JP3009711U - 椅 子 - Google Patents

椅 子

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JP3009711U
JP3009711U JP1994013010U JP1301094U JP3009711U JP 3009711 U JP3009711 U JP 3009711U JP 1994013010 U JP1994013010 U JP 1994013010U JP 1301094 U JP1301094 U JP 1301094U JP 3009711 U JP3009711 U JP 3009711U
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attached
belt
chair
elevating member
seat
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JP1994013010U
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English (en)
Inventor
隆志 小村
稔 野口
勇 水関
淳二 向井
Original Assignee
株式会社コムラ製作所
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  • Chairs For Special Purposes, Such As Reclining Chairs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 座椅子として使用できると共に、老人等の立
上り動作を補助して、立上がりにおける負担を軽減で
き、リクライニングも可能な椅子を提供する。 【構成】 固定背部1と、固定背部1に昇降自在に取付
けられた昇降部材3と、昇降部材3の前後スライド自在
な移動枠体22に前傾可能に取付けられた立上り補助用座
部4と、昇降部材3に後傾可能に取付けられると共に移
動枠体22を介して座部4と連動連結された背もたれ部
と、を備える。座部4を押し上げて前傾させる揺動部材
73を、昇降部材3に揺動自在に枢着する。一端が揺動部
材73に固定された所定長さのベルト27を、揺動部材73よ
りも上方に於て昇降部材3に懸架する。ベルト27の他端
が取付具84を介して着脱自在に取付けられる取付孔19
を、固定背部1に上下所定ピッチで複数形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は立上り補助用椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
膝や足腰の弱った老人、あるいは膝や足の不自由な身体障害者等は、腰掛けた 椅子から、特に、座椅子のように座り込んだ姿勢から、自力でスムーズに立上が ることが困難で、立上がるにも非常に労力を要し、体への負担が大きかった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、従来、上述のような老人等の立上り動作を補助するに適した椅子がな かった。
【0004】 そのため、本考案は、座椅子として使用できると共に、膝や足腰の弱った老人 等の立上り動作をスムースに補助して、立上がりにおける負担を軽減でき、かつ リクライニングも可能な椅子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、固定背部と、該固定背部に昇降自在に 取付けられた昇降部材と、該昇降部材の前後スライド自在な移動枠体に前傾可能 に取付けられた立上り補助用座部と、該昇降部材に後傾可能に取付けられると共 に該移動枠体を介して座部と連動連結された背もたれ部と、を備え、上記座部を 押し上げて前傾させる揺動部材を、上記昇降部材に揺動自在に枢着すると共に、 一端が該揺動部材に固定された所定長さのベルトを、該揺動部材よりも上方に於 て該昇降部材に懸架し、かつ、該ベルトの他端が取付具を介して着脱自在に取付 けられる取付孔を、上記固定背部に上下所定ピッチで複数形成した。
【0006】 さらに、固定背部は、支持部材と、該支持部材に立設される門型基枠と、該基 枠の左右中央部で該基枠の上枠部と該支持部材に固着される昇降部材案内用の副 竪レール部材と、を備え、該副竪レール部材に取付孔を形成した。
