JP3013184B2 - 乗用車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
乗用車用空気入りラジアルタイヤInfo
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- JP3013184B2 JP3013184B2 JP2152649A JP15264990A JP3013184B2 JP 3013184 B2 JP3013184 B2 JP 3013184B2 JP 2152649 A JP2152649 A JP 2152649A JP 15264990 A JP15264990 A JP 15264990A JP 3013184 B2 JP3013184 B2 JP 3013184B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明はスチールベルト層を有する乗用車用空気入り
ラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは軽量化と共に乗
心地性と操縦安定性とをバランスよく向上させ、かつト
レッド外傷に伴うスチールベルト層の発錆やセパレーシ
ョンを軽減する乗用車用空気入りラジアルタイヤに関す
る。
ラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは軽量化と共に乗
心地性と操縦安定性とをバランスよく向上させ、かつト
レッド外傷に伴うスチールベルト層の発錆やセパレーシ
ョンを軽減する乗用車用空気入りラジアルタイヤに関す
る。
一般に高性能の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、
トレッド部のベルト層として、強度とモジュラスが高い
スチールコードからなる２層のスチールベルト層を設け
ることによって、優れた高速耐久性と操縦安定性とを得
るようにしている。このようにスチールベルト層がタイ
ヤの性能向上にとたらす利点は大きいのであるが、その
反面で、スチールベルト層の面外曲げ剛性が大きすぎる
ため路面の突起を乗り越し時の衝撃力が大きく、乗心地
性がよくないという欠点、またスチールコードの比重が
非常に大きいためタイヤ重量が大きくなって、燃料消費
率を上昇させるという欠点などを有している。
トレッド部のベルト層として、強度とモジュラスが高い
スチールコードからなる２層のスチールベルト層を設け
ることによって、優れた高速耐久性と操縦安定性とを得
るようにしている。このようにスチールベルト層がタイ
ヤの性能向上にとたらす利点は大きいのであるが、その
反面で、スチールベルト層の面外曲げ剛性が大きすぎる
ため路面の突起を乗り越し時の衝撃力が大きく、乗心地
性がよくないという欠点、またスチールコードの比重が
非常に大きいためタイヤ重量が大きくなって、燃料消費
率を上昇させるという欠点などを有している。
従来、このようなスチールベルト層に伴う欠点を解消
する対策として、２枚のスチールベルト層のうち、路面
側のベルト層を高強度，高モジュラスのアラミド繊維コ
ードからなるベルト層に置き換えるようにしたタイヤが
提案されている。しかし、アラミド繊維コードは、細径
の多数本のマルチフィラメントが撚り合わされて構成さ
れているため、トレッドに受けた外傷が繊維コードベル
ト層まで達した場合、この繊維コードの毛細管現象によ
って水分や不純物がコード内に吸い込まれ、それが内側
のスチールベルト層の発錆やセパレーションを誘発する
原因になっていた。
する対策として、２枚のスチールベルト層のうち、路面
側のベルト層を高強度，高モジュラスのアラミド繊維コ
ードからなるベルト層に置き換えるようにしたタイヤが
提案されている。しかし、アラミド繊維コードは、細径
の多数本のマルチフィラメントが撚り合わされて構成さ
れているため、トレッドに受けた外傷が繊維コードベル
ト層まで達した場合、この繊維コードの毛細管現象によ
って水分や不純物がコード内に吸い込まれ、それが内側
のスチールベルト層の発錆やセパレーションを誘発する
原因になっていた。
本発明の目的は、スチールベルト層を設けたラジアル
タイヤにおいて、タイヤの軽量化と共に乗心地性と操縦
安定性とをバランスよく向上させ、かつトレッドが外傷
を受けた時のスチールベルト層の発錆やセパレーション
を軽減するようにした乗用車用空気入りラジアルタイヤ
を提供することにある。
タイヤにおいて、タイヤの軽量化と共に乗心地性と操縦
安定性とをバランスよく向上させ、かつトレッドが外傷
を受けた時のスチールベルト層の発錆やセパレーション
を軽減するようにした乗用車用空気入りラジアルタイヤ
を提供することにある。
上記目的を達成する本発明による乗用車用空気入りラ
ジアルタイヤは、トレッド部のカーカス外側にコード方
向をタイヤ周方向に対し互いに反対側に５゜〜40゜の角
度で交差させて２枚のベルト層を配置し、該２枚のベル
ト層のうちカーカス側のベルト層をスチールベルト層に
