JP3012380B2 - チル層の形成方法及びその装置 - Google Patents

チル層の形成方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造品の表面に部分的
にチル層を形成するようなチル層形成方法及びその装置
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋳造品にチル層を形成するような
際、例えば特開昭64―62245号に示されるよう
に、砂型の中に熱伝導性の高い入子(チラー)を埋設
し、溶湯を入子で急冷することによってチル層を形成す
るような方法が知られている。しかし、かかる砂型によ
る成形は、成形においても、又鋳物の取り出しにおいて
も手間がかかり、コスト面で問題を有していることか
ら、これまで金型による成形法も提唱されている。例え
ば特開平1―130838号の場合は、自動車用エンジ
ンのカムシャフトに局部的にチル層を形成する形成方法
を開示しており、熱伝導率の高い銅系合金製の金型と、
熱伝導率の低い入子を組合せ、熱伝導率の高い金型のキ
ャビティ周りに冷却水路を配設して、急冷によってカム
シャフトのカムノーズ部のチル化を促進させるととも
に、チル化を必要としないジャーナル部は熱伝導率の低
い入子によって徐冷し、適所に必要な表面組織を形成す
るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記のような方
法の場合、冷却速度に差を持たせるため、カムノーズ部
形成用の金型とジャーナル部形成用の入子を別個に加工
する必要が生じて加工コストが高くなり、しかも組立に
必要なコスト、金型の組立精度等の問題もあって、砂型
を廃したメリットが充分活かされないという問題があっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明は熱伝導率の高い金型のキャビティに溶湯を
注入し、鋳造品の表面が凝固し且つ内部が冷え切らない
段階で鋳造品を取り出すとともに、この鋳造品の要チル
化部分の表面に局部的にエアブローを施し、同部のチル
化を促進させるようにした。又、金型から取り出した軸
状の鋳造品を位置決め部材によって把持しエアブローに
よってチル化を促進せしめるチル層形成装置を設け、該
位置決め部材に複数のエアノズルを設けて要チル化部分
に向けて開口させた。
【0005】
【作用】チル層の形成は、鋳造品の表面を急冷すること
により得られるが、鋳造品の表面が凝固し内部が冷え切
らない段階で金型から取り出し、局部的にエアブローを
施して冷却すればエアブローが吹き付けられた箇所のチ
ル層形成が促進される。このため、従来のようにわざわ
ざ金型に入子を組込むような必要がない。又、鋳造のサ
イクル性が向上する。
【0006】
【実施例】本発明のチル層の形成方法及び装置の実施例
について添付した図面に基づき説明する。図1は金型の
断面図、図2はチル層形成装置の正面図、図3は同平面
図である。
【0007】本発明の実施例は、例えば自動車用のエン
ジンのカムシャフトの鋳造に適用され、図1に示すよう
に、紙面垂直方向に分割される2分割式の金型1は、例
えば銅合金製の熱伝導率の高い金型であり、2つのカム
シャフトW、Wを形成する2つのキャビティ2、2を備
えている。
【0008】そしてこの金型1には、給湯口3から注入
される溶湯をキャビティ2の一端側に導くための湯道4
が設けられるとともに、キャビティ2の他端側にはフッ
ク形成部5と湯上り部6が設けられている。又、この金
型1のキャビティ2周りには、以下に述べるカムシャフ
トWのカム部Cの位置に対応して複数の冷却水路7、7
…が設けられ、この冷却水路7に冷却水を導くようにし
ている。
【0009】カムシャフトWは、シャフト軸の方向に沿
って所定置きに形成されたカム部Cと、その間のジャー
ナル部Jを備え、カム部Cは摺動面であって耐磨耗性等
の機械的特性を必要とすることから、要チル化部分であ
り、ジャーナル部Jはチル化を望まない部分である。
又、このカムシャフトWの鋳造時には、前記フック形成
部5によって形成される非製品部としてのフック部Fが
一体に形成されることになる。
【0010】そして給湯口3から注入される溶湯(ねず
み鋳鉄)は、湯道4を通ってキャビティ2内に充填され
た後、冷却水路7の冷却水によってカム部Cが急冷され
る。この際、溶湯をゆっくり冷却させると、成分中の炭
素同士が比較的容易に結合して片状又は球状黒鉛に変化
し、組織に炭素が介在するため高い硬度が得られない
が、急速に冷却すると成分中の炭素は結合する暇がなく
なり、その結果、鉄と結合して硬いセメンタイトに変化
する。
【0011】従ってカム部Cの表面には耐磨耗性に優れ
たチル層が形成されるが、実際は金型1が熱伝導率の高
い銅合金製であるためカム部Cのみを集中的に急冷する
ことは困難であり、ジャーナル部Jにも冷却効果が及
び、同部にも僅かながらチル層が形成されることとな
る。
【0012】そこで本発明は、金型1に溶湯を注入して
から例えば僅か8〜12秒の間で且つ鋳造品の表面が凝
固し内部が凝固していない段階で金型1を開き、取り出
した鋳造品のカム部Cのトップに向けてエアブローを施
しカムトップ部のチル化を促進させる。
【0013】つまり、金型1から取り出した段階では未
だ内部の温度が高く、そのまま放置しておくと凝固した
表層の温度が再び上昇して、チル層が形成された部分
は、あたかも焼戻しを受けたような状態となり、折角形
成したチル層が希薄になってしまうため、カム部Cのみ
集中的にエアブローを施して内部熱の影響を押えようと
するものである。
【0014】一方、チル層を必要としないジャーナル部
Jにはエアを供給しないため、同部の表層に形成されて
いた僅かなチル層は殆ど消滅してしまう。