【0007】 さらに、揺動部材に、ベルトを懸架して該揺動部材の前後方向に所定ストロー クでスライド自在な動滑車と、該動滑車を弾発付勢してベルトに張力を付与する 引きバネと、を設けた。
【0008】 さらに、背もたれ部は、座部の水平状態に於て該座部の最上面よりも下方に下 端が位置する腰当て部を、備えると共に、該腰当て部はその左右中央部に、該背 もたれ部が固定背部と平行な状態に於て昇降部材に設けられたベルト懸架用回転 輪の周囲を包囲する切欠部を、有する。
【0009】
【作用】
本考案の椅子によれば、座部の高さを床等に接地乃至近接させた状態にして座 椅子として使用でき、昇降部材を上昇させれば、その上昇に伴って、ベルトにて 揺動部材が引き上げられることにより、座部が押し上げられて前傾するので、座 部に座り込んだ姿勢から起立状態に近い状態まで立上り動作を補助できる。
【0010】 さらに、座部を前進させると、背もたれ部が連動して後傾し、リクライニング させることができる。このとき、固定背部は傾斜せず、しかも、揺動部材の押し 上げによる座部の前傾動作と、移動枠体による座部の前後スライド動作とは、独 立して行なわれるので、昇降部材の昇降位置にかかわらずリクライニングできる 。
【0011】 また、ベルトの他端の取付孔への取付け位置を上下に変更することにより、座 部の前傾開始高さを自由に選ぶことができ、また、座部の前傾動作をなくして、 水平状態での昇降も可能となり、昇降部材を上昇させた状態で座部と背もたれ部 をリクライニングさせた時に、前方へずり落ちるような不安定な姿勢とならずに 済む。
【0012】 また、引きバネでベルトに張力を与えれば、座部の前傾開始高さまで昇降部材 を上昇させる際、及び座部の前傾開始高さから降下させる際に、ベルトの弛みを 防止できる。さらに、腰当て部のある背もたれ部を備えた椅子では、昇降部材に 懸架したベルトの部分が腰当て部にて包囲されて、腰部乃至臀部との接触を防ぐ ことができる。
【0013】
【実施例】
以下実施例を示す図面に基づいて本考案を詳説する。
【0014】 図1と図2は、本考案に係る椅子の一実施例を示しており、この椅子は、床等 に載置される固定背部1と、固定背部1に昇降自在に取付けられてモータ2によ り昇降駆動する昇降部材3と、昇降部材3の前後スライド自在な移動枠体22に前 傾可能に取付けられた立上り補助用座部4と、昇降部材3に後傾可能に取付けら れると共に移動枠体22を介して座部4と連動連結された背もたれ部5と、昇降部 材3に付設されて前方へ突出状とされる左右一対の肘掛け6,6と、座部4の前 進に伴って背もたれ部5を後傾させるリクライニング機構Rと、を備えている。
【0015】 座部4、背もたれ部5及び肘掛け6は、クッション材やカバー材等にて外装さ れてなり、固定背部1は、ケーシング17にて外装される。
【0016】 しかして、図1〜図3に示すように、固定背部1は、床等に載置される支持部 材7と、支持部材7に立設され上部が後方に傾斜する門型基枠8と、左右一対の 主竪レール部材9,9と、基枠8の左右中央部で該基枠8の上枠部15と支持部材 7に固着される昇降部材案内用の副竪レール部材10と、を備えている。
【0017】 支持部材7は、左右一対の角柱状支脚部11,11を取付プレート12で連結してな り、取付プレート12にはモータ2が取付けられる。
【0018】 各支脚部11には、丸棒状の倒れ防止用支持杆13が着脱自在に取付けられる。さ らに、支持部材7の後端部には、左右一対のローラ14,14が取付けられ、ローラ 14,14を支点として固定背部1を後傾させた状態にして、椅子単体で自由に移動 させることができる。
【0019】 また、図1〜図4に示すように、基枠8は、水平状の上枠部15と、この上枠部 15と支持部材7を連結する左右一対の竪枠部16,16と、からなり、竪枠部16の内 側面に、チャンネル型の主竪レール部材9が固着され、一方の主竪レール部材9 等には、昇降部材3の上下ストロークを規制する3個のリミットスイッチ18…が 取付けられる。
【0020】 さらに、左右の主竪レール部材9,9の中間部には、主竪レール部材9と平行 状として、副竪レール部材10の上下端部が、上枠部15と支持部材7に固着される 。
【0021】 副竪レール部材10は矩形状断面の角筒状であって、その前側壁10aの下端寄り には、前後に貫通する複数の取付孔19…が上下所定ピッチで形成される。
