JP3014875U - 鋼管がい装ケーブル用防爆形ケーブルグランドのケーブル接地装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 波付鋼管がい装された３層構造のケーブルを
防爆形ケーブルグランドに簡単に接地し得るようにす
る。 【構成】 耐圧防爆形ボックス２のケーブル引き込み穴
に捩じ込まれる円筒状本体２６の外径部に、ユニオンナ
ット４２の内径部が捩じ込み可能であり、このユニオン
ナット４２の内径部に、Ｏリング６２でリング状に連結
された複数個の金属製クランプ片から成る接地クランプ
５６が配置される。本体２６にユニオンナット４２を螺
合すると、本体２６内の内部パッキン３８の端部に、ユ
ニオンナット４２内に配置されたパッキングランド４０
の端部が圧接し、この圧接力の反力によって、接地クラ
ンプ５６のクランプ片が、ユニオンナット４２の内径部
のテーパー面５０に案内されてユニオンナット４２の中
心方向に変位し、接地クランプ５６の各クランプ片がケ
ーブル１４の鋼管部１４ａの外周面に圧着し、鋼管部１
４ａは、接地クランプ５６のクランプ片、ユニオンナッ
ト４２、本体２６を通じて、耐圧防爆形ボックス２のケ
ーシングに接地される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は耐圧防爆形ボックスに、鋼管をがい装した３層構造のケーブルを導く ために用いられる防爆形ケーブルグランドのケーブル接地装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

此種のケーブルグランドは、図６，図７に示すように、耐圧防爆形ボックス２ のケーブル引き込み穴４に捩じ込まれる本体６と、本体６の内径部に捩じ込まれ るグランド８と、本体６の外径部に捩じ込まれるユニオン１０と、ユニオン１０ の端部の外径部に捩じ込まれるショートユニオン１２とから構成され、カッター によって外側の波付き鋼管部１４ａと、外装部１４ｂが取り去られた、ケーブル １４の内部ケーブル部１４ｃが、バンド状のクランプ１６によってグランド８に 固定されている。

【０００３】 また、ケーブル１４の外装部１４ｂは、バンド状のクランプ１８によって、シ ョートユニオン１２に固定されている。外装部１４ｂがカッターによって取り去 られた、ケーブル１４の鋼管部１４ａは、グランド８に３ヵ所穿設されたねじ穴 にそれぞれ螺合する止めねじ２０によって３方向から止められている。ケーブル １４の鋼管部１４ａは、３本の止めねじ２０によってグランド８に固定されると ともに、止めねじ２０、グランド８、本体６を通じて、耐圧防爆形ボックス２の ケーシングにアースされる。尚、図中、２２，２４は、ゴムパッキングである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来は、ケーブルの鋼管部の接地に止めねじを用いているので、この作業が煩 わしく作業能率が悪くなるという問題点が存した。 本考案は上記問題点を解決することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決する手段】 上記目的を達成するため、本考案は、内部ケーブル部１４ｃと該内部ケーブル 部１４ｃの外周に被嵌された波形の鋼管部１４ａと該鋼管部１４ａの外周に被嵌 された外装部１４ｂとから成る３層構造のケーブル１４が挿入配置され、該ケー ブル１４がケーブルクランプ手段によって固定される管状の導電性ユニオンナッ ト４２に、前記ケーブル１４の波形の鋼管部１４ａを接地する装置において、前 記ユニオンナット４２の内径部に、Ｏリング６２でリング状に連結された複数個 の導電金属製クランプ片５６ａ，５６ｂ，５６ｃから成り各クランプ片５６ａ， ５６ｂ，５６ｃの一側部に傾斜面６０が形成された接地クランプ５６を配置し、 該接地クランプ５６の各傾斜面６０を、前記ユニオンナット４２の内径部に形成 したテーパー面５０に対接配置し、前記ユニオンナット４２の内径部に管状のパ ッキングランド４０を軸方向にスライド自在に配置し、該パッキングランド４０ のつば部４０ａを前記接地クランプ５６の各クランプ片５６ａ，５６ｂ，５６ｃ の他側部に対接配置し、前記ユニオンナット４２の内径部にねじ部４６を設け、 該ねじ部４６を、耐圧防爆形ボックス２のケーブル引き込み穴に捩じ込まれる導 電性金属から成る円筒状本体２６の外径部に螺合可能とし、前記本体２６に前記 ユニオンナット４２を螺合すると、前記本体２６内に配置された内部パッキン３ ８の他端に前記パッキングランド４０の端部が圧接し、この圧接力の反力によっ て前記接地クランプ５６の各クランプ片５６ａ，５６ｂ，５６ｃが前記テーパー 面５０に案内されて前記ユニオンナット４２の中心方向に変位し、各クランプ片 ５６ａ，５６ｂ，５６ｃが前記ケーブル１４の波付の鋼管部１４ａの外周面に圧 着するようにしたものである。

