JP3013398B2 - 変速機のシフト制御装置 - Google Patents

変速機のシフト制御装置

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JP3013398B2
JP3013398B2 JP2173494A JP17349490A JP3013398B2 JP 3013398 B2 JP3013398 B2 JP 3013398B2 JP 2173494 A JP2173494 A JP 2173494A JP 17349490 A JP17349490 A JP 17349490A JP 3013398 B2 JP3013398 B2 JP 3013398B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は変速機のシフト制御装置に係り、特に変速
機に設けた前後進切換機構の切換動作が不良となった際
の切換動作の不良解消の操作を容易になし得るととも
に、前後進切換機構の特に低温時における切換動作音の
発生を減少し得る変速機のシフト制御装置に関する。
〔従来の技術〕
自動車等の車両にあっては、内燃機関の発生する駆動
力を走行状態に応じて適切に取出すために、変速機を設
けている。変速機には、走行状態に応じ内燃機関の駆動
力を運転者が手動で所要の変速比により変換して取出す
手動式の変速機や、走行状態に応じ内燃機構の駆動力を
自動的に所要の変速比により変換して取出す自動式の変
速機等がある。
前記自動式の変速機としては、特開昭63−1840号公報
や特開昭62−196443号公報に開示のものがある。
特開昭63−1840号公報に開示の変速機は、内燃機関の
駆動力を、電磁クラッチ、ベルト式の無段変速機、前進
用ギヤ及び後進用ギヤと切換用スリーブとを有する副変
速機を介して取出す変速機であり、シフト機構を前進走
行位置あるいは後進走行位置に操作した際に、前記副変
速機の切換スリーブが前進用ギヤあるいは後進用ギヤに
係合しない場合には、前進用ギヤ及び後進用ギヤに対し
て切換用スリーブを相対回転させることにより副変速機
のギヤ段を成立させる回転制御装置を設けたものであ
る。
特開昭62−196443号公報に開示の変速機は、内燃機関
の駆動力を、自動クラッチ、前進用ギヤ及び後進用ギヤ
と切換用スリーブとを有する有段変速機、ベルト式の無
段変速機、を介して取出す変速機であり、シフト機構を
前進走行位置あるいは後進走行位置に操作してから一定
時間内に前記有段変速機の切換用スリーブが前進用ギヤ
あるいは後進用ギヤに係合しない場合には、前記自動ク
ラッチを介して所定の大きさのトルクを短時間伝達させ
るものである。
ところで、変速機のシフト制御装置としては、第14図
に示すものがある。図において、302は変速機である。
この変速機302は、プライマリシーブ304とセカンダリシ
ーブ306との間に巻掛けられたベルト(図示せず)の回
転半径を油圧により相対的に増減させて変速比を連続的
且つ無段階的に変化させ、車両の走行状態に応じて内燃
機関の駆動力を自動的に所要の変速比により変換して取
出すものである。
この変速機302は、油圧により係合離脱動作される油
圧クラッチ308と前後進係合状態に切換動作される前後
進切換機構310とを備えている。油圧クラッチ308は、図
示しない油圧室に供給される油圧により係合離脱動作さ
れる。
前後進切換機構310は、第15図に示す如く、回転軸312
に前進用歯車列314を構成する前進用切換歯車316と後進
用歯車列318を構成する後進用切換歯車320とを回転自在
に軸支し、回転軸312に回転不可能且つ軸方向移動可能
に装着した切換スリーブ322により前進用切換歯車316と
後進用切換歯車320とのいずれか一を選択的に回転軸312
に連結して前後進係合状態に切換えられる。
変速機302は、プライマリシーブ304、セカンダリシー
ブ306、油圧クラッチ308、前後進切換機構310を動作す
るための油圧を発生するオイルポンプ324を設けてい
る。オイルポンプ324は、吸入側をストレーナ326を介し
てオイルパン(図示せず)に接続するとともに吐出側ラ
イン圧通路328に接続している。ライン圧通路328には、
ライン圧第1コントロールバルブ330、ライン圧第2コ
ントロールバルブ332、レシオコントロールバルブ334、
ソレノイドレギュレータバルブ336、リリーフバルブ338
が接続されている。
前記ソレノイドレギュレータバルブ336は、ラインソ
レノイドバルブ340及びレシンソレノイドバルブ342を介
して前記ライン圧第1コントロールバルブ330及びレシ
オコントロールバルブ334に夫々接続されている。前記
ライン圧第2コントロールバルブ332は、ベルト(図示
せず)等を潤滑する潤滑系に接続されるとともにルーブ
レギュレータバルブ344を介してオイルポンプの吸入側
に接続されている。このルーブレギュレータバルブ344
には、クーリングコントロールバルブ346が接続されて
いる。クーリングコントロールバルブ346は、オイルク
ーラ348と油圧クラッチ308とに接続されている。
また、前記ライン圧通路328には、油圧クラッチ308に
供給される油圧たるクラッチ圧を調整するクラッチコン
トロールバルブ350が接続されている。クラッチコント
ロールバルブ350は、クラッチソレノイドバルブ352を介
して前記ソレノイドレギュレータバルブ336に接続され
ている。
クラッチコントロールバルブ350により調整された油
圧は、マニュアルシフトバルブ354からシフトサーボバ
ルブ356を介して前記油圧クラッチ308に給排される。
マニュアルシフトバルブ354は、前記ライン圧通路328
に接続されている。マニュアルシフトバルブ354は、バ
ルブボディ358の慴動孔360内にマニュアルシフトロッド
362を慴動可能に内装し、このマニュアルシフトロッド3
62にスプール弁体364を一体的に設けている。
シフトサーボバルブ356は、バルブボディ366のシリン
ダ368内にピストン370を慴動可能に設け、このピストン
370によりシリンダ368内を第1室372と第2室374とに区
画して設け、ピストン370の一端側にシフトサーボロッ
ド376を連結して設け、このシフトサーボロッド376の中
間部にスプール弁体378を設けるとともに他端側に前後
進切換機構310の切換スリーブ322に係合するシフトフォ
ーク380を固設している。
