JP3010859B2 - 炭化タングステン基超硬合金 - Google Patents
炭化タングステン基超硬合金Info
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Description
た硬度および靭性を有する炭化タングステン(以下、W
Cと記す)基超硬合金に関するものであり、特にプリン
ト基板の穴明け用ミニチュアドリルの素材として用いら
れるものである。
であり、かつCo:3〜20重量%、Cr3 C2 :0.
3〜3.0重量%、VC::0.1〜3.0重量%を含
有し、残りがWCおよび不可避不純物からなる配合組成
の混合粉末をプレス成形し焼結して得られたWC基超硬
合金は、特にプリント基板の穴明け用ミニチュアドリル
の素材として適しており、そしてこのWC基超硬合金
は、WC粒を微細にするほど硬さおよび靭性が向上し、
耐摩耗性が向上すること、並びに上記WC基超硬合金に
おいてCr3 C2 およびVCは焼結中のWC粒成長を抑
制してWC粒を微粒のまま保持するために添加されるこ
とも知られている(例えば、特開昭61−12847号
公報参照)。
硬合金に上記Cr3C2 およびVCを添加すると、焼結
時のWC粒成長は抑止されるけれども同時に合金素地中
に(W,V)C、Cr7 C3 、Cr23C7 などの炭化物
が析出し、かかる炭化物が析出するとWC基超硬合金の
靭性が低下し、この合金を用いて作製したミニチュアド
リルをプリント基板の穴明けに使用した場合に折損など
が発生しやすく十分な信頼性が得られないなどの課題が
あったのである。
上記Cr3 C2 およびVCを添加してWC粒成長を抑止
し、さらに(W,V)C、Cr7 C3 、Cr23C7 など
の炭化物を析出させずに従来よりも硬さおよび靭性の一
層優れたWC基超硬合金を得るべく研究を行った結果、
WC基超硬合金を焼結した後、冷却する工程において、
焼結温度から1000℃までの冷却速度を20℃/mi
n以上の高速冷却すると、WC基合金素地中に上記
(W,V)C、Cr7 C3 、Cr23C7 などの炭化物を
析出させずにCrとVの複合炭化物相{以下、(Cr,
V)2 C相という}を分散させることができ、かかる
(Cr,V)2 C相が分散しているWC基超硬合金は、
従来よりも一層硬度および靭性が向上するという知見を
得たのである。
れたものであって、Co:4〜20重量%、Cr
3 C2 :0.3〜3.0重量%、VC:0.1〜3.0
重量%を含有し、残りがWCおよび不可避不純物からな
る組成を有し、かつ上記WCの平均粒度が0.8μm以
下であるWC基超硬合金の素地中に、(Cr,V)2 C
が分散しているWC基超硬合金に特徴を有するものであ
る。
組成を上記のごとく限定した理由について説明する。
量が4重量%未満ではWC基超硬合金の緻密化が十分に
なされず、一方、20重量%を越えて含有するとCoが
多くなりすぎて十分な硬さが得られず、耐摩耗性が低下
するので好ましくない。したがって、Coの含有量は、
4〜20重量%に定めた。
する作用があるが、その含有量がCr3 C2 :0.3重
量%未満、VC:0.1重量%未満では焼結時のWCの
粒成長を抑制することができず、一方、Cr3C2 およ
びVCがそれぞれ3.0重量%を越えて含有すると靭性
の低下をもたらすので好ましくない。したがって、これ
らの成分の含有量は、それぞれCr3 C2 :0.3〜
3.0重量%、VC:0.1〜3.0重量%に定めた。
分散しているWC基超硬合金を製造するには、Co:4
〜20重量%、Cr3 C2 :0.3〜3.0重量%、V
C:0.1〜3.0重量%を含有し、残りが平均粒度:
0.8μm以下であるWCおよび不可避不純物からなる
配合組成の混合粉末をプレス成形し焼結することにより
上記配合組成とほぼ同一成分組成のWC基超硬合金を作
製することができるが、特に素地中に(Cr,V)2C
相を分散させるためには、焼結後の焼結温度から100
0℃までの冷却工程において、その冷却速度を20℃/
min以上にする必要がある。上記冷却速度が20℃/
min未満であると、(Cr,V)2 C相の分散が認め
られないかまたは認められても硬さおよび靭性に影響を
及ぼすほどではない。
走査型電子顕微鏡を使った顕微鏡組織観察ではその分散
が判別し難いが、X線回折により同定することができ
る。
に基づいて具体的に説明する。原料粉末として、それぞ
れ、平均粒径:0.6μmのWC粉末、平均粒径:1.
