JP3010469U

JP3010469U - 蓋受枠引抜き機

Info

Publication number: JP3010469U
Application number: JP1994014697U
Authority: JP
Inventors: 剛次伊藤
Original assignee: 高圧コンクリート工業株式会社
Priority date: 1994-10-20
Filing date: 1994-10-20
Publication date: 1995-05-02
Anticipated expiration: 2000-10-20

Abstract

(57)【要約】【目的】マンホール鉄蓋の新旧取替え、あるいは嵩
上げ等の維持管理において、短時間で容易、かつ経済的
に施工できるようにする。【構成】リング状の基枠１の上部に、単独で操作で
きる複数の油圧ジャッキ４を配設し、油圧ジャッキ４の
上端には球面構造によって基枠１と平行に横架した昇降
枠３を担持した構成とし、昇降枠３には下端に爪１３が
付いた複数のねじ棒９を上下方向に動くことができるよ
うに取付ける一方、この取付部の支点を球面構造として
ねじ棒９と下端の爪１３が基枠１の内側で揺動しうる状
態に設け、かつ、爪１３を横方向に押圧する機構をねじ
棒９の下端に具備した構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、マンホール鉄蓋の維持管理に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の方法によると、鉄蓋の損耗による交換、あるいは舗装路面の高さに蓋の高さを合わせるなどのために既設の鉄蓋を路面から取り出すには、蓋受枠の周囲を動力式の路面カッターで四角形に切り込みを入れてから破砕機等によってアスファルト舗装の路面を剥がして鉄蓋全体を露出させ、マンホール本体と一体化しているモルタルやボルトのナットを取り除いてから鉄蓋を取り出している。

【０００３】あるいは動力による円形カッターでもって、鉄蓋周囲のアスファルト路面を円形に切り込み、鉄蓋と共に一挙にクレーンで持ち上げ取り出すこともある。

【０００４】いずれも、大掛りな工事となって道路閉鎖や騒音を伴い、交通量の多い場所や街の中では迷惑なものとなっていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来の、動力機械、工具を用いた施工では路面の切り込みやはつり作業は不可欠のものであって、長時間にわたる道路閉鎖、大きな騒音、できばえ、あるいはコストなどに問題があった。そこで本考案は、路面の切り込みやはつり作業を必要とせずに鉄蓋を容易に取り出せる機械を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

リング状の基枠の上部に、単独で操作できる複数の油圧ジャッキを配設し、油圧ジャッキの下端には球面構造によって基枠と平行に横架した昇降枠を担持した構成とし、昇降枠には下端に爪が付いた複数のねじ棒を上下方向に動くことができるように取り付ける一方、この取付部の支点を球面構造としてねじ棒と下端の爪が基枠の内側で揺動しうる状態に設け、かつ、爪を横方向に押圧する機構がねじ棒下端に設けられたものである。

【０００７】

【作用】

上記構成によるこの蓋受枠引抜き機は以下の作用を行なう。蓋受枠の真上に本考案による蓋受枠引抜き機を置き、先ず、昇降枠に付いているねじ棒を下げていき、下端の爪が蓋受枠の内側面に設けられた段付部の下に掛かる位置にきたら止める。このとき、蓋受枠に付いている他の構造物が邪魔となって下げられない場合は、ねじ棒を手で押し引きして揺り動かす、あるいは傾けることによって避けることができる。

【０００８】次に、爪を段付部の下に押圧させた状態にして昇降枠を油圧ジャッキで持ち上げていくと、昇降枠と共にねじ棒と爪が持ち上がるので、蓋受枠を引抜くことができる。

【０００９】また、引抜く際に全周が均等に上がらず傾き状態になることがあるが、ねじ棒および昇降枠は球面で支持あるいは担持されているために、昇降枠引抜き機本体に無理な荷重が掛からないことになる。このようなときは、傾いて低い方の油圧ジャッキを操作して、傾斜を修正しながら均等に引抜くことができる。

【００１０】

【実施例】

本考案の実施例について添付の図面に基づいて説明する。図１・図２において蓋受枠Ｂの外径より大きめの内径を持つリング状の基枠１の上に垂直枠２を３箇所等間隔に立設した一体化構造とする。各々の垂直枠２の上には手動操作の油圧ジャッキ４を配設する。さらに油圧ジャッキ４の上に上向き球面自在受７を介して油圧ジャッキ４の位置を頂点とする三角形状の昇降枠３を構成する。