【0022】 次に、昇降部材3は、固定背部1と平行状の支持体20と、支持体20から前方へ 突出状の案内枠体21と、座部4が連結されると共に案内枠体21に前後スライド自 在に取付けられる移動枠体22と、を備えている。
【0023】 支持体20は、左右一対の側板23,23と、基枠8及び副竪レール部材10よりも前 方に於て側板23,23を連結する連結板24と、下端側が連結板24に固着されて基枠 8及び副竪レール部材10と所定間隔をもって平行状に配置される取付部材25と、 副竪レール部材10よりも後方に於て側板23,23を連結するT字型の支持板26と、 からなる。
【0024】 この側板23の前端部には、左右一対の板状支持アーム48,48の一端部が、水平 軸心A,A廻りに揺動自在に取付けられると共に、支持アーム48,48の他端部か ら(左右)内方へ突設された連結杆49には、案内枠体21が固着される。
【0025】 さらに、側板23の下端部には、支持アーム48の後方への揺動を規制するストッ パ片50が突設され、これにより、椅子の使用時には案内枠体21及び移動枠体22を 水平状に保持でき、かつ、椅子を使用しない場合には、背もたれ部5と平行状に なるように、座部4、案内枠体21及び移動枠体22を一体に上方へ折り畳むことが できる。
【0026】 また、支持アーム48よりも上方に於て、側板23に肘掛け6が短軸30を介して、 左右方向の軸心C廻りに揺動自在に取付けされており、椅子を使用しない場合に は背もたれ部5と平行状となるように肘掛け6を上方へ折り畳むことができ、か つ、椅子使用時には肘掛け6を軸心C廻りに下方へ揺動させて図示省略のストッ パ等にて水平状に保持することができるようになっている。
【0027】 この各側板23の外側面には、軸心D廻りに回転自在な第1ガイドローラ31,31 が取付けられ、第1ガイドローラ31は、主竪レール部材9内面の浅凹溝部32,32 を転動する。
【0028】 さらに、支持板26の前面には、軸心E廻りに回転自在な4個の第2ガイドロー ラ33…が取付けられ、この第2ガイドローラ33…は、副竪レール部材10の左右側 面を挟持状として転動する。
【0029】 従って、昇降部材3は、主・副竪レール部材9,9,10に沿って昇降可能とな り、昇降部材3の左右の傾き(振れ)が第2ガイドローラ33…で規制されると共 に、昇降部材3の前後の傾き(振れ)が第1ガイドローラ31…で規制される。
【0030】 また、支持板26の後面には、昇降部材3の昇降によりリミットスイッチ18…を オン・オフさせる押圧片34と、上枠部15と支持部材7に回転自在に枢着されたス クリューシャフト36に螺進退自在に螺着されるナット部材35と、が夫々固定され る。
【0031】 このスクリューシャフト36の下端部と、モータ2の出力軸には、夫々、スプロ ケットやタイミングプーリ等の動力伝達用回転体37,38が取付けられる。
【0032】 回転体37,38には、チェーンやタイミングベルト等の動力伝達用エンドレス部 材39が巻き掛けられ、モータ2の出力軸の回転がスクリューシャフト36に伝達さ れる。
【0033】 そして、スクリューシャフト36が回転すると、ナット部材35が螺進退し、昇降 部材3が主・副竪レール部材9,9,10に沿って昇降する。なお、モータ2の正 逆回転駆動は、図示省略のリモコン操作等にて行われる。
【0034】 また、図1,図2及び図5に示すように、取付部材25は、左右一対の平行な側 壁部40,40を有するコの字型断面で、この取付部材25の下端には、所定長さのベ ルト27を懸架する回転輪28が、枢支片29を介して取付けられる。
【0035】 さらに、各側壁部40の上端部には、上下方向の主長孔41が形成されると共に、 主長孔41よりも下方に於て突出子42が(左右)外方へ突設される。
【0036】 そして、両主長孔41,41に摺動自在に挿通されたスライドピン43の両端部が、 背もたれ部5の上端側後面に付設された後方突出状の左右一対の主ガイド片44, 44に取付けられて、背もたれ部5が取付部材25に、上下動自在かつ水平軸心廻り に揺動自在に連結される。
【0037】 この主ガイド片44,44よりも下方に於て背もたれ部5に、後方突出状とされた 左右一対の副ガイド片45,45が付設され、突出子42が、副ガイド片45に形成され た後傾状の副長孔46に摺動自在に挿嵌される。
【0038】 これにより、リクライニング時における背もたれ部5の上下位置とその傾きθ (図9参照)との対応関係が規制され、かつ、背もたれ部5が上下しつつ傾斜し ようとする動きをスムースにすることができる。
