JP3011420B2 - ディジタル形母線保護リレー - Google Patents

ディジタル形母線保護リレー

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JP3011420B2
JP3011420B2 JP1156424A JP15642489A JP3011420B2 JP 3011420 B2 JP3011420 B2 JP 3011420B2 JP 1156424 A JP1156424 A JP 1156424A JP 15642489 A JP15642489 A JP 15642489A JP 3011420 B2 JP3011420 B2 JP 3011420B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明はディジタル形母線保護リレー、特に零相電流
を用いた電流差動原理により、抵抗接地系母線の地絡事
故を検出するディジタル形母線保護リレーに関する。
(従来の技術) 従来技術によるディジタル形母線保護リレーの構成例
を第6図に示す。また第7図に保護シーケンス例を示
す。
第6図においてディジタル形母線保護継電器1は、母
線2に接続される各フィーダ3−1,3−2,3−3に設けら
れた変流器4−1,4−2,4−3の2次側電流を導入する
が、この場合、補助変流器5−1,5−2,5−3により各フ
ィーダ電流の整合をとって導入する。この電流はサンプ
ルホールド回路6により一定のサンプリング周波数でサ
ンプリングされ、マルチプレクサ7により順次選択さ
れ、A/D変換器8に送られディジタル量に変換される。C
PU9はA/D変換器8より出力される系統電流のディジタル
データをもとにして保護演算を行ない、系統の事故検
出、及び保護出力の送出等の保護動作を行なう。整定部
10はCPU9に対し事故検出感度、動作時間整定等を入力す
るものである。さらに変圧器中性点に接続されている中
性点接地抵抗11はこの系統の地絡事故電流が所定以上と
ならないよう制限している。
ここで零相電流は図示していないが、各相電流の残留
回路接続により得られ、これも図示していない零相電流
用補助変流器より導入され、第6図に示す各相電流と同
様にCPU9へ導入される。CPU9では第6図に示したよう
に、短絡事故を検出する87S要素と地絡事故を検出する8
7G要素及び過電流検出要素51の演算及び第7図に示す保
護シーケンス処理も行なっている。その他の処理につい
ては本発明に関係していないため説明は省略する。
第7図において、87S要素12,87G要素13は以下に示す
電流差動原理により母線内部事故を検出する差動要素で
あり、51要素15は各フィーダの各相毎の電流に応動する
過電流検出要素である。
第6図に示すディジタル形母線保護リレーの構成例に
おいては、各フィーダ3−1,〜3−3の相電流i1,i2,i3
よりベクトル和Idを演算すると、Id=i1+i2+i3とな
り、通常時及び母線外部事故時は、母線へ流入する電流
と流出する電流は等しく、|Id|=0<Kとなる。ここで
Kは87S要素12の動作レベルであり、87S要素12は不動作
である。しかしながら母線の内部事故時は、母線へ流入
する電流が大きく、|Id|>Kとなり、87S要素12は動作
となって母線の内部,外部の事故判別ができる。87G要
素13は上記処理にて、零相電流i01〜i03を用い、|I0d|
を求めて動作レベルk0と比較し、動作判定を行なうもの
である。51要素15は87G要素13が以下に示すように、大
電流による零相誤差電流で誤動作することを防止する目
的で各フィーダ毎に設けている。
一般に抵抗接地系では、通信線への誘導障害や人体の
影響を考慮し、第6図に示す変圧器中性点接地抵抗11は
地絡電流を数百(A)程度に制限するよう選ばれてい
る。87G要素13は、この電流を検出し動作するよう非常
に高感度としている。ここで数十(KA)にもなる大電流
を伴なう短絡事故が発生すると、事故による直接の零相
電流は生じなくても、例えば数パーセントの誤差電流の
ため、87G要素13の誤動作が考えられる。従って、87G要
素13にとっては、大電流を伴なう2線事故はその保護責
務外と一般に考えられている。
第6図に示す従来例では、過電流検出要素51要素15に
て2線事故時の動作を阻止する構成としている。そして
大電流の母線流入時は87S要素で検出し保護を行なって
いる。
(発明が解決しようとする課題) ここで過電流検出要素の動作値整定は、母線の内部1
線地絡時に誤って動作し、87G要素が本来動作すべきで
あるにも拘らず、この動作を阻止することがないように
決める必要がある。
第8図は零相電流と各種電流との関係を示したもので
あり、直線16は負荷電流と零相電流の関係,直線17は1
