JP2001103656A - 母線保護継電装置 - Google Patents

母線保護継電装置

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JP2001103656A
JP2001103656A JP27424399A JP27424399A JP2001103656A JP 2001103656 A JP2001103656 A JP 2001103656A JP 27424399 A JP27424399 A JP 27424399A JP 27424399 A JP27424399 A JP 27424399A JP 2001103656 A JP2001103656 A JP 2001103656A
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政夫 堀
Noriyoshi Suga
紀善 須賀
Masato Okazaki
正人 岡崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 CT飽和を行なう事故においても、正確に事
故発生領域を判別する。 【解決手段】 電力系統からのデータ取得手段11と、
母線の内外部事故の区別を行なう一括差動演算手段12
と、分割差電流算出手段13と、データを正波と負波に
分解後、正の動作量と負の動作量とを算出する一括正負
差電流算出手段14と、分割正負差電流算出手段15、
正・負の動作量を得た保護領域内部に事故の発生を検出
する差電流絶対値比較判定手段16と、位相関係の成立
した動作量を得た保護領域内部に事故の発生を検出する
差電流位相比較判定手段17と、一括差動演算手段と差
電流絶対値比較判定手段と差電流位相比較判定手段の演
算結果から事故発生領域の遮断出力を送出する遮断母線
判定手段18とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力系統の母線保護
継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電力系統における母線の複数の保
護領域に対する保護を行なう場合、これら複数の保護領
域を包含した領域に対して内部、外部事故判定を行なう
一括保護用継電器(CT飽和対策付き)と、各保護領域
毎について内部、外部事故判定を行なう複数の分割保護
用継電器(CT飽和対策付き)を個別に設け、これらの
出力の組み合わせにより、複数の保護領域の中から事故
発生母線を選択して遮断を行なっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成においては、
複数の保護領域を有する母線の保護に2台以上のCT飽
和対策付母線保護継電器が必要であった。又、上記問題
を解決するために考案された母線保護継電装置(特願平
10−126678号,特願平10−142919号)
によれば、CT飽和対策付きの分割保護専用の継電器を
使用しない簡易な構成で、事故発生母線の選択・遮断を
行なうことができた。
【0004】しかしながら、これらの方式によれば、端
子毎にCTの飽和度が異なり、かつ、ある端子のみがC
T飽和によりCT二次回路電流の直流分が他の端子より
も先に減衰する現象を伴なう場合に、装置の誤応動を招
く可能性があった。
【0005】本発明は上課題を解決するためになされた
ものであり、CT飽和を伴なう事故においても正確に事
故発生領域を判別することができる簡素な構成の母線保
護継電装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の[請求項1]に
係る母線保護継電装置は、電力系統のアナログ電気量を
所定の時間間隔でサンプリングした後、ディジタル変換
データを得るデータ取得手段と、前記ディジタルデータ
を用いて前記複数の保護領域(区間)を包含する領域で
の動作量(各端子電流のベクトル和)と抑制量(各端子
電流のスカラー和)とを算出し、所定の比率差動演算に
より母線の内部,外部事故の区別を行なう一括差動演算
手段と、前記ディジタルデータを用いて前記複数の保護
領域個別に所定の演算を行ない個別の動作量を算出する
分割差電流算出手段と、前記ディジタルデータを正波と
負波に分解した後、所定の演算により複数の保護領域
(区間)を包含する領域における正の動作量と負の動作
量とを算出する一括正負差電流算出手段と、前記ディジ
タルデータを用いて複数の保護領域個別に所定の演算に
より正の動作量と負の動作量とを算出する分割正負差電
流算出手段と、前記一括正負差電流算出手段で算出した
正及び負の動作量に各々1以下の所定の係数を掛けた値
と、前記分割正負差電流算出手段で算出した正及び負の
動作量を、正同士及び負同士にて絶対値での比較を行な
い、正・負共に保護領域個別に算出した動作量が大きい
時、それら正・負の動作量を得た保護領域内部に事故が
発生していることを検出する差電流絶対値比較判定手段
と、前記一括差動演算手段で算出した複数の保護領域を
包含する領域における動作量と、前記分割差電流算出手
段にて算出した複数の保護領域個別に算出した動作量と
の間に所定の位相関係が成立した場合に、その位相関係
の成立した動作量を得た保護領域内部に事故が発生して
いることを検出する差電流位相比較判定手段と、前記一
括差動演算手段と差電流絶対値比較判定手段と差電流位
相比較判定手段の演算結果から事故発生領域の遮断出力
を送出する遮断母線判定手段とからなる。
【0007】本発明の母線保護継電装置の作用を説明す
る。先ず、電力系統の複数の保護領域を持つ母線に接続
される変流器からの電流データを所定の時間間隔でサン
プリングしディジタルデータを得、前記ディジタルデー
タより複数の保護領域を包含した領域における動作量及
び抑制量を算出し、この動作量,抑制量を用いて母線の
内部,外部事故判定を行なう一括保護用の演算手段の判
定結果を得る。ここで、一括保護用の演算手段には既知
の方式による変流器(CT)飽和対策を施しておく。こ
れに対し、事故発生母線を選別するための演算を付加す
る。
【0008】一括保護用の演算手段の動作量を正のデー
タ(Idp)と負のデータ(Idn)に振り分け、更に
保護領域個別に(例えばA領域において)算出した動作
量を正のデータ(IdAp)と負のデータ(IdAn)
に振り分け、正の動作量同士、負の動作量同士で比較
し、
【数1】 |IdAp|≧K1・|Idp| (K1は所定の係数) |IdAn|≧K1・|Idn| (K1は所定の係数) が共に成立するとき、IdAp,IdAnなる動作量を
得た保護領域(母線)に事故が発生していることを判別
する。
【0009】この条件が共に成立するのは保護領域の内
部事故発生時のみであり、CT飽和を伴なう外部事故時
にも両方の条件は同時には成立しないことから、CT飽
和対策としての効果が得られる。しかしながら、CTの
飽和度合いが端子毎で異なる場合においては、外部事故
においても正負両方に誤差電流が発生することがある。
母線の外部事故においては、CT飽和対策を加味した一
括保護用の差動演算により装置の誤動作は無いが、母線
の内部事故でCT飽和のアンバランスが発生した場合に
は、事故母線のみならず、誤って全ての母線を遮断,停
止させてしまう可能性がある。
【0010】この対策として、一括保護用の動作量Id
と保護領域個別の動作量、例えば保護領域Aの動作量I
dAの位相比較判定を行ない、|Id*IdA|≦θな
