の形状記憶合金ワイヤを用
いるものについては、十分な首振り動作を可能とするた
めには前記形状記憶ワイヤを相当長くしなければなら
ず、実用的でない。また、後者の形状記憶合金コイルを
用いるものについては、加熱時はもちろん冷却時におい
ても弾性力により牽引ワイヤに牽引力が加わるため、内
視鏡の首振り部が座屈してしまうことがあり、これを防
止するための部材を設ける必要がある。しかしながら、
該部材を設けることにより首振り動作のために必要な力
も大きくなり、前記形状記憶合金コイルを大きくする必
要が生じ、内視鏡の細径化が困難になる。また、これま
でと同一の形状記憶合金コイルを用いた場合には首振り
動作が小さくなるといった問題がある。
【0008】また、立体視スコープにおいても前述の首
振り機構をそのまま適用した場合2本のイメージガイド
それぞれに同様に座屈の問題が生じるとともに、2本の
イメージガイドがそれぞれ別個に動作するため、調整が
難しく、所望の立体視像を得ることが困難であった。
【0009】したがって、本発明の目的は細径化が可能
であるとともに、首振り部に座屈が生じることもない首
振り機構を提供することにある。また、2本のイメージ
ガイドを連動して動作させることができ、所望の立体視
像を得ることの容易な立体視スコープを提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の首振り機構は、
本体部と、その先端側に位置する首振り部とを有する管
状体または線状体と、該管状体または線状体本体部の
振り部側端部近傍の表面に沿って長手方向に移動自在な
可動部と、管状体または線状体本体部の首振り部側端部
近傍の表面部分に配置され、前記可動部を介して拮抗す
るよう設けられている2つの駆動部と、首振り部に添設
され、一端側が首振り部の一方の端部側に固着され、他
端側が首振り部の他方の端部側に設けられた前記可動部
に固着された牽引ワイヤとからなり、前記2つの駆動部
のうち、少なくとも一方が形状記憶部材からなることを
特徴とするものである。
【0011】前記2つの駆動部は、少なくとも一方が形
状記憶部材であって、可動部を介して拮抗するよう設け
ればよく特に制限はないが、2つの駆動部の両方を形状
記憶部材とすることは両駆動部をそれぞれ駆動させるこ
とが可能であるため、可動部を元の位置に戻す(首振り
状態を元に戻す)場合などの応答が速くなるので好まし
い。さらに、両駆動部の形状記憶部材に同じ部材を用い
ることによって、首振り機構の設計や、首振り動作の制
御を行う場合の制御が容易となり好ましい。なお、前記
拮抗とは2つの駆動部が互いに力を打ち消し合う方向に
駆動することを意味する。
【0012】また、2つの駆動部の両方を形状記憶部材
とするとともに、牽引ワイヤを2本設け、前記2つの駆
動部のうちの一方の駆動部の動作により一方の牽引ワイ
ヤが牽引されて首振り部が一方に首振りされ、他方の駆
動部の動作により他方の牽引ワイヤが牽引されて首振り
部が他方に首振りされるよう構成することによって、2
方向に首振り動作することができるので好ましい。
【0013】前記2方向の首振り動作を行う場合には、
牽引ワイヤは前記駆動部の動作により首振り機構の基端
側に牽引されるようにすれば良く、例えば図2に示すよ
うに前記牽引ワイヤのいずれか一方(例えば4a)を、
一端側は前記首振り部に添設し、首振り部の一端側に固
着し、他端側を前記可動部に固着し、他方の牽引ワイヤ
(例えば4b)を、一端側は前記首振り部に添設し、首
振り部の一端側に固着し、一端側が前記首振り部に添設
され、他端側を可動部の可動範囲よりも管状体の基端側
に設けたプーリを介して可動部に固着する態様や、可動
部をラックにして前記牽引ワイヤの少なくともどちらか
一方を前記ラックに噛み合うピニオンに巻き取るといっ
た態様のものなどを採用することができる。
【0014】また、牽引ワイヤを2本以上用いて、多方
向に屈曲させる場合、牽引ワイヤに形状記憶合金コイル
を用い、それぞれ別個に加熱可能とした場合、加熱され
た形状記憶合金コイルは加熱されていない形状記憶合金
コイルに比べてバネ定数が大きくなるので、伸びが小さ
くなる。そして、駆動部を動作させて前記形状記憶合金
からなる牽引ワイヤを引張った時、伸びの小さい形状記
憶合金コイルの牽引ワイヤは他の牽引ワイヤに比べて相
対的に短くなるため、その方向に首振り動作が行われ
る。したがって、加熱する形状記憶合金コイルを選択す
ることにより首振り方向を決定することができ、後述の
駆動ユニットを複数も受ける場合に比べて構成が簡素で
あり、小型化などに適しており好ましい。
【0015】また、前記2つの駆動部と、可動部と、牽
引ワイヤとを駆動ユニットとして、該駆動ユニットを複
数設け、複数の駆動ユニットの各牽引ワイヤの一端側を
前記首振り部の周方向の所定位置にそれぞれ添設し、他
端側を前記駆動ユニットのそれぞれの可動部に1本ずつ
固着することによって、前記首振り部を多方向へ首振り
動作させることができるので好ましい。
【0016】複数の駆動ユニットを設け、多方向への首
振り動作を行わせるためには、例えば、図5に示すよう
に前記駆動ユニットを管状体の半径方向に対して2重に
配置し、前記2つの駆動ユニット中の牽引ワイヤをそれ
ぞれ所望の首振り方向に対応させて、前記首振り部の周
方向の所定位置(図5では180度対抗した位置)にそ
れぞれ添設する構成や、図6に示すように可動部を、管
状体の周方向に分割(図6では4分割)し、該分割した
可動部のそれぞれに2つの駆動部および牽引ワイヤを設
けて複数の駆動ユニットを形成し、該駆動ユニット中の
牽引ワイヤの一端側を、それぞれ所望の首振り方向に対
応させて首振り部の周方向の所定位置(図6では90度
ずつ異なる4方向)にそれぞれ添設する構成などを用い
ることができる。
【0017】前記駆動部の形状記憶部材は材料、形状な
どに特に制限はなく、材料については形状記憶合金や形
