JP3014379U - 歯科用ハンドピースのカートリッジ - Google Patents

歯科用ハンドピースのカートリッジ

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Abstract

(57)【要約】 【目的】歯牙切削粉等の異物から前方ベアリング及び後
方ベアリングを共に保護することができる歯科用ハンド
ピースのカートリッジを提供する。 【構成】歯科処置工具を受け入れる回転軸部材と、この
回転軸部材を軸支する前方ベアリング及び後方ベアリン
グと、前記回転軸部材を加圧空気を受けて回転駆動する
ロータと、前記前方ベアリング及び後方ベアリングを保
持するケーシング部材とを備え、歯科用ハンドピースの
ヘッド部内に装着されるカートリッジにおいて、前記前
方ベアリング及び後方ベアリングそれぞれに対し、歯牙
切削粉等の異物の侵入を防止する防塵手段を設けたこと
を特徴とし、前記防塵手段が、前記回転軸部材に固着さ
れ、径方向外方に突出する突出部を有する回転仕切り部
材と、前記カートリッジケーシング部材に設けられ、前
記突出部と前記各ベアリングとの間にて径方向内方へ突
出する固定仕切り部とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は歯科用ハンドピースのカートリッジ、特にアングルタイプの歯科用ハ ンドピースにおけるヘッド部内に取換え自在に装着されるカートリッジに関する 。
【0002】
【従来の技術】
歯科用ハンドピースにおいては、歯牙切削粉等の異物からベアリングを保護す る種々な防塵手段が採用されており、例えば、本出願人による実開平4−889 22号公報では、ハンドピース内にやむを得ず吸引された異物を回転仕切り部材 の回転により円周方向外方へ吹き飛ばすことにより、異物がベアリングへと侵入 しないようにしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、アングルタイプのハンドピースヘッド部内に取換え自在に装着 されるカートリッジにおいては、防塵手段は全く講じられていないのが現況であ る。
【0004】 また、従来の防塵手段は、歯科処置工具を受け入れる開口の近くに位置する前 方ベアリングを専ら保護するものであるが、ヘッド部のヘッドキャップに近い後 方ベアリングへも僅かな隙間を通って異物が侵入するという問題がある。
【0005】 本考案は以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、歯牙切削粉等の 異物から前方ベアリング及び後方ベアリングを共に保護することができる歯科用 ハンドピースのカートリッジを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る歯科用ハンドピースのカートリッジは、歯科処置工具を受け入れ る回転軸部材と、この回転軸部材を軸支する前方ベアリング及び後方ベアリング と、前記回転軸部材を加圧空気を受けて回転駆動するロータと、前記前方ベアリ ング及び後方ベアリングを保持するケーシング部材とを備える従来のカートリッ ジに対し、前方ベアリング及び後方ベアリングそれぞれへの歯牙切削粉等の異物 の侵入を防止する防塵手段を設けたものである。なお、ケーシング部材は複数の 部材から形成されていてもよく、また、ロータが露出するタイプのカートリッジ も含まれる。
【0007】 前記防塵手段は、前記回転軸部材に固着され、径方向外方に突出する突出部を 有する回転仕切り部材と、前記ケーシング部材に設けられ、前記突出部と前記各 ベアリングとの間にて径方向内方へ突出する固定仕切り部とから構成することが できる。
【0008】 更に、前記ケーシング部材は、前記固定仕切り部の基端部から前記突出部の先 端部に対向する個所にかけて次第に拡径する傾斜面を有するよう設定することが できる。
【0009】
【作用】
本考案では、防塵手段が前方ベアリングと後方ベアリングとを歯牙切削粉等の 異物の侵入からそれぞれ保護する。
【0010】 また、防塵手段を、径方向外方へ突出する突出部を有する回転仕切り部材と、 突出部と各ベアリングとの間にて径方向内方へ突出する固定仕切り部とから構成 すれば、外部から侵入した異物をラビリンス作用でそれ以上の侵入を阻んで、回 転仕切り部材の回転で円周方向に吹き飛ばすことができ、ケーシング部材に傾斜 面を設定することにより異物が一層吹き飛び易くなる。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の実施例を添付図面に基づき説明する。
【0012】 図1は、本考案に係る歯科用ハンドピースのカートリッジIを示す軸方向に沿 う断面図であり、図2は、カートリッジIを装着したハンドピースのヘッド部II を示す破断断面図である。
【0013】 カートリッジIは、歯科処置工具(図示せず)を開口36からバーホルダー3 5を介して受け入れる回転軸部材としてのロータ軸31と、このロータ軸31を 軸支する下方(前方)ベアリング10及び上方(後方)ベアリング20と、これ らベアリング10,20間におけるロータ軸31の外周面に固着され、加圧空気 を受けてロータ軸31を回転駆動するロータ32と、下方ベアリング10及び上 方ベアリング20をOリング41,41’を介在して保持するケーシング部材と してのカートリッジケース33及びケース蓋34とを備える。なお、図示はしな いがカートリッジケース33には給気と排気のための窓が開いている。
【0014】 ロータ軸31は、内周面が上方に向かってテーパ状に縮径した後、段状に拡径 する厚肉部31’を有する。また、バーホルダー35は、外周面が下方に向かっ て拡径するテーパ面35’と、このテーパ面35’の一部として組み込まれたバ ー固定ピン37とを有する。よって、バーホルダー35内に歯科処置工具が挿入 されると、ホルダー35がロータ軸31の厚肉部31’にテーパ面35’から乗 り上がって縮径するため、工具は固定ピン37の圧接により固定される。
【0015】 工具を取り外す場合は、ヘッド部IIのプッシュボタン51(図2参照)をスプ リング52に抗して押し下げる。これによりプッシュボタン51の底面51’が バーホルダー35を押し下げ、テーパ面35’及びバー固定ピン37が厚肉部3 1’から滑り落ちて工具の固定が解除される。
【0016】 なお、押し下げられたバーホルダー35は、ホルダー35とロータ軸31との 間における厚肉部31’の上方に設けられた板バネ38の付勢により、バネ抑え 39及び割りリング40を介して上方に戻される。
【0017】 またカートッリッジIには、下方ベアリング10及び上方ベアリング20それ ぞれを歯牙切削粉等の異物から保護する防塵手段が設置される。この防塵手段は 、ロータ軸31の外周面に固着した断面L字形となる下方及び上方の回転仕切り 部材11,21と、カートリッジケース33及びケース蓋34に設定した下方及 び上方の固定仕切り部12,22とからなる。
【0018】 各回転仕切り部材11,21は、径方向外方に突出する突出部11’,21’ を有し、下方ベアリング10の下側及び上方ベアリング20の上側にそれぞれ当 接する。また、各固定仕切り部12,22は、突出部11’,21’と各ベアリ ング10,20との間にて径方向内方へ突出し、外部から各ベアリング10,2 0へと通じる経路を断面コの字形の微間隙14,24に規定する。
【0019】 更に、ケース33及びケース蓋34には、固定仕切り部12,22の基端部か ら突出部11’,21’の先端部に対向する個所にかけて次第に拡径する傾斜面 13,23が設定される。
【0020】 以上のように構成されたカートリッジIでは、歯科治療時にロータ軸31とヘ ッドハウジングジャケット50との隙間54を通って異物がヘッド部II内に吸引 れたとしても、回転仕切り部材11の回転により突出部11’が異物を円周方向 に吹き飛ばして異物のベアリング10への侵入を防止することができ、傾斜面1 3は異物の吹き飛ばしを容易化する。
【0021】 なお、防塵は単なる吹き飛ばしだけではなく、ラビリンス作用も伴う。回転仕 切り部材11の回転時において、回転速度は突出部11’の先端部で最も高くな るため、微間隙14の気圧は入り口付近で最も低くなる。よって、異物は気圧が より高まる微間隙14の奥、即ちベアリンング10へは侵入することができない 。
【0022】 また、歯科治療時においては、例えばヘッドキャップ53とプッシュボタン5 1とのわずかな隙間から異物がヘッド部II内に侵入する場合もあり、このヘッド キャップ側の異物に対しては、上方の回転仕切り部材21及び固定仕切り部22 が上述した下方の防塵手段と同様に作用して上方ベアリング20を保護する。
【0023】
【考案の効果】
以上に述べたように、本考案では、防塵手段をカートリッジ自体に設けたため 、このカートッリジが装着されるあらゆる歯科用ハンドピースにおいて、歯牙切 削粉等の異物からベアリングを保護することができ、前方ベアリングだけでなく 後方ベアリングに対しても防塵手段を設けたため、従来全く保護の対象とされて いなかった後方ベアリングへの異物の侵入を防ぐことができる。
【0024】 また、防塵手段を回転仕切り部材と固定仕切り部とから構成して、ラビリンス 作用を伴う有効なものとすることができ、ケーシング部材に傾斜面を設けて、異 物の吹き飛ばしを容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るカートリッジの断面図である。
【図2】カートリッジを装着したハンドピースヘッド部
の断面図である。
【符号の説明】
I カートリッジ II ヘッド部 10 下方ベアリング 20 上方ベアリング 11,21 回転仕切り部材 11’,21’ 突出部 12,22 固定仕切り部 13,23 傾斜面 14,24 微間隙 31 ロータ軸 32 ロータ 33 カートリッジケース 34 ケース蓋