る関係が成立した場合にIdAなる動作量を得た保護領
域Aに事故が発生していることを検出する。なお、*印
は位相比較をする意味、以下同じである。内部事故時に
CTの飽和度合いの相違から健全母線側に発生する誤差
電流は一括保護用の動作量とは逆位相の傾向にある。
【0011】従って、位相比較判定により同位相である
ことを判定条件に加えることにより、より確実に事故母
線判定を行なうことができる。又、内部事故時に事故発
生領域に発生する動作量は大きな値となるが、CTの飽
和度の差により健全母線に発生する誤差電流における正
波、負波の何れかは、事故電流に比べて概ね小さな値と
なる。
【0012】従って、位相比較判定以外に正の動作量、
負の動作量各々のレベル判定として、
【数2】 |IdAp|≧IK (IKは母線事故検出用のしきい値) [|IdAp|:A領域の正の差電流の絶対値] |IdAn|≧IK (IKは母線事故検出用のしきい値) [|IdAn|:A領域の負の差電流の絶対値] を考慮し、正・負の差電流の絶対値が共に所定のしきい
値以上であることを判定に加えることも有効である。
【0013】又、他の例として各保護領域個別に算出し
た動作量(IdA)を用いた所定の演算、例えば、
【数3】 |ΔIdA|≧K2・|ΔId| (K2は所定の係数) [ΔIdA:個別の保護領域(A領域)での動作量の所定の 時間での変化分] [ΔId :一括保護用の演算手段での動作量の所定の時間での 変化分] が成立するとき、IdAなる動作量を得た保護領域に事
故が発生していることを判別する動作量判定手段の判定
結果を得る。
【0014】この条件はCT飽和を伴なう事故において
も事故発生後CT飽和に至るまでの期間は正確な結果が
得られるため、前記判定結果を事故検出手段の出力と組
み合わせて所定の期間出力を保持し、事故母線判定結果
とすることにより、CT飽和対策としての効果が得られ
る。又、各端子の電流変化に対する過渡的な不要応動の
対策として、|IdA|≧IK (IKは母線事故検出
用のしきい値)なる判定を考慮することにより、より確
実な事故母線判定を行なうことができる。
【0015】これらように、一括保護用の演算手段に対
し、CT飽和のアンバランスを含むCT飽和対策を考慮
した事故母線判定機能を付加し、遮断母線の判定を行な
うことにより、複数台のCT飽和対策付き母線保護継電
装置を設けず、1台で複数の保護領域を持つ母線を保護
するCT飽和対策付きの母線保護継電装置を提供でき
る。
【0016】本発明の[請求項2]に係る母線保護継電
装置は、電力系統のアナログ電気量を所定の時間間隔で
サンプリングした後ディジタル変換データを得るデータ
取得手段と、前記ディジタルデータを用いて前記複数の
保護領域(区間)を包含する領域での動作量(各端子電
流のベクトル和)と抑制量(各端子電流のスカラー和)
とを算出し、所定の比率差動演算により母線の内部,外
部事故の区別を行なう一括差動演算手段と、前記ディジ
タルデータを正波と負波に分解した後、所定の演算によ
り複数の保護領域(区間)を包含する領域における正の
動作量と負の動作量とを算出する一括正負差電流算出手
段と、前記ディジタルデータを用いて複数の保護領域個
別に所定の演算により正の動作量と負の動作量とを算出
する分割正負差電流算出手段と、前記一括正負差電流算
出手段で算出した正及び負の動作量に各々1以下の所定
の係数を掛けた値と、前記分割正負差電流算出手段で算
出した正及び負の動作量を、正同士及び負同士にて絶対
値での比較を行ない、正・負共に保護領域個別に算出し
た動作量が大きい時、それら正・負の動作量を得た保護
領域内部に事故が発生していることを検出する差電流絶
対値比較判定比較手段と、前記分割正負差電流算出手段
にて算出した複数の保護領域個別に算出した正の動作量
と負の動作量とが、共に保護領域に事故が発生している
ことを検出する所定のしきい値以上であった場合、その
動作量を得た保護領域内部に事故が発生していることを
検出する分割正負差電流レベル判定手段と、前記一括差
電流演算手段と差電流絶対値比較判定手段と分割正負差
電流レベル判定手段の演算結果から事故発生領域の遮断
出力を送出する遮断母線判定手段とからなる。
【0017】本発明の[請求項3]に係る母線保護継電
装置は、電力系統のアナログ電気量を所定の時間間隔で
サンプリングした後ディジタル変換データを得るデータ
取得手段と、前記ディジタルデータを用いて前記複数の
保護領域(区間)を包含する領域での動作量(各端子電
流のベクトル和)と抑制量(各端子電流のスカラー和)
とを算出し、所定の比率差動演算により母線の内部,外
部事故の区別を行なう一括差動演算手段と、前記ディジ
タルデータを用いて前記複数の保護領域個別に所定の演
算により動作量を算出する分割差電流算出手段と、前記
ディジタルデータを正波と負波に分解した後、所定の演
算により複数の保護領域(区間)を包含する領域におけ
る正の動作量と負の動作量を算出する一括正負差電流算
出手段と、前記ディジタルデータを用いて複数の保護領
域個別に所定の演算により正の動作量と負の動作量を算
出する分割正負差電流算出手段と、前記一括正負差電流
算出手段で算出した正及び負の動作量に1以下の所定の
係数を掛けた値と、前記分割正負差電流算出手段にて算
出した正及び負の動作量を、正同士及び負同士にて絶対
値での比較を行ない、正・負共に保護領域個別に算出し
た動作量が大きい時、それら正・負の動作量を得た保護
領域内部に事故が発生していること検出する差電流絶対
値比較判定手段と、前記一括差動演算手段で算出した複
数の保護領域を包含する領域における動作量と、前記分
割差電流算出手段にて算出した複数の保護領域個別に算
出した動作量との間に所定の位相関係が成立した場合
に、その位相関係の成立した動作量を得た保護領域内部
に事故が発生していることを検出する差電流位相比較判
定手段と、前記分割差電流比較手段にて算出した複数の
保護領域個別に算出した正の動作量と負の動作量とが、
共に保護領域に事故が発生していることを検出する所定
のしきい値以上であった場合、その動作量を得た保護領
域内部に事故が発生していることを検出する分割正負差
電流レベル判定手段と、前記一括差動演算手段と差電流
絶対値比較判定手段と差電流位相比較判定手段と分割正
負差電流レベル判定手段の演算結果から事故発生領域の
遮断出力を送出する遮断母線判定手段とからなる。
【0018】本発明の[請求項4]に係る母線保護継電
装置は、電力系統のアナログ電気量を所定の時間間隔で
サンプリングした後ディジタル変換したデータを得るデ
ータ取得手段と、前記ディジタルデータを用いて複数の
保護領域(区間)を包含する領域での動作量(各端子電
流のベクトル和)と抑制量(各端子電流のスカラー和)
とを算出し、所定の比率差動演算により母線の内部,外
部事故の区別を行なう一括差動演算手段と、前記ディジ
タルデータを用いて前記複数の保護領域個別に所定の演
算により動作量を算出する分割差電流算出手段と、前記
ディジタルデータを用いて前記複数の保護領域を包含す
る領域での所定の時間における動作量の変化量を算出す
る一括差電流変化量算出手段と、前記ディジタルデータ
を用いて前記複数の保護領域個別に所定の時間における
動作量の変化量を算出する分割差電流変化量算出手段
と、前記分割差電流変化量算出手段にて算出した複数の
動作量の変化量の中の何れかが、前記一括差電流変化量
算出手段にて算出した動作量の変化量に所定の係数を掛
けた値よりも大きいとき、大きい変化量を得た領域を選