すると共に、踏面側のベルト層を無撚りで偏平断面のポ
リアミドモノフィラメントからなる繊維コードベルト層
にし、かつ該繊維コードベルト層のポリアミドモノフィ
ラメントを偏平断面の長径方向がベルト層の面方向に沿
うように配列したことを特徴とするものである。
ジアルタイヤは、トレッド部のカーカス外側にコード方
向をタイヤ周方向に対し互いに反対側に５゜〜40゜の角
度で交差させて２枚のベルト層を配置し、該２枚のベル
ト層のうちカーカス側のベルト層をスチールベルト層に
すると共に、踏面側のベルト層を無撚りで偏平断面のポ
リアミドモノフィラメントからなる繊維コードベルト層
にし、かつ該繊維コードベルト層のポリアミドモノフィ
ラメントを偏平断面の長径方向がベルト層の面方向に沿
うように配列したことを特徴とするものである。
このように２層のベルト層のうち踏面側のベルト層を
繊維コードベルト層にしたことにより、２層ともスチー
ルベルト層である場合に比べてタイヤは軽量化される。
また、無撚りのポリアミドモノフィラメントは、モジュ
ラス（剛性）がスチールコードほどではないが、マルチ
フィラメントからなる撚りコードに比べれば高いモジュ
ラスを有するため、このポリアミドモノフィラメントか
らなる繊維コードベルト層の使用によって、ベルト層の
面外曲げ剛性が緩和されることによって乗心地性が向上
し、しかも２層のスチールベルト層から得られるものに
近い操縦安定性を得ることもできる。
繊維コードベルト層にしたことにより、２層ともスチー
ルベルト層である場合に比べてタイヤは軽量化される。
また、無撚りのポリアミドモノフィラメントは、モジュ
ラス（剛性）がスチールコードほどではないが、マルチ
フィラメントからなる撚りコードに比べれば高いモジュ
ラスを有するため、このポリアミドモノフィラメントか
らなる繊維コードベルト層の使用によって、ベルト層の
面外曲げ剛性が緩和されることによって乗心地性が向上
し、しかも２層のスチールベルト層から得られるものに
近い操縦安定性を得ることもできる。
また、ポリアミドモノフィラメントは、撚りコードの
ような毛細管現象を有しないから、水分を吸い込んでス
チールベルト層の発錆やセパレーションを招くようなこ
とはない。
ような毛細管現象を有しないから、水分を吸い込んでス
チールベルト層の発錆やセパレーションを招くようなこ
とはない。
以下、本発明を図に示す実施例によって説明する。
第１図に示す乗用車用空気入りラジアルタイヤにおい
て、１はトレッド、２はサイドウォールである。３はタ
イヤ内側に設けた繊維コードからなるカーカスであり、
タイヤ周方向に対してほぼ90゜のコード角度をなしてい
る。このカーカス３は、両端部をそれぞれビードコア４
にタイヤ内側から外側に折り返すように巻き付けられて
いる。
て、１はトレッド、２はサイドウォールである。３はタ
イヤ内側に設けた繊維コードからなるカーカスであり、
タイヤ周方向に対してほぼ90゜のコード角度をなしてい
る。このカーカス３は、両端部をそれぞれビードコア４
にタイヤ内側から外側に折り返すように巻き付けられて
いる。
トレッド１とカーカス３との間には２層のベルト層5,
6が設けられている。この２層のうち、カーカス側のベ
ルト層はスチールコード７からなるスチールベルト層５
であり、踏面側のベルト層は無撚りの偏平断面を有する
ポリアミドモノフィラメント８からなる繊維コードベル
ト層６である。かつ、これら両ベルト層5,6はコードを
互いに交差させる関係にし、タイヤ周方向に対して互い
に反体側に５゜〜40゜、より好ましくは15〜30゜の角度
をなしている。繊維コードベルト層６を構成する偏平断
面のポリアミドモノフィラメント７は、第２図に示すよ
うに、その偏平断面の長径方向をベルト層の面方向に沿
わせるようにして整然と配列されている。
6が設けられている。この２層のうち、カーカス側のベ
ルト層はスチールコード７からなるスチールベルト層５
であり、踏面側のベルト層は無撚りの偏平断面を有する
ポリアミドモノフィラメント８からなる繊維コードベル
ト層６である。かつ、これら両ベルト層5,6はコードを
互いに交差させる関係にし、タイヤ周方向に対して互い
に反体側に５゜〜40゜、より好ましくは15〜30゜の角度
をなしている。繊維コードベルト層６を構成する偏平断
面のポリアミドモノフィラメント７は、第２図に示すよ
うに、その偏平断面の長径方向をベルト層の面方向に沿
わせるようにして整然と配列されている。
上記実施例では、両ベルト層5,6はいずれも両端部が
ステップカットされ、かつスチールベルト層５の方が繊
維コードベルト層６よりも両端部を少なくとも5mmずつ
幅広にしている。しかし、これを第３図（Ａ），
（Ｂ），（Ｃ）に示すように、繊維コードベルト層６の
両端部を内側に折り曲げフォールデット部6aを形成さ
せ、しかも折り曲げ後の繊維コードベルト層全幅がスチ
ールベルト５の幅よりも幅広になるように構成してもよ
い。第３図（Ａ）では、繊維コードベルト層６のフォー