【0039】 しかも、副ガイド片45の副長孔46と突出子42の嵌合により、背もたれ部5への 矢印F方向の力(図9参照)を受けることができるので、背もたれ部5のガタツ キが防止される。
【0040】 なお、主ガイド片44及び副ガイド片45は、取付部材25の側壁部40の外面に沿っ て平行状に配設される。
【0041】 また、図6〜図8に示すように、背もたれ部5の下端側は、移動枠体22の後端 部に、左右一対のJ字型の板状揺動アーム47,47を介して揺動自在に連結されて おり、リクライニング時に座部4と背もたれ部5を連動させ、かつ、移動枠体22 を上方へ折り畳むことができるようになっている。
【0042】 なお、図7に於て、中心線Lから左半分は図6の正面図で、右半分は図6のY −Y線断面を示しており、図8では、後述のストッパ機構Sを省略している。
【0043】 しかして、背もたれ部5は、座部4の水平状態に於て座部4の最上面よりも下 方に下端が位置する腰当て部51を、備えると共に、腰当て部51はその左右中央部 に、背もたれ部5が固定背部1と平行な状態に於て回転輪28の周囲を包囲する倒 立U字状の切欠部52を、有している。
【0044】 この切欠部52に対応する部位の腰当て部51の後面には、後方突出状とされた左 右一対の平行突片53,53が付設され、平行突片53に揺動アーム47の一端部が軸心 G廻りに揺動自在に連結される。
【0045】 従って、切欠部52は、案内枠体21及び移動枠体22を上方へ折り畳む際における 揺動アーム47の逃げ用の役目をなすと共に、座部4の前傾時におけるベルト27の 逃げ用の役目をなす。
【0046】 次に、移動枠体22は、前後両端部を除いてコの字形断面とされた左右一対の平 行な側枠部54,54と、側枠部54,54の後部下端縁を連結する棒状の後枠部55と、 によりコの字枠状に形成される。
【0047】 この後枠部55から斜め上方へ左右一対の平行な前傾突片56,56が突設され、該 前傾突片56,56に揺動アーム47の他端部が、軸心H廻りに揺動自在に連結される 。
【0048】 側枠部54は、コの字形部分の開口部が(左右)外方へ向くように配設され、側 枠部54,54の前端部には、座部4の前端側底面4aに取付けられた板状枢支体57 の垂下片58,58が、水平軸心I廻りに揺動自在に連結される。
【0049】 また、側枠部54の後端部には、軸心B廻りに回転自在なローラ65が内設され、 ローラ65の一部が側枠部54の下面よりも下方へ突出状となっている。
【0050】 次に、案内枠体21は、前端部を除いてコの字形断面とされた左右一対の平行な 側枠部59,59と、側枠部59,59の前方下端縁を連結する帯板状の前枠部60と、側 枠部59,59の後端部を連結する棒状の後枠部61と、により矩形枠状に形成される 。
【0051】 側枠部59は、支持アーム48と平行状であって、コの字形部分の開口部が(左右 )内方へ向くように配設されており、側枠部59の後端部に連結杆49が溶接等にて 固着される。
【0052】 この側枠部59の前端部には、軸心J廻りに回転自在なローラ66が内設され、ロ ーラ66の一部が側枠部59の上面よりも上方へ突出状となっている。なお、ローラ 66,65の数を増やすも自由である。
【0053】 そして、案内枠体21の側枠部59,59は、移動枠体22の側枠部54,54よりも間隔 が広くなっており、案内枠体21のローラ66が移動枠体22の側枠部54の上壁部54a を転動しかつ移動枠体22のローラ65が案内枠体21の側枠部59の下壁部59aを転動 するように、側枠部59,59へ側枠部54,54が挿入される。
【0054】 これにより、案内枠体21に沿って移動枠体22が前後スライド自在となり、図8 の状態から座部4を介して移動枠体22を前進させると、図9の如く、背もたれ部 5が、揺動アーム47によって前方へ引かれて、主・副長孔41,46に誘導案内され ることにより、降下しつつ後傾する。
【0055】 この図9の状態から座部4を介して移動枠体22を後進させると、上述と逆に、 背もたれ部5が、揺動アーム47によって後方へ押されて、上昇しつつ図8の如く 起立する。このように、固定背部1及び支持体20を傾斜させることなく、座部4 の前後スライドに伴って背もたれ部5を傾動させてリクライニングさせることが できる。
【0056】 これらの案内枠体21、移動枠体22、揺動アーム47、主長孔41、スライドピン43 主ガイド片44、副ガイド片45、突出子42、副長孔46等によってリクライニング機 構Rが構成される。
