JP3009183B2 - 原子炉の炉心 - Google Patents

原子炉の炉心

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原子炉の炉心に係り、特に沸騰水型原子炉
に適用され、プルトニウム又は回収ウランを核燃料物質
として含む原子炉の炉心に関するものである。
〔従来の技術〕
沸騰水型原子炉の炉心に装荷された燃料集合体は、核
燃料物質を封入した複数の燃料棒を燃料スペーサにより
相互に間隔保持しながら格子状に束ね、これらの燃料棒
の上下端部を上部タイプレート及び下部タイプレートで
支持したものである。束ねられた燃料棒は、上部タイプ
レートに取付けられる正方形断面筒状のチヤンネルボツ
クスで覆われている。燃料棒は、通常、8行8列の格子
状に配置される。燃料集合体の横断面中央部に、外径が
燃料棒の外径にほぼ等しい2本のウオータロツド(少な
くとも、外径が燃料棒のピツチよりも小さい)が、2本
の燃料棒の替りに配置されている。ウオータロツドは、
上部タイプレート及び下部タイプレートに支持され上下
端が密封された中空の管で上下端部に数個の穴を持ち、
炉心内では内部に冷却水が流れる。
また、最近、特開昭61−278788号公報に示された燃料
集合体のように、横断面中央部の4本の燃料棒を取り除
き、外径が燃料棒外径の2倍程度ある太径ウオータロツ
ドを用いている例もある。
燃料集合体を炉心に装荷した状態では、冷却水がチヤ
ンネルボツクスの内外をそれぞれ下から上方に向つて流
れる。チヤンネルボツクスの内部では、燃料棒の熱発生
により蒸気泡(ボイド)が発生して気液二相流となつて
いる。これに対し、チヤンネルボツクスの外側を流れる
水は蒸気の発生がなく単相の流れとなつている。
このため、横断面における冷却水(減速材)の密度分
布は一様でなく、チヤンネルボツクスの外側では水密度
が高く、チヤンネルボツクスの内側ではボイド発生があ
るため水密度は低くなる。
熱中性子束分布も水密度分布の不均質性を反映して、
燃料集合体の横断面内で一様ではない。第4図(b)
は、第4図(a)に示す燃料集合体を炉心に装荷して原
子炉を運転したときにおける燃料集合体の横断面の対角
線AA′の方向の熱中性子束分布を示したものである。燃
料集合体中心部では減速材密度が少ないこと及び核燃料
物質による中性子吸収効果が大きいことにより熱中性子
束は低く、逆に燃料集合体外周部ではチヤンネルボツク
ス外側の水ギヤツプ(隣接する燃料集合体との間に存
在)の水密度が大きいために熱中性子束は高い分布を持
つ。
燃料棒中に封入される核燃料物質は天然ウランを濃縮
して選られる濃縮ウランが一般に用いられる。この濃縮
ウランは、二酸化ウラン焼結の状態で燃料ペレツトに成
型,焼結される。しかしながら、近年、燃料再処理によ
り得られるプルトニウムや回収ウランを核燃料物質とし
て軽水炉で用いることが検討されている。特にプルトニ
ウムを軽水炉で核燃料として用いる技術としては、プル
トニウムとウランの混合酸化物(Mixed Oxide又はMOXと
呼ぶ)を二酸化ウランの替りに用いる方法があり、一般
にプルサーマルと呼ばれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ウランと、プルトニウムの吸収断面積(単位バーン)
の中性子エネルギー(単位電子ボルト)に対する依存性
を比較すると、第5図に示すようにプルトニウムのほう
が中性子吸収が多い。このため、プルトニウムを軽水炉
で用いる場合には、制御棒が吸収する熱中性子量が減少
し、MOX燃料集合体を装荷した炉心では制御棒価値が低
下する。
この対策として、沸騰水型原子炉(BWR)用のMOX燃料
集合体として、MOX燃料棒を制御棒に隣接してないよう
に配置し、外周部には、ウラン燃料棒を、内部にはMOX
燃料棒を配置したアイランド型と呼ばれる燃料集合体が
提案されている。
しかしながら、アイランド型燃料集合体は、全燃料棒
に占めるMOX燃料棒の割合は5割程度であるため、燃料