【０００６】

【作用】

本体２６にユニオンナット４２を捩じ込み取り付けるだけで、接地クランプ５ ６のクランプ片５６ａ，５６ｂ，５６ｃが、ケーブル１４の鋼管部１４ａに圧接 し、該鋼管部１４ａをユニオンナット４２に固定するとともに、鋼管部１４ａは 、クランプ片５６ａ，５６ｂ，５６ｃ、ユニオンナット４２、本体２６を通じて 、耐圧防爆形ボックス２のケーシングにアースされる。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案の構成を添付図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。 ２６は防爆耐圧パッキン式ケーブルグランドの、導電金属製円筒状本体であり 、これには大径部２６ａと小径部２６ｂとが形成され、それぞれの外周面にねじ ２８，３０が形成されるとともに、溝が形成され、該溝にゴム製のＯリング３２ ，３４が嵌着されている。

【０００８】 前記大径部２６ａの外径部にはスパナ用の六角形の突条２６ｃが形成され、大 径部２６ａの内径部には、テーパー面３６が形成されている。３８は管状のゴム 製の内部パッキンであり、その管壁の一端部にテーパー面が形成されている。 ４０は管状の導電金属製パッキングランドであり、つば部４０ａが形成されて いる。４２は導電金属製のユニオンナットであり、外径部の一方は、スパナ用に 六角形に形成され、外径部の他方にねじ４４が形成されている。

【０００９】 前記ユニオンナット４２の内径部は、大径部４２ａと、これにより若干小径な 中間径部４２ｂと、小径部４２ｃとから構成され、中間径部４２ｂにねじ４６が 切られている。また中間径部４２ｂの中間には、内周に沿って、Ｃ形止め輪４８ のための溝が穿設されている。前記ユニオンナット４２の、中間径部４２ｂと小 径部４２ｃの境及びユニオンナット４２の一端部には、テーパー面５０，５２が 形成されている。

【００１０】 前記ユニオンナット４２の一端近傍には、六角穴付き止めねじ５４用のねじ穴 が透設されている。５６は３個のあるいは複数個の導電金属製クランプ片５６ａ ，５６ｂ，５６ｃから構成される接地クランプであり、各クランプ片５６ａ，５ ６ｂ，５６ｃは、前記ユニオンナット４２の、中間径部４２ｂの曲面と同一の曲 面の、わん曲外周面５８を有し、且つ、一側部には、前記ユニオンナット４２の 、テーパー面５０と同一曲面の傾斜面６０が形成されている。

【００１１】 また、クランプ片５６ａ，５６ｂ，５６ｃの底部には、ゴム製Ｏリング６２用 の溝が穿設されている。前記クランプ片５６ａ，５６ｂ，５６ｃの各底部は、Ｏ リング６２の円に沿ってわん曲するクランプ面６４を有し、該クランプ面６４に は、ケーブル１４の波付き鋼管部１４ａとの摩擦力を増大させるためのねじ条の 条溝が形成されている。

【００１２】 クランプ片５６ａ，５６ｂ，５６ｃの各溝に、Ｏリング６２を入れて、図３に 示すように、等間隔にクランプ片５６ａ，５６ｂ，５６ｃを連結させ、クランプ 片５６ａ，５６ｂ，５６ｃを瞬間接着剤でＯリング６２に固着している。６６は 、ゴム製の外部パッキン、６８は、樹脂製のクランプリングであり、周壁に等間 隔で軸方向に溝６８ａが複数形成され、該クランプリング６８の一端側の内周壁 には中心方向に同心円線上に突出する突部６８ｂが形成されている。