ルデット部6aが踏面側に折り曲げられているが、第３図
（Ｂ）ではカーカス側に折り曲げるようにし、さらに第
３図（Ｃ）では、フォールデット部6aがスチールベルト
層５の端部を包み込むようにしている。
ステップカットされ、かつスチールベルト層５の方が繊
維コードベルト層６よりも両端部を少なくとも5mmずつ
幅広にしている。しかし、これを第３図（Ａ），
（Ｂ），（Ｃ）に示すように、繊維コードベルト層６の
両端部を内側に折り曲げフォールデット部6aを形成さ
せ、しかも折り曲げ後の繊維コードベルト層全幅がスチ
ールベルト５の幅よりも幅広になるように構成してもよ
い。第３図（Ａ）では、繊維コードベルト層６のフォー
ルデット部6aが踏面側に折り曲げられているが、第３図
（Ｂ）ではカーカス側に折り曲げるようにし、さらに第
３図（Ｃ）では、フォールデット部6aがスチールベルト
層５の端部を包み込むようにしている。
上述した本発明において、ベルト層に使用されるポリ
アミドモノフィラメントは、無撚り状態で太径の１本だ
けでタイヤコードを構成しているから、従来の撚りコー
ドに比べて高モジュラスになっている。すなわち、従来
の撚りコードは、細径の多数本のマルチフィラメントを
撚り合わせることによりコードの収束性と耐疲労性とを
与えるようにしているが、その撚り掛けによってモジュ
ラスは低下している。しかし、モノフィラメントの場合
は、太径の１本だけからなるため収束性のための撚り掛
けが不要であり、その無撚りであることによって高いモ
ジュラスを発揮するのである。
アミドモノフィラメントは、無撚り状態で太径の１本だ
けでタイヤコードを構成しているから、従来の撚りコー
ドに比べて高モジュラスになっている。すなわち、従来
の撚りコードは、細径の多数本のマルチフィラメントを
撚り合わせることによりコードの収束性と耐疲労性とを
与えるようにしているが、その撚り掛けによってモジュ
ラスは低下している。しかし、モノフィラメントの場合
は、太径の１本だけからなるため収束性のための撚り掛
けが不要であり、その無撚りであることによって高いモ
ジュラスを発揮するのである。
また、無撚りであると耐疲労性が低下するところであ
るが、本発明ではモノフィラメントの断面形状を偏平に
し、しかもその偏平断面の長径方向をベルト層の面方向
に沿わせるようにすることにより、その耐疲労性の低下
をカバーするようにしている。すなわち、上記配置によ
って、モノフィラメントが曲げ変形を受けたとき、曲げ
の中立軸からの最大距離を円形断面コードの場合に比べ
て短くするから曲げ歪みの最大値が小さくなり、上記耐
疲労性の低下を補うことができるのである。
るが、本発明ではモノフィラメントの断面形状を偏平に
し、しかもその偏平断面の長径方向をベルト層の面方向
に沿わせるようにすることにより、その耐疲労性の低下
をカバーするようにしている。すなわち、上記配置によ
って、モノフィラメントが曲げ変形を受けたとき、曲げ
の中立軸からの最大距離を円形断面コードの場合に比べ
て短くするから曲げ歪みの最大値が小さくなり、上記耐
疲労性の低下を補うことができるのである。
上述のようなポリアミドモノフィラメントからなる繊
維コードベルト層は、スチールベルト層に比べて軽量で
あることは勿論であるが、さらに偏平断面の長径方向を
ベルト層の面方向に沿わせるようにしたことによって、
ゴム引き後の厚みｔ（第２図参照）を円形断面コードを
使用した場合に比べて一層薄くできるため、さらに重量
を軽減させることができる。また、この繊維コードベル
ト層の使用によって、２層ともスチールベルト層である
場合に比べてベルト層の面外曲げ剛性（タイヤが突起物
を乗り越すような時のベルト層曲げ変形に対する剛さ）
を低減させる。また、ポリアミドモノフィラメントを偏
平断面の長径方向をベルト層の面方向に沿わせるように
配列したことにより、繊維コードベルト層自身も面外曲
げ剛性を低くするため、これらが相乗して突起物乗り越
し時の衝撃力を緩和し、乗心地性を向上させるのであ
る。
維コードベルト層は、スチールベルト層に比べて軽量で
あることは勿論であるが、さらに偏平断面の長径方向を
ベルト層の面方向に沿わせるようにしたことによって、
ゴム引き後の厚みｔ（第２図参照）を円形断面コードを
使用した場合に比べて一層薄くできるため、さらに重量
を軽減させることができる。また、この繊維コードベル
ト層の使用によって、２層ともスチールベルト層である
場合に比べてベルト層の面外曲げ剛性（タイヤが突起物
を乗り越すような時のベルト層曲げ変形に対する剛さ）
を低減させる。また、ポリアミドモノフィラメントを偏
平断面の長径方向をベルト層の面方向に沿わせるように
配列したことにより、繊維コードベルト層自身も面外曲
げ剛性を低くするため、これらが相乗して突起物乗り越
し時の衝撃力を緩和し、乗心地性を向上させるのであ
る。
また、ポリアミドモノフィラメントはスチールベルト
ほどではないが高いモジュラスを有し、しかも偏平断面
の長径方向をベルト層の面方向に沿わせて配置すること
