JP3012010B2 - 透明性および紫外線遮断性に優れた成形品並びに食品包装容器 - Google Patents

透明性および紫外線遮断性に優れた成形品並びに食品包装容器

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明性および紫外線遮断
性に優れた成形体品並びに食品包装容器に関する。さら
に詳しくは、ポリアルキレンナフタレートを含有するポ
リカーボネートよりなる透明性および紫外線遮断性に優
れたフィルム、シートおよび中空成形体並びに紫外線に
よって変質しやすい食品を包装するための食品包装容器
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート(以下PCと略するこ
とがある)よりなる包装容器は透明性や耐熱性に優れて
おり、食品や化粧品等に使われている。
【0003】しかしながら、用途によっては紫外線遮断
性が十分でないために、外部からの紫外線の照射により
内容物の食品が変質して味が落ちたり、化粧品が退色し
たりして商品価値を低めるという問題がある。
【0004】このような問題点を解決する目的で現在ま
でに有機系、無機系の紫外線吸収剤が開発されており、
樹脂への適用も試みられている。しかし、食品包装容器
として使われる場合には、その毒性、内容物への移行
(溶出:マイグレーション)による味や臭いの変化など
の問題が生ずる虞れのあることや、容器の着色により内
容物の色が正確に判定できないことや、色の変化による
内容物の変質を判別し難かったり、内容物自体のもつ色
調を生かしたディスプレーが効果的に為し得ない等の欠
点がある。
【0005】かような理由から紫外線遮断性の改良され
た透明性に優れたPCのフィルム、シートおよび中空成
形体或いはこれら成形品を用いた食品や化粧品の包装容
器の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、紫外線遮断
性の改良された無色かつ透明なPCのフィルム、シート
および中空成形体並びにこれら成形品を用いた食品や化
粧品の包装容器を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、紫外線によって変質
し易い食品を包装するに好適な食品包装容器を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術の
問題点を考慮し、無色透明で衛生性に優れたPCのフィ
ルム、シートおよび中空成形体の紫外線遮断性の改良に
関し鋭意研究の結果、ポリカーボネートにポリアルキレ
ンナフタレート、例えばポリエチレン2,6ーナフタレ
ート或いはポリブチレン2,6ーナフタレートを少量ブ
レンドしたポリマーを用いたフィルム、シートおよび中
空成形体により前記問題点を解決できることを見出し、
本発明に到った。
【0009】即ち、本発明はポリカーボネートおよびポ
リアルキレンナフタレートを含有してなりそして両者の
合計重量に基づいてポリカーボネートが99.8〜97
重量%であり、ポリアルキレンナフタレートが0.2〜
3重量%であることを特徴とする透明性および紫外線遮
断性に優れたフィルム、シート又は中空成形体並びにこ
れら成形品を用いて紫外線によって変質しやすい食品を
包装するための食品包装容器である。
【0010】本発明におけるポリカーボネートおよびポ
リアルキレンナフタレートの重量比率は両者の合計重量
に基づいてポリカーボネートが99.8〜97重量%お
よびポリアルキレンナフタレートが0.2〜3重量%で
ある。好ましくは、ポリカーボネートが99.5〜98
重量%およびポリアルキレンナフタレートが0.5〜2
重量%である。
【0011】ポリアルキレンナフタレートの含有比率が
0.2重量%より小さくなると紫外線遮断能が低下し、
3重量%より大きくなると成形品の曇り度が高くなる。
【0012】本発明のフィルム、シートおよび中空成形
体並びに包装容器を作成するに際してポリカーボネート
とポリアルキレンナフタレートは、好ましくは成形に先
だって溶融混合される。即ち、成形機や押出機中にて溶
融され混合されるが、混合は例えばスクリューや静置ミ
キサーによる混練等によって行なわれる。例えば、チッ
プの状態で両種のポリマーを混合して成形機や押出機に
供給して混合する方法や両種のポリマーを押出機や溶融
混合槽等を用いて溶融混合する方法等がある。これらの
方法で、チップ状で得られたポリマーを用いて成形を有
利に行なうことができる。
【0013】本発明に用いるポリカーボネートとして
は、例えばポリ4,4’ージオキシジフェニルー2,2ー
プロパンカーボネート等が好ましく用いられる。
【0014】ポリカーボネートの分子量は、塩化メチレ
ンを溶媒として温度20℃にて測定したときの固有粘度
(IVと称す)が0.3〜1.7の範囲のものが好まし
く、0.4〜1.1の範囲のものがより好ましい。
【0015】本発明に用いるポリアルキレンナフタレー