集合体1体当りに多量のプルトニウムを装荷して天然ウ
ランをより節約する目的には不向きである。
また、最近の研究によれば、MOX燃料集合体を装荷し
た炉心では、制御棒価値の低下のほかに、中性子スペク
トルの違いに基づくウラン燃料核特性上の違いもわかつ
てきた。核分裂性物質である241Pu及び239Puの熱中性子
吸収断面積が235Uより大きいこと、及び239Puによる中
性子共鳴吸収が235Uより大きいことにより、プルトニウ
ムを使用したMOX燃料の中性子スペクトルはウラン燃料
より硬くなり、中性子減速効果が低下する。その結果、
プルトニウムを使用したMOX燃料ではウラン燃料に比べ
てボイド係数の絶対値の増大が増加し、過渡特性の余裕
は低下する。さらには、減速材反応度係数の増大に伴う
炉停止余裕の減少により、原子炉を運転する際の運転裕
度は小さくなる。
この対策として、特開昭63−293493号公報並びに、特
開昭63−172990号公報には、MOX燃料集合体に前述の太
径ウオータロツドを用いて、燃料集合体断面中央部の水
面積を増加し、中性子減速効果を改善して(中性子スペ
クトルを軟らかくして)ボイド係数の増大や炉停止余裕
を改善する技術が述べられている。
一方、再処理設備から回収されるウラン中には核分裂
性の235Uが1%程度含まれるため、これを再度濃縮して
核燃料として用いることは天然ウランを使わないで済む
ため、ウラン資源の節約となる。ところが、回収ウラン
中には天然ウラン中には存在しない235Uが0.4%程度含
まれている。この235Uも比較的大きな共鳴吸収断面積を
もつため、回収ウランを用いた燃料は濃縮天然ウラン燃
料に比べて中性子スペクトルが硬くなり、MOX燃料の場
合と同じように、ボイド反応度係数絶対値の増加,炉停
止余裕の減少により、運転に余裕が減少すると予想され
る。
本発明の目的は、プルトニウムまたは回収ウランを核
燃料物質として利用する燃料集合体及び炉心のボイド反
応度係数及び炉停止余裕を改善し、ウラン燃料集合体及
び炉心と同等の運転余裕度を確保することにある。
〔問題を解決するための手段〕
上記の目的は、原子炉の炉心に、新燃料集合体の状態
で天然ウランを濃縮した濃縮ウランを含みプルトニウム
及び回収ウランを含まない複数の第1燃料集合体と、前
記第1燃料集合体よりも幅が小さく新燃料集合体の状態
でプルトニウムまたは回収ウランを含む複数の第2燃料
集合体とを配置することにより達成される。
〔作用〕
以下、本発明による作用を説明する。
新燃料集合体の状態でプルトニウムまたは回収ウラン
を含む第2燃料集合体の幅が、新燃料集合体の状態でウ
ランを含みプルトニウム及び回収ウランを含まない第1
燃料集合体の幅よりも小さいので、第2燃料集合体に隣
接する水ギヤツプが広くなる。
このように第2燃料集合体に隣接する水ギヤツプの幅
の増加は、燃料炉心特性に次のように作用する。
(1)制御棒価値の増加 制御棒は燃料集合体と燃料集合体の間、すなわち、一
つの燃料集合体に注目するとチヤンネルボツクスの外側
の水ギヤツプに挿入される。
プルトニウムまたは回収ウランによる熱中性子吸収の
増加は、主にチヤンネルボツクス内側の燃料部で起こ
る。チヤンネルボツクス内側での熱中性子の減少に引き
ずられて、制御棒が挿入される水ギヤツプの熱中性子が
減少するため制御棒価値が減少していた。
上記の水ギヤツプ幅の増加は、水ギヤツプでの熱中性
子束の増大につながる。このため、そこに挿入される制
御棒の価値が増加するので、プルトニウム又は回収ウラ
ンを用いる燃料炉心の制御棒価値を回復することができ
る。
また、特開昭63−293493号公報では、MOX燃料集合体
の中央部に太径ウオータロツドを配置して、中央部の水
面積を増加してこの付近の熱中性子束を増加している。
これでは、水増加領域が制御棒から離れているために、
制御棒付近の熱中性子束は変らず制御棒価値の回復まで
には至つていない。
(2)反応度係数の改善 一般に反応度又は反動度係数を変更するときには、中
性子束が高く中性子インポータンスが大きい領域で諸特