状記憶樹脂、形状についてはコイル、線材、板材などを
用い得るが、線材、板材に比べて駆動力(形状回復力)
を大きく減少させることなく、かつ可動部の変位を大き
くできることによって駆動部を小型化、細径化すること
が容易になるという点から、形状記憶合金コイルとする
ことが好ましい。
【0018】また、前記駆動部の形状記憶部材を複数設
けることは1つの形状記憶部材の大きさを小さくできる
ので、細径化に適しており好ましく、例えば可動部がリ
ング状の場合には周方向に等間隔で配置する形態や、可
動部が直方状の場合には4隅に配置する形態などが考え
られる。そして、このような配置とした場合、前記形状
記憶部材の力を可動部に均一に伝えることができるので
さらに好ましい。
【0019】前記複数の形状記憶部材を用いる場合にお
いて、該形状記憶合金を通電加熱により加熱し、駆動を
行う場合には、前記複数の形状記憶部材を電気的に直列
接続することにより、前述のように細径化に適すことに
加えて、駆動させるための電流を小さくできるので好ま
しい。
【0020】また、可動部についてはスコープの長手方
向に移動可能であれば特に制限はなく、適宜決定してよ
いが、形状をリング状とすることによりスコープ内部の
空間を大きく開けることができる。また駆動部2a、2
bと、可動部3とを、前記管状体1に外嵌状に設けるこ
とにより、細径化が容易になり、その内部の空間を大き
く開けることができるので、他の機能、例えば、1また
は2以上のワーキングチャンネルを設け、該ワーキング
チャンネルにレーザ導光用光ファイバや圧力センサ、触
覚センサ、PHセンサなどを挿入し、レーザ照射機能や
各種センサ機能などを付与した多機能内視鏡とすること
もできるので好ましい。
【0021】また、これらの首振り機構の駆動部への動
力供給手段に制御手段を設けることにより、首振り角度
を任意に決定することができ好ましい。具体的には例え
ば、駆動部が形状記憶合金からなり、通電加熱により駆
動を行う場合、前記通電をパルス通電とし、パルス幅を
可変とすることにより、通電量が制御され、前記形状記
憶合金の加熱を制御することができ、形状回復量(駆動
量)つまり牽引ワイヤの牽引量が制御され、首振り角度
を制御することができる。
【0022】また、本発明の立体視スコープは、間隔を
置いて配置された首振り部を有する2本のイメージガイ
ドと、該イメージガイドの長手方向に移動可能な可動部
と、該可動部を介して拮抗するよう設けられている2つ
の駆動部と、首振り部に添設され、一端側が首振り部の
一方の端部側に固着され、他端側が首振り部の他方の端
部側に設けられた前記可動部に固着された牽引ワイヤと
からなり、前記2つの駆動部のうち、少なくとも一方が
形状記憶部材であって、牽引ワイヤを操作することによ
り前記2本のイメージガイドの首振り部が連動して動作
する立体視スコープにおいて、前記2本のイメージガイ
ドの先端側で該イメージガイド間に連動用ワイヤをかけ
渡し、牽引ワイヤの一端を前記連動用ワイヤに、他端を
可動部に接続したことを特徴とするものである。
【0023】前記2本のイメージガイドの先端側で該イ
メージガイド間に連動用ワイヤをかけ渡し、牽引ワイヤ
の一端を前記連動用ワイヤに、他端を可動部に接続する
ことは、2本のイメージガイドを連動して動作させるこ
とができるので、所望の立体視像を得るための輻輳角の
調整、制御が容易になり好ましい。なお、前記輻輳角と
は牽引が行われていない状態のイメージガイドの軸方向
と、牽引後のイメージガイドの軸方向との間の角度のこ
とを意味する。
【0024】また、本発明にかかる他の立体視スコープ
は、上記と同様な立体視スコープにおいて、牽引ワイヤ
を2本用い、2本のイメージガイドそれぞれの先端側に
前記2本の牽引ワイヤの一端側をそれぞれ接続し、他端
を可動部にそれぞれ接続したことを特徴とするものであ
る。このように構成することで、前記2本のイメージガ
イド間に空間を設けることができ、該空間に前述のよう
に各種機能を挿入することもできるので好ましい。
【0025】また、可動部の移動量を制限するストッパ
ーを設けることにより、輻輳角を変更した際に、2本の
イメージガイドが接触することがなくなるので、スコー
プの故障が生じにくくなり好ましく、前記ストッパーと
しては、例えば可動部に移動量制御棒を取付けておき、
該移動量制御棒を別途設けられた制御窓を貫通するよう
に設けることにより、該制御窓の開口範囲内でのみ移動
可能とする方法などを用いることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下発明の実施態様につき詳細に
説明する。図1は本発明の首振り機構の一実施態様を示
した図である。図において、1は管状体を示し、本体部
1aと、その対物側先端部に設けられた首振り部1bと
からなる。そして本体部1aの端部位置に、前記管状体
1の長手方向に移動可能な可動部3が設けられ、該可動
部3を介して拮抗するように、形状記憶合金コイルから
なる駆動部2aと、同じ形状記憶合金コイルからなる駆
動部2bとが付設されている。さらに4は牽引ワイヤで
あり、該牽引ワイヤ4は、首振り部1bの長手方向に添
設され、一端側が首振り部の一方の端部側に固着され、
他端側が前記可動部3に固着されている。
【0027】このような構成とすることによって、通常
時(駆動部が動作していない時)は、駆動部2a、2b
の駆動力は拮抗しているため打ち消しあい、可動部3に
は力が加わらない。したがって、可動部3に固着されて
いる牽引ワイヤ4には牽引力が加わらない。その結果、
首振り部1bにも力が加わらないため首振り部が座屈す
ることがない。また、首振り動作時には、駆動部2aを
駆動させる(本実施態様においては形状記憶合金コイル
を形状回復させる)ことにより、駆動部2a、2bの力
のつり合い状態が変化し、可動部3が移動する。したが
って、牽引ワイヤ4に牽引力が加わり、首振り部1bの