線地絡時の地絡相電流と零相電流の関係を示す。ここで
18は最大負荷電流ILOADmax,19は1線地絡事故時の最大
事故電流IILGmaxを示している。また、20は零相差電流
要素87G要素の動作値レベル示す。過電流検出要素51要
素の整定値21は、ILOADmaxとIILGmaxの和以上とする必
要があった。このような整定とした時、負荷電流が減少
すると、例えば零となると、1線地絡時の零相電流関係
を示す直線17は破線22の如くなる。23は最大負荷電流状
態より2線短絡事故が生じた場合であり、直線20と交わ
る点で87G要素が誤動作することを示している。ただ
し、51要素の整定値21以上となるため51要素の動作によ
り87G要素の動作出力は阻止される。ここで24は負荷電
流零の場合であり、51要素の整定値21以下で直線20と交
わるため、87G要素の不要動作となる可能性が高かっ
た。また異相地絡事故時にも同様の電流が流れるため不
要応動の可能性があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので
あり、2線以上の短絡及び地絡時の87G要素の確実な動
作阻止を可能としたディジタル形母線保護リレーを提供
することを目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は抵抗接地系母線の地絡事故を、母線につなが
る全フィーダの零相電流のベクトル和による差動要素に
て保護するディジタル形母線保護リレーにおいて、母線
につながる複数のフィーダからの零相電流の大きさを各
々算出する手段と、前記算出された各々の零相電流をも
とに動作量を得る零相電流差動要素と、前記各フィーダ
毎に設けて当該フィーダでの零相電流の大きさが所定値
以上であることを判定して動作出力を導出する地絡過電
流検出要素と、前記各地絡過電流要素の内のいずれか1
つが動作したことにを条件に、保護責務外である前記零
相電流差動要素の出力を阻止する手段とを備えた。
(作 用) 上記手段により大電流を伴なう2線以上の事故時は、
零相電流による電流差動要素の不要応動を防止でき、母
線の1線地絡事故のみを確実に検出し保護できる。
(実施例) 以下図面を参照し本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明によるディジタル形母線保護リレーの
一実施例の構成図である。第1図いおいて、第6図と同
一部分については同一機能を有しており、同一符号を付
して説明を省略する。
第1図においては、第6図に対し構成は同一である
が、CPU9で処理する要素が異なっている。第1図ではCP
U9は各相電流を用いた電流差動要素87Sと零相電流を用
いた電流差動要素87G及び各フィーダ毎の零相電流の大
きさを判定する地絡過電流検出要素51Gの処理を行なっ
ている。
上記構成を有するディジタル形母線保護リレーの保護
シーケンス図を第2図に示す。第2図において、各相電
流差動要素87S要素12,零相電流差動要素87G要素13は第
6図に示した同一符号の各要素と同一機能を有するもの
であり、その説明は省略する。
第2図に示す51G要素14は各フィーダ毎の零相電流が
所定値以上であること、即ち、1線地絡事故以上の地絡
過電流であることを検出し、零相差動要素87G要素13の
不要応動を阻止するものである。ここで51G要素14の動
作値整定は、動作判定量が零相電流のため常時の負荷電
流を考慮する必要がなく、高感度に地絡過電流検出がで
きる。
第8図に51G要素の整定地25を示すが、従来の整定値2
1に対し大幅な検出感度の向上が達成できる。
第3図に第2図に示す保護シーケンス図の作用を説明
するフローチャートの一例を示す。第3図は系統よりフ
ィーダ1〜nの零相電流i01〜i0nがリレーへ導入されて
いる場合を示している。
第3図においてステップS31で各フィーダの零相電流i
01〜i0nを導入し、ステップS32では87G要素の動作判定
に必要な各フィーダの零相電流のベクトル和を演算す
る。ここでは動作レベルとの比較が必要なため絶対値|I
0d|を得ている。ステップS33では51G要素の動作判定に
必要な各フィーダ毎の零相電流の絶対値を得ている。ス
テップS34〜S39では、1〜nフィーダの零相電流のうち
1つでも比較レベル以上であれば、フラグGを0にセッ
トし、その他の場合ではフラグGを1にセットし、87G
要素の出力阻止,許容のフラグセットを行なっている。
即ち、ステップS34ではカウンタjに初期値1を与
え、ステップS35ではjの値に相当するフィーダNjの零
相電流の絶対値|I0j|を検出レベルと比較する。ここで
ステップS36〜S38は条件不成立時にカウンタjを用い順
次n迄繰返し、フラグG=1をセットする。但しステッ
プS35にて条件成立時はjがnとなる迄繰返す必要はな