前記マニュアルシフトバルブ354は、シフト機構382の
作動ロッド384により切換動作され、クラッチコントロ
ールバルブ350及びライン圧通路328からの油圧をシフト
サーボバルブ356に給排する。シフトサーボバルブ356
は、マニュアルシフトバルブ354によるライン圧通路328
からの油圧の第1室372及び第2室374への給排により切
換動作され、前記油圧クラッチ308に油圧を給排すると
ともに前記前後進切換機構310を切換動作する。
したがって、シフトサーボバルブ356には、第1室372
及び第2室374のいずれか一方に油圧が常に供給され、
第16〜20図に示す如くシフトサーボロッド376を矢印A
方向及び矢印B方向のいずれか一方に常に押進する力が
作用している。
前記シフト機構382は、例えば、駐車位置Pと後進走
行位置Rと中立位置Nと前進走行位置D及び低速走行位
置Lとの各操作位置を有している。シフト機構382のこ
れら各操作位置P・R・N・D・Lにおいて、マニュア
ルシフトバルブ354及びシフトサーボバルブ356は、第16
〜20図に示す如く、夫々切換動作される。
このとき、シフト機構382の各操作位置P・R・N・
D・Lにおいて、前後進切換機構310は、例えば、以下
の如く夫々前進係合状態FWDと後進係合状態REVとの係合
状態になる。即ち、駐車位置Pと後進装高位置Rにおい
ては、シフトサーボバルブ356の第2室374に油圧が供給
されることによりシフトサーボロッド376を矢印B方向
に押進する力が作用し、後進係合状態REVになる。中立
位置Nと前進走行位置Dと低速走行位置Lとにおいて
は、シフトサーボバルブ356の第1室372に油圧が供給さ
れることによりシフトサーボロッド376を矢印A方向に
押進する力が作用し、前進係合状態FWDになる。
操作位置 係合状態 P REV R REV N FWD D FWD L FWD つまり、前後進切換機構310の前進係合状態FWDと後進
係合状態REVとの切換動作は、シフト機構382の後進走行
位置Rと中立位置Nとの間において行われていた。ある
いは、前後進切換機構310の前進係合状態FWDと後進係合
状態REVとの切換動作は、シフト機構382の中立位置Nと
前進走行位置Dとの間において行われるものもある。
したがって、前後進切換機構310の前進係合状態FWDと
後進係合状態REVとの切換動作は、シフト機構382の特定
の一操作位置とこの一操作位置に隣接する他操作位置と
の間において行われていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、このような従来の変速機のシフト制御装置
においては、前記の如く前後進切換機構310の前進係合
状態FWDと後進係合状態REVとの切換動作が、シフト機構
382の特定の一操作位置とこの一操作位置に隣接する他
操作位置との間において行われていることにより、前後
進切換機構310の切換動作が不良となった場合に、切換
動作の不良を解消するためのシフト機構382の操作を容
易に行い難い問題があった。
例えば、前後進切換機構310の前進係合状態FWDと後進
係合状態REVとの切換動作が、シフト機構382の後進走行
位置Rと中立位置Nとの間において行われる変速機のシ
フト制御装置において、シフト機構382を後進走行位置
Rから中立位置Nを経て前進走行位置Dに操作した際に
は、後進走行位置Rにおいて前後進切換機構310が後進
係合状態REVにあり(第17図)、中立位置Nに操作され
ると前進係合状態FWDに切換動作される(第18図)。
このとき、前後進切換機構310の切換動作が不良にな
ると、シフト機構382を前進走行位置Dに操作しても
(第19図)、車輪に駆動力を伝達できないため、走行が
不能になる。
このような場合に、運転者は、シフト機構382を一度
中立位置Nに操作して後に再度前進走行位置Dに操作す
ることにより、前後進切換機構310の切換動作の不良を
解消しようとする。しかし、中立位置Nと前進走行位置
Dとにおいては、いずれも前後進切換機構310の係合状
態が前進係合状態FWDであることから、シフトサーボバ
ルブ356の第1室372及び第2室374に給排される油圧が
前後進切換機構310を前進係合状態FWDとするようにピス
トン370を矢印A方向に押しているため、前後進切換機
構310の切換動作の不良を解消することができない。切
換動作の不良を解消するには、シフト機構382を一度後
進走行位置Rに操作した後に、再び中立位置Nを経て前
進走行位置Dに操作する必要がある。
しかしながら、前後進切換機構310の切換動作の不良
の際に、シフト機構382を一度後進走行位置Rに操作し
て後に、再び中立位置Nを経て前進走行位置Dに操作す
ることは、運転者にとって心理的な抵抗となるため、切
換動作の不良を解消する操作を容易に行い難い不都合が
あった。
つまり、運転者は、シフト機構382を中立位置Nから
前進走行位置Dに操作して際に、前後進切換機構310の
切換動作が不良となると、中立位置Nから前進走行位置
Dへの操作により切換動作が不良となったと判断するた
め、後進走行位置Rに操作することを想到し得ないから
である。
このため、シフト機構382を一度後進走行位置Rに操
作することは、運転者にとって心理的な抵抗となり、切
換動作の不良を解消する操作を容易に行い難い不都合が
あった。
また、前記従来の変速機のシフト制御装置において
は、特に油温が低い状態でシフト機構382を中立位置N
と後進走行位置Rとの間で操作した場合に、中立位置N
から後進走行位置Rへの操作時よりも、後進走行位置R
から中立位置Nへの操作時に、前後進切換機構310の発
生する切換動作音が大となる問題がある。
この切換動作音の発生状態を説明する。
シフト機構382を後進走行位置Rから中立位置Nに操
作すると、第17・18図に示す如く、マニュアルシフトバ
ルブ354が切換動作されてシフトサーボバルブ356の第1
室372に油圧たるライン圧が供給されるとともに第2室3
74のライン圧が排出され、ピストン370を矢印A方向に
移動させる。
このとき、後進走行位置Rにおいて、油圧クラッチ30
8は、第17図に示す如くマニュアルシフトバルブ354から
シフトサーボバルブ356を介して油圧たるクラッチ圧を
供給され、係合されている。また、後進走行位置Rにお
いて、前後進切換機構310は、後進係合状態REVとなって
いる。
シフト機構382が中立位置Nに操作されると、油圧ク