により実質的にコードのエンド数（コード密度）を増加
したのと同等の効果を得ることができ、カーカス側に配
置したスチールベルト層と相まって面内曲げ剛性（タイ
ヤがコーナリングした時のようなベルト層曲げ変形に対
する剛さ）を高めることができる。したがって、タイヤ
の操縦安定性を上記乗心地性の向上とバランスさせなが
ら向上することができるのである。
ほどではないが高いモジュラスを有し、しかも偏平断面
の長径方向をベルト層の面方向に沿わせて配置すること
により実質的にコードのエンド数（コード密度）を増加
したのと同等の効果を得ることができ、カーカス側に配
置したスチールベルト層と相まって面内曲げ剛性（タイ
ヤがコーナリングした時のようなベルト層曲げ変形に対
する剛さ）を高めることができる。したがって、タイヤ
の操縦安定性を上記乗心地性の向上とバランスさせなが
ら向上することができるのである。
本発明において、このような効果をより顕著に発揮さ
せるためには、ポリアミドモノフィラメントの偏平比Ｒ
（＝長径／短径）を1.5以上、さらに好ましくは2.0以上
にすることが望ましい。さらに、繊維コードベルト層に
おけるポリアミドモノフィラメントのエンド数ｅ（タイ
ヤ周方向に直交する方向50mm当りのコード数）を20エン
ド/50mm以上にすると共に、モノフィラメント間の距離
ｗ（第２図参照）を0.1mm以上にすることが望ましい。
エンド数ｅが20エンド/50mmよりも少なくなると、ポリ
アミドモノフィラメント１本当りの分担張力が大きくな
り、ベルト層の本来の効果を低減する。また、モノフィ
ラメント間の距離ｗを0.1mmよりも小さくするとベルト
層の耐久性の上から好ましくない。
せるためには、ポリアミドモノフィラメントの偏平比Ｒ
（＝長径／短径）を1.5以上、さらに好ましくは2.0以上
にすることが望ましい。さらに、繊維コードベルト層に
おけるポリアミドモノフィラメントのエンド数ｅ（タイ
ヤ周方向に直交する方向50mm当りのコード数）を20エン
ド/50mm以上にすると共に、モノフィラメント間の距離
ｗ（第２図参照）を0.1mm以上にすることが望ましい。
エンド数ｅが20エンド/50mmよりも少なくなると、ポリ
アミドモノフィラメント１本当りの分担張力が大きくな
り、ベルト層の本来の効果を低減する。また、モノフィ
ラメント間の距離ｗを0.1mmよりも小さくするとベルト
層の耐久性の上から好ましくない。
また、上述した本発明による効果を一層高める手段と
して、繊維コードベルト層は、その両端部を前述した第
３図（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）のように内側へ折り曲げて
フォールド構造にすることが望ましい。これらのうちで
も、特に第３図（Ａ）の構造が好ましい。
して、繊維コードベルト層は、その両端部を前述した第
３図（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）のように内側へ折り曲げて
フォールド構造にすることが望ましい。これらのうちで
も、特に第３図（Ａ）の構造が好ましい。
本発明において、モノフィラメントを構成するポリア
ミドとしては特に限定されないが、ポリヘキサメチレン
アジパミド（ナイロン66）、ポリイプシロンカプロラク
タム（ナイロン６）などが好ましく使用される。
ミドとしては特に限定されないが、ポリヘキサメチレン
アジパミド（ナイロン66）、ポリイプシロンカプロラク
タム（ナイロン６）などが好ましく使用される。
また、本発明において、繊維コードベルト層に使用さ
れるポリアミドモノフィラメントは、接着剤処理後にグ
リーンタイヤに使用するときの状態において、2.25g/d
荷重時の伸び率が6.5％以下であり、かつ150℃における
乾熱収縮率が4.5％以下であるようにすることが望まし
い。接着剤処理後の伸び率が6.5％以下に抑制すること
により、繊維コードベルト層に使用される補強コードと
しての初期モジュラスを高くし、ラジアルタイヤの操縦
安定性をさらに向上させることができる。また、乾熱収
縮率を4.5％以下にすることにより、加硫成形時のコー
ド収縮に起因する端末部での耐久性低下を抑制すること
ができる。
れるポリアミドモノフィラメントは、接着剤処理後にグ
リーンタイヤに使用するときの状態において、2.25g/d
荷重時の伸び率が6.5％以下であり、かつ150℃における
乾熱収縮率が4.5％以下であるようにすることが望まし
い。接着剤処理後の伸び率が6.5％以下に抑制すること
により、繊維コードベルト層に使用される補強コードと
しての初期モジュラスを高くし、ラジアルタイヤの操縦
安定性をさらに向上させることができる。また、乾熱収
縮率を4.5％以下にすることにより、加硫成形時のコー
ド収縮に起因する端末部での耐久性低下を抑制すること
ができる。
ベルト構造として、下記仕様からなる踏面側のベルト
層を第１図のようなステップ構造にしたものと、第３図