【0057】 また、図6と図10に示すように、案内枠体21の一方(図例では左側)の側枠部 59の下壁部59a内端縁には、前後に複数の係止雌部67…を有する板状のストッパ 受け68が(左右)内方へ延設される。
【0058】 この係止雌部67は、図例では、3箇所とされ、前後端の係止雌部67,67は切欠 状に形成され、中央の係止雌部67は矩形孔状に形成される。なお、この係止雌部 67の数の増減は自由である。
【0059】 これに対応して、移動枠体22の一方の側枠部54には、前後一対のL字形片62, 62が固着される。このL字形片62,62には、回転軸63がその軸心廻りに回転自在 に枢支され、止め部材64,64にて前後移動が規制される。
【0060】 回転軸63の前後中央部には、ストッパ受け68の係止雌部67…に係脱自在なL形 のストッパ69が固着され、後方の止め部材64と側枠部54との間に介装された引張 りバネ等の弾発部材70により、回転軸63が矢印K方向へ回動して係止雌部67にス トッパ69が係止するように、常時弾発付勢される。
【0061】 また、回転軸63の前端には、側枠部54の前端を跨いで外方へ張り出す略S字形 の操作レバー71が延設される。これらの操作レバー71,回転軸63,ストッパ69, ストッパ受け68、弾発部材70等によりストッパ機構Sが構成される。
【0062】 そして、(図10の仮想線で図示するように)操作レバー71を弾発部材70の弾発 力に抗して上方へ揺動させれば、係止雌部67からストッパ69を離脱させることが でき、この離脱状態では、案内枠体21に対して移動枠体22が前後スライド可能、 即ち座部4と背もたれ部5のリクライニングが可能となる。
【0063】 そして、係止雌部67にストッパ69を選択的に係止させることにより、好みにあ った背もたれ部5の傾斜角度等に調整して、ロックすることができる。
【0064】 また、図6,図7及び図11に示すように、座部4を押し上げて前傾させる揺動 部材73を、昇降部材3に揺動自在に枢着すると共に、一端が揺動部材73に固定さ れたベルト27を、揺動部材73よりも上方に於て昇降部材3に設けられた回転輪28 に懸架する。
【0065】 さらに、揺動部材73に、ベルト27を懸架して該揺動部材73の前後方向に所定ス トロークでスライド自在な動滑車79と、該動滑車79を弾発付勢してベルト27に張 力を付与する引きバネ80と、を設ける。
【0066】 具体的には、案内枠体21の前枠部60の上面に、左右一対の平行な起立片72,72 が立設され、この起立片72,72は揺動部材73の前端部が、枢軸74を介して軸心M 廻りに揺動自在に連結される。
【0067】 揺動部材73は、左右一対の平行な側壁部75,75と、側壁部75,75の後部側上端 縁を連結する上壁部76と、側壁部75の前部側上端縁から左右外方へ突設された鍔 状壁部77と、からなる。
【0068】 側壁部75には、その長手方向に所定長さの長孔78が形成され、長孔78内には、 動滑車79の軸端部がスライド自在に保持される。
【0069】 動滑車79は、長孔78よりも前方の側壁部75に取付けられたぜんまいバネ等の引 きバネ80の一端に連結され、動滑車79は常時前方に弾発付勢される。
【0070】 さらに、長孔78よりも後方の側壁部75に横架状に取付けられた軸部材81には、 ベルト27の一端が固定され、ベルト27は、動滑車79と、側壁部75の後端部に連結 された連結軸82と、回転輪28と、に順次掛け渡される。
【0071】 そして、図2と図11に示すように、ベルト27の他端には保持片83が取付けられ 、保持片83にはボルト等の取付具84が回転自在に枢着される。この取付具84をネ ジ孔等の取付孔19に螺着することにより、固定背部1の副竪レール部材10に、ベ ルト27の他端を着脱自在に取付けることができる。
【0072】 また、最下段の取付孔19に対応させて、副竪レール部材10の前壁部10aの裏面 側に、取付具84の螺進退により開閉する切替スイッチ85が設けられる。
【0073】 しかして、取付具84を例えば最下段の取付孔19へ螺着した場合に、案内枠体21 を床等に接地乃至近接させた実線の状態から昇降部材3が上昇すると、ベルト27 によって動滑車79が長孔78に沿って後方へ移動して、昇降部材3が所定高さ以上 となると、動滑車79が長孔78の後端に当接し、昇降部材3の上昇に伴って、仮想 線の如く揺動部材73の後端部が軸心Mを中心にして引き上げられることにより、 座部4の底面4aが押し上げられて、軸心I廻りに座部4が揺動して前傾する。