定する差電流変化量比較判定手段と、保護領域内の任意
のアナログ電気量の所定の時間での変化分により系統の
事故発生を検出する事故検出手段と、前記差電流変化量
比較判定手段の選択結果と事故検出手段の出力より選択
領域の事故発生を検出し、所定の時間引き延ばした事故
発生領域の判定結果を出力する差電流瞬時比較判定出力
手段と、前記分割差電流算出手段にて算出した複数の保
護領域個別に算出した動作量が保護領域に事故が発生し
ていることを検出する所定のしきい値以上であった場
合、その動作量を得た保護領域内部に事故が発生してい
ることを検出する分割差電流レベル判定手段と、前記一
括差動演算手段と差電流瞬時比較判定出力手段と分割差
電流レベル検出手段の演算結果から事故発生領域の遮断
出力を送出する遮断母線判定手段とからなる。
【0019】本発明の[請求項5]に係る母線保護継電
装置は、電力系統のアナログ電気量を所定の時間間隔で
サンプリングした後ディジタル変換したデータを得るデ
ータ取得手段と、前記ディジタルデータを用いて2つの
保護領域(区間)を包含する領域での動作量(各端子電
流のベクトル和)と抑制量(各端子電流のスカラー和)
とを算出し、所定の比率差動演算により母線の内部,外
部事故の区別を行なう一括差動演算手段と、前記ディジ
タルデータを用いて前記2つの保護領域個別に所定の演
算により動作量を算出する分割差電流算出手段と、前記
ディジタルデータを用いて前記2つの保護領域を包含す
る領域での所定の時間における動作量の変化量を算出す
る一括差電流変化量算出手段と、前記ディジタルデータ
を用いて前記2つの保護領域個別に所定の時間における
動作量の変化量を算出する分割差電流変化量算出手段
と、前記分割差電流変化量算出手段にて算出した2つの
動作量の変化量の内一方が、前記一括差動演算手段にて
算出した動作量の変化量に所定の係数を掛けた値よりも
大きいとき、大きい変化量を得た領域を選定する差電流
変化量比較判定手段と、保護領域内の任意のアナログ電
気量の所定の時間での変化分により系統の事故発生を検
出する事故検出手段と、前記差電流変化量比較判定手段
の選択結果と事故検出手段の出力より選択領域の事故発
生を検出し、所定の時間引き延ばした事故発生領域の判
定結果を出力する差電流瞬時比較判定出力手段と、前記
分割差電流算出手段にて算出した2つの保護領域個別に
算出した動作量のうち一方が保護領域に事故が発生して
いることを検出する所定のしきい値以上であり、かつ、
他方の動作量よりも大きい場合、その大きい動作量を得
た保護領域内部に事故が発生していることを検出する分
割差電流相対比較判定手段と、前記一括差動演算手段と
差電流瞬時比較判定出力手段と分割差電流相対比較判定
手段の演算結果から事故発生領域の遮断出力を送出する
遮断母線判定手段とからなる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は[請求項1]に係る母線保
護継電装置の実施の形態を示す機能ブロック構成図であ
る。図1において母線保護継電装置10は、電力系統の
アナログ電気量を所定の時間間隔でサンプリングした
後、ディジタル変換データを得るデータ取得手段11
と、前記ディジタルデータを用いて前記複数の保護領域
(区間)を包含する領域での動作量(各端子電流のベク
トル和)及び抑制量(各端子電流のスカラー和)を算出
し、所定の比率差動演算により母線の内部,外部事故の
区別を行なう一括差動演算手段12と、前記ディジタル
データを用いて前記複数の保護領域個別に所定の演算に
より動作量を算出する分割差電流算出手段13と、前記
ディジタルデータを正波と負波に分解した後、所定の演
算により複数の保護領域(区間)を包含する領域におけ
る正の動作量と負の動作量を算出する一括正負差電流算
出手段14と、前記ディジタルデータを用いて複数の保
護領域個別に所定の演算により正の動作量と負の動作量
を算出する分割正負差電流算出手段15と、一括正負差
電流算出手段で算出した正及び負の動作量に各々1以下
の所定の係数を掛けた値と、分割正負差電流算出手段で
算出した正及び負の動作量を、正同士及び負同士にて絶
対値での比較を行ない、正・負共に保護領域個別に算出
した動作量が大きい時、それら正・負の動作量を得た保
護領域内部に事故が発生していることを検出する差電流
絶対値比較判定手段16と、一括差動演算手段で算出し
た複数の保護領域を包含する領域における動作量と、分
割差電流算出手段にて算出した複数の保護領域個別に算
出した動作量との間に所定の位相関係が成立した場合
に、その関係の成立した動作量を得た保護領域内部に事
故が発生していることを検出する差電流位相比較判定手
段17と、一括差動演算手段と差電流絶対値比較判定手
段と差電流位相比較判定手段の演算結果から事故発生領
域の遮断出力を送出する遮断母線判定手段18とからな
る。
【0021】一括差動演算手段12においては、前記複
数の保護領域を包含する領域の母線に接続されるn回線
分の変流器(CT)からの二次電流を用いて、動作量I
d(=i1+i2+…+in)及び抑制量Ir(=|i
1|+|i2|+…+|in|)を算出し、これらの算
出量に所定の関係式、例えば|Id|≧IK (IK:
母線事故の感度値)及び|Id|−K3・Ir≧0(K
3:抑制係数)なる関係が成立した場合に動作信号を出
力する。ここで、一括保護用の演算手段には、上記関係
式以外に既知のCT飽和対策演算を考慮してあるものと
する。
【0022】分割差電流算出手段13においては、前記
複数の保護領域に対し個別の領域を識別するために、例
えば各回線の断路器(LS)条件を取り込む。1つの回
線F1について、A母線に接続する断路器LS1Aが
「閉」状態ではF1からの電流をA母線の領域への電流
として差動演算を行ない、B母線に接続する断路器LS
1Bが「閉」状態ではF1からの電流をB母線の領域へ
の電流として差動演算を行ない、LS1A、LS1Bが
共に「開」の場合には何れの演算にも組み込まず、共に
「閉」の場合にはA,B母線の両方領域の差動演算に組
み込む。
【0023】断路器条件による保護領域の識別について
の説明は本発明の主旨とは外れるので説明は省略する。
図2は複数の保護領域を持つ母線の1構成例である。母
線は遮断機CB0を挟んで母線BA及び母線BBに分割
されている。各送電線の接続母線は断路器により切り替
えられる構成であり、保護領域は母線BA側のA領域及
び母線BB側のB領域として2つの保護領域に区分され
る。
【0024】ここで、事故時に発生する動作量(差電
流)の特徴について説明する。図2に示すような母線の
内部(A領域)に事故が発生した場合、2つの領域を包
含する領域において発生する差電流(Id)は、母線内
部の2つの保護領域中、事故が発生した保護領域におい
て発生する差動電流(IdA)と同一量になる。
【0025】従って、一括保護用の演算手段にて算出し
た動作量Idに対し、事故母線判定手段において保護領
域個別に算出した2つの動作量(IdA又はIdB)を
各々比較し、両者の間に例えば、(1)式なる関係が成
立した場合にはA領域に事故が発生していると判定でき
る。しかしながら、CT飽和を伴なう事故が発生した場
合、飽和により発生する誤差電流の影響により上記
(1)式による判定のみでは装置の誤応動を招く恐れが
ある。
【数4】 |IdA|≧K1・|Id| ………………(1) 但し、K1は1以下の係数。
【0026】一括正負差電流算出手段14においては、
前記データ取得手段11から得られるディジタルデータ