【００１３】 前記クランプリング６８の周壁は、外部パッキン６６の外周面に嵌着し、クラ ンプリング６８の周壁の端部が、外部パッキン６６の外周面に形成された垂直面 に当接している。７０は導電金属製のシーリングナットであり、外形部が六角ナ ット状に形成され、内径部に、ねじ７２が形成されている。

【００１４】 シーリングナット７０の底部には、ケーブル１４を遊嵌するための穴が形成さ れ、該底部の内壁面には、前記クランプリング６８の突部６８ｂを縮径方向に案 内するためのテーパー面７４が形成されている。尚、図中７６は六角穴付き止め ねじである。 次に、上記ケーブルグランドの取り付け作業について説明する。

【００１５】 波付き鋼管がい製ケーブル１４は、内部ケーブル部１４ｃとこれを外装する波 付き鋼管部１４ａと、これを外装する外装部１４ｂの３層構造と成っており、ア ースされる部分は、外装部１４ｂがカッターによって取り去られて、波付き鋼管 部１４ａが外部に露出されるとともに、ホックス２内に導かれる部分は、外装部 １４ｂと波付き鋼管１４ａが取り去られて内部ケーブル部１４ｃが外部に露出さ れている。

【００１６】 予め、本体２６に内部パッキン３８を嵌挿し、本体２６のねじ部２８を耐圧防 爆形ボックス２に螺合固着しておく。また、ユニオンナット４２には、パッキン グランド４０、接地クランプ５６を嵌挿し、Ｃ形止め輪４８によって、パッキン グランド４０がユニオンナット４２から外れないようにこれを係止しておく。 また、シーリングナット７０に外部パッキン６６とクランプリング６８を嵌挿 し、シーリングナット７０のねじ部７２を、ユニオンナット４２のねじ部４４に 緩く捩じ込んでおく。

【００１７】 上記した状態において、ユニオンナット４２の内部にケーブル１４を挿入し、 ケーブル１４の外装部１４ｂを外部パッキン６６の内径部に位置させ、波付き鋼 管部１４ａを、接地クランプ５６の内径部に位置させ、内部ケーブル部１４ｃを パッキングランド４０に遊嵌させ、内部ケーブル部１４ｃを所定長さユニオンナ ット４２から外部に突出させる。そして、この内部ケーブル部１４ｃを本体２６ の内径部に挿入して、内部ケーブル部１４ｃを、耐圧防爆形ボックス２内に導く 。

【００１８】 次にスパナによって、ユニオンナット４２のねじ部４６を、本体２６のねじ部 ３０にきつく捩じ込むと、接地クランプ５６は、パッキングランド４０のつば部 ４０ａと、ユニオンナット４２のテーパー面５０とで挾圧され、このテーパー面 ５０によって、ユニオンナット４２の中心方向に案内され、ケーブル１４の波付 き鋼管部１４ａに圧着する。これにより、鋼管部１４ａは、接地クランプ５６に よってユニオンナット４２の中心に固定される。一方、内部パッキン３８はテー パー面３６とパッキングランド４０の端面とで挾圧され、縮径方向に変形して、 内径部がケーブル１４の内部ケーブル部１４ｃの外周面に圧着する。

【００１９】 次にスパナを用いてシーリングナット７０をユニオンナット４２にきつく捩じ 込んでユニオンナット４２のテーパー面５２と、シーリングナット７０のテーパ ー面７４とで、外部パッキン６６とクランプリング６８を挾圧する。この挾圧力 によって、クランプリング６８の突部６８ｂがテーパー面７４に案内されて、中 心方向に同心状に変形し、突部６８ｂの内径が縮径して、突部６８ｂはケーブル １４の外装部１４ｂの外周面に圧着するとともに、外部パッキン６６も縮径方向 に変形して、ケーブル１４の外装部１４ｂに密着し、ケーブル１４の外装部１４ ｂはシーリングナット７０の中心に固定される。

【００２０】 上記したケーブルクランプ状態において、ケーブル１４の鋼管部１４ａは、接 地クランプ５６、ユニオンナット４２、本体２６を通じて耐圧防爆形ボックス２ のケーシングに電気的に接地される。