【0074】 そして、昇降部材3が所定高さまで上昇して、座部4が、最大傾斜角度乃至そ の僅か手前の傾斜角度まで前傾した姿勢となると、押圧片34(図3参照)にて中 段のリミットスイッチ18が動作して、自動的に昇降部材3の上昇が止まるように 構成される。
【0075】 また、取付具84を、中段あるいは上段の取付孔19へ螺着すれば、座部4の前傾 開始高さを取付孔19,19の上下差の分だけ高くしたり、あるいは、座部4の前傾 動作をなくして水平状態で上昇させることができるように構成される。
【0076】 さらに、取付具84の取付孔19への螺着位置に応じて切替スイッチ85が開閉し、 それによって、上段及び中段のリミットスイッチ18,18が自動的に切替わって、 ベルト27に過大な張力が掛からないように昇降部材3の上昇を止めるように構成 される。なお、下段のリミットスイッチ18は、切替スイッチ85の開閉に関係無く 、案内枠体21が床等に接地乃至近接するまで降下すれば、働くように構成される 。
【0077】 このように、昇降部材3をモータ2にて上昇させることにより、座部4に座り 込んだ姿勢から中腰乃至起立姿勢となるまでの立上り動作を補助できる。しかも 、所定の高さ以上に於て自動的に、昇降部材3の上昇に伴って、座部4が前傾す るので、一層起立姿勢に近い状態まで立上り動作を補助できる。
【0078】 また、図9と図12に示すように、昇降部材3の上昇による座部4の前傾動作と 、座部4と背もたれ部5のリクライニング動作とは、独立して行うことができる ので、昇降部材3の昇降位置にかかわらずリクライニングが可能である。
【0079】 次に、図13と図14は、椅子に座りながら、書き物や食事あるいは腕を置いたり するのに好適な補助テーブル86の一実施例を示している。
【0080】 この補助テーブル86は、肘掛け6の上面6aに摺動自在に当接するテーブル本 体87と、該テーブル本体87から延設されて肘掛け6の外側面6b及び下面6cに 近接乃至摺動自在に当接する左右一対の取付片88,88と、からなる。
【0081】 テーブル本体87は、その前端縁が凸状に、後端縁が凹状に、夫々形成される。 肘掛け6は、図例では偏平な四角柱状とされており、この形状に取付片88を対応 させてある。
【0082】 即ち、取付片88は、テーブル本体87の直線状の側端縁から垂設された側板部89 と、側板部89の傾斜部89a下端縁から(左右)内方へ直交状に突設された小底板 部90と、からなり、小底板部90は、テーブル本体87と平行状であって、テーブル 本体87の後端部よりも後方へずらした位置に配設される。
【0083】 この補助テーブル86によれば、取付片88側から補助テーブル86内に肘掛け6, 6が差し込まれるように滑らせるだけで、テーブル本体87と取付片88にて肘掛け 6,6を外側から把持するように取付けることができる。
【0084】 この取付状態では、側板部89,89により左右方向の移動が規制されると共に、 テーブル本体87と取付片88の小底板部90にて肘掛け6の上下面6a,6cが挟持 されて上下方向の移動が規制されるので、比較的大きな荷重にも耐えることがで きる。
【0085】 しかも、補助テーブル86を滑らせて取付ける構造であるから、肘掛け6,6に 対する補助テーブル86の前後の位置調整が容易である。
【0086】 また、テーブル本体87の内端縁を凹状に弯曲させてあるので、肘掛け6,6の 前端部より比較的大きくテーブル本体87を突出させても、容易に抜け落ちること がなく安全である。小底板部90はテーブル本体87の後端部よりも後方へずらして あるので、肘等によって加えられる外力に十分耐え得る。さらに、補助テーブル 86を取り外すには、肘掛け6,6に沿って滑らせるようにして抜き出すだけでよ く、簡単に脱着が行える。
【0087】 次に、図15と図16は、本考案の椅子を移動させるのに好適な椅子移動台Wを例 示している。
【0088】 この椅子移動台Wは、車輪91…(前後車輪91a,91b)により走行可能なベー ス枠体92に、椅子を載置して移動を規制する位置決め手段Nと、レバー93にて操 作可能なベース枠体制動手段Pと、を設けてなる。
