JP3011955U - 折り戸用ヒンジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 折り戸の戸を閉じ方向に押し付ける機能を有
しながら、簡単な構造で、製作も容易な折り戸用ヒンジ
を提供する。 【構成】 ２枚の戸５，６にそれぞれ取り付けられる一
対のヒンジ板２，３を枢軸４により結合した折り戸用ヒ
ンジ１であって、一方のヒンジ板２の枢軸４から離れた
位置と、他方のヒンジ板３の枢軸４の近傍位置との間に
スプリング７を張設するとともに、該他方のヒンジ板３
のスプリング７の取り付け位置を、前記枢軸４に対して
該ヒンジ板３が取り付けられる戸６側に偏心した位置に
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、２枚の戸を折り畳み可能に連結した折り戸に用いられるヒンジに関 し、特に、折り戸を閉じ位置あるいは開き位置に保持することができる折り戸用 ヒンジの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、折り戸を構成する２枚の戸の連結部には、両方の戸を折り畳み可能 に連結するヒンジが取り付けられている。この折り戸用ヒンジは、前記２枚の戸 にそれぞれ取り付けられる一対のヒンジ板を枢軸により結合した構造に形成され ている。

【０００３】 このような折り戸用ヒンジにおいて、前記折り戸を閉じ位置あるいは所定の開 き位置に保持する構造を備えたものが知られている。例えば、実開昭６３−１３ ４０８８号公報に記載されている折り戸等の扉用蝶番では、枢軸の外周に設けた カム部材とバネによって弾圧された係合部材とによって戸を所定位置に保持する ようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のようにカム部材を用いた折り戸用ヒンジは、戸を所定位 置に保持することはできるものの、戸を閉じ方向に押し付けるような作用は、ほ とんど得ることができなかった。

【０００５】 一方、一般的な扉用のヒンジにおいては、ヒンジ自体に扉を閉じ方向に作動さ せるような機能を内蔵したものも知られているが、これらは、比較的大型のもの が多く、いずれもその形状や構造が複雑であり、住宅用折り戸の戸の連結部に用 いるには適していなかった。

【０００６】 そこで本考案は、折り戸の戸を閉じ方向に押し付ける機能を有しながら、簡単 な構造で、製作も容易な折り戸用ヒンジを提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するため、本考案の折り戸用ヒンジは、２枚の戸にそれぞ れ取り付けられる一対のヒンジ板を枢軸により結合した折り戸用ヒンジにおいて 、一方のヒンジ板の前記枢軸から離れた位置と、他方のヒンジ板の前記枢軸の近 傍位置との間にスプリングを張設するとともに、該他方のヒンジ板のスプリング の取り付け位置を、前記枢軸に対して該ヒンジ板が取り付けられる前記戸側に偏 心した位置としたことを特徴としている。

【０００８】

【作 用】

上記構成の折り戸用ヒンジは、両ヒンジ板間に設けたスプリングの一端を枢軸 の近傍で、かつ、該ヒンジ板が取り付けられる戸側に偏心させて取り付けたので 、該スプリングは、相対的にヒンジ板を戸側に押し付けるように作用し、これが 戸を閉じ方向に押し付ける力になり、戸が閉じ位置に保持される。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を、図面に示す実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。 図１は、本考案の一実施例を示す折り戸用ヒンジの横断面図、図２は同じく平 面図、図３は同じく正面図であって、この折り戸用ヒンジ１は、２枚のヒンジ板 ２，３と、両ヒンジ板２，３を回動可能に結合する枢軸４，４と、該折り戸用ヒ ンジ１により開閉可能に連結される２枚の戸５，６を閉じ方向に付勢するための スプリング７とにより構成されている。

【００１０】 上記枢軸４は、スプリング７を避けるために２本に分割されるとともに、両ヒ ンジ板２，３の外面側、すなわち、戸５，６への取り付け面の反対側の面から僅 かに突出した位置に設けられており、図１に実線で示す両ヒンジ板２，３が一直 線状の状態から、図１に想像線で示す両ヒンジ板２，３が重なった状態にまで回 動させることができるように形成されている。

【００１１】 上記スプリング７は、両ヒンジ板２，３に設けられた切欠き部２ａ，３ａ部分 に設けられており、一方のヒンジ板２の中央部に設けられたピン８と、他方のヒ ンジ板３の枢軸４の近傍に設けられたピン９との間に張設され、両方のピン８， ９を互いに引き付けるように作用している。

【００１２】 一方のピン８は、一方のヒンジ板２の外面側に設けられた突出部２ｂのヒンジ 板２と平行な方向の溝２ｃに挿入されるとともに、他方のピン９は、他方のヒン ジ板３の枢軸装着部の近傍に設けられたヒンジ板３と直角な方向の溝３ｃに挿入 されており、両ピン８，９は、スプリング７の縮み方向の力により保持されてい る。

【００１３】 そして、一方のピン８は、ヒンジ板２，３に対して枢軸４の中心と略同位置に 設けられており、枢軸４の近傍に設けられる他方のピン９は、枢軸４の中心に対 して戸６側に偏心した位置に設けられている。これにより、図１に実線で示す状 態では、スプリング７が両ヒンジ板２，３を一直線状に押し付けるように作用す る。

【００１４】 したがって、上記構成の折り戸用ヒンジ１を用いて折り戸の２枚の戸５，６を 折り畳み可能に連結することにより、該折り戸を閉じた際に折り戸用ヒンジ１が ２枚の戸５，６を閉じ方向に押し付けるように作用し、戸のがたつきなどが防止 される。

【００１５】 逆に折り戸を開いた際には、スプリング７が図１に想像線で示す両ヒンジ板２ ，３が重なった状態を保持するように作用するので、この場合は、折り戸を折り 畳んだ開状態を保持することができる。

【００１６】 さらに、スプリング７の両端を支持するそれぞれのピン８，９の位置を、本実 施例に示す位置に設定し、各ピン８，９を、溝２ｃ，３ｃに側方から挿入してス プリング７の縮み方向の力により保持することにより、ピン８，９を軸方向に挿 入するものに比べてピン保持部の形成を容易に行えるとともに、ピン８，９の組 み付けも容易に行うことができ、製造コストの低減が図れる。

【００１７】 このように形成した折り戸用ヒンジは、通常のヒンジと同様に、両ヒンジ板２ ，３に設けられたビス孔１０，１０を利用して折り戸の戸５，６にビス止めされ て装着される。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の折り戸用ヒンジは、戸を閉じ方向に押し付ける ようにスプリングを設けたので、折り戸を閉じ状態に保持することができ、戸の がたつきなどを防止することができる。また、簡単な構造で形成できるので、製 作も容易で製造コストも低廉である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す折り戸用ヒンジの横断
面図である。

【図２】同じく平面図である。

【図３】同じく正面図である。

【符号の説明】

１ 折り戸用ヒンジ ２，３ ヒンジ板 ２ｃ，３ｃ 溝 ４ 枢軸 ５，６ 戸 ７ スプリング ８，９ ピン １０ ビス孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２枚の戸にそれぞれ取り付けられる一対
   のヒンジ板を枢軸により結合した折り戸用ヒンジにおい
   て、一方のヒンジ板の前記枢軸から離れた位置と、他方
   のヒンジ板の前記枢軸の近傍位置との間にスプリングを
   張設するとともに、該他方のヒンジ板のスプリングの取
   り付け位置を、前記枢軸に対して該ヒンジ板が取り付け
   られる前記戸側に偏心した位置としたことを特徴とする
   折り戸用ヒンジ。