首振り動作が行われる。
【0028】このような動作が行われる本発明の首振り
機構においては、前記管状体または線状体は少なくとも
首振り部1bが可撓性を有していれば良く、管状体また
は線状体全体が可撓性を有しているものや、可撓性のな
い管状体または線状体に首振り部として可撓性を有する
部材を接続し、組合わせたものなど適宜決定することが
できる。
【0029】駆動部2a、2bについては可動部を介し
て拮抗していればよく、管状体の長手方向に可動部を介
して直列に配置したり、並列に配置することなどがで
き、前者は作製が容易であるとともに、細径化に適して
おり、後者は光加熱を行う場合などに2つの駆動部のい
ずれにも容易に加熱可能にすることができ適している。
また、光加熱を行う場合、駆動部の長手方向にテーパを
付与することによって、駆動部を長手方向全体に加熱す
ることができ、TiNi系形状記憶合金などのような熱
伝導のよくない材料を用いる場合などに好ましい。
【0030】前記可動部3については特に制限はなく、
使用状況によって適宜決定することができる。例えば駆
動部に形状記憶合金コイルを用い、該形状記憶合金コイ
ルの加熱を通電加熱により行う場合には、リード線の接
続の容易であるなどの点から導電性を有するものを用い
ることが好ましいが、同様に形状記憶合金コイルを通電
加熱で行う場合でも、1つの駆動部に形状記憶合金コイ
ルを複数用いて、形状記憶合金コイルを力学的には並列
に電気的には直列に接続する場合には絶縁性材料を用い
る必要がある。
【0031】さらに、前記可動部3と、2つの駆動部2
a、2bとは1本の形状記憶合金コイルで作製すること
もできる。即ち、1本の形状記憶合金コイルを管状体の
長手方向に配置し、形状記憶合金コイルの長手方向中央
部に牽引ワイヤ4と、接地用のリード線を固着し、形状
記憶合金コイルの両端にそれぞれリード線を接続し形状
記憶合金コイルの長手方向中央部から先端側と基端側と
を別個に加熱可能とすることにより、前記形状記憶合金
コイルの長手方向中央部は可動部となり、該中央部を境
に先端側と基端側とが2つの駆動部となる。このように
構成することにより、可動部と駆動部との接続が不要に
なるなど、構造を簡素化することができ小形化に適すと
ともに、作製も容易になる点で好ましい。
【0032】前記牽引ワイヤ4にも特に制限はないが、
首振り動作する時や、繰返し首振り動作を行った場合に
も安定して動作するためには牽引により牽引ワイヤ4が
伸張することがない方が好ましいことから伸びの小さい
材料を用いる方が好ましい。
【0033】また、このような首振り機構において、イ
メージガイドを管状体内部に配置することによって、容
易に首振り内視鏡を得ることもでき、前記イメージガイ
ドとしては、可撓性を有していれば特に制限はなく、例
えば石英系ファイバ、多成分系ファイバなどが使用で
き、またイメージガイドのみからなる態様を用い得るこ
とはもちろん、イメージガイドとライトガイドとからな
るイメージスコープなどの態様も用いることができる。
【0034】なお、既述の態様はいずれの場合も先端側
に首振り部を有する管状体についての実施形態のみを説
明したが、本発明の首振り機構はこの構造のみに限られ
るわけではなく、例えば管状体に前述の首振り機構を直
列に複数部設け、前記管状体を多自由度に湾曲させるこ
とを可能とした首振り機構であっても良い。また、管状
体でなく線状体でもよい。
【0035】図8は本発明の立体視スコープの一実施態
様を示した図である。図にしたがって説明すると、可動
部3がスコープ長手方向に移動可能に設けられており、
該可動部の両端側には形状記憶部材からなる駆動部2
a、2bが拮抗するように配置されている。また、イメ
ージスコープ5、5は前記可動部3、駆動部2a、2b
を間に挟むようにして平行に配置され、前記駆動部2
a、2bの固定とイメージスコープ5、5の支持を兼ね
る支持板16、16によって支持されており、前記イメ
ージスコープ5、5は先端側の支持板16よりも先端側
の部位が首振り部となり湾曲可能となっている。前記支
持板16、16には前記駆動部2a、2bの一端がそれ
ぞれ固着されている。さらに、牽引ワイヤ4、4はいず
れも一端が可動部3に固着され、他端が前記イメージス
コープ5、5の先端側に固着されている。
【0036】このように構成することによって、形状記
憶部材2aを加熱し、形状回復させると、可動部3は図
中の下方に移動し、牽引ワイヤ4、4を牽引することに
なる。これにより、前述の首振り機構と同様にイメージ
スコープ5、5の首振り部が湾曲し、輻輳角が変化し、
立体視像を得ることができる。
【0037】また、本発明の立体視スコープの可動部や
駆動部、牽引ワイヤ、イメージガイドなどは既述の態様
に限られるわけではなく、前述の首振り機構における各
種態様と同様のものを用いることができる。
【0038】
【実施例】
[実施例1]以下具体的な実施例につき説明する。本実
施例では、図1に示した構造の首振り内視鏡を作製し
た。内径0.7mm、外径0.8mmのステンレス製の
パイプに絶縁のためポリイミドを被覆した外径1.0m
mの本体部1aと、素線径0.15mm、外径1.3m
mのステンレス製の密巻コイルからなる首振り部1bと
からなる管状体1の外周に、素線径0.25mm、外径
1.6mm、長さ6mmに密巻され、その状態を記憶処
理されたTiNi製の形状記憶合金コイルバネからなる
第1の駆動部2aと、前記形状記憶合金コイルバネ2a
と同じ形状記憶合金コイルバネからなる第2の駆動部2
bとを、前記両コイルバネの長さが各々20mmとなる
ように前記管状体1の長手方向に直列状態で付設してい
る。前記2つのコイルバネ2a、2bの間には両コイル
バネの端部が接続された内径1.3mm、外径1.4m
mのステンレス製の可動リングからなる可動部3が備え
てあり、それぞれのコイルバネの逆の端部には内径1.