2μmのCo粉末、平均粒径:1.0μmのVC粉末、
平均粒径:1.5μmのCr3 C2 粉末をそれぞれ用意
し、これら粉末を表1および表2に示されるように配合
し、アセトン中で72時間ボールミル混合したのち、乾
燥した。
圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を真空雰囲気中、表
1および表2に示される温度で1時間焼結したのち、こ
の焼結温度から1000℃までを表1および表2に示さ
れる冷却速度で冷却し、その後、1330℃、1000
atmのAr雰囲気中でHIP処理を行い、本発明WC
基超硬合金1〜11、比較WC基超硬合金1〜9および
従来WC基超硬合金を作製した。
較WC基超硬合金1〜9および従来WC基超硬合金をダ
イヤモンド砥石で研削し、4mm×8mm×24mmの
寸法を有するJIS抗折力試験片を作製して抗折力を測
定したのち、HRA硬さを測定し、さらに、上記本発明
WC基超硬合金1〜11、比較WC基超硬合金1〜9お
よび従来WC基超硬合金の素地中の(Cr,V)2 C相
の分散の有無を下記の条件のX線回折により確認し、そ
れらの結果を表3および表4に示した。X線回折条件 管球:Cu、 フィルター:Ni、 管電圧:
55KV、 管電流:35mA、 時定数:0.5、 走査速
度:0.03°/s、 レコーダーフルスケール:150cps、
1、比較WC基超硬合金1〜9および従来WC基超硬合
金をそれぞれ研磨し、全長38.1mm、シャンク径:
3.175mm、切刃径:0.4mm、切刃長:6mm
のマイクロドリルを作製し、これらマイクロドリルを用
いて、板厚:1.6mmのガラスエポキシ銅張り積層板
(4層板)を2枚重ねにした被削材を、回転数:70,
000r.p.m.、ドリル送り:2,100mm/m
in.の加工条件にて5000ヒットしたのち、マイク
ロドリルの切刃径の減少量を測定して耐摩耗性を評価し
た。
ポキシ銅張り積層板(4層板)を3枚重ねにした被削材
を、ドリル送り:3,000mm/min.の条件で1
000ヒットしたときの20本のドリルのうち折損した
ドリルの本数(ドリルの折損率)を測定し、耐折損性を
評価した。これらの評価結果を表1および表2に示す。
ことを示す。)
に(Cr,V)2 C相が所定量分散している本発明WC
基超硬合金1〜11は、いずれも従来の焼結後炉冷して
得られた従来WC基超硬合金と比較して硬さおよび抗折
力が優れ、マイクロドリルによる耐摩耗性および耐折損
性も優れていることが分かる。しかし、Coが極めて少
ない比較WC基超硬合金1は(Cr,V)2 C相が分散
していても結合相の不足によりマイクロドリルの折損率
が高く、さらにこの発明の条件から外れている(表2に
おいてこの発明の条件から外れた値に※印を付して示し
た)比較WC基超硬合金2〜9は、硬さおよび抗折力、
並びにマイクロドリルによる耐摩耗性および耐折損性の
うち少なくともいずれか1つは本発明WC基超硬合金1
〜11より劣ることがわかる。
Claims (1)
- 【請求項1】 Co:4〜20重量%、炭化クロム:
0.3〜3.0重量%、炭化バナジウム:0.1〜3.
0重量%を含有し、残りが炭化タングステンおよび不可
避不純物からなる組成を有し、かつ上記炭化タングステ
ンの平均粒度が0.8μm以下である炭化タングステン
基超硬合金の素地中に、クロムとバナジウムの複合炭化
物相が分散していることを特徴とする炭化タングステン
基超硬合金。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3305490A JP3010859B2 (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | 炭化タングステン基超硬合金 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP3305490A JP3010859B2 (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | 炭化タングステン基超硬合金 |
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JPH05117799A JPH05117799A (ja) | 1993-05-14 |
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Family
ID=17945790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3305490A Expired - Lifetime JP3010859B2 (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | 炭化タングステン基超硬合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3010859B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105671403A (zh) * | 2016-04-15 | 2016-06-15 | 成都比拓超硬材料有限公司 | 一种硬质合金顶锤及其在六面顶压机上合成超硬材料的应用 |
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-
1991
- 1991-10-24 JP JP3305490A patent/JP3010859B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105671403B (zh) * | 2016-04-15 | 2018-01-09 | 成都比拓超硬材料有限公司 | 一种硬质合金顶锤及其在六面顶压机上合成超硬材料的应用 |
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