を正波と負波に分解した後、前記複数の保護領域を包含
する保護領域の動作量を所定の演算例えば1サイクル
(360度間)のサンプリングデータの加算により正の
動作量(|Idp|)と負の動作量(|Idn|)に分
けて算出する。
【0027】分割正負差電流算出手段15においては、
前記個別の保護領域を識別するために、例えば各回線の
断路器条件を取り込む。そして分割差電流算出手段と同
様に保護領域毎の差電流を正と負に分けて算出する。例
えばA領域とB領域の2領域について正の動作量(|I
dAp|と|IdBp|)及び負の動作量(|IdAn
|と|IdBn|)を算出する。
【0028】差電流絶対値比較判定手段16において
は、前記一括正負差電流算出手段14にて算出した動作
量(|Idp|及び|Idn|)に所定の係数を掛けた
ものと、分割正負差電流算出手段15にて算出した動作
量(|IdAp|,|IdBp|,|IdAn|,|I
dBn|)正同士及び負同士にて比較し、正・負共に保
護領域個別に算出した動作量の絶対値が大きい時、例え
ば、(2),(3)式なる関係が共に成立した場合、|
IdAp|,|IdAn|なる動作量を得た保護領域に
事故が発生したことを検出し、(4),(5)式なる関
係が共に成立した場合、|IdBp|,|IdBn|な
る動作量を得た保護領域に事故が発生したことを検出す
る。
【数5】 |IdAp|≧K4・|Idp| ………………(2) |IdAn|≧K4・|Idn| ………………(3) |IdBp|≧K4・|Idp| ………………(4) |IdBn|≧K4・|Idn| ………………(5) 但し、K4は1以下の定数。
【0029】事故時の動作量の様相により、判定方式の
効果を説明する。図3は標準的な複母線構成の母線であ
り、母線A1と母線B1及びそれらを区分する遮断器C
BT1により構成し、母線A1には遮断器CB11、C
B12を介し送電線L01、L02が接続されている。
【0030】図4は母線B1に事故が発生した時のCT
二次電流及び各母線毎に算出した動作量(電流ベクトル
和)を示しており、(a)は図3のCT11の二次電流
Ip1、(b)は図3のCT12の二次電流Ip2、
(c)は図3のCTT1の二次電流It、(d)はA
1,B1両母線を包含する領域での動作量Id、(e)
は母線A1の領域での動作量IdA、(f)は母線B1
の領域での動作量IdBを示しており、CTT1がCT
飽和に至った場合を想定している。
【0031】CTT1の飽和に伴ない、健全母線である
動作量の発生すべきでは無い母線A1の動作量IdAが
飽和開始後に大きく発生している。ここで、事故発生母
線である母線Bの動作量IdBは正波,負波の両方が存
在するのに対し、健全母線である母線Aの動作量IdA
は正波のみが存在する。
【0032】これはCT飽和に伴ない発生する動作量の
誤差分、つまり健全母線側に発生する誤差電流は正波又
は負波の何れか片波のみに発生することを示している。
この現象はCT飽和現象が主に電流の直流分による磁束
の偏りに伴ない発生することに起因しているが、原理に
ついては本発明外であるため省略する。
【0033】従って、複数の保護領域個別に算出した正
の動作量の絶対値、及び負の動作量の絶対値を、複数の
保護領域を包含する領域の正の動作量と負の動作量を正
同士,負同士で比較して判定を行なう方式によれば、C
T飽和を伴なう事故においても事故母線判定を行なうこ
とができる。しかしながら、更に各CTの飽和度合いが
異なる場合を考慮した場合、健全母線に発生する誤差電
流が必ずしも片波のみに発生するとは言えないという問
題が発生する。
【0034】この対策として、差電流位相比較判定手段
17では一括差動演算手段12にて算出した動作量(I
d)と分割差電流算出手段13にて算出した保護領域個
別の差電流(IdA,IdB)との間に所定の位相関
係、例えば、(6)式が成立した場合にはA領域に事故
が発生していることを検出する。
【数6】 |Id*IdA|≦kθ ………………(6) 但し、kθは定数。
【0035】これは、複数の保護領域を包含した領域で
の一括差電流と事故発生領域での差電流は同位相の関係
に、一括差電流と健全母線で発生する誤差差電流とは逆
位相の関係となるという特徴を利用している。位相関係
を確認する(6)式の判定は、既知の位相比較演算を用
いるものとし、例えば、IdとIdAのなす角θを用い
て、cosθが正の所定の値以上であることを応用して
も良い。次にCT飽和のアンバランスを伴なう事故時の
差電流の様相により、位相比較判定の効果を確認する。
【0036】図5は標準的な複母線構成の母線であり、
母線A2と母線B2及びそれらを区分する遮断器CBT
2により構成し、母線A2には遮断器CB21を介し送
電線L21が、母線B2には遮断器CB22を介して送
電線L22が接続されている。図6は母線B2に事故が
発生した時のCT二次電流及び各母線毎に算出した動作
量(電流ベクトル和)を示しており、(g)は図5のC
T21の二次電流Ip21、(h)は図5のCT22の
二次電流Ip22、(i)は図5のCTT2の二次電流
It2、(j)はA2、B2両母線を包含する領域での
差電流Id、(k)は母線A2の領域での差電流Id
A、(l)は母線B2の領域での差電流IdBを示して
おり、CT21,CT22,CTT2が全てCT飽和に
至った場合を想定している。
【0037】更にCTT2の飽和は他のCTに比べて軽
度ではあるが、CT二次電流の直流分が他のCTよりも
早く減衰している場合について示している。母線B2の
内部事故発生に伴ない各CTが飽和に至ることにより、
差電流Id,IdA,IdBが全て発生する。本来であ
れば、健全母線であるA2母線に差電流IdBは発生し
ないが、CT21,CTT2のCT飽和に伴ない差電流
が発生する。
【0038】又、CTT2の飽和が他のCTに比べて軽
度であり、CT二次回路時定数の変化の影響から直流分
時定数の減衰が早くなっているため、健全母線側の動作
量IdAに時定数差に伴なう差電流が発生し、本来であ
れば正・負の何れか片側に偏るはずの飽和に伴なう健全
母線の誤差電流波形が、正波・負波両側に発生してい
る。しかしながら、健全母線に発生する差電流IdAは
一括差動演算用のIdとは位相関係が逆位相方向に現れ
ることが確認出来る。
【0039】これに対し、事故母線側にて発生する差電
流IdBはIdとの位相関係が同位相方向である。従っ
て、事故母線の判定に複数の保護領域を包含した領域の
一括差動用差電流Idと保護領域個別の分割差電流(I
dA,IdB,…)の位相比較判定を加えることによ
り、不揃いのCT飽和を伴なう母線事故時においても、
正確な事故母線判定出力を得ることが出来る。
【0040】遮断母線判定手段18においては、一括差
動演算手段の内部外部事故判定出力と差電流絶対値比較
判定手段の事故母線判定出力と差電流位相比較判定手段
の事故母線判定出力により遮断出力を送出する。遮断出
力はこれら3つの判定のAND条件にて送出されるもの
とし、例えば、一括差動演算手段が内部事故判定を行な
い、差電流絶対値比較判定手段がA領域の事故判定を出
力し、かつ、差電流位相比較判定手段もA領域の事故判
定を出力した場合のみA領域の母線に接続される回線に
対する遮断出力を送出する。
【0041】又、一括差動演算手段が内部事故判定を行
ない、差電流絶対値比較判定手段がB領域の事故判定を
出力し、かつ、差電流位相比較判定手段もB領域の事故
判定を出力した場合にのみB領域の母線に接続される回