トはナフタレンジカルボン酸基とアルキレングリコール
基より主としてなる。すなわち、ナフタレンジカルボン
酸基とアルキレングリコール基のみからなるポリマーは
もちろんのこと、その他ナフタレンジカルボン酸基の一
部を、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニ
ルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジ
フェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジ
カルボン酸等の如き他の芳香族ジカルボン酸;ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き
脂環族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、アゼラ
イン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;p−βーヒドロキ
シエトキシ安息香酸、εーオキシカプロン酸等の如きオ
キシ酸等の他のニ官能性カルボン酸の1種以上で置換し
て5重量%以下程度を共重合せしめたコポリマーも、本
発明におけるポリアルキレンナフタレートとして用いら
れる。
【0016】ナフタレンジカルボン酸としては、例えば
2,6ーナフタレンジカルボン酸が好ましく用いられ
る。2,7ー、1,5ー、1,6ー、1,7ー等のその他の
ナフタレンジカルボン酸の異性体等も同様に用いられる
が、これらの異性体の1種又は2種以上はナフタレンジ
カルボン酸中に、例えばナフタレンジカルボン酸基中の
20重量%以下程度であるのが好ましい。また、アルキ
レングリコールとしては、エチレングリコールやブチレ
ングリコール等の1種又は両種が好ましく用いられる。
これらの他に、例えばトリメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,1ーシ
クロヘキサンジメタノール、1,4ーシクロヘキサンジ
メタノール、2,2ービス(4’ーβーヒドロキシエト
キシフェニル)プロパン、ビス(4’ーβーヒドロキシ
エトキシフェニル)スルホン酸等の他の多官能化合物の
1種以上が用いられる。これらの多官能化合物の1種以
上は、好ましくはエチレングリコールおよび/又はブチ
レングリコールの1部を例えば5重量%以下の割合で置
換して用いるのが好適である。
【0017】ポリアルキレンナフタレートとしては、例
えばポリエチレン2,6−ナフタレートやポリブチレン
2,6−ナフタレート等が好適に用いられる。また、ポ
リアルキレンナフタレートの分子量は、オルトクロロフ
ェノールを溶媒として、温度35℃にて測定した固有粘
度(以下IVと略することがある)が0.3〜1.5の範
囲にあるものが好ましく、0.4〜0.8の範囲にあるも
のがさらに好ましい。
【0018】本発明の中空成形体、例えば食品包装容器
は、一般の成形法、例えば射出ブロー法、配向ブロー
法、押出ブロー法等によって有利に製造され得る。射出
ブロー法の好適な一例をあげると、まずポリマーを溶融
し、射出コア及び射出金型により形成されるキャビティ
内にポリマーを射出して予備成形体を成形し、射出コア
及び予備成形体を吹込み金型内に導き、吹込みを行って
中空成形体を成形する。この際の溶融ポリマーの温度
は、好ましくはポリマーの軟化点以上380℃以下であ
り、殊に250〜360℃がより好ましい。射出コアの
温度は好ましくは−30℃〜170℃であり、より好ま
しくは0℃〜150℃である。射出金型にポリマーを接
触させて予備成形体を冷却する時間は、好ましくは1〜
30秒であり、殊に2〜15秒が有利である。吹込金型
とポリマーとを接触させて容器を冷却する時間は、好ま
しくは1〜30秒であり、殊に2〜15秒がさらに好ま
しい。吹込みは気体、液体のいずれを用いてもよいが、
気体の方が簡便に使用できる。
【0019】押出ブロー法の適当な例としては、まずポ
リマーを溶融し、適度の厚みを有すパリソンを形成せし
め、これの底部を封ずると共に必要な形状、例えばー3
0℃〜170℃程度の金型に接する様に内部に気体、あ
るいは液体を吹込み成形する。
【0020】また、フィルムやシートは、通常押出機に
てポリマーを溶融し、ダイスを通してフィルム又はシー
ト状にし、冷却ドラム上にキャスティングすることによ
って得られる。この様にして得られた無延伸フィルム又
はシートはタテ及び/又はヨコに延伸され、さらに熱固
定されうる。一方、カップやトレー等の容器は、通常の
射出成形法によるか上記の如くして得られた無延伸フィ
ルム又はシート或いは予備延伸フィルム又はシートを予
熱した後、熱成形法、例えば真空成形法、圧空成形法或
いは真空圧空成形法などが適用されて得られる。
【0021】
【発明の効果】本発明のフィルム、シートおよび中空成
形体は透明性および紫外線遮断性に優れ、食品、特に紫
外線によって変質しやすい食油、アルコール飲料や食肉