【0015】従って本発明の形成方法によれば、要チル
化部分であるカム部Cのみのチル化を有効に促進させる
ことが出来るが、この際、金型1から鋳造品を取り出す
タイミングが速いため鋳造サイクルが短縮されるだけで
なく、金型1に入子等の何等の複雑な構成を必要とせず
安価である。勿論、入子式の構造を有する金型等におい
ても適用出来ることについてはいうまでもない。
【0016】次にチル層形成装置の実施例について図
2、図3に基づき説明する。チル層形成装置は図2、図
3に示すような鋳造品としてのカムシャフトWを挟んで
対峙する一対の位置決め部材11、11と、この位置決
め部材11を離接方向に移動させる不図示の駆動源を備
え、位置決め部材11の本体12前面には、カムシャフ
トWの所定のジャーナル部Jを把持する複数のVブロッ
ク13、14、15が突設されている。
【0017】この複数のVブロック13、14、15
は、先端部にそれぞれのジャーナル部Jに係合し得るV
溝13a、…を備えている。そしてこの位置決め部材1
1は、本来、完全に凝固していない軸状の鋳造品を金型
から取り出した際に、鋳造品の曲りを矯正するため、カ
ムシャフト軸の径方向から対向して押圧保持出来るよう
に設けられているものである。
【0018】又、本体12の内部にはエア供給路16に
連通するエア通路17を設け、このエア通路17から複
数のエアノズル18を分岐させ前面に向けて突設してい
る。そしてこのエアノズル18の数はカムシャフトWの
カム部Cの数に対応させている。そして各エアノズル1
8の先端は、図3に示すように、最もチル化を必要とす
るカム部Cのトップに対向する位置に臨ませている。
【0019】このようなチル層形成装置において、位置
決め部材11、11は開いた状態で待機しており、この
間に金型から取り出されたカムシャフトWがセットされ
る。つまり、カムシャフトWは表層のみが凝固した時点
で金型から取り出されると、前記フック部Fによって上
方から吊り下げられ、不図示の搬送機構によって搬送さ
れた後、位置決め部材11、11の間に降下してくる。
【0020】次いで不図示の駆動源によって位置決め部
材11、11が接近方向に移動し、各Vブロック13〜
15によってカムシャフトWのジャーナル部Jを挟持す
る。この時各エアノズル18、…はそれぞれのカム部C
のトップに対向しており、圧縮空気を送り込むことでカ
ムトップ部にエアブローの処置を施すことが出来る。
【0021】かかる装置において、カムシャフトWはV
ブロック13〜15によって曲りが矯正され、又、エア
ーノズル18の先端が確実にカムトップ部に対向してエ
アブローの効果が最大に発揮される。
【0022】尚、本発明は以上のような実施例に限定さ
れるものでなく、請求の範囲を越えない範囲で種々の態
様の変更が可能である。例えば実施例のようにカムシャ
フトWが1本であることは必須の要件ではなく、2本で
あっても良いし、又、エアブローを施すタイミングも、
曲りを矯正した後直ちに行う必要はなく、不要な湯道や
湯上りをカットした後行うようにしても良い。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明のチル層形成方法及
び装置は、金型に溶湯を注入して表面が凝固した状態で
鋳造品を取り出し、要チル化部分にエアブローを施すこ
とによって局部的にチル層を形成するようにしているた
め、金型の入子構造等によらないで冷却速度に差を持た
せることが出来る。従って、金型の構成が簡単となって
安価である。又、鋳造サイクルを高めることが出来ると
いうメリットもある。更にエアーブローのノズルをシャ
フトの曲り矯正用の位置決め部材に設けることにより、
別途エアブローの工程をわざわざ設ける必要がないとい
った効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】金型の断面図
【図2】チル層形成装置の正面図
【図3】チル層形成装置の平面図
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティ 11 位置決め部材 18 エアノズル W カムシャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−23826(JP,A) 特開 平4−317(JP,A) 特開 昭59−179263(JP,A) 特開 昭64−78668(JP,A) 特開 昭58−81548(JP,A) 特開 昭61−259866(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 30/00 B22D 15/00 B22D 15/04 B22D 27/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造品の表面に局部的にチル層を形成す
    るための形成方法において、この方法は、熱伝導率の高
    い金型のキャビティに溶湯を注入し、鋳造品の表面が凝
    固し且つ内部が冷え切らない段階で鋳造品を取り出すと
    ともに、この鋳造品の要チル化部分の表面に局部的にエ
    アブローを施し同部のチル化を促進させることを特徴と
    するチル層の形成方法。
  2. 【請求項2】 鋳造品の表面に局部的にチル層を形成す
    るためのチル層形成装置において、この装置は、金型か
    ら取り出した軸状の鋳造品を軸の径方向から把持する位
    置決め部材と、この位置決め部材に設けられた複数のエ
    アノズルを備え、このエアノズルは鋳造品の要チル化部
    分に向けて開口することを特徴とするチル層形成装置。
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