0mm、外径1.2mmのステンレス製の駆動部材固定
部6、6が備えてある。そして該駆動部材固定部6、6
は前記本体部1aに固着されている。線径0.08mm
のステンレス製の牽引ワイヤ4の一端が前記首振り部1
bの先端側に固着され、他端が前記首振り部1bを通っ
て前記可動リング3に固着されている。また前記管状体
1内には外径0.4mmのイメージスコープ5が備えて
あり、内径1.8mm、外径2.0mmのポリウレタン
チューブの外被7が被覆されている。なお、本実施例に
おいては前記外被7は首振り部1bとともに牽引ワイヤ
4のワイヤガイドとしての機能も有している。
【0039】前記首振り内視鏡の作製方法について説明
すると、予め形状記憶処理された前記コイルバネ2a、
2bの一端を可動リング3であるステンレスリングに固
着し、他端を駆動部材固定部6、6に固着する。これら
を前記第1の駆動部となるコイルバネ2aが手元側とな
るようにして本体部1aに挿入し、該本体部1aの一端
に首振り部1bとの接着部を残して、第2の駆動部とな
るコイルバネ2b側の駆動部材固定部6を固着し、前記
両コイルバネ2a、2bの長さが各々20mmとなるよ
うに伸張してもう一方の駆動部材固定部6を本体部1a
に固着した(本実施例では、コイルバネは全く同じもの
を用いているため本体部1aへの挿入はどちらのコイル
側からでもよい)。次いで、本体部1aのステンレスパ
イプの前記接着部に首振り部1bのステンレスコイルの
端部を被せて固着し、前記ステンレスコイルの他端に内
径1.3mm、外径1.6mmのステンレス製の先端リ
ング8を被せて固着した。なお、この時のステンレスコ
イルの非固着部分(首振り動作部)が30mmとなるよ
うに作製した。次に、牽引ワイヤ4の一端を前記可動リ
ング3に固着し、他端を先端リング8に固着する。そし
てリード線9、9、9のそれぞれの一端を前記可動リン
グ3、駆動部材固定部6、6にそれぞれ接続し、外被7
を被覆し、管状体1内にイメージスコープ5を挿入、固
着して作製した。
【0040】作製された首振り内視鏡の動作原理につい
て簡単に説明すると、図示していない電源によって、第
1の駆動部である形状記憶合金コイルバネ2aを通電し
て加熱する。加熱された形状記憶合金コイルバネ2aは
形状回復し密巻状態へ戻ろうとして、可動リング3が手
元側へ変位する。これによって牽引ワイヤ4が牽引さ
れ、首振り部が湾曲して首振り動作する。
【0041】また本実施例では第2の駆動部にも形状記
憶合金コイルバネ2bを使用しており、前記首振り動作
を行った後に元の位置へ戻す場合、前記形状記憶合金コ
イルバネ2bを加熱することにより速やかに元の状態
(首振りしていない状態)に戻ることになる。
【0042】[実施例2]本実施例では図2に示した構
造の2方向首振り内視鏡を作製した。本実施例では実施
例1にも使用されている部材については実施例1で使用
した各部材と同じ仕様の部材を用いている。本実施例の
みに使用されている部材は実施例1に使用した牽引ワイ
ヤに加えて、該牽引ワイヤとは長さのみが異なる第2の
牽引ワイヤ4b、内径1.3mm、外径1.4mmのス
テンレスパイプを用いたプーリ10、ポリイミドを被覆
したステンレスパイプである本体部1aとともに前記プ
ーリ10を保持する内径1.7mm、外径1.8mmの
ステンレスパイプのプーリ保持管11がある。
【0043】前記2方向首振り内視鏡の作製方法につい
て説明すると、本体部1aに第1の駆動部である形状記
憶合金コイルバネ2aの一端が固着されている駆動部材
固定部6が固着される位置よりも手元側の本体部1a
と、プーリ保持管11とに孔を設け、両孔に前記プーリ
10を嵌め合わせる。次いで実施例1と同様にして両コ
イルバネ2a、2b、可動リング3、駆動部材固定部6
を組立、本体部1aに固着し、首振り部1b、先端リン
グ8を固着する。次いで、第1の牽引ワイヤ4aは実施
例1と同様にして取り付け、第2の牽引ワイヤ4bの一
端を前記首振り部1bの先端側の第1の牽引ワイヤ4a
とは対角の位置に固着し、他端を前記首振り部1bを通
り、プーリ10を介して可動リング3に固着する。次い
でリード線9、9、9のそれぞれの一端を前記可動リン
グ3、駆動部材固定部6、6に接続し、外被7を被覆
し、管状体1内にイメージスコープ5を挿入、固着して
作製した。
【0044】この2方向首振り内視鏡についても動作原
理は実施例1と同様であるが、第2の駆動部である形状
記憶合金コイルバネ2bが通電加熱された場合、第2の
牽引ワイヤ4bは可動リング3に固着された部分では先
端側に牽引されるが前記プーリ10によって牽引方向が
転換され、首振り部1bにおいては第2の牽引ワイヤ4
bも手元側へと牽引される。したがって、首振り部1b
は第1の駆動部である形状記憶合金コイルバネ2aを加
熱した時とは反対側へ首振り動作を行う。
【0045】[実施例3]本実施例では図3に示した構
造の牽引ワイヤに形状記憶合金コイルを用いた多方向首
振り内視鏡について示している。本実施例では実施例1
の構成において、牽引ワイヤに素線径0.03mm、外
径0.09mmの形状記憶合金コイルを使用し、周方向
に等間隔に3本配置されており、それぞれの牽引ワイヤ
14、24、34は、一端が首振り部1bの先端側に、