性を改善するほうが、その効果は大きい。本発明では、
水ギヤツプの面積を増加することにより水対燃料体積比
を増加した。その結果、減速材密度変化に対する中性子
利用率変化は増大し、ボイド反応度係数並びに減速材温
度係数の絶対値が減少する。この際に、本発明のように
熱中性子束の高い燃料集合体周辺部での水面積を増加
し、減速効果を改善することは、中性子インポータンス
の大きい領域での水面積を増加したことになるので、特
開昭63−293493号公報の第3図のように、熱中性子束と
中性子インポータンスが低い燃料集合体中央部で水面積
を改善した場合に比べると、反応度係数の改善効果は大
きい。
また、プルトニウム又は回収ウランを含む燃料集合体
に装着される四角筒状のチャンネルボックスの隣合う2
つの側面の外側の炉心上部格子板に接する位置に、炉心
上部格子板が燃料集合体を支持することを補強するため
の支持部材を設けることにより、プルトニウム又は回収
ウランを含む燃料集合体の幅を、濃縮ウランを含みプル
トニウム及び回収ウランを含まない燃料集合体より小さ
くした場合でも、後述するように、炉心上部格子板が燃
料集合体を支持することを円滑にサポートしつつ、ボイ
ド反応度係数の低減及び炉停止余裕の増大を図ることが
できる。
また、非対称炉心格子に装荷される燃料集合体を燃料
支持金具に支持するためのガイドリングを、下部タイプ
レートの中心軸から偏心させることにより、この燃料集
合体を燃料支持金具に取り付けた際に、狭い水ギャップ
幅を広げて広い水ギャップ幅に近づけることができるの
で、水ギャップ幅の差に基づく熱中性子束分布の傾斜を
改善して平坦化を図ることができる。
〔実施例〕
本発明の一実施例である原子炉の炉心を第1図及び第
2図により説明する。
第1図は、沸騰水型原子炉の炉心を構成する1つのセ
ル、すなわち4体の燃料集合体と制御棒を示したもので
ある。燃料集合体2は天然ウランを濃縮して選られる濃
縮ウランを燃料物質とした通常ウラン燃料集合体、燃料
集合体1はプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)
を燃料物質とした燃料集合体である。燃料集合体2は、
新燃料集合体の状態でMOX及び回収ウランを含んでいな
い。燃料集合体1は、新燃料集合体の状態でMOXを含
む。燃料集合体1と燃料集合体2は軸方向(垂直方向)
の長さは同じであるが、燃料集合体1の幅(チヤンネル
ボツクスの対向する外面間の幅)は、燃料集合体2の幅
(チヤンネルボツクスの対向する外面間の幅)より約2m
m小さくなつている。また燃料棒間隙は約0.1mm狭くなつ
ている。第1図中、燃料集合体1を囲む破線は、燃料集
合体2の寸法を示す。燃料集合体1は、燃料集合体2よ
りも一まわり小さい。隣接する燃料集合体間の水ギヤツ
プ部の寸法を比較すると、燃料集合体2と燃料集合体1
との間に形成される水ギヤツプの幅は、燃料集合体2間
に形成される水ギヤツプの幅より約2mm増加する。
燃料集合体1は、上部タイプレート15,下部タイプレ
ート16、これらのタイプレートに両端部が保持される複
数の燃料棒11を有する。燃料スペーサ12は、燃料棒11の
相互の間隔を保持する。燃料スペーサ12を取囲むチヤン
ネルボツクス13は、上部タイプレート15に取付けられ
る。1つのセル内に配置された各燃料集合体は、制御棒
3に面するコーナ面にチヤンネルフアスナ(図示せず)
を有する。これらのチヤンネルフアスナが互いに接触す
ることによつて、各燃料集合体は炉心上部格子板18に押
圧される。大部分の燃料棒11は、MOXを含む燃料ペレツ
トを内部に充填する。燃料集合体2も、燃料集合体1と
同じ構成を有する。しかし、燃料集合体2の燃料棒11A
に充填される燃料ペレツトは、MOX及び回収ウランを含
まない。
また、炉心上部格子板18と接する燃料集合体1のチヤ
ンネルボツクス13の上端部には、このチヤンネルボツク
ス13と炉心上部格子板18との接触を円滑にするために、
チヤンネルボツクス13の外側に補助支持部材110が取り