【0089】 ベース枠体92は、パイプ材等からなるU字形のフレーム94と、フレーム94の前 端部に固着された左右一対の脚部材95,95と、脚部材95,95を連結する中空杆96 と、フレーム94の後端側内縁部に沿って固着された載置部材97と、からなる。
【0090】 載置部材97は、左右一対の車輪91b,91bを枢着体98,98を介して回転自在か つ方向変換可能に取付けた箱体99と、該箱体99から前方へ水平状に突設された底 板100 と、からなる。
【0091】 また、図17と図18に示すように、脚部材95は、底面が開口する箱形で、後部周 壁95aには、椅子の支持杆13の前端部を挿入する円形の保持貫孔101 が形成され る。
【0092】 さらに、脚部材95の内部には前後方向の仕切板102 、左右方向の仕切板103 、 及び保持板104 が固着される。
【0093】 そして、脚部材95内の前方には、仕切板102 と平行な枢支小板105 が固着され 、仕切板102 と枢支小板105 の間に、車輪91aが枢軸106 を介して回転自在に枢 着される。
【0094】 仕切板102 には支軸107 が突設され、支軸107 にブレーキシュー108 が懸垂状 として揺動自在に枢着される。ブレーキシュー108 は車輪91aの後方に配設され 、このブレーキシュー108 を車輪91aとで挟むように、円筒外周面の一部を切欠 いた形状のカム部材109 が配設される。
【0095】 カム部材109 は、中空杆96に挿通されたシャフト110 の端部に固定されており 、シャフト110 は仕切板102 に回動自在に枢着される。
【0096】 このシャフト110 を回動させると、(図17の仮想線の如く)カム部材109 のカ ム面(外周面)がブレーキシュー108 に当接し、揺動したブレーキシュー108 が 車輪91aに押圧されることにより制動できるようになっており、このブレーキシ ュー108 やカム部材109 等にてベース枠体制動手段Pが構成される。
【0097】 なお、何れか一方の脚部材95においては、シャフト110 の端部に制動操作用の レバー93が連結される。このレバー93は、脚部材95の上壁95bに形成された前後 方向長孔111 を介して上方へ突出する。
【0098】 また、図15〜図18に示すように、載置部材97の底板100 に椅子の固定背部1を 載置し、支持杆13の前端部を、脚部材95の保持貫孔101 に挿入して仕切板103 に 当接した状態で、固定背部1の下端後部が、箱体99の前面に当接乃至近接するよ うになっており、この載置部材97、脚部材95の保持貫孔101 、仕切板103 等にて 位置決め手段Nが構成される。
【0099】 このように、椅子移動台Wによれば、位置決め手段Nにより、ベース枠体92に 椅子を載置するようにして取付けできるので、その脱着が容易で、工具も不用で ある。
【0100】 さらに、椅子に人を座らせた状態のままでも、介助人等が、楽に椅子を移動さ せることができ、しかも、一人でもある程度移動させることができる。
【0101】 また、ベース枠体制動手段Pにより、椅子の使用中に不意に移動しないように 制動できるので、安心して食事等が行える。
【0102】
【考案の効果】
本考案は上述の如く構成されているので、次に記載するような著大な効果を奏 する。
【0103】 請求項1の椅子によれば、座椅子として使用できると共に、昇降部材3の上昇 に伴って、座部4が前傾するので、座部4に座り込んだ姿勢から起立姿勢に近い 状態まで立上り動作を補助できる。しかも、昇降部材3の昇降位置にかかわらず 、固定背部1に対して座部4と背もたれ部5をリクライニングさせて、楽な姿勢 で座ることができる。
【0104】 また、座部4の前傾開始高さを、ベルト27他端の取付孔19…への取付け位置を 変更することにより、自由かつ簡単に設定できる。従って、使用時に各人が、自 己の体のサイズ(身長等)に合った前傾開始高さを選ぶことが可能となり、立上 りに使う労力が一層軽減され、スムースに立ち上がることができる。
【0105】 さらに、昇降部材3の上昇時に座部4が前傾動作を起こさないように、ベルト 27他端の取付孔19…への取付け位置を選択することにより、座部4を所定高さに 維持させて腰掛用の椅子としても使用でき、しかも、その状態でリクライニング させた場合、座部4が水平状なので前方へずり落ちるような姿勢とならずに、安 定した状態で座ることができる。
【0106】 また、ベルト27や揺動部材73等を用いた簡単な機構で、昇降部材3の昇降動力 を利用して、座部4を前傾させることができ、製作・修理・保守・点検等が容易 である。