他端が可動リング3に固着されている。また、前記形状
記憶合金コイルはそれぞれにリード線(図示せず)が接
続されており、別個に加熱可能となっている。また、駆
動部に用いる形状記憶合金コイル2a、2bには、素線
径0.3mm、外径1.6mm、長さ9mmに密巻さ
れ、その状態を記憶処理したものを用いて、長さを24
mmに伸張して取付けている。そして、前記牽引ワイヤ
と駆動部以外は実施例1と同様の構造となっている。
【0046】本実施例の多方向首振り内視鏡の動作原理
について簡単に説明すると、実施例1と同様に図示して
いない電源によって駆動部である形状記憶合金コイル2
aを通電加熱すると、前記形状記憶合金コイル2aは形
状回復して密巻状態へ戻ろうとし、可動リング3が基端
側へ変位して、牽引ワイヤ14、24、34が牽引され
る。この時、3本の牽引ワイヤである形状記憶合金コイ
ル14、24、34のうち、例えば牽引ワイヤ14の1
本のみを加熱しておくと該牽引ワイヤ14は他の牽引ワ
イヤ24、34に比べてバネ定数が大きくなっているの
で牽引された時の伸びが小さい、もしくは伸びがほとん
どない状態となる。したがって、牽引ワイヤ24、34
に比べて牽引ワイヤ14が伸びない状態で牽引されるこ
とになり、相対的に牽引ワイヤ14のみが牽引されたよ
うなことになり、首振り部1bは牽引ワイヤ14側に首
振りすることになる。したがって、3本の牽引ワイヤ1
4、24、34を選択的に加熱可能とすることによっ
て、3方向に首振り動作することができ、また、3本の
牽引ワイヤ14、24、34の加熱を制御(例えば14
と24とを加熱するなど)することによってさらに多方
向(前述のように14と24とを加熱した場合、14と
24との中間の方向)に首振り可能となる。
【0047】[実施例4]本実施例は2つの駆動部と、
可動部と、一端が前記可動部に固着されている牽引ワイ
ヤとからなる駆動ユニットUの変形実施例であり、図4
にこれを示す。図は簡略化のため、駆動部の形状記憶コ
イルバネの本数を省略しているが、実際は、第1、第2
の駆動部2a、2bは素線径0.1mm、外径0.3m
m、長さ18mmに密巻され、その状態を記憶処理され
たTiNi製の形状記憶合金コイルバネ13本のコイル
群からなっており、該形状記憶コイルバネを管状体の周
方向に略等間隔となるように、内径1.3mm、外径
1.4mmのステンレス製の可動リングからなる可動部
3に一端を取付け、他端を内径1.0mm、外径1.2
mmのステンレス製の駆動部材固定部6、6に取付け
る。この際前記コイル群2a、2bの13本のコイルは
電気的には直列になるよう接続されている。次いで、牽
引ワイヤ4の一端を前記可動リング3に固着して駆動ユ
ニットUを作製した。なお、この駆動ユニットUを実施
例1で述べた首振り内視鏡に取付けた場合、前記形状記
憶合金コイルバネの長さが25mmとなるようにして取
付けることにより、約60度の首振り動作を行うことが
できた。
【0048】[実施例5]本実施例は駆動ユニットUを
2重に設ける場合についての実施例であり、図5は2重
とした駆動ユニット部を示している。本実施例における
2つの駆動ユニットU1、U2は実施例3と同様の手順
で作製したものであり、各部材の寸法のみを変更したも
のである。各部材について詳述すると、駆動部12a、
12b、22a、22bには素線径0.1mm、外径
0.3mm、長さ20mmに密巻され、その状態を記憶
処理されたTiNi製の形状記憶合金コイルバネ6本の
コイル群を用い、外側の可動リング13には内径1.3
mm、外径1.4mmのステンレス製リングを、内側の
可動リング23には内径1.1mm、外径1.2mmの
ステンレス製リングを用い、駆動部材固定部6、6には
内径1.0、外径1.2mmのステンレス製リングを用
いた。これを実施例1で述べたような首振り内視鏡に適
用した場合、前記形状記憶合金コイルバネの長さを28
mmとなるように取付けることにより、2方向にそれぞ
れ約60度の首振り動作を行うことができた。
【0049】[実施例6]本実施例は可動部を周方向に
分割した実施例についてであり、図6は分割された駆動
ユニット部を示している。内径1.3mm、外径1.4
mmのステンレスリングを周方向に四分割して可動部1
3、23、33、43とし、素線径0.1mm、外径
0.3mm、長さ28mmに密巻され、その状態を記憶
処理されたTiNi製の形状記憶合金コイルバネ3本で
1つの駆動部を形成している駆動部12a、12b、2
2a、22b・・・・が前記それぞれの可動部を介して
拮抗するように、駆動部の一端をそれぞれの可動部に取
付け、前記駆動部の他端を内径1.0mm、外径1.2
mmのステンレス製リングの駆動部材固定部6、6に取
付け、牽引ワイヤ14、24、34、44の一端を前記
可動部13、23、33、43に取付けて、駆動ユニッ
トU1、U2、U3、U4を作製した。これを実施例1
に示したような首振り内視鏡に適用した場合、前記駆動
ユニットU1、U2、U3、U4が管状体を覆うよう
に、また形状記憶合金コイルバネの長さが39mmとな
るように取付けることにより、四方向にそれぞれ約60
度の首振り動作を行うことができた。
【0050】[実施例7]本実施例は駆動部にテーパを
付与した形状記憶合金コイルを用いて光加熱する場合の