（Ａ）のようなフォールド構造にしたものとを使用し、
またこれらベルト構造に対して下記仕様のスチールベル
ト層、アラミドベルト層、ポアリミドモノフィラメント
ベルト層を下記のように種々異なった組合せにした従来
例、実施例1,2及び比較例１〜６の合計９種類の乗用車
用空気入りタイヤを試作した。いずれもタイヤサイズは
175/70R13で共通にした。
層を第１図のようなステップ構造にしたものと、第３図
（Ａ）のようなフォールド構造にしたものとを使用し、
またこれらベルト構造に対して下記仕様のスチールベル
ト層、アラミドベルト層、ポアリミドモノフィラメント
ベルト層を下記のように種々異なった組合せにした従来
例、実施例1,2及び比較例１〜６の合計９種類の乗用車
用空気入りタイヤを試作した。いずれもタイヤサイズは
175/70R13で共通にした。
ベルト構造の仕様 （１）ステップ構造 カーカス側のベルト層幅＝130mm 踏面側のベルト層幅＝120mm （２）フォールド構造 カーカス側のベルト層幅＝120mm 踏面側のベルト層幅＝130mm フォールデット幅（片側当り）＝40mm ベルト層の仕様 （１）スチールベルト層： スチールコード １×５（0.25） エンド数 44エンド/50mm コード角度（タイヤ周方向に対し）21゜ （２）アラミドベルト層： アラミドコード 1500D/2 エンド数 52エンド/50mm コード角度（タイヤ周方向に対し）21゜ （３）ポリアミドモノフィラメントベルト層： ナイロン66モノフィラメント 4000D エンド数 20エンド/50mm コード角度（タイヤ周方向に対し）21゜ 従来例 ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：スチールベルト層 カーカス側ベルト層：スチールベルト層 実施例１ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベルト
層 カーカス側ベルト層：スチールベルト層 実施例２ ベルト構造：フォールド 踏面側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベルト
層 カーカス側ベルト層：スチールベルト層 比較例１ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：アラミドベルト層 カーカス側ベルト層：スチールベルト層 比較例２ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：アラミドベルト層 カーカス側ベルト層：アラミドベルト層 比較例３ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベルト
層 カーカス側ベルト層：アラミドベルト層 比較例４ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：アラミドベルト層 カーカス側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベ
ルト層 比較例５ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベルト
層 カーカス側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベ
ルト層 比較例６ 踏面側ベルト層：スチールベルト層 カーカス側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベ
ルト層 以上のように試作した９種類のラジアルタイヤについ
て、下記に説明する乗心地性試験、操縦安定性試験、ベ
ルト層の耐久性試験をそれぞれ行うと共に、タイヤ重量
を測定したところ、表に示すような結果を得た。
層 カーカス側ベルト層：スチールベルト層 実施例２ ベルト構造：フォールド 踏面側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベルト
層 カーカス側ベルト層：スチールベルト層 比較例１ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：アラミドベルト層 カーカス側ベルト層：スチールベルト層 比較例２ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：アラミドベルト層 カーカス側ベルト層：アラミドベルト層 比較例３ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベルト
層 カーカス側ベルト層：アラミドベルト層 比較例４ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：アラミドベルト層 カーカス側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベ
ルト層 比較例５ ベルト構造：ステップ 踏面側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベルト
層 カーカス側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベ
ルト層 比較例６ 踏面側ベルト層：スチールベルト層 カーカス側ベルト層：ポリアミドモノフィラメントベ
ルト層 以上のように試作した９種類のラジアルタイヤについ
て、下記に説明する乗心地性試験、操縦安定性試験、ベ
ルト層の耐久性試験をそれぞれ行うと共に、タイヤ重量
を測定したところ、表に示すような結果を得た。
表の結果から、実施例1,2の本発明タイヤは、軽量で
あると共に乗心地性、操縦安定性及びベルト層の耐久性
のいずれにも優れていることがわかる。
あると共に乗心地性、操縦安定性及びベルト層の耐久性
のいずれにも優れていることがわかる。
〈乗心地性試験〉 回転ドラム表面に突起物を固定し、この回転ドラム上
に下記条件で試作タイヤを接圧して回転させるとき発生
する突起乗越衝撃力（反力）を測定した。
に下記条件で試作タイヤを接圧して回転させるとき発生
する突起乗越衝撃力（反力）を測定した。
測定値は従来例のタイヤを100とする指数で表示し
た。指数の小さいほど乗心地性に優れていることを意味
する。
た。指数の小さいほど乗心地性に優れていることを意味
する。
空気圧:1.9kg/cm2 リム:13×５−Ｊ 荷重:405kg 走行速度:60km/h 突起物：半径10mmの半円突起 〈操縦安定性試験〉 回転ドラムの表面に試作タイヤを下記条件でスリップ
角を与えるように接圧して回転させるときに発生するコ
ーナリングフォースを測定した。
角を与えるように接圧して回転させるときに発生するコ
ーナリングフォースを測定した。
測定値は従来例のタイヤを100とする指数で表示し
た。指数の大きいほど操縦安定性に優れていることを意
味する。
た。指数の大きいほど操縦安定性に優れていることを意
味する。
空気圧:1.9kg/cm2 リム:13×５−Ｊ 荷重:405kg 走行速度:10km/h スリップ角:2゜ 〈ベルト層の耐久試験〉 試作タイヤのトレッド面にドリルでベルト層に達する
まで孔をあけ、その孔に前もって塩水を注入したのち、
同一車種の試験車両に装着して下記条件でロード走行を
行い、走行後におけるベルト層エッジにおけるセパレー
ションの量を測定した。
まで孔をあけ、その孔に前もって塩水を注入したのち、
同一車種の試験車両に装着して下記条件でロード走行を
行い、走行後におけるベルト層エッジにおけるセパレー
ションの量を測定した。
測定値は従来例のタイヤを100とする指数で表示し
た。指数の小さいほど耐久性に優れていることを意味す
る。
た。指数の小さいほど耐久性に優れていることを意味す
る。
空気圧:1.9kg/cm2 リム:13×５−Ｊ 走行速度:10000km なお、重量については従来例のタイヤを100とする指
数で示した。指数の小さいほど軽量であることを意味す
る。
数で示した。指数の小さいほど軽量であることを意味す
る。
〔発明の効果〕 上述したように本発明の乗用車用空気入りラジアルタ
イヤは、トレッド部のベルト層として、カーカス側にス
チールベルト層を配置し、踏面側に無撚りの偏平断面ポ
リアミドモノフィラメントからなる繊維コードベルト層
を配置した２層から構成したため、２層のスチールベル
ト層からなる従来タイヤに比べて軽量化され、しかも繊
維コードベルト層におけるポリアミドモノフィラメント
を偏平断面の長径方向をベルト層の面方向に沿わせるよ
うに配列したことと相乗して、乗心地性と操縦安定性と
をバランスよく向上させることができる。また、ポリア
ミドモノフィラメントがマルチフィラメント撚りコード
のような毛細管現象をもたず、水分の吸収，拡散効果を
有しないため、スチールベルト補強層の発錆やセパレー
ションを軽減するすることができる。
イヤは、トレッド部のベルト層として、カーカス側にス
チールベルト層を配置し、踏面側に無撚りの偏平断面ポ
リアミドモノフィラメントからなる繊維コードベルト層
を配置した２層から構成したため、２層のスチールベル
ト層からなる従来タイヤに比べて軽量化され、しかも繊
維コードベルト層におけるポリアミドモノフィラメント
を偏平断面の長径方向をベルト層の面方向に沿わせるよ
うに配列したことと相乗して、乗心地性と操縦安定性と
をバランスよく向上させることができる。また、ポリア
ミドモノフィラメントがマルチフィラメント撚りコード
のような毛細管現象をもたず、水分の吸収，拡散効果を
有しないため、スチールベルト補強層の発錆やセパレー
ションを軽減するすることができる。
第１図は本発明の実施例からなる乗用車用空気入りラジ
アルタイヤの要部を一部断面にして示す斜視図、第２図
は同ラジアルタイヤの繊維コードベルト層の要部断面
図、第３図（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）はそれぞれベルト層