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯科処置工具を受け入れる回転軸部材
    と、この回転軸部材を軸支する前方ベアリング及び後方
    ベアリングと、前記回転軸部材を加圧空気を受けて回転
    駆動するロータと、前記前方ベアリング及び後方ベアリ
    ングを保持するケーシング部材とを備え、歯科用ハンド
    ピースのヘッド部内に装着されるカートリッジにおい
    て、前記前方ベアリング及び後方ベアリングそれぞれに
    対し、歯牙切削粉等の異物の侵入を防止する防塵手段を
    設けたことを特徴とする歯科用ハンドピースのカートリ
    ッジ。
  2. 【請求項2】 前記防塵手段が、前記回転軸部材に固着
    され、径方向外方に突出する突出部を有する回転仕切り
    部材と、前記ケーシング部材に設けられ、前記突出部と
    前記各ベアリングとの間にて径方向内方へ突出する固定
    仕切り部とからなる請求項1に記載の歯科用ハンドピー
    スのカートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記ケーシング部材が、前記固定仕切り
    部の基端部から前記突出部の先端部に対向する個所にか
    けて次第に拡径する傾斜面を有する請求項2に記載の歯
    科用ハンドピースのカートリッジ。
JP1995000363U 1995-02-06 1995-02-06 歯科用ハンドピースのカートリッジ Expired - Lifetime JP3014379U (ja)

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US08/593,504 US5692903A (en) 1995-02-06 1996-01-30 Exchangeable cartridge for dental handpiece
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