く、ステップS39へ進み、フラグG=0をセットする。
次にステップS40では87G要素の動作判定を行ない、ス
テップS41で条件成立時動作フラグFをF=1にセット
し、ステップS42で51G要素のフラグが許容のときステッ
プS43にて動作出力を送出する。ステップS34では87G要
素はステップS40における条件不成立時であり、ステッ
プS42における不成立も含め、ステップS45にて87G要素
を復帰させる。
上記実施例によれば、各フィーダの零相電流の大きさ
を各フィーダ毎に検出し、この検出結果により、零相電
流による電流差動要素の動作を阻止する構成としてお
り、1線地絡事故時にのみ確実に動作する、零相電流を
用いた差動要素を有するディジタル形保護リレーを提供
できる。
なお、上記実施例では、電流差動要素の動作を阻止す
る要素として、地絡過電流要素の51要素のみとした場合
について説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、例えば従来の過電流要素51G要素と併用しても
何ら問題ない。第4図にこの場合の構成図を示す。
また第5図に保護シーケンス図を示す。ここで51G要
素は異相地絡事故時の短絡事故電流相等の零相電流によ
る87G要素の不要応動阻止、51要素は2線以上の短絡事
故時の大電流による零相誤差電流により87G要素の不要
応動阻止に各々効果が期待できる。
さらにその他の実施例として地絡事故時に発生する地
絡電圧に応動する地絡過電圧検出要素などを87G要素の
動作条件の一部とした構成に、地絡過電流要素51G要素
を加えて同様の効果が得られることは言うまでもない。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば各フィーダの零
相電流の何れかが所定値以上のとき、零相電流による差
動要素の動作出力を阻止する構成としたので、2線以上
の事故時の大電流による地絡差動要素の不要応動を防止
でき、母線の1線地絡事故を確実に検出できる信頼性の
向上にディジタル形母線保護リレーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるディジタル形母線保護リレーの一
実施例の構成図、第2図は本発明によるディジタル形母
線保護リレーの実施例の保護シーケンス図、第3図は第
2図の作用を説明するフローチャート、第4図は他の実
施例の構成図、第5図は他の実施例の保護シーケンス
図、第6図は従来のディジタル形母線保護リレーの構成
図、第7図は従来のディジタル形母線保護リレーの保護
シーケンス図、第8図は従来技術と本発明の特徴を説明
する図である。 1……ディジタル形母線保護リレー 2……母線、3……フィーダ 4……変流器、5……補助変流器 6……サンプルホールド回路 7……マルチプレクサ、8……A/D変換器 9……CPU、10……整定部 11……中性点接地抵抗、12……87S要素 13……87G要素、14……51G要素 15……51要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−65522(JP,A) 特開 昭58−66527(JP,A) 特開 昭63−129811(JP,A) 特開 昭57−156626(JP,A) 特開 昭58−218825(JP,A) 特公 昭52−37176(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 3/26 - 3/28 H02H 7/22 H02H 7/04 - 7/045

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抵抗接地系母線の地絡事故を、母線につな
    がる全フィーダの零相電流のベクトル和による差動要素
    にて保護するディジタル形母線保護リレーにおいて、母
    線につながる複数のフィーダからの零相電流の大きさを
    各々算出する手段と、前記算出された各々の零相電流を
    もとに動作量を得る零相電流差動要素と、前記各フィー
    ダ毎に設けて当該フィーダでの零相電流の大きさが所定
    値以上であることを判定して動作出力を導出する地絡過
    電流検出要素と、前記各地絡過電流要素の内のいずれか
    1つが動作したことを条件に、保護責務外である前記零
    相電流差動要素の出力を阻止する手段とを備えたことを
    特徴とするディジタル形母線保護リレー。
JP1156424A 1989-06-19 1989-06-19 ディジタル形母線保護リレー Expired - Lifetime JP3011420B2 (ja)

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