ラッチ308は、第18図に示す如くシフトサーボバルブ356
からマニュアルシフトバルブ354を介して油圧たるクラ
ッチ圧を排出され、離脱されることになる。また、中立
位置Nにおいて、前後進切換機構310は、後進係合状態R
EVから前進係合状態FWDに切換動作されることになる。
このように、シフト機構382を後進走行位置Rから中
立位置Nに操作すると、油圧クラッチ308から油圧たる
クラッチ圧が排出され、前後進切換機構310が後進係合
状態REVから前進係合状態FWDに切換動作される。
ところが、油圧クラッチ308からのクラッチ圧の排出
よりもシフトサーボバルブ356の切換動作が速く、特に
低温時においては粘性が高まることにより油圧クラッチ
308からのクラッチ圧の排出よりもシフトサーボバルブ3
56の切換動作が速くなるため、油圧クラッチ308からク
ラッチ圧が完全に排出されていない状態、つまり油圧ク
ラッチ308が完全に離脱されていない状態で前後進切換
機構310の前進係合状態FWDへの切換動作が行われること
により、前進用歯車列314の噛合いによる切換動作音の
発生の原因となっている。
なお、シフト機構382を中立位置Nから後進走行位置
Rに操作する場合には、中立位置Nにおいて油圧クラッ
チ308から油圧たるクラッチ圧が完全に排出されてお
り、後進走行位置Rに操作されると油圧クラッチ308に
油圧たるクラッチ圧が供給されるとともに前後進切換機
構310が前進係合状態FWDから後進係合状態REVに切換動
作されることになる。
このとき、油圧クラッチ308へのクラッタ圧の供給よ
りもシフトサーボバルブ356の切換動作が速くなるた
め、油圧クラッチ308にクラッチ圧が完全に供給されて
いない状態、つまり油圧クラッチ308が完全に係合され
ていない状態で前後進切換機構310の前進係合状態FWDか
ら後進係合状態REVへの切換動作が完了することによ
り、後進用歯車列318の噛合いによる切換動作音を発生
することもない。
〔発明の目的〕
そこで、この発明の目的は、変速機に設けた前後進切
換機構の切換動作が不良となった際の切換動作の不良解
消の操作を容易になし得るとともに、前後進切換機構の
特に低温時における切換動作音の発生を減少し得る変速
機のシフト制御装置を実現することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
この目的を達成するために、この発明は、油圧により
係合離脱動作される油圧クラッチと前後進係合状態に切
換動作される前後進切換機構とを有する変速機のシフト
機構により切換動作されて油圧を給排するマニュアルシ
フトバルブを設け、このマニュアルシフトバルブによる
第1・第2室への油圧の給排により切換動作されて前記
油圧クラッチに油圧を給排するとともに前記前後進切換
機構を切換動作するシフトサーボバルブを設けた変速機
のシフト制御装置において、前記シフト機構が後進走行
位置から中立位置を経て前進走行位置に操作された際に
は前記前後進切換機構を中立位置まで後進係合状態に保
持させて前進走行位置に操作されると前進係合状態に切
換動作させるべく、前記後進走行位置において前記シフ
トサーボバルブの第1・第2室のいずれか一方に油圧を
供給していずれか他方の油圧を排出し、前記中立位置に
おいて前記第1・第2室の油圧を排出し、前記前進走行
位置において前記第1・第2室のいずれか他方に油圧を
供給していずれか一方の油圧を排出するとともに、前記
シフト機構が前進走行位置から中立位置を経て後進走行
位置に操作された際には前記前後進切換機構を中立位置
まで前進係合状態に保持されて後進走行位置に操作され
ると後進係合状態に切換動作させるべく、前記前進走行
位置において前記シフトサーボバルブの第1・第2室の
いずれか他方に油圧を供給していずれか一方の油圧を排
出し、前記中立位置において前記第1・第2室の油圧を
排出し、前記後進走行位置において前記第1・第2室の
いずれか一方に油圧を供給していずれか他方の油圧を排
出する油圧給排機構を設けたことを特徴とする。
〔作用〕
この発明の構成によれば、シフト機構が後進走行位置
から中立位置を経て前進走行位置、あるいは前進走行位
置から中立位置から経て後進走行位置に操作された際に
は、前後進切換機構を中立位置まで、この中立位置の前
の後進走行位置における後進係合状態、あるいは前進走
行位置における前進係合状態に保持させ、中立位置から
前進走行位置、あるいは後進走行位置に操作されると、
前後進切換機構を前進係合状態、あるいは後進係合状態
に切換動作させるべく、油圧給排機構によって、後進走
行位置においてシフトサーボバルブの第1・第2室のい
ずれか一方に油圧を供給していずれか他方の油圧を排出
し、中立位置において第1・第2室の油圧を排出し、前
進走行位置において第1・第2室のいずれか他方に油圧
を供給していずれか一方の油圧を排出する。
これにより、変速機に設けた前後進切換機構の切換動
作が不良となった際に、シフト機構を一度中立位置に操
作した後に再度前進走行位置、あるいは後進走行位置に
操作することにより、油圧給排機構がシフト機構の中立
位置においてシフトサーボバルブの第1・第2室を一度
排出させ、操作による再度の前進走行位置あるいは後進
走行位置においてあらためてシフトサーボバルブの第1
・第2室のいずれか一方に油圧を供給していずれか他方
の油圧を排出し、あるいは第1・第2油室のいずれか他
方に油圧を供給ていずれか一方の油圧を排出させるの
で、シフトサーボバルブによる前後進切換機構の切換動
作が確実に行われることになる。
また、シフト機構が中立位置から前進走行位置、ある
いは後進走行位置に操作されると、シフトサーボバルブ
が前後進切換機構を前進係合状態、あるいは後進係合状
態に切換動作させるので、中立位置おいて離脱されてい
る油圧クラッチがシフト機構の前進走行位置、あるいは
後進走行位置への操作により係合される状態において、
つまり油圧クラッチが完全に係合されていない状態にお
いて、前後進切換機構の切換動作を行わせるこができ
る。
〔実施例〕
次にこの発明の実施例を図に基づいて詳細に説明す
る。
第1〜13図は、この発明の実施例を示すものである。
第1図において、2は変速機である。この変速機2は、
プライマリシーブ4及びセカンダリシーブ6に巻掛けら
れたベルト(図示せず)の回転半径を油圧により相対手
切に増減させて変速比を連続的且つ無段階的に変化さ
せ、車両の走行状態に応じて内燃機関の駆動力を自動的