線に対する遮断出力を送出する。一括差動演算手段が外
部事故判定を行なった場合や、差電流絶対値比較判定手
段と差電流位相比較判定手段の判定領域が異なる、又は
共に出力無しの場合には、遮断出力は送出されない。
【0042】他の実施の形態に係る母線保護継電装置を
説明する。本発明実施の形態も複数の保護領域を保護対
象とするもので、構成は図1に係る母線保護継電装置と
同一であり、差電流位相比較判定手段17の判定方法の
みが異なる。
【0043】この場合の母線保護継電装置の差電流位相
比較判定手段17では、一括差動演算手段12にて算出
した動作量(Id)と分割差電流算出手段13にて算出
した保護領域個別の差電流(例えばIdA,IdB)と
の間に(6)式で示したような所定の位相関係が成立し
た時間を算出し、所定の期間内に位相比較判定の成立時
間が所定の時間以上の場合にはその成立時間を得た領域
に事故が発生していることを検出する。
【0044】これにより、保護領域個別の差電流が一括
差動演算手段の差電流と同位相方向にあるか否かの判定
が可能となる。例えば、所定の時間(T1)の間に、一
括差動演算手段の動作量Idと保護領域個別の差電流
(IdA)とが、所定の位相比較演算の結果同位相と判
定した時間(T2A)が所定の確認時間(TK)以上で
あるとの判定式(7)式が成立することにより、IdA
を得た領域Aに事故が発生していることを検出すること
が可能である。
【数7】 T2A≧TK ……………………(7) 但し、TK<T1。
【0045】一例として、ディジタルデータを用い電気
角30度毎の位相比較演算を行なう場合、現時点から1
80度前まで(50Hz系統で10ms)の期間におけ
る位相比較判定において、同位相と判定する時間が12
0度(50Hz系統で約6.67ms)分以上あるかを
判定する方式等が考えられる。
【0046】又、更に他の実施の形態に係る母線保護継
電装置の差電流位相比較判定手段17では、一括差動演
算手段12にて算出した動作量(Id)と分割差電流算
出手段13にて算出した保護領域個別の差電流(例えば
IdA,IdB)とが同位相方向であることを検出する
(6)式の位相関係式と、逆位相方向であることを検出
する(8)式の位相関係式を設ける。
【数8】 |−Id*IdA|≦kθ ……………………(8) 但し、kθは定数。
【0047】所定の時間内において、同位相方向を検出
した場合には位相特性動作カウンタをカウントアップ、
逆位相方向を検出した場合には位相特性抑制カウンタを
カウントアップし、両者の間に動作カウンタ側が抑制カ
ウンタに比べ大きいことを示す所定の関係が成立した場
合に両者は同位相方向であると判定し、判定の成立した
差電流を得た保護領域に事故が発生していることを検出
する。
【0048】例えば、ディジタルデータを用いて1サイ
クル中にn回の演算を行なう場合において、一括差動演
算での差電流IdとA領域の差電流IdAの位相比較演
算を行ない、現時点から1サイクル前までに同位相方向
と判定した回数がp回、逆位相方向と判定した回数がq
回とすると、両者の間に(9)式なる関係が成立した場
合にIdとIdAは同位相方向であるとみなし、差電流
IdAを得た領域Aに事故が発生していることを検出す
る。
【数9】 p−K3・q≧K4 ………………………(9) 但し、K3は抑制係数。 K4は定数。 pは位相比較動作カウンタのカウント値。 qは位相特性抑制カウンタのカウント値。
【0049】図7は本発明の[請求項2]に係る母線保
護継電装置の実施の形態を示す機能ブロック構成図であ
る。図7において図1と同一機能部分については同一符
号を付して説明を省略する。図7の図1に対する構成上
の特徴点は、図1に示す分割差電流算出手段13を省略
すると共に、分割正負差電流レベル判定手段70を設け
たことである。その他の構成は図1と同様である。
【0050】そして新たに付加した分割正負差電流レベ
ル判定手段70は、分割正負差電流算出手段15にて算
出した複数の保護領域個別に算出した正の動作量と負の
動作量とが、共に保護領域に事故が発生していることを
検出する所定のしきい値以上であった場合、その動作量
を得た保護領域内部に事故が発生していることを検出す
るものである。従って遮断母線判定手段18Aには一括
差電流演算手段12と差電流絶対値比較判定手段16と
分割正負差電流レベル判定手段70が入力される。
【0051】分割正負差電流レベル判定手段70におい
ては、分割正負差電流算出手段15にて算出した複数の
保護領域個別に算出した正の動作量と負の動作量が、共
に保護領域に事故が発生していることを検出する所定の
しきい値以上であるか否かを判定する。
【0052】複数の保護領域(例えばA領域とB領域)
にて算出した正の動作量(|IdAp|,|IdBp
|)と負の動作量(|IdAn|,|IdBn|)が共
に保護領域に事故が発生していることを検出するしきい
値(IK2)より大きい場合、例えば(10),(1
1)式なる関係が共に成立した場合、|IdAp|,|
IdAn|なる動作量を得た保護領域に事故が発生して
いることを検出し、(12),(13)式なる関係が共
に成立した場合には、|IdBp|,|IdBn|なる
動作量を得た保護領域に事故が発生していることを検出
する。
【数10】 |IdAp|≧IK2 ………………(10) |IdAn|≧IK2 ………………(11) |IdBp|≧IK2 ………………(12) |IdBn|≧IK2 ………………(13)
【0053】図6に示した事故電流と差電流のの様相を
見ても判るように、CT飽和のアンバランスを伴なう事
故時には、健全母線の差電流に正波、負波両方が発生す
るが、その片側のレベルは事故電流と比べて小さく、か
つ、減衰も早い。それに対し、事故母線側の差電流は正
波・負波共に大きく、かつ継続する。
【0054】従って、保護領域個別に算出した正の動作
量と負の動作量が、共に事故発生を検出し得る所定の検
出レベル以上であった領域に事故が発生していることを
検出することにより、CT飽和のアンバランスを伴なう
事故時においても正確に事故母線判定を行なうことがで
きる。
【0055】遮断母線判定手段18においては、一括差
動演算手段の内部外部事故判定出力と差電流絶対値比較
判定手段の事故母線判定出力と分割正負差電流レベル判
定手段の事故母線判定出力により遮断出力を送出する。
遮断出力はこれら3つの判定のAND条件にて送出され
るものとし、例えば、一括差動演算手段が内部事故判定
を行ない、差電流絶対値比較判定手段がA領域の事故判
定を出力し、かつ、分割差電流レベル判定手段もA領域
の事故判定を出力した場合のみ、A領域の母線に接続さ
れる回線に対する遮断出力を送出する。
【0056】図8は本発明の[請求項3]に係る母線保
護継電装置の実施の形態を示す機能ブロック構成図であ
る。図8において、図1と同一機能部分については同一
符号を付して説明を省略する。図8の図1に対する構成
上の特徴点は、分割正負差電流レベル判定手段70を設
けたことである。その他の構成は図1と同様である。
【0057】そして、新たに付加した分割正負差電流レ
ベル判定手段は既に説明したように、分割正負差電流算
出手段15にて算出した複数の保護領域個別に算出した
正の動作量と負の動作量とが、共に保護領域に事故が発
生していることを検出する所定のしきい値以上であった
場合、その動作量を得た保護領域内部に事故が発生して
いることを検出する。
【0058】そして遮断母線判定手段18Bには分割正