実施例についてであり、図7は駆動ユニット部を示して
いる。可動部3に内径0.9mm、外径1.0mmのス
テンレスリングを、駆動部材固定部6、6に内径0.5
mm、外径0.6mmのステンレスリングを用い、コイ
ル内径が駆動部材固定部側では0.6mm、可動部側で
は1.0mmとなるようにテーパを付与した素線径0.
3mm、長さ15mmの密巻状態を記憶した形状記憶合
金コイル2a、2bを前記可動部を介して拮抗するよう
に設け、前記可動部3には牽引ワイヤ4の一端を固着し
ている。また、図示していないが基端側の形状記憶合金
コイル2aの基端側には形状記憶合金コイル加熱用の光
ファイバを設けている。これを実施例1に示した外径
0.4mmのイメージスコープ外周に取付け、首振り内
視鏡に適用した場合、形状記憶合金コイル2a、2bを
長さが20mmとなるように取付けることによって、前
記光ファイバを利用して形状記憶合金コイル2aをレー
ザ照射して形状回復させた場合、約50°の首振り動作
を行うことができた。
【0051】実施例1から7で作製された首振り内視鏡
において、形状記憶合金コイルバネを加熱して動作させ
たところ、加熱前の状態に比べて約40〜60度の首振
り動作を行うことができ、この時および首振り動作を行
っていない時に首振り部に座屈はみられなかった。な
お、これまでに述べた実施例では首振り角度が40〜6
0度であるが、これは駆動部に用いる部材の材料、設計
寸法、管状体やイメージスコープの材料、寸法などによ
り変えることができることはいうまでもない。
【0052】[実施例8]本実施例では図8に示した構
造の立体視スコープを作製した。図にしたがって説明す
ると、駆動部2a、2bの固定とイメージスコープ5、
5の支持とを兼ねる支持板16、16と、スコープ長手
方向に移動可能であって前記支持板16、16の間に設
けられた可動部3との間に、該可動部を介して拮抗する
ように形状記憶合金コイルからなる2つの駆動部2a、
2bがそれぞれ一端を支持板16、16に、他端を可動
部3に固着され得ている。前記支持板は前述のようにイ
メージスコープ5、5の支持をするために前記駆動部2
a、2bが取付けられた部位よりも外周側にイメージス
コープ挿通用の孔が設けてあり、また内部に空間を設け
るためリング状となっている。イメージスコープ5、5
は、先端が前記スコープ先端側の支持板16よりも先端
側に突出するように前記支持板16、16に設けられた
孔に挿通され、前記駆動部2a、2bおよび可動部3を
間に挟むように平行に配置して、前記支持板をイメージ
スコープに固着している。これによって、前記スコープ
先端側の支持板16よりも先端側に位置するイメージス
コープの一部が前述の首振り機構における首振り部とな
り湾曲可能となる。そして、牽引ワイヤ4、4がそれぞ
れ一端を前記可動部3に、他端を前記イメージスコープ
5、5の先端側に固着している。なお、前記形状記憶合
金コイルは予め密巻状態を記憶処理され、それを伸張し
た状態で取付けられている。
【0053】この立体視スコープの動作原理について説
明すると、基端側の形状記憶合金コイル2aを加熱し、
形状回復させると密巻状態に戻ろうとする力が働き可動
部3が基端側(図中の下方)に移動し、牽引ワイヤ4、
4を牽引することになる。これにより、イメージスコー
プ5、5の首振り部が湾曲し、輻輳角が変化する。そし
て図示しない画像処理装置により、2本のイメージスコ
ープから得られた画像を重ね合わせるなどの処理をする
ことにより立体視像が得られる。
【0054】[実施例9]本実施例では図9、10に示
した構造の立体視スコープを作製した。図9は本実施例
の立体視スコープの長手方向の断面図であり、図10は
図9におけるA−A断面の断面図である。図にしたがっ
て詳述すると、保護管19内に、2本のイメージガイド
15、15を間隔をおいて配置し、該イメージガイド1
5、15には支持板16、16、および該支持板よりも
先端側に連動用ワイヤ20をリング状にして前記2本の
イメージガイドにかけ渡して、それぞれ固着されてい
る。なお、前記支持板はイメージガイド15、15、ラ
イトガイド25、25、・・、牽引ワイヤ4を通す孔の
みを設けている。また、さらに各種センサなどを設け、
多機能スコープとする場合には適宜孔を設ければよい。
また、保護管19には予めストローク制御窓18が設け
られている。
【0055】そして、2つの形状記憶合金コイル2a、
2bのそれぞれの一端は可動リング3に固着され、これ
らは前記保護管19に外嵌状に配置され、前記2つの形
状記憶合金コイル2a、2bは伸張され他端が保護管1
9に固着されている。前記可動リング3には移動量制御
棒17が2本のイメージガイド15、15を結んだ線に
対して直交して取付けられており、さらに牽引ワイヤ4
は一端が前記移動量制御棒17に、他端が前記連動用ワ
イヤ20の中央に取付けられている。これらに前記イメ
ージガイド15、15に平行してライトガイド25、2
5、・・が4本設けられ、先端部には透明キャップ21
が取付けられている。
【0056】このような立体視スコープの動作原理につ
いて説明すると、図示しない電源により、通電され形状
記憶合金コイル2aが加熱されると該形状記憶合金コイ
ル2aは形状回復し密巻の状態に戻ろうとする。これに