或いは化粧品等の包装に適用され有用である。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳述する。な
お主な実験法および物性値の測定法は次の通りである。
【0023】(1)紫外線照射テスト:容器中に包装さ
れた食品への紫外線照射テストは東芝(株)製の殺菌ラ
ンプGL−15を該食品迄の距離5cmに設置し、室温
にて照射し促進テストを行った。
【0024】(2)曇り度:三菱化成(株)製、SEP
−DI型ポイック積分球式光線透過率計にて測定した。
【0025】(3)色相:日本電色(株)製の色差計C
ZーΣ90を用いて透過法によって測定した。
【0026】(4)食油の粘度:東京計器(株)製のB
型粘度計B8Mを用いて25℃にて測定した。
【0027】(5)ボトルおよびカップの胴部の厚み測
定:ボトル又はカップの全高さの中央部を円周方向に4
等分した。平坦な各位置の厚さをマイクロメーターで測
定し、平均した。
【0028】(6)UV吸収曲線:島津制作所(株)製
マルチパーパス自記分光光度計MPS−5000にて測
定した。
【0029】実施例1、2及び比較例1、2 IV0.65のポリカーボネート(ポリ4,4′−ジオキ
シジフェニル2,2−プロパンカーボネート、以下、P
Cと略す)とIV0.67のポリエチレン2,6−ナフタ
レート(以下、PENと略す)をそれぞれ150℃で5
時間熱風乾燥した後、2軸押出機を用いて溶融混合し、
ペレットにした。
【0030】該ペレットを130℃で5時間熱風乾燥し
た後、押出機に供給し、ダイスを通してフイルム状に押
出し、冷却ドラム上にキャストした。得られたフィルム
は約800μであった。次いで該フィルムを赤外線ヒー
ターにて予熱した後、プラグアシストの真空成形法によ
ってカップに形成した。カップは開口部の直径6cm,
深さ3.5cmであった。次いで該カップに白ワインを
充填し、蓋をして紫外線照射テストを行った。
【0031】表1に得られたカップの物性値とワインの
色相を示した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例3、4及び比較例3、4 IV0.62のポリカーボネート(ポリ4,4′−ジオキ
シジフェニル2,2−プロパンカーボネート)のチップ
とIV1.05のポリブチレンナフタレート(以下、P
BNと略す)のチップを混合した後、135℃にて5時
間熱風乾燥した後、住友重機械工業(株)製の住友ベク
ーム高速吹込成形機BA−2を用いてボトルを成形し
た。
【0034】該ボトルは全高17.4cm,胴部の外径
6.7cm、胴部の肉厚270〜350μmであった。
【0035】次いで該ボトルにゴマ油を入れ紫外線照射
テストを行った。表2に得られたボトルの物性値とゴマ
油の物性値を示した。
【0036】
【表2】
【0037】実施例5 実施例1、2及び比較例1、2と同じくして得られた無
延伸フィルムの紫外領域を含む光線透過率を測定した。
【0038】得られた結果は図1に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は無延伸フィルムの光透過率を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 67:02) 69:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00,5/18 C08L 69/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネートおよびポリアルキレン
    ナフタレートを含有してなりそして両者の合計重量に基
    づいてポリカーボネートが99.8〜97重量%であ
    り、ポリアルキレンナフタレートが0.2〜3重量%で
    あることを特徴とする透明性および紫外線遮断性に優れ
    たフィルム、シート又は中空成形体。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネートがポリ4,4’ージオ
    キシジフェニルー2,2ープロパンカーボネートである
    請求項1の透明性および紫外線遮断性に優れたフィル
    ム、シート又は中空成形体。
  3. 【請求項3】 ポリアルキレンナフタレートがポリエチ
    レン2,6ーナフタレートおよび/又はポリブチレン2,
    6ーナフタレートである請求項1の透明性および紫外線
    遮断性に優れたフィルム、シート又は中空成形体。
  4. 【請求項4】 紫外線によって変質しやすい食品を包装
    する請求項1の透明性および紫外線遮断性に優れたフィ
    ルム、シート又は中空成形体を用いた食品包装容器。
  5. 【請求項5】 アルコール飲料、食油又は食肉を包装す
    る請求項4の食品包装容器。
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