に所要の変速比により変換して取出すものである。
この変速機2は、油圧により係合離脱動作される油圧
クラッチ8と前後進係合状態に切換動作される前後進切
換機構10とを備えている。油圧クラッチ8は、図示しな
い油圧室に供給される油圧により係合離脱動作される。
前後進切換機構10は、第2図に示す如く、回転軸12に前
進用歯車列14を構成する前進用切換歯車16と後進用歯車
列18を構成する後進用切換歯車20とを回転自在に軸支
し、回転軸12に回転不可能且つ軸方向移動可能に装着し
た切換スリーブ22により前進用切換歯車16と後進用切換
歯車20とのいずれか一を選択的に回転軸12に連結して前
後進係合状態に切換えられる。
なお、前進用切換歯車16は、前進用歯車列14を構成す
る前進用出力歯車(図示せず)に噛合されている。ま
た、後進用切換歯車2は、後進用歯車列18を構成するア
イドラ歯車を介して後進用出力歯車(図示せず)に噛合
されている。
変速機2は、第1図に示す如く、プライマリシーブ
4、セカンダリシーブ6、油圧クラッチ8、前後進切換
機構10を動作するための油圧を発生するオイルポンプ24
を設けている。オイルポンプ24は、吸入側をストレーナ
26を介してオイルパン(図示せず)に接続するとともに
吐出側をライン圧通路28に接続している。ライン圧通路
28は、セカンダリシーブ6に接続されている。
このライン圧通路28の途中には、第1通路30によりラ
イン圧第1コントロールバルブ32が接続され、第2通路
34によりライン圧第2コントロールバルブ36が接続さ
れ、第3通路38によりレシオコントロールバルブ40が接
続され、第4通路42によりソレノイドレギュレータバル
ブ44が接続され、第5通路46によりリリーフバルブ48が
接続されている。
前記ライン圧第1コントロールバルブ32とライン圧第
2コントロールバルブ36とは、第6通路50により接続さ
れている。前記ソレノイドレギュレータバルブ44には、
他端側を分岐した第7通路52によりラインソレノイドバ
ルブ54及びレシオソレノイドバルブ56が接続されてい
る。ラインソレノイドバルブ54は、第8通路58により前
記ライン圧第1コントロールバルブ32に接続されてい
る。
レシオソレノイドバルブ56は、第9通路60により前記
レシオコントロールバルブ40に接続されている。また、
このレシオコントロールバルブ40は、第10通路62により
第7通路52を介してソレノイドレギュレータバルブ44に
接続されるとともに、第11通路64により前記プライマリ
シーブ4に接続されている。
前記ライン圧第2コントロールバルブ36は、第12通路
66によりベルト(図示せず)等を潤滑する潤滑系に接続
されるとともに、第13通路68によりルーブレギュレータ
バルブ70を介してオイルポンプ24の吸入側に接続されて
いる。第13通路68の途中には、第14通路72によりクーリ
ングコントロールバルブ74が接続されている。クーリン
グコントロールバルブ74は、第15通路76により前記レシ
オコントロールバルブ40の第11通路64に接続され、ま
た、第16通路78によりオイルクーラ80が接続されるとと
もに第17通路82により前記油圧クラッチ8に接続されて
いる。
また、前記ライン圧通路28の途中には、第18通路84に
より前記油圧クラッチ8を係合離脱動作させる油圧を調
整するクラッチコントロールバルブ86が接続されてい
る。クラッチコントロールバルブ86は、第19通路88によ
りクラッチソレノイドバルブ90を介してライン圧第1コ
ントロールバルブ32及びソレノイドレギュレータバルブ
44に接続されている。また、このクラッチコントロール
バルブ86は、第20通路92により前記第13通路68の途中に
接続されるとともに、第21通路94により前記クーリング
コントロールバルブ74に接続されている。
さらに、前記ライン圧通路28の途中には、第22通路96
によりマニュアルシフトバルブ98が接続されている。マ
ニュアルシフトバルブ98は、第23通路100により前記第2
1通路94を介してクラッチコントロールバルブ86に接続
されている。このマニュアルシフトバルブ98は、ライン
圧通路28の油圧たるライン圧をシフトサーボバルブ102
に給排するとともに、クラッチコントロールバルブ86か
らの油圧たるクラッチ圧をシフトサーボバルブ102を介
して前記油圧クラッチ8に給排する。
マニュアルシフトバルブ98及びシフトサーボバルブ10
2は、第3図に示す如く構成されている。
マニュアルシフトバルブ98は、変速機2のシフト機構
104の作動ロッド106により切換動作される。このシフト
機構104は、例えば、駐車位置Pと後進走行位置Rと中
立位置Nと前進走行位置D及び低速走行位置Lとの各操
作位置を有している。シフト機構104のこれら各操作位
置P・R・N・D・Lにおいて、マニュアルシフトバル
ブ98は夫々切換動作されたシフトサーボバルブ102に油
圧を給排し、シフトサーボバルブ102により前後進切換
機構10を後述の如く夫々前進係合状態FWDと後進係合状
態REVとに切換動作させる。
前記マニュアルシフトバルブ98は、バルブボディ108
の摺動孔110内にマニュアルシフトロッド112を慴動可能
に内装され、スプール弁体114を一体的に設けている。
バルブボディ108には、摺動孔110内周面に円環状の第1
溝部116〜第7溝部128を設けるとともに、摺動孔110両
端に第1開放部130・第2開放部132を設けている。
また、マニュアルシフトロッド112は、一端側を前記
シフト機構104の作動ロッド106に連結されている。スプ
ール弁体114は、摺動孔110内周面に摺接する第1大径部
134〜第5大径部142を設けるとともに、これら第1〜第
5大径部134〜142間に夫々第1小径部144〜第4小径部1
50を設け、第5大径部142外側に第5小径部152を設けて
いる。
前記シフトサーボバルブ102は、バルブボディ154のシ
リンダ156内にピストン158を摺動可能に設け、このピス
トン158によりシリンダ156内を第1室160と第2室162と
に区画して設けている。前記ピストン158には、シフト
サーボロッド164の一端側を連結して設けるとともに、
シフトサーボロッド164を他端側に前記前後進切換機構1
0の切換スリーブ22に係合されるシフトフォーク166を固
設している。
また、シフトサーボロッド164は、バルブボディ154の
摺動孔168内に摺動可能に内装され、スプール弁対170を