【0107】 請求項2の椅子によれば、一本の副竪レール部材10を、固定背部1の補強部材 と、昇降部材3の昇降案内部材と、ベルト27の取付け部材と、に兼用でき、部品 点数の削減と構造の簡素化を図れて、安価製作可能となる。
【0108】 請求項3の椅子によれば、ベルト27が弛んで他部材に引掛かったりすることが 、引きバネ80にて有効防止されて、座部4が誤動作なしに確実かつスムースに揺 動するので、快適に使用できる。
【0109】 請求項4の椅子によれば、背もたれ部5に腰当て部51があるので、人が長時間 座っても腰が楽で、しかも、腰部乃至臀部が回転輪28やベルト27等の部品との接 触から保護されて、安全である。また、ベルト27が切れたり回転輪28から外れた 場合、背もたれ部5を固定背部1から取外さずに、切欠部52から回転輪28にベル ト27を懸けかえる作業等を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す側面図である。
【図2】正面図である。
【図3】一部省略の正面図である。
【図4】要部断面平面図である。
【図5】要部平面図である。
【図6】要部平面図である。
【図7】要部半截断面図である。
【図8】要部断面側面図である。
【図9】リクライニング状態を示す要部断面側面図であ
る。
【図10】ストッパ機構の説明図である。
【図11】座部の前傾動作を示す要部断面側面図である。
【図12】リクライニング及び座部の前傾状態を示す要部
断面側面図である。
【図13】補助テーブルの使用状態の正面図である。
【図14】補助テーブルの斜視図である。
【図15】椅子移動台の平面図である。
【図16】断面側面図である。
【図17】要部断面側面図である。
【図18】要部断面平面図である。
【符号の説明】
1 固定背部 3 昇降部材 4 座部 5 背もたれ部 7 支持部材 8 基枠 10 副竪レール部材 15 上枠部 19 取付孔 22 移動枠体 27 ベルト 28 回転輪 51 腰当て部 52 切欠部 73 揺動部材 79 動滑車 80 引きバネ 84 取付具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 向井 淳二 八尾市西弓削3丁目9番地 株式会社コム ラ製作所内

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定背部1と、該固定背部1に昇降自在
    に取付けられた昇降部材3と、該昇降部材3の前後スラ
    イド自在な移動枠体22に前傾可能に取付けられた立上り
    補助用座部4と、該昇降部材3に後傾可能に取付けられ
    ると共に該移動枠体22を介して座部4と連動連結された
    背もたれ部5と、を備え、上記座部4を押し上げて前傾
    させる揺動部材73を、上記昇降部材3に揺動自在に枢着
    すると共に、一端が該揺動部材73に固定された所定長さ
    のベルト27を、該揺動部材73よりも上方に於て該昇降部
    材3に懸架し、かつ、該ベルト27の他端が取付具84を介
    して着脱自在に取付けられる取付孔19を、上記固定背部
    1に上下所定ピッチで複数形成したことを特徴とする椅
    子。
  2. 【請求項2】 固定背部1は、支持部材7と、該支持部
    材7に立設される門型基枠8と、該基枠8の左右中央部
    で該基枠8の上枠部15と該支持部材7に固着される昇降
    部材案内用の副竪レール部材10と、を備え、該副竪レー
    ル部材10に取付孔19を形成した請求項1記載の椅子。
  3. 【請求項3】 揺動部材73に、ベルト27を懸架して該揺
    動部材73の前後方向に所定ストロークでスライド自在な
    動滑車79と、該動滑車79を弾発付勢してベルト27に張力
    を付与する引きバネ80と、を設けた請求項1又は2記載
    の椅子。
  4. 【請求項4】 背もたれ部5は、座部4の水平状態に於
    て該座部4の最上面よりも下方に下端が位置する腰当て
    部51を、備えると共に、該腰当て部51はその左右中央部
    に、該背もたれ部5が固定背部1と平行な状態に於て昇
    降部材3に設けられたベルト懸架用回転輪28の周囲を包
    囲する切欠部52を、有する請求項1,2又は3記載の椅
    子。
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