付けられる。この補助支持部材110は、チヤンネルボツ
クスの4面のうち、2面に取り付けられ、炉心上部格子
板18が燃料集合体1を支持するのを補助する。また、制
御棒が挿入される水ギヤツプの幅は、チヤンネルフアス
ナの大きさを調整することにより保たれる。第3図は、
チヤンネルボツクス13の補助支持部材110との関係を示
したものであるが、補助支持部材110は、チヤンネルボ
ツクス13が炉心上部格子板18に接する軸方向位置に取付
けられる。燃料集合体軸方向における補助支持部材110
の長さは炉心上部格子板の高さが30cm程度であることか
ら、約30cmあれば十分である。また補助支持部材110の
厚さは、約1mmである。補助支持部材110は、チヤンネル
ボツクス13に溶接にて固定される。補助支持部材110を
チヤンネルボツクス13の軸方向全長にわたつて取り付け
ない理由は、燃料有効部にも補助支持部材を取り付ける
と、水ギヤツプの領域が減少するためであり、以下に述
べるボイド係数の低減と炉停止余裕増大の効果が小さく
なるためである。
アイランド型MOX燃料集合体を例にとると、ボイド反
応度係数は、ウラン燃料集合体(MOX,回収ウランを含ま
ない)より約10%増加する。しかし燃料集合体1のよう
に小型化することで、ボイド係数は約10%低減できるの
で、燃料集合体1のボイド係数を燃料集合体2と同程度
にすることができる。
また、燃料集合体2と同じ大きさのMOX燃料集合体
は、制御棒価値の減少と、減速材温度係数の増加により
炉停止余裕は約0.5%ΔK減少する。しかし、小型化し
た燃料集合体1では制御棒価値の改善と減速材温度係数
の減少により約0.5%ΔK増加するので、炉停止余裕も
燃料集合体2と同程度にすることができる。
なお、本実施例では燃料集合体1をMOX燃料集合体と
したが、回収ウランを核燃料物質に含む燃料集合体とす
ることは可能である。この場合でも、MOX燃料集合体の
場合と同様に、ボイド係数,炉停止余裕向上の効果が得
られる。回収ウランは、使用済燃料集合体の再処理によ
つて回収されたウランである。
本発明の第2の実施例である原子炉の炉心を第6図に
示す。MOX燃料集合体4は、燃料集合体1と同様にチヤ
ンネルボツクス幅を、燃料集合体2より小さくしたもの
である。しかし、この実施例は制御棒とチヤンネルボツ
クスとの間隙を燃料集合体2と同じにするために、燃料
集合体4を制御棒3側にシフトして配置している。
燃料集合体支持は、第7図に示すように、下部タイプ
レート16を炉心支持格子板21上に置かれた燃料支持金具
17の丸穴に挿入して支持される。このため、第6図に示
すように燃料集合体4を偏心させて配置するためには、
下部タイプレートの変更が必要となる。第8図は燃料集
合体4を偏心させて配置するための下部タイプレート23
を示す。ガイドリング24は下部タイプレート23の軸心A
から偏心して取付けられている。この実施例では、制御
棒ブレードとチヤンネルの間隔が各燃料集合体とも等し
いため、制御棒の挿入特性は第1の実施例より向上す
る。
また、燃料炉心格子が、D型格子(又は非対称格子)
と呼ばれる形状の炉心は、第9図の炉心配置図に示すよ
うに水ギヤツプ幅が異なつており、制御棒3が挿入され
る水ギヤツプ(以後、広ギヤツプと呼ぶ)の幅D1は、制
御棒3が挿入されない水ギヤツプ(以後狭ギヤツプと呼
ぶ。)の幅D2よりも広い。このような炉心では、燃料集
合体外側の水密度分布が非対称であるために、燃料集合
体内に熱中性子束分布の傾斜がある。すなわち、熱中性
子束は狭ギヤツプ側で小さく、広ギヤツプ側で大きくな
る。この結果、燃料集合体内の燃料棒出力を平坦化する
ためには、燃料棒内の燃料ペレツト濃縮度を燃料棒配置
毎に細かく変更する必要があり、燃料ペレツト濃縮度種
類が増加している。特に、このD型格子において本実施
例を用いると、MOX燃料集合体4は狭ギヤツプ側の水ギ
ヤツプ幅を広げることになるので、狭ギヤツプ幅を広ギ
ヤツプ幅に近づけることができる。MOX燃料集合体の場