一体的に設けている。バルブボディ154の摺動孔168内周
面には、円環状の第1溝部172〜第6溝部182を設けてい
る。前記スプール弁体170は、摺動孔168内周面に摺接す
る第1大径部184〜第3大径部188を設けるとともに、こ
れら第1〜第3大径部184〜188間に夫々第1小径部190
・第2小径部192を設けている。
前記マニュアルシフトバルブ98のバルブボディ108に
設けた第1溝部116は、第24通路194によりシフトサーボ
バルブ102のバルブボディ154に設けた第4溝部178に接
続されている。マニュアルシフトバルブ98の第2溝部11
8は、前記第23通路100により第21通路94を介してクラッ
チコントロールバルブ86に接続されている。マニュアル
シフトバルブ98の第3溝部120は、第25通路196によりシ
フトサーボバルブ102の第3溝部176に接続されている。
マニュアルシフトバルブ98の第4溝部122は、図示しな
いオイルパンに接続されている。
前記マニュアルシフトバルブ98の第5溝部124は、第2
6通路198によりシフトサーボバルブ102の第2室162に接
続されている。マニュアルシフトバルブ98の第6溝部12
6は、前記第22通路96によりライン圧通路28に接続され
ている。マニュアルシフトバルブ98の第7溝部128は、
第27通路200によりシフトサーボバルブ102の第1室160
に接続されている。マニュアルシフトバルブ98の第1開
放部130・第2開放部132は、図示しないオイルパンに接
続されている。
また、前記シフトサーボバルブ102の第1溝部172及び
第6溝部182は、図示しないオイルパンに接続されてい
る。このシフトサーボバルブ102の第2溝部174及び第5
溝部180には、夫々第28通路202及び第29通路204の一端
側が接続されている。これら第28通路202及び第29通路2
04の他端側は、集合して第30通路206に接続されるとと
もに、この第30通路206の他端側を前記油圧クラッチ8
の油圧室(図示せず)に接続している。
これにより、シフト機構104を駐車位置Pと後進走行
位置Rと中立位置Nと前進走行位置D及び低速走行位置
Lとの各操作位置に操作すると、シフト機構104のこれ
ら各操作位置P・R・N・D・Lにおいて、マニュアル
シフトバルブ98は夫々切換動作されてシフトサーボバル
ブ102に油圧たるクラッチ圧及びライン圧を給排し、シ
フトサーボバルブ102により油圧クラッチ8にクラッチ
圧を給排して係合離脱動作させるとともに、前後進切換
機構10を夫々前進係合状態FWDと後進係合状態REVとに切
換動作させる。
即ち、シフト機構104によりマニュアルシフトバルブ9
8を切換動作すると、バルブボディ108とスプール弁体11
4との係合状態が切換えられ、油圧たるライン圧及びク
ラッチ圧がシフトサーボバルブ102に給排される。シフ
トサーボバルブ102は、ピストン158により区画された第
1室160及び第2室162に給排されるライン圧によりシフ
トサーボロッド164を矢印A・B方向に移動されて切換
動作される。
これにより、シフトサーボバルブ102のバルブボディ1
54とスプール弁体170との係合状態が切換られ、油圧ク
ラッチ8にクラッチ圧を給排して係合離脱動作させる。
また、シフトサーボバルブ102は、シフトサーボロッド1
64の矢印A・B方向への移動いにより、シフトフォーク
166が前後進切換機構10夫々前進係合状態FWDと後進係合
状態REVとに切換動作させる。
このようなシフト制御装置において、前記シフト機構
104が後進走行位置Rから中立位置Nを経て前進走行位
置Dに操作された際には、前後進切換機構10を中立位置
Nまで後進係合状態REVに保持させて前進走行位置Dに
操作されると前進係合状態FWDに切換動作させるよう、
後進走行位置Dにおいてシフトサーボバルブ102の第1
・第2室160・162のいずれか一方に油圧を供給していず
れか他方の油圧を排出し、中立位置Nにおいて第1・第
2室160・162の油圧を排出し、前進走行位置Dにおいて
第1・第2室160・162のいずれか他方に油圧を供給して
いずれか一方の油圧を排出するとともに、シフト機構10
4が前進走行位置Dから中立位置Nを経て後進走行位置
Rに操作された際には、前後進切換機構10を中立位置N
まで前進係合状態FWDに保持させて後進走行位置Rに操
作されると後進係合状態REVに切換動作させるよう、前
進走行位置Dにおいて第1・第2室106・162のいずれか
他方に油圧を供給していずれか一方の油圧を排出し、中
立位置Nにおいて第1・第2室160・162の油圧を排出
し、後進走行位置Rにおいて第1・第2室160・162のい
ずれか一方に油圧を供給していずれか他方の油圧を排出
する油圧給排機構208を設けている。
この油圧給排機構208は、前記マニュアルシフトバル
ブ98に設けられている。油圧給排機構208は、マニュア
ルシフトバルブ98のバルブボディ108に設けた第6溝部1
26・第7溝部128・第2開放部132と、マニュアルシフト
バルブ98のマニュアルシフトロッド112に設けた第4大
径部140・第5大径部142・第4小径部150と、によって
構成される。
油圧給排機構208を構成する前記各部126・128・132・
140・142・150は、第6図及び第11図に示す如く、シフ
ト機構104が後進走行位置Rから、あるいは前進走行位
置Dから中立位置Nに操作された際に、第4大径部140
が第22通路96と第27通路200とを連通させることなく第2
2通路96を封鎖し、第5大径部142が第2開放部132を封
鎖することなく第4小径部150により第2開放部132と第
27通路200とを連通するように、構成されている。
なお、シフト機構104が中立位置Nに操作された際
に、第26通路198は、マニュアルシフトロッド112の第3
小径部148により第4溝部122に連通されている。
つまり、油圧給排機構208は、シフト機構104が中立位
置Nに操作された際に、シフトサーボバルブ102の第1
室160及び第2室162を、夫々第27通路200・第2開放部1
32及び第26通路198・第4溝部122を介してオイルパンに
連通することにより、シフトサーボバルブ102のピスト
ン158の移動を阻止するものである。
次に作用を説明する。
まず、シフト機構104が駐車位置Pから後進走行位置
R・中立位置N・前進走行位置D・低速走行位置Lの順
に操作された場合を説明する。