負差電流レベル判定手段70と、一括差電流演算手段1
2と差電流絶対値比較判定手段16と、差電流位相比較
判定手段17と、分割正負差電流レベル判定手段70が
入力される。
【0059】そして遮断母線判定手段18Bにおいて
は、一括差動演算手段の内部外部事故判定出力と差電流
絶対値比較判定手段の事故母線判定出力と差電流位相比
較判定手段の事故母線判定出力と分割正負差電流レベル
判定手段の事故母線判定出力により遮断出力を送出す
る。
【0060】遮断出力はこれら4つの判定のAND条件
にて送出されるものとし、例えば、一括差動演算手段が
内部事故判定を行ない、差電流絶対値比較判定手段がA
領域の事故判定を出力し、差電流位相比較判定手段がA
領域の事故判定を出力し、かつ、分割差電流レベル判定
手段もA領域の事故判定を出力した場合のみ、A領域の
母線に接続される回線に対する遮断出力を送出する。
【0061】差電流位相比較判定手段と分割差電流レベ
ル判定手段が共に、CT飽和のアンバランスを伴なう事
故において発生する健全母線の誤差差電流に効果のある
ことは説明済みであるが、CTの飽和が軽度であり、差
電流の発生レベルの小さな場合には、差電流位相比較判
定の応動が不安定になる可能性がある。この対策として
分割正負差電流レベル判定による事故母線判定を考慮す
ることにより、より確実な事故母線判定出力を得ること
ができる。
【0062】図9は本発明の[請求項4]に係る母線保
護継電装置の一実施例の機能ブロック構成図である。図
9において、図1と同一機能部分については同一符号を
付して説明を省略する。図9の図1に対する構成上の特
徴点は、一括差電流変化量算出手段91と、分割差電流
変化量算出手段92と、差電流変化量比較判定手段93
と、事故検出手段94と、差電流瞬時比較判定出力手段
95と、分割差電流レベル判定手段96を設けたことで
ある。
【0063】一括差電流変化量算出手段91では、複数
の保護領域を包含する領域の動作量について、所定の期
間、例えば電気角30度程度の期間での変化量の絶対値
を算出する。分割差電流変化量算出手段92では、複数
の保護領域個別の動作量について、所定の期間、例えば
電気角30度程度の期間での変化量の絶対値を算出す
る。
【0064】差電流変化量比較判定手段93では、分割
差電流変化量算出手段において保護領域個別に所定の期
間について所定の演算により算出した変化量の絶対値
(|ΔIdA|,|ΔIdB|)と、一括差電流変化量
算出手段において所定の期間について所定の演算により
算出した動作量の変化量の絶対値(|ΔId|)との比
較を行ない、例えば(14)式なる関係が成立したこと
により、A領域に事故が発生していると判定する。
【数11】 |ΔIdA|≧K1・|ΔId| ……………(14) 但し、K1は1以下の係数。
【0065】図3及び図4においてその効果を説明す
る。CTT1の飽和に伴ない、健全母線である動作量の
発生すべきでは無い母線A1の動作量IdAが飽和開始
後に大きく発生し、事故母線である母線B1の動作量I
dBは減少する。従って、(1)式に示したような例え
ば1/2サイクル程度の演算窓長を必要とする絶対振幅
値による判定では誤応動を招く可能性がある。
【0066】しかしながら、(14)式に示すような変
化量による判定を事故発生直後からCT飽和に至るまで
の期間に行えば、飽和前の正常な動作量による比較判定
が行なえることから、CT飽和の影響を受けない判定結
果を出力できる。この方式によれば、CT飽和のアンバ
ランスを伴なう事故においても、飽和前のデータにより
確実に事故母線判定が可能となる。
【0067】事故検出手段94では、前記ディジタルデ
ータを用い、例えば母線に接続される全ての変流器の二
次電流に対し、所定の時間の変化分(ΔI)の絶対値を
加算し、所定の感度値(IK6)以上であれば系統に事
故が発生していることを検出する。
【数12】 Σ|ΔI|≧IK6 …………………(15)
【0068】差電流瞬時比較判定出力手段95において
は、事故検出手段の出力により事故を検出した時の差電
流変化量比較判定手段の判定結果を確認し、条件の成立
している領域を事故母線、成立していない領域では健全
母線と判断し、所定の時間分のみ判定出力を保持し出力
する。出力の保持は事故初期の確実な判定結果を事故が
除去されるまでの時間分のみ継続出力させるために行な
う。
【0069】分割差電流レベル判定手段96において
は、分割正負差電流算出手段13にて算出した複数の保
護領域個別に算出した動作量が、保護領域に事故が発生
していることを検出する所定のしきい値以上であるか否
かを判定する。複数の保護領域、例えばA領域とB領域
にて算出した動作量(|IdA|,|IdB|)が保護
領域に事故が発生していることを検出するしきい値(I
K7)より大きい場合、例えば(16)式なる関係が成
立した場合、|IdA|なる動作量を得た保護領域に事
故が発生していることを検出する。(14)式や(1
5)式による変化分よる事故母線判定に対し、差電流レ
ベルによる判定を考慮することにより、過渡的な応動や
変化分の少なくなった時の誤応動を防止できる。
【数13】 |IdA|≧IK7 …………………(16)
【0070】遮断母線判定手段18Cにおいては、一括
差動演算手段の内部外部事故判定出力と、差電流瞬時比
較判定出力手段の事故母線判定出力と、分割差電流レベ
ル判定手段の事故母線判定出力とにより遮断出力を送出
する。遮断出力はこれら3つの判定のAND条件とし、
例えば、一括差動演算手段が内部事故判定を行ない、差
電流比較判定出力手段がA領域の事故判定を出力し、か
つ、分割差電流レベル判定手段がA領域の事故判定を出
力した場合のみ、A領域の母線に接続される回線に対す
る遮断出力を送出する。
【0071】図10は本発明の[請求項5]に係る母線
保護継電装置の実施の形態を示す機能ブロック構成図で
ある。図10において、図9と同一機能部分については
同一符号を付して説明を省略する。図10の図9に対す
る構成上の特徴点は、分割差電流相対比較判定手段10
0を設けたことである。その他は図9と同様である。
【0072】分割差電流相対比較判定手段100では、
(16)式と同様に2つの保護領域個別に算出した動作
量のうち一方が保護領域に事故が発生していることを検
出する所定のしきい値以上であるか否かを確認する。
又、同時に他方の動作量よりも大きいの場合、その大き
い動作量を得た保護領域内部に事故が発生していること
を検出する。
【0073】例えば、A領域の動作量の絶対値|IdA
|とB領域の動作量の絶対値|IdB|を比較し、(1
7)式が成立する場合には、|IdA|なる動作量を得
る領域Aに事故が発生していることを検出する。このよ
うに、2つの保護領域に対して事故母線判定を行なう場
合、保護領域個別の動作量の絶対値が、事故を検出する
所定のレベル以上であり、かつ、他の領域との相対比較
を行なうことにより、より確実に事故母線判定を行なう
ことができる。
【数14】 |IdA|>|IdB| ………………(17)
【0074】遮断母線判定手段18Dにおいては、一括
差動演算手段の内部外部事故判定出力と、差電流瞬時比
較判定出力手段の事故母線判定出力と、分割差電流相対
比較判定手段の事故母線判定出力とにより遮断出力を送
出する。遮断出力はこれら3つの判定のAND条件と
し、例えば、一括差動演算手段が内部事故判定を行な
い、差電流比較判定出力手段がA領域の事故判定を出力