合、D型格子配置では5〜6種類のプルトニウムの富化
度が必要であるが、本実施例により、MOX燃料集合体を
小型化し偏心配置とし、広ギヤツプ幅と狭ギヤツプ幅を
等しくした場合には、プルトニウムの富化度を3種類に
減らすことができる。プルトニウムを燃料とする場合に
は、燃料ペレツトの成型加工を完全密封容器(グローブ
ボツクス)内で行うため、プルトニウム富化度を変える
際のグローブボツクスの洗浄は、ウランの場合に比べる
と時間がかかり、製造時の稼働率低下が大きい。このた
め、MOX燃料にてプルトニウム富化度種類を減少するこ
とは、MOX燃料の成型加工費を低減できる効果がある。
これまでに述べた実施例では、ウラン燃料のウオータ
ロツド径がウラン棒とほぼ等しい場合を例に上げて説明
したが、特開昭61−278788号公報記載技術のように通常
ウラン燃料集合体が太径ウオータロツドをそなえている
場合にも、これまでの実施例と同じく、本発明を用いる
ことができる。第10図にその実施例を示す。通常ウラン
燃料集合体5は太径ウオータロツド30を燃料集合体中央
に持つ。これに対し、MOX燃料集合体6は、燃料集合体
5と同様に中央部に太径ウオータロツド30を持つ他に燃
料集合体外幅を小さくして、全体を小型化している。
さらに、通常ウラン燃料集合体の燃料棒配列がこれま
でに示した8行8列配列から、9行9列配列に変更とな
つた場合にも、MOX燃料集合体を9行9列配置したうえ
で、燃料集合体を小型化し、本発明を実施することは可
能である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、プルトニウム又は回収ウランを核燃
料物質として利用する燃料集合体及び炉心のボイド反応
度係数と炉停止余裕を、ウラン燃料集合体及び炉心と同
等に改善できる。これにより、運転余裕度を損なうこと
なく、プルトニウム及び回収ウランを軽水炉で用いるこ
とができ、天然ウラン資源を節約できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例である沸騰水型原子炉炉心
の局部平面図、第2図は第1図の燃料集合体1の概略
図、第3図は第1図の燃料集合体1の斜視図、第4図は
燃料集合体内の熱中性子束分布を説明した図、第5図は
ウランとプルトニウムの吸収断面積を比較した説明図、
第6図及び第10図は本発明の他の実施例である炉心の局
部平面図、第7図は炉心内での燃料集合体の支持を説明
する図、第8図は第6図に示した燃料集合体4の下部タ
イプレートの構造図、第9図は沸騰水型原子炉のD型格
子を説明した図である。 1……小型MOX燃料集合体、2……通常ウラン燃料集合
体、3……制御棒、4……偏心配置の小型MOX燃料集合
体、5……太径ウオータロツドを有する通常ウラン燃料
集合体、6……太径ウオータロツドを有する小型MOX燃
料集合体、11……燃料棒、12……スペーサ、13……チヤ
ンネルボツクス、14……ウオータロツド、15……上部タ
イプレート、16……下部タイプレート、17……燃料支持
金具、18……炉心上部格子板、21……炉心支持格子板、
23……下部タイプレート、24……ガイドリング、30……
太径ウオータロツド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 伸雄 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 3/30 G21C 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】新燃料集合体の状態で天然ウランを濃縮し
    た濃縮ウランを含みプルトニウム及び回収ウランを含ま
    ない複数の第1燃料集合体と、前記第1燃料集合体より
    も幅が小さく新燃料集合体の状態でプルトニウムまたは
    回収ウランを含む複数の第2燃料集合体とを備えた原子
    炉の炉心。
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