【００２１】

【効果】

本考案は上述の如く構成したので、ユニオンナットを本体に捩じ込み連結する だけで、波付き鋼管がい装ケーブルをユニオンナットに接地且つクランプするこ とができ、作業性を向上させることができる効果が存する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一部切欠正面図である。

【図２】ケーブルグランドの部品展開図である。

【図３】接地クランプの側面図である。

【図４】Ａ−Ａ線断面図である。

【図５】クランプリングの外観図である。

【図６】従来技術の一部切欠正面図である。

【図７】図６の右側面図である。

【符号の説明】

２ ボックス ４ 穴 ６ 本体 ８ グランド １０ ユニオン １２ ショートユニオン １４ ケーブル １４ａ 鋼管部 １４ｂ 外装部 １４ｃ 内部ケーブル部 １６ クランプ １８ クランプ ２０ 止めねじ ２２ ゴムパッキング ２４ ゴムパッキング ２６ 本体 ２６ａ 大径部 ２６ｂ 小径部 ２８ ねじ ３０ ねじ ３２ Ｏリング ３４ Ｏリング ３６ テーパー面 ３８ 内部パッキン ４０ パッキングランド ４０ａ つば部 ４２ ユニオンナット ４４ ねじ ４６ ねじ ４８ Ｃ形止め輪 ５０ テーパー面 ５２ テーパー面 ５４ 止めねじ ５６ 接地クランプ ５６ａ クランプ片 ５６ｂ クランプ片 ５６ｃ クランプ片 ５８ わん曲外周面 ６０ 傾斜面 ６２ Ｏリング ６４ クランプ面 ６６ 外部パッキン ６８ クランプリング ７０ シーリングナット ７２ ねじ ７４ テーパー面 ７６ 六角穴付き止めねじ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部ケーブル部（１４ｃ）と該内部ケー
   ブル部（１４ｃ）の外周に被嵌された波形の鋼管部（１
   ４ａ）と該鋼管部（１４ａ）の外周に被嵌された外装部
   （１４ｂ）とから成る３層構造のケーブル（１４）が挿
   入配置され、該ケーブル（１４）がケーブルクランプ手
   段によって固定される管状の導電性ユニオンナット（４
   ２）に、前記ケーブル（１４）の波形の鋼管部（１４
   ａ）を接地する装置において、前記ユニオンナット（４
   ２）の内径部に、Ｏリング（６２）でリング状に連結さ
   れた複数個の導電金属製クランプ片（５６ａ）（５６
   ｂ）（５６ｃ）から成り各クランプ片（５６ａ）（５６
   ｂ）（５６ｃ）の一側部に傾斜面（６０）が形成された
   接地クランプ（５６）を配置し、該接地クランプ（５
   ６）の各傾斜面（６０）を、前記ユニオンナット（４
   ２）の内径部に形成したテーパー面（５０）に対接配置
   し、前記ユニオンナット（４２）の内径部に管状のパッ
   キングランド（４０）を軸方向にスライド自在に配置
   し、該パッキングランド（４０）のつば部（４０ａ）を
   前記接地クランプ（５６）の各クランプ片（５６ａ）
   （５６ｂ）（５６ｃ）の他側部に対接配置し、前記ユニ
   オンナット（４２）の内径部にねじ部（４６）を設け、
   該ねじ部（４６）を、耐圧防爆形ボックス（２）のケー
   ブル引き込み穴に捩じ込まれる導電性金属から成る円筒
   状本体（２６）の外径部に螺合可能とし、前記本体（２
   ６）に前記ユニオンナット（４２）を螺合すると、前記
   本体（２６）内に配置された内部パッキン（３８）の他
   端に前記パッキングランド（４０）の端部が圧接し、こ
   の圧接力の反力によって前記接地クランプ（５６）の各
   クランプ片（５６ａ）（５６ｂ）（５６ｃ）が前記テー
   パー面（５０）に案内されて前記ユニオンナット（４
   ２）の中心方向に変位し、各クランプ片（５６ａ）（５
   ６ｂ）（５６ｃ）が前記ケーブル（１４）の波付の鋼管
   部（１４ａ）の外周面に圧着するようにしたことを特徴
   とする鋼管がい装ケーブル用防爆形ケーブルグランドの
   ケーブル接地装置。