し、かつ、分割差電流相対比較判定手段がA領域の事故
判定を出力した場合のみA領域の母線に接続される回線
に対する遮断出力を送出する。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば複
数の保護領域を包含した領域に対して内部、外部事故判
定を行なうCT飽和対策付き一括保護用継電器に、端子
毎に飽和度が異なり、かつ、端子毎にCT二次回路電流
の直流分時定数の相違を伴なうCT飽和が発生した場合
にも誤差電流の影響を受けない演算を考慮した事故母線
判定機能を付加することにより、CT飽和を伴なう事故
において正確に事故発生領域を判別することができる簡
素な構成の母線保護継電装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】[請求項1]に係る母線保護継電装置の実施の
形態を示す構成図。
【図2】母線の内部に事故が発生した状態図。
【図3】複母線構成図。
【図4】母線B1に事故が発生した場合の各波形図。
【図5】標準的な複母線構成図。
【図6】図5の母線B2に事故が発生した場合の各波形
図。
【図7】[請求項2]に係る母線保護継電装置の実施の
形態を示す構成図。
【図8】[請求項3]に係る母線保護継電装置の実施の
形態を示す構成図。
【図9】[請求項4]に係る母線保護継電装置の実施の
形態を示す構成図。
【図10】[請求項5]に係る母線保護継電装置の実施
の形態を示す構成図。
【符号の説明】
10 母線保護継電装置 11 データ取得手段 12 一括差動演算手段 13 分割差電流算出手段 14 一括正負差電流算出手段 15 分割正負差電流算出手段 16 差電流絶対値比較判定手段 17 差電流位相比較判定手段 18 遮断母線判定手段 70 分割正負差電流レベル判定手段 91 一括差電流変化量算出手段 92 分割差電流変化量算出手段 93 差電流変化量比較判定手段 94 事故検出手段 95 差電流瞬時比較判定出力手段 96 分割差電流レベル判定手段 100 分割差電流相対比較判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02H 7/26 H02H 7/26 B (72)発明者 岡崎 正人 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 5G047 AA07 AB01 BA01 BB01 CA03 CB03 5G058 EF02 EF03 EG15 EH02 EH03 FF06 GG02 GG03 GG06 GG09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統のアナログ電気量を所定の時間
    間隔でサンプリングした後ディジタル変換し、これらの
    ディジタルデータを用いて複数の保護領域(区間)にお
    ける事故の発生を識別して判定を行なう母線保護継電装
    置において、前記ディジタルデータを用いて前記複数の
    保護領域(区間)を包含する領域での動作量(各端子電
    流のベクトル和)と抑制量(各端子電流のスカラー和)
    とを算出し、所定の比率差動演算により母線の内部,外
    部事故の区別を行なう第1の演算手段と、前記ディジタ
    ルデータを用いて前記複数の保護領域個別に所定の演算
    を行ない個別の動作量を算出する第2の演算手段と、前
    記ディジタルデータを正波と負波に分解した後、所定の
    演算により複数の保護領域(区間)を包含する領域にお
    ける正の動作量と負の動作量とを算出する第3の演算手
    段と、前記ディジタルデータを用いて複数の保護領域個
    別に所定の演算により正の動作量と負の動作量とを算出
    する第4の演算手段と、第3の演算手段で算出した正の
    動作量及び負の動作量に1以下の所定の係数を掛けた値
    と、前記第4の演算手段で算出した正及び負の動作量を
    正同士及び負同士にて絶対値比較を行ない、正・負共に
    保護領域個別に算出した動作量が大きい時、それら正・
    負の動作量を得た保護領域内部に事故が発生しているこ
    とを検出する第5の演算手段と、前記第1の演算手段で
    算出した複数の保護領域を包含する領域における動作量
    と、前記第2の演算手段で算出した複数の保護領域個別
    に算出した動作量との間に所定の位相関係が成立した場
    合に、その位相関係の成立した動作量を得た保護領域内
    部に事故が発生していることを検出する第6の演算手段
    と、前記第1の演算手段と第5の演算手段と第6の演算
    手段との演算結果から事故発生領域の遮断出力を送出す
    る第7の演算手段を備えたことを特徴とする母線保護継
    電装置。
  2. 【請求項2】 電力系統のアナログ電気量を所定の時間
    間隔でサンプリングした後にディジタル変換し、これら
    のディジタルデータを用いて複数の保護領域(区間)に
    おける事故の発生を識別して判定を行なう母線保護継電
    装置において、前記ディジタルデータを用いて、前記複
    数の保護領域(区間)を包含する領域での動作量(各端
    子電流のベクトル和)と抑制量(各端子電流のスカラー
    和)とを算出し、所定の比率差動演算により母線の内
    部、外部事故の区別を行なう第1の演算手段と、前記デ
    ィジタルデータを正波と負波に分解した後、所定の演算
    により複数の保護領域(区間)を包含する領域における
    正の動作量と負の動作量とを算出する第2の演算手段
    と、前記ディジタルデータを用いて複数の保護領域個別
    に所定の演算により正の動作量と負の動作量とを算出す
    る第3の演算手段と、前記第2の演算手段で算出した正
    の動作量及び負の動作量に1以下の所定の係数を掛けた
    値と、前記第3の演算手段で算出した正及び負の動作量
    を正同士及び負同士にて絶対値比較を行ない、正・負共
    に保護領域個別に算出した動作量が大きい時、それら正
    ・負の動作量を得た保護領域内部に事故が発生している
    ことを検出する第4の演算手段と、前記第3の演算手段
    にて算出した複数の保護領域個別に算出した正の動作量
    と負の動作量が、共に保護領域に事故が発生しているこ
    とを検出する所定のしきい値以上であった場合、その動
    作量を得た保護領域内部に事故が発生していることを検
    出する第5の演算手段と、前記第1の演算手段と第4の
    演算手段と第5の演算手段との演算結果から事故発生領
    域の遮断出力を送出する第6の演算手段を備えたことを
    特徴とする母線保護継電装置。
  3. 【請求項3】 電力系統のアナログ電気量を所定の時間
    間隔でサンプリングした後にディジタル変換し、これら
    のディジタルデータを用いて複数の保護領域(区間)に
    おける事故の発生を識別して判定を行なう母線保護継電
    装置において、前記ディジタルデータを用いて前記複数
    の保護領域(区間)を包含する領域での動作量(各端子
    電流のベクトル和)と抑制量(各端子電流のスカラー
    和)とを算出し、所定の比率差動演算により母線の内
    部、外部事故の区別を行なう第1の演算手段と、前記デ
    ィジタルデータを用いて前記複数の保護領域個別に所定
    の演算により動作量を算出する第2の演算手段と、前記