シフト機構104が駐車位置Pに操作されている場合
に、第4図に示す如く、マニュアルシフトバルブ98は、
第4小径部150と第2開放部132とによってシフトサーボ
バルブ102の第1室160を第27通路200によりオイルパン
に連通するとともに、第3小径部148によって第2室162
を第26通路198により第22通路96を連通している。
これにより、シフトサーボバルブ102は、第1室160の
ライン圧を排出されるとともに第2室162にライン圧を
供給されるので、ピストン158がシフトサーボロッド164
を矢印B方向に移動させてシフトフォーク166により前
後進切換機構10を後進係合状態REVにさせている。この
とき、マニュアルシフトバルブ98は、第23通路100を封
鎖するとともに、シフトサーボバルブ102により第29通
路204を介して第30通路206に連通されている第24通路19
4をオイルパンに連通しているので、油圧クラッチ8の
クラッチ圧を排出して離脱させている。
シフト機構104が後進走行位置Rに操作されると、第
5図に示す如く、マニュアルシフトバルブ98は、第4小
径部150と第2開放部132とによってシフトサーボバルブ
102の第1室160を第27通路200によりオイルパンに連通
するとともに、第3小径部148によって第2室162を第26
通路198により第22通路96に連通する。
これにより、シフトサーボバルブ102は、第1室160の
ライン圧を排出されるとともに第2室162にライン圧を
供給されるので、ピストン158がシフトサーボロッド164
を矢印B方向に移動させた状態に維持され、前後進切換
機構10を後進係合状態REVにさせている。このとき、マ
ニュアルシフトバルブ98は、第23通路100を第24通路194
に連通するとともに、シフトサーボバルブ102により第2
8通路202を封鎖して前記第24通路194が第29通路204を介
し第30通路206に連通されるので、油圧クラッチ8にク
ラッチ圧を供給して係合動作させることになる。
シフト機構104が中立位置Nに操作されると、第6図
に示す如く、マニュアルシフトバルブ98は、第4小径部
150と第2開放部132とによってシフトサーボバルブ102
の第1室160を第27通路200によりオイルパンに連通する
とともに、第4大径部140によって第22通路96を封鎖
し、また、第3小径部148によって第2室162を第26通路
198によりオイルパンに連通する。
これにより、シフトサーボバルブ102は、第1室160の
ライン圧を排出されるとともに第2室162のライン圧を
排出されるので、ピストン158が移動を阻止されてシフ
トサーボロッド164を矢印B方向に移動させた状態に維
持させ、前後進切換機構10を後進係合状態REVに保持さ
せる。このとき、マニュアルシフトバルブ98は、第23通
路100を封鎖するとともに、シフトサーボバルブ102によ
り第29通路204を介して第30通路206に連通されている第
24通路194をオイルパンに連通するので、油圧クラッチ
8のクラッチ圧を排出して離脱動作させることになる。
シフト機構104が前進走行位置Dに操作されると、第
7図に示す如く、マニュアルシフトバルブ98は、第4大
径部140が第22通路96を開放して第5大径部142が第2開
放部132を封鎖し、第4小径部150によってシフトサーボ
バルブ102の第1室160を第27通路200により第22通路96
に連通するとともに、第3小径部148によって第2室162
を第26通路198によりオイルパンに連通する。
これにより、シフトサーボバルブ102は、第1室160に
ライン圧を供給されるとともに第2室162のライン圧を
排出されるので、ピストン158がシフトサーボロッド164
を矢印A方向に移動させ、前後進切換機構10を前進係合
状態FWDに切換動作させる。このとき、マニュアルシフ
トバルブ98は、第23通路100を第25通路196に連通すると
ともに、この第25通路196をシフトサーボバルブ102によ
り第28通路202を介して第30通路206に連通されるので、
油圧クラッチ8にクラッチ圧を供給して係合動作させる
ことになる。
シフト機構104が低速走行位置Lに操作されると、第
8図に示す如く、マニュアルシフトバルブ98は、第4小
径部150によってシフトサーボバルブ102の第1室160の
第27通路200により第22通路96に連通するとともに、第
3小径部148によって第2室162を第26通路198によりオ
イルパンに連通する。
これにより、シフトサーボバルブ102は、第1室160に
ライン圧を供給されるとともに、第2室162のライン圧
を排出されるので、ピストン158がシフトサーボロッド1
64を矢印A方向に移動させた状態に維持させ、前後進切
換機構10を前進係合状態FWDにさせている。このとき、
マニュアルシフトバルブ98は、第23通路100を第25通路1
96に連通するとともに、この第25通路196をシフトサー
ボバルブ102により第28通路202を介して第30通路206に
連通させるので、油圧クラッチ8にクラッチ圧を供給し
て係合させている。
このように、シフト機構104が駐車位置Pから後進走
行位置R・中立位置N・前進走行位置D・低速走行位置
Lの順に操作された場合に、シフト機構104の各操作位
置P・R・N・D・L・において、前後進切換機構10
は、以下の如く夫々前進係合状態FWDと後進係合状態REV
との係合状態になる。
操作位置 係合状態 P REV R REV N REV D FWD L FWD つまり、前後進切換機構10は、シフト機構104が中立
位置Nから前進走行位置Dに操作されると、後進係合状
態REVから前進係合状態FWDに切換動作されるものであ
る。
次いで、シフト機構104が低速走行位置Lから前進走
行位置D・中立位置N・後進走行位置R・駐車位置Pの
順に操作された場合を説明する。
シフト機構104が低速走行位置Lに操作されている場
合は、第13図に示す如く、第8図と同様にシフトサーボ
バルブ102の第1室160にライン圧を供給されるとともに
第2室162のライン圧を俳出されているので、ピストン1
58がシフトサーボロッド164を矢印A方向に移動させた
状態にし、前後進切換機構10を前進係合状態FWDにさせ
ている。また、クラッチコントロールバルブ86を連通す
る第23連通100を、第25通路196・第28通路202を介して
第30通路206に連通させているので、油圧クラッチ8に