【００１１】昇降枠３は油圧ジャッキ４のレバー５を操作すると上昇する。下降させたいときは油圧ジャッキ４付属のバルブ６を開くと圧力が抜けて降下スプリング８の引張る力で下降する構造とする。

【００１２】昇降枠３には、図３に示すように三角形の頂点近くに設けた下向き球面自在受１１を介してハンドルナット１０を手回しすることによって上下方向に動き、任意の高さで止めることができるねじ棒９を取り付けている。また、このねじ棒９の下端には、爪取付板１２と爪１３を一体化構造としてある。上記構成によって爪１３は下向き球面自在受１１を支点として任意の高さで揺動させることができて、蓋受枠Ｂの内側面の段付部Ｂ１に容易に合わせることができる。

【００１３】また、図４・図５に示すように爪取付板１２と一体化している爪１３は三又シリンダ１５の先端とピン１４によって横方向に連結した構成となっている。三又シリンダ１５は引抜き機本体Ａに設置の手動ポンプ１６とホース１７で接続されていて、手動ポンプ１６のレバー５を操作すると、爪取付板１２と一体化している爪１３を外方向に押し出すことができる。逆に爪１３を引き込むには、手動ポンプ１６に付いているバルブ６を開けると、圧力が抜けて、戻しスプリング１８の力によって引き込むことができる構造とする。

【００１４】また、引抜き機本体Ａに車輪１９と取手２０を設けた構成としている。このようにすると引抜き機本体Ａを人力によって傾けて容易に別の場所に移動できる。

【００１５】一方、蓋受枠Ｂの外径の大小による違い、あるいは周囲をコンクリートで巻いている場合に対応するため、図２に示すような基枠１に止め金２２を掛けて簡単に取り付けできるアダプタリング２１を用意してもよい。

【００１６】

【考案の効果】

上記のように本考案によるときは、この蓋受枠引抜き機１台にによって引抜きから移動まで完了してしまうので、従来のように動力機械を使い分けることがなくなり、作業の手間が省ける。

【００１７】また、作業時間が短縮するので早期に道路開放が可能となり、交通に与える影響は小さいものとなる。

【００１８】作業は人力による操作であるため、騒音の発生は極めて少なく、周囲の環境に与える影響は小さいものとなる。

【００１９】蓋受枠と共に引抜く路面の面積を必要最小限としているため、復旧に要する補修材と手間が少なくてすみ経済的となる。

【００２０】一方、補修跡は円形、かつ面積が小さいので目立たず、景観上体裁のよいものとなる。

【００２１】また、蓋受枠が傾斜している場合にも、爪の高さは個々に調整可能、かつ揺動可能なため、容易に蓋受枠に引掛けて引抜くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す斜視図である。

【図２】同実施例の使用状態を示す正面図である。

【図３】同一部拡大断面図である。

【図４】同Ｚ−Ｚ断面図である。

【図５】同部分斜視図である。

【符号の説明】

Ａ引抜き機本体Ｂ蓋受枠Ｂ１段付部Ｃアスファルト舗装路面Ｄマンホール本体１基枠２垂直枠３昇降枠４油圧ジャッキ５レバー６バルブ７上向き球面自在受８降下スプリング９ねじ棒１０ハンドルナット１１下向き球面自在受１２爪取付板１３爪１４ピン１５三又シリンダ１６手動ポンプ１７ホース１８戻しスプリング１９車輪２０取手２１アダプタリング２２止め金

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】リング状の基枠の上部に、単独で操作で
きる複数の油圧ジャッキを配設し、油圧ジャッキの上端
には球面構造によって基枠と平行に横架した昇降枠を担
持した構成とし、昇降枠には下端に爪が付いた複数のね
じ棒を上下方向に動くことができるように取付ける一
方、この取付部の支点を球面構造としてねじ棒と下端の
爪が基枠の内側で揺動しうる状態に設け、かつ、爪を横
方向に押圧する機構をねじ棒下端に具備してなることを
特徴とする蓋受枠引抜き機。