より、可動リング3が図中の下方に移動し、牽引ワイヤ
4が牽引され、連動用ワイヤ20の中央部に下方への力
が加わり、該連動用ワイヤ20がかけ渡されている2本
のイメージガイド15、15が連動してスコープ中心方
向へ引かれ、輻輳角が変化する。この結果、2本のイメ
ージガイドのそれぞれから得られる画像を重ね合わせて
処理することによって、立体視像を得ることができる。
【0057】[実施例10]本実施例では図11に示し
た構造の立体視スコープを作製した。図にしたがって説
明すると、2つの駆動部2a、2bと、可動部3とを一
体化した形状記憶合金コイルの固定とイメージスコープ
5、5の支持とを兼ねる支持板16、16の間に前記形
状記憶合金コイルを配置し、該形状記憶合金コイルの両
端を前記支持板16、16に固着している。支持板1
6、16の形状記憶合金コイル取付け部よりも外周側に
はイメージスコープ挿通用の孔が設けられており、2本
のイメージスコープ5、5は前記支持板の孔を通して先
端が、スコープ先端側の支持板16よりもスコープ先端
側に一部が突出するように、前記形状記憶合金コイルを
挟んで平行に設けられており、スコープ先端側の支持板
よりも先端側でイメージスコープにリング状の連動用ワ
イヤ20をかけ渡している。そして、前記形状記憶合金
コイルの長手方向中央部に牽引ワイヤ4の一端を固着
し、他端を前記連動用ワイヤ20のイメージスコープ間
中央部に接続する。なお、形状記憶合金コイルは基端側
の駆動部2a全体に光加熱可能なように、長手方向中央
部が最小径であり、両端が最大径となるようにテーパ加
工されている。さらに形状記憶合金コイルの基端側には
レーザ光照射用の光ファイバ22が配置されている。
【0058】このように構成することによって、形状記
憶合金コイルは前述のようにテーパ加工されているので
駆動部2aの全体にわたって照射することができ、Ti
Ni合金のように熱伝導のよくない部材でも駆動部全体
を加熱することができる。また、可動部と、駆動部とが
一体化されているので、両部材間の接続が不要であり、
さらに光加熱であるので駆動部へのリード線の接続も不
要となり作製が容易になる。また、作製の容易さととも
に、構成要素も少ないので細径化にも適している。
【0059】
【発明の効果】以上説明した通りの本発明の首振り機構
によれば、可動部を介して拮抗するよう2つの駆動部を
設けているので首振り動作を行わない場合には、2つの
駆動部がつりあった状態であるため可動部の変位がない
ことはもちろん、牽引ワイヤに牽引力が働かないため首
振り部にも力が加わらず、首振り部の座屈を防止するこ
とができ、さらに首振り機構の要部をなす駆動ユニット
が簡単な構成であるため、細径化が容易になるなどの優
れた効果を奏するものである。
【0060】さらに本発明の立体視スコープによれば、
前述の首振り機構と同様にイメージガイドなどの座屈が
生じることがなく、また、イメージガイドなどを連動し
て動作させることができるため輻輳角の調整が容易とな
り、所望の立体視像が得やすくなるという優れた効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の首振り機構を用いた首振り内視鏡を示
す一部裁断断面図である。
【図2】本発明の首振り機構を用いた首振り内視鏡の他
の例を示す一部裁断断面図である。
【図3】本発明の首振り機構を用いた首振り内視鏡の他
の例を示す一部裁断断面図である。
【図4】本発明の首振り機構の他の駆動ユニット部を示
す斜視図である。
【図5】本発明の首振り機構の他の駆動ユニット部を示
す斜視図である。
【図6】本発明の首振り機構の他の駆動ユニット部を示
す斜視図である。
【図7】本発明の首振り機構の他の駆動ユニット部を示
す斜視図である。
【図8】本発明の立体視スコープを示す長手方向断面図
である。
【図9】本発明の立体視スコープの他の例を示す長手方
向断面図である。
【図10】図9におけるA−A断面図である。
【図11】本発明の立体視スコープの他の例を示す長手
方向断面図である。
【図12】従来の首振り機構を用いた首振り内視鏡を示
す長手方向断面図である。
【符号の説明】
1a 管状体の本体部 1b 管状体の首振り部 2a、12a、22a、32a、42a 第1の駆動
部 2b、12b、22b、32b、42b 第2の駆動
部 3、13、23、33、43 可動部 4、14、24、34、44 牽引ワイヤ 5 イメージスコープ 6 駆動部材固定部 7 外被 8 首振り部先端部材 9 リード線 10 プーリ 11 プーリ保持管 15 イメージガイド 16 支持板 17 移動量制御棒 18 ストローク制御窓 19 保護管 20 連動用ワイヤ 21 透明キャップ 22 光ファイバ 25 ライトガイド U 駆動ユニット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−94631(JP,A) 特開 平3−139326(JP,A) 特開 平4−340110(JP,A) 特開 昭57−69839(JP,A) 特開 平6−300975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 1/00 - 1/32