クラッチ圧を供給して係合させている。
シフト機構104が前進走行位置Dに操作されると、第1
2図に示す如く、第7図と同様にシフトサーボバルブ102
の第1室160にライン圧を供給されるとともに第2室162
のライン圧を排出されるので、前後進切換機構10を前進
係合状態FWDにさせている。また、クラッチコントロー
ルバルブ86に連通する第23通路100を、第25通路196・第
28通路202を介して第30通路206に連通させているので、
油圧クラッチ8にクラッチ圧を供給して係合させてい
る。
シフト機構104が中立位置Nに操作されると、第11図
に示す如く、マニュアルシフトバルブ98は、第4小径部
150と第2開放部132とによってシフトサーボバルブ102
の第1室160を第27通路200によりオイルパンに連通する
とともに、第4大径部140によって第22通路96を封鎖
し、また、第3小径部148によって第2室162を第26通路
198によりオイルパンに連通する。
これにより、シフトサーボバルブ102は、第1室160に
ライン圧を排出されるとともに第2室162のライン圧を
排出されるので、ピストン158が移動を阻止されてシフ
トサーボロッド164を矢印A方向に移動させた状態に維
持させ、前後進切換機構10を前進係合状態FWDに保持さ
せる。このとき、マニュアルシフトバルブ98は、第23通
路100を封鎖するとともに、シフトサーボバルブ102によ
り第28通路202を介して第30通路206に連通されている第
25通路196をオイルパンに連通するので、油圧クラッチ
8のクラッチ圧を排出して離脱動作させることになる。
シフト機構104が後進走行位置Rに操作されると、第1
0図に示す如く、マニュアルシフトバルブ98は、第4小
径部150と第2開放部132とによってシフトサーボバルブ
102の第1室160を第27通路200によりオイルパンに連通
するとともに、第4大径部140が第22通路96を開放し、
また、第3小径部148によって第2室162を第26通路198
により第22通路96に連通する。
これにより、シフトサーボバルブ102は、第1室160の
ライン圧を排出されるとともに第2室162にライン圧を
供給されるので、ピストン158がシフトサーボロッド164
を矢印B方向に移動させ、前後進切換機構10を後進係合
状態REVに切換動作させることになる。このとき、マニ
ュアルシフトバルブ98は、第23通路100を第24通路194に
連通するとともに、シフトサーボバルブ102により第28
通路202を封鎖して前記第24通路194が第29通路204を介
し第30通路206に連通されるので、油圧クラッチ8にク
ラッチ圧を供給して係合動作させることになる。
シフト機構104が駐車位置Pに操作されると、第9図
に示す如く、マニュアルシフトバルブ98は、第4小径部
150と第2開放部132とによってシフトサーボバルブ102
の第1室160を第27通路200によりオイルパンに連通する
とともに、第3小径部148によって第2室162を第26通路
198により第22通路96に連通している。
これにより、シフトサーボバルブ102は、第1室160の
ライン圧を排出されるとともに第2室162にライン圧を
供給されるので、ピストン158がシフトサーボロッド164
を矢印B方向に移動させた状態に維持し、前後進切換機
構10を後進係合状態REVにさせている。このとき、マニ
ュアルシフトバルブ98は、第23通路100を封鎖するとと
もに、シフトサーボバルブ102により第29通路204を介し
て第30通路206に連通されている第24通路194をオイルパ
ンに連通させるので、油圧クラッチ8のクラッチ圧を排
出して離脱させることになる。
このように、シフト機構104が低速走行位置Lから前
進走行位置D・中立位置N・後進走行位置R・駐車位置
Pの順に操作された場合に、シフト機構104の各操作位
置L・D・N・R・Pにおいて、前後進切換機構10は、
以下の如く夫々前進係合状態FWDと後進係合状態REVとの
係合状態になる。
操作位置 係合状態 L FWD D FWD N FWD R REV P REV つまり、前後進切換機構10は、シフト機構104が中立
位置Nから後進走行位置Rに操作されると、前進係合状
態FWDから後進係合状態REVに切換動作されるものであ
る。
このように、この変速機のシフト制御装置は、マニュ
アルシフトバルブ98の各部により構成される油圧給排機
構208によって、シフト機構104が後進走行位置Rから中
立位置Nを経て前進走行位置D、あるいは前進走行位置
Dから中立位置Nを経て後進走行位置Rに操作された際
には、前後進切換機構10を中立位置Nまでこの中立位置
Nの前の後進走行位置Rにおける後進係合状態REV、あ
るいは前進走行位置Dにおける前進係合状態FWDに保持
させ、シフト機構104が中立位置Nから前進走行位置
D、あるいは後進走行位置Rに操作されると、前後進切
換機構10を前進係合状態FWD、あるいは後進係合状態REV
に切換動作させるよう、後進走行位置Rにおいてシフト
サーボバルブ102の第2室162にライン圧を供給して第1
室106のライン圧を排出し、中立位置Nにおいて第1・
第2室160・162のライン圧を排出し、前進走行位置Dに
おいて第1室106にライン圧を供給して第2室162のライ
ン圧を排出することにより、シフトサーボバルブ102を
切換動作させている。
これにより、変速機2に設けた前後進切換機構10の前
進用歯車列14や後進用歯車列18の噛合いにより切換動作
が不良となった際に、シフト機構10を一度中立位置に操
作した後に再度前進走行位置D、あるいは後進走行位置
Rに操作することによって、中立位置Nにおいてシフト
サーボバルブ102の油圧を一度排出させ、操作による再
度の前進走行位置FWDあるいは後進走行位置REVにおいて
新めてシフトサーボバルブ102へ油圧を供給させるの
で、切換動作が確実に行われることになる。
また、シフト機構104が中立位置Nから前進走行位置
D、あるいは後進走行位置Rに操作されると、前後進切
換機構10を前進係合状態FWD、あるいは後進係合状態REV
に切換動作させるので、中立位置Nにおいて離脱されて
いる油圧クラッチ8がシフト機構104の前進走行位置
D、あるいは後進走行位置Rへの操作により係合される
状態において、つまり油圧クラッチ8が完全に係合され
ていない状態において前後進切換機構10の切換動作を行
わせることができる。