    ディジタルデータを正波と負波に分解した後、所定の演
    算により複数の保護領域(区間)を包含する領域におけ
    る正の動作量と負の動作量を算出する第3の演算手段
    と、前記ディジタルデータを用いて複数の保護領域個別
    に所定の演算により正の動作量と負の動作量とを算出す
    る第4の演算手段と、前記第3の演算手段で算出した正
    の動作量及び負の動作量に1以下の所定の係数を掛けた
    値と、前記第4の演算手段で算出した正及び負の動作量
    を、正同士及び負同士にて比較を行ない、正・負共に保
    護領域個別に算出した動作量が大きい時、それら正・負
    の動作量を得た保護領域内部に事故が発生していること
    を検出する第5の演算手段と、前記第1の演算手段で算
    出した複数の保護領域を包含する領域における動作量
    と、前記第2の演算手段にて算出した複数の保護領域個
    別に算出した動作量との間に所定の位相関係が成立した
    場合に、その位相関係の成立した動作量を得た保護領域
    内部に事故が発生していることを検出する第6の演算手
    段と、前記第4の演算手段にて算出した複数の保護領域
    個別に算出した正の動作量と負の動作量が、共に保護領
    域に事故が発生していることを検出する所定のしきい値
    以上であった場合、その動作量を得た保護領域内部に事
    故が発生していることを検出する第7の演算手段と、前
    記第1の演算手段と第5の演算手段と第6の演算手段と
    第7の演算手段との演算結果から事故発生領域の遮断出
    力を送出する第8の演算手段を備えたことを特徴とする
    母線保護継電装置。
  4. 【請求項4】 電力系統のアナログ電気量を所定の時間
    間隔でサンプリングした後ディジタル変換し、これらの
    ディジタルデータを用いて複数の保護領域(区間)にお
    ける事故の発生を識別して判定を行なう母線保護継電装
    置において、前記ディジタルデータを用いて前記複数の
    保護領域(区間)を包含する領域での動作量(各端子電
    流のベクトル和)と抑制量(各端子電流のスカラー和)
    とを算出し、所定の比率差動演算により母線の内部、外
    部事故の区別を行なう第1の演算手段と、前記ディジタ
    ルデータを用いて前記複数の保護領域個別に所定の演算
    により動作量を算出する第2の演算手段と、前記ディジ
    タルデータを用いて前記複数の保護領域を包含する領域
    での所定の時間における動作量の変化量を算出する第3
    の演算手段と、前記ディジタルデータを用いて前記複数
    の保護領域個別に所定の時間における動作量の変化量を
    算出する第4の演算手段と、前記第4の演算手段にて算
    出した複数の動作量の変化量の中の何れかが、前記第3
    の演算手段にて算出した動作量の変化量に所定の係数を
    掛けた値よりも大きいとき、大きい変化量を得た領域を
    選定する第5の演算手段と、保護領域のアナログ電気量
    の所定の時間での変化分により系統の事故発生を検出す
    る第6の演算手段と、前記第5の演算手段の選択結果と
    前記第6の演算手段の出力より選択領域の事故発生を検
    出し、所定の時間引き延ばした事故発生領域の判定結果
    を出力する第7の演算手段前記と、前記第2の演算手段
    にて算出した複数の保護領域個別に算出した動作量が保
    護領域に事故が発生していることを検出する所定のしき
    い値以上であった場合、その動作量を得た保護領域内部
    に事故が発生していることを検出する第8の演算手段
    と、前記第1の演算手段と第7の演算手段と第8の演算
    手段との演算結果から事故発生領域の遮断出力を送出す
    る第9の演算手段を備えたことを特徴とする母線保護継
    電装置。
  5. 【請求項5】 電力系統のアナログ電気量を所定の時間
    間隔でサンプリングした後ディジタル変換し、これらの
    ディジタルデータを用いて2つの保護領域(区間)にお
    ける事故の発生を識別して判定を行なう母線保護継電装
    置において、前記サンプリングデータを用いて前記2つ
    の保護領域(区間)を包含する領域での動作量(各端子
    電流のベクトル和)と抑制量(各端子電流のスカラー
    和)とを算出し、所定の比率差動演算により母線の内
    部、外部事故の区別を行なう第1の演算手段と、前記デ
    ィジタルデータを用いて前記2つの保護領域個別に所定
    の演算により動作量を算出する第2の演算手段と、前記
    ディジタルデータを用いて前記2つの保護領域を包含す
    る領域での所定の時間における動作量の変化量を算出す
    る第3の演算手段と、前記ディジタルデータを用いて前
    記複数の保護領域個別に所定の時間における動作量の変
    化量を算出する第4の演算手段と、前記第4の演算手段
    にて算出した複数の動作量の変化量の中の何れかが、前
    記第3の演算手段にて算出した動作量の変化量に所定の
    係数を掛けた値よりも大きいとき、大きい変化量を得た
    領域を選定する第5の演算手段と、保護領域のアナログ
    電気量の所定の時間での変化分により系統の事故発生を
    検出する第6の演算手段と、前記第5の演算手段の選択
    結果と第6の演算手段の出力より選択領域の事故発生を
    検出し、所定の時間引き延ばした事故発生領域の判定結
    果を出力する第7の演算手段と、前記第2の演算手段に
    て算出した2つの保護領域個別に算出した動作量のうち
    一方が保護領域に事故が発生していることを検出する所
    定のしきい値以上であり、かつ、他方の動作量よりも大
    きいの場合、その大きい動作量を得た保護領域内部に事
    故が発生していることを検出する第8の演算手段と、前
    記第1の演算手段と第7の演算手段と第8の演算手段と
    の演算結果から事故発生領域の遮断出力を送出する第9
    の演算手段を備えたことを特徴とする母線保護継電装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100380765C (zh) * 2003-12-11 2008-04-09 北京四方继保自动化有限公司 一种母线系统保护基于虚拟电流比相的故障判别方法
CN100384044C (zh) * 2005-07-20 2008-04-23 北京四方继保自动化股份有限公司 基于母联电流的母线保护比率制动系数自适应调整方法
JP2010207032A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Toshiba Corp 母線保護継電装置
CN102623965A (zh) * 2011-01-27 2012-08-01 宝山钢铁股份有限公司 一种双母线系统中母线保护的实现方法及装置
JP2017079543A (ja) * 2015-10-20 2017-04-27 株式会社東芝 母線保護継電装置
CN114089250A (zh) * 2021-10-11 2022-02-25 国电南瑞科技股份有限公司 一种电流互感器异常识别与处理方法

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