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体部と、その先端側に位置する首振り
    部とを有する管状体または線状体と、 該管状体または線状体本体部の首振り部側端部近傍の表
    面に沿って長手方向に移動自在な可動部と、管状体または線状体本体部の首振り部側端部近傍の表面
    部分に配置され、前記 可動部を介して拮抗するよう設け
    られている2つの駆動部と、 首振り部に添設され、一端側が首振り部の一方の端部側
    に固着され、他端側が首振り部の他方の端部側に設けら
    れた前記可動部に固着された牽引ワイヤとからなり、 前記2つの駆動部のうち、少なくとも一方が形状記憶部
    材からなることを特徴とする首振り機構。
  2. 【請求項2】 2つの駆動部のいずれもが形状記憶部材
    からなることを特徴とする請求項1記載の首振り機構。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の首振り機構において、
    牽引ワイヤを2本設け、前記2つの駆動部のうちの一方
    の駆動部の動作により一方の牽引ワイヤが牽引されて首
    振り部が一方に首振りされ、他方の駆動部の動作により
    他方の牽引ワイヤが牽引されて首振り部が他方に首振り
    されるよう構成されていることを特徴とする首振り構造
    体。
  4. 【請求項4】 牽引ワイヤを2本以上有し、該牽引ワイ
    ヤが形状記憶合金コイルからなり、前記2本以上の牽引
    ワイヤはそれぞれ別個に加熱可能であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の首振り機構。
  5. 【請求項5】 前記2つの駆動部と、可動部と、一端が
    前記可動部に固着されている牽引ワイヤとからなる駆動
    ユニットが複数設けられ、前記駆動ユニットの各牽引ワ
    イヤの他端側が前記首振り部の周方向の所定位置にそれ
    ぞれ添設されていることを特徴とする請求項1から3い
    ずれかに記載の首振り機構。
  6. 【請求項6】 前記駆動ユニットが管状体または線状体
    の径方向に2重に配置され、前記駆動ユニット中の牽引
    ワイヤの一端側が所望の首振り方向に対応して、首振り
    部の周方向の所定位置にそれぞれ添設されていることを
    特徴とする請求項5記載の首振り機構。
  7. 【請求項7】 可動部が管状体または線状体の周方向に
    分割され、分割された可動部のそれぞれに2つの駆動部
    および牽引ワイヤを設けて複数の駆動ユニットを形成
    し、該駆動ユニット中の牽引ワイヤの一端側を、所望の
    首振り方向に対応して、首振り部の周方向の所定位置に
    それぞれ添設することを特徴とする請求項5記載の首振
    り機構。
  8. 【請求項8】 形状記憶部材が形状記憶合金コイルから
    なることを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の
    首振り機構。
  9. 【請求項9】 駆動部に複数の形状記憶部材を用いるこ
    とを特徴とする請求項1から8いずれかに記載の首振り
    機構。
  10. 【請求項10】 間隔を置いて配置された首振り部を有
    する2本のイメージガイドと、該イメージガイドの長手
    方向に移動可能な可動部と、該可動部を介して拮抗する
    よう設けられている2つの駆動部と、首振り部に添設さ
    れ、一端側が首振り部の一方の端部側に固着され、他端
    側が首振り部の他方の端部側に設けられた前記可動部に
    固着された牽引ワイヤとからなり、前記2つの駆動部の
    うち、少なくとも一方が形状記憶部材であって、牽引ワ
    イヤを操作することにより前記2本のイメージガイドの
    首振り部が連動して動作する立体視スコープにおいて、
    前記2本のイメージガイドの先端側で該イメージガイド
    間に連動用ワイヤをかけ渡し、牽引ワイヤの一端を前記
    連動用ワイヤに、他端を可動部に接続したことを特徴と
    する立体視スコープ。
  11. 【請求項11】 間隔を置いて配置された首振り部を有
    する2本のイメージガイドと、該イメージガイドの長手
    方向に移動可能な可動部と、該可動部を介して拮抗する
    よう設けられている2つの駆動部と、首振り部に添設さ
    れ、一端側が首振り部の一方の端部側に固着され、他端
    側が首振り部の他方の端部側に設けられた前記可動部に
    固着された牽引ワイヤとからなり、前記2つの駆動部の
    うち、少なくとも一方が形状記憶部材であって、牽引ワ
    イヤを操作することにより前記2本のイメージガイドの
    首振り部が連動して動作する立体視スコープにおいて、
    牽引ワイヤを2本用い、2本のイメージガイドそれぞれ
    の先端側に前記2本の牽引ワイヤの一端側をそれぞれ接
    続し、他端を可動部にそれぞれ接続したことを特徴とす
    る立体視スコープ。
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