このため、前後進切換機構10の切換動作が不良となっ
た際には、一度中立位置Nに戻すことにより切換動作の
不良を解消する操作が行わせることができることによ
り、前後進切換機構10の切換動作の不良解消の操作を容
易になすことができる。また、油圧クラッチ8が完全に
係合されていない状態において前後進切換機構10の切換
動作を行わせることができることにより、前後進切換機
構10の特に低温時における切換動作音の発生を減少する
ことができる。
しかも、特別な加工を要することなく、マニュアルシ
フトバルブ98に油圧給排機構208を設けることができる
ので、コスト的に有利に実施することができる。なお、
第3図に示す如く、シフトサーボバルブ102の第1・第
2室160・162に連通する第26通路198及び第27通路200
に、夫々第1絞り210及び第2絞り212を設けることによ
り、切換動作音の発生をさらに減少させることができ
る。
〔発明の効果〕
このように、この発明によれば、変速機に設けた前後
進切換機構の切換動作が不良となった際に、シフト機構
を一度中立位置に操作した後に再度前進走行位置、ある
いは後進走行位置に操作することにより、油圧給排機構
が後進走行位置においてシフトサーボバルブの第1・第
2室のいずれか一方に油圧を供給していずれか他方の油
圧を排出し、中立位置において第1・第2室の油圧を排
出し、前進走行位置において第1・第2室のいずれか他
方に油圧を供給していずれか一方の油圧を排出すること
によって、前後進切換機構を後進係合状態、あるいは前
進係合状態に一度戻してから、再度前進係合状態、ある
いは後進係合状態に切換動作させることができるので、
切換動作の不良を解消する操作が行われることになる。
また、中立位置から前進走行位置、あるいは後進走行
位置に操作されると、油圧給排機構によって前後進切換
機構を前進係合状態、あるいは後進係合状態に切換動作
させるので、中立位置において離脱されている油圧クラ
ッチがシフト機構の前進走行位置、あるいは後進走行位
置への操作により係合される状態において、つまり油圧
クラッチが完全に係合されていない状態において前後進
切換機構の切換動作を行わせることができる。
このため、一度中立位置に戻すことにより切換動作の
不良を解消する操作が行わせ得ることにより前後進切換
機構の切換動作の不良解消の操作を容易になし得て、ま
た、油圧クラッチが完全に係合されていない状態におい
て前後進切換機構の切換動作を行わせ得ることにより前
後進切換機構の特に低温時における切換動作音の発生を
減少することができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜13図はこの発明の実施例を示し、第1図は変速機
のシフト制御装置の回路構成図、第2図は変速機のシフ
ト制御装置の一部断面説明図、第3図は中立位置におけ
るマニュアルシフトバルブ及びシフトサーボバルブの動
作説明図、第4〜8図はシフト機構を後進走行位置から
中立位置を経て前進走行位置に操作した際の各操作位置
におけるマニュアルシフトバルブ及びシフトサーボバル
ブの各動作説明図、第9〜13図はシフト機構を前進走行
位置から中立位置を経て後進走行位置に操作した際の各
操作位置におけるマニュアルシフトバルブ及びシフトサ
ーボバルブの各動作説明図である。 第14〜20図は従来例を示し、第14図は変速機のシフト制
御装置の回路構成図、第15図は変速機のシフト制御装置
の一部断面説明図、第16〜20図はシフト機構を操作した
際の各操作位置におけるマニュアルシフトバルブ及びシ
フトサーボバルブの各動作説明図である。 図において、2は変速機、4はプライマリシーブ、6は
セカンダリシーブ、8は油圧クラッチ、10は前後進切換
機構、24はオイルポンプ、28はライン圧通路、32はライ
ン圧第1コントロールバルブ、36はライン圧第2コント
ロールバルブ、40はレシンコントロールバルブ、44はソ
レノイドレギュレータバルブ、48はリリーブバルブ、70
はルーブレギュレータバルブ、74はクーリングコントロ
ールバルブ、86はクラッチコントロールバルブ、98はマ
ニュアルシフトバルブ、102はシフトサーボバルブ、112
はマニュアルシフトロッド、114はスプール弁体、158は
ピストン、164はシフトサーボロッド、166はシフトフォ
ーク、168はスプール弁体、208は油圧給排機構である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧により係合離脱動作される油圧クラッ
    チと前後進係合状態に切換動作される前後進切換機構と
    を有する変速機のシフト機構により切換動作されて油圧
    を給排するマニュアルシフトバルブを設け、このマニュ
    アルシフトバルブによる第1・第2室への油圧の給排に
    より切換動作されて前記油圧クラッチに油圧を給排する
    とともに前記前後進切換機構を切換動作するシフトサー
    ボバルブを設けた変速機のシフト制御装置において、前
    記シフト機構が後進走行位置から中立位置を経て前進走
    行位置に操作された際には前記前後進切換機構を中立位
    置まで後進係合状態に保持させて前進走行位置に操作さ
    れると前進係合状態に切換動作させるべく、前記後進走
    行位置において前記第1・第2室のいずれか一方に油圧
    を供給していずれか他方の油圧を排出し、前記中立位置
    において前記第1・第2室の油圧を排出し、前記前進走
    行位置において前記第1・第2室のいずれか他方に油圧
    を供給していずれか一方の油圧を排出するとともに、前
    記シフト機構が前進走行位置から中立位置を経て後進走
    行位置に操作された際には前記前後進切換機構を中立位
    置まで前進係合状態に保持されて後進走行位置に操作さ
    れると後進係合状態に切換動作させるべく、前記前進走
    行位置において前記第1・第2室のいずれか他方に油圧
    を供給していずれか一方の油圧を排出し、前記中立位置
    において前記第1・第2室の油圧を排出し、前記後進走
    行位置において前記第1・第2室のいずれか一方に油圧
    を供給していずれか他方の油圧を排出する油圧給排機構
    を設けたことを特徴とする変速機のシフト制御装置。
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