構造の他の例を示す概略図である。 １……トレッド、３……カーカス、５……スチールベル
ト層、６……繊維コードベルト層、７……スチールコー
ド、８……ポリアミドモノフィラメント。
アルタイヤの要部を一部断面にして示す斜視図、第２図
は同ラジアルタイヤの繊維コードベルト層の要部断面
図、第３図（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）はそれぞれベルト層
構造の他の例を示す概略図である。 １……トレッド、３……カーカス、５……スチールベル
ト層、６……繊維コードベルト層、７……スチールコー
ド、８……ポリアミドモノフィラメント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−188205（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−12989（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−38205（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−79402（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−13003（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B60C 9/00 - 9/22
Claims (1)
- 【請求項１】トレッド部のカーカス外側にコード方向を
タイヤ周方向に対し互いに反対側に５゜〜40゜の角度で
交差させて２枚のベルト層を配置し、該２枚のベルト層
のうちカーカス側のベルト層をスチールベルト層にする
と共に、踏面側のベルト層を無撚りで偏平断面のポリア
ミドモノフィラメントからなる繊維コードベルト層に
し、かつ該繊維コードベルト層のポリアミドモノフィラ
メントを偏平断面の長径方向がベルト層の面方向に沿う
ように配列した乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2152649A JP3013184B2 (ja) | 1990-06-13 | 1990-06-13 | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2152649A JP3013184B2 (ja) | 1990-06-13 | 1990-06-13 | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0446804A JPH0446804A (ja) | 1992-02-17 |
| JP3013184B2 true JP3013184B2 (ja) | 2000-02-28 |
Family
ID=15545039
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2152649A Expired - Fee Related JP3013184B2 (ja) | 1990-06-13 | 1990-06-13 | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3013184B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5743975A (en) | 1995-03-24 | 1998-04-28 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Radial medium truck tire with organic polymer reinforced top belt or breaker |
| JP2005319955A (ja) * | 2004-05-11 | 2005-11-17 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りラジアルタイヤ |
| JP5161559B2 (ja) * | 2007-12-26 | 2013-03-13 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
| JP6438269B2 (ja) * | 2014-10-22 | 2018-12-12 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
1990
- 1990-06-13 JP JP2152649A patent/JP3013184B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0446804A (ja) | 1992-02-17 |
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