JPH0833465B2 - 沸騰水型原子炉及びその運転方法 - Google Patents

沸騰水型原子炉及びその運転方法

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JPH0833465B2
JPH0833465B2 JP63076518A JP7651888A JPH0833465B2 JP H0833465 B2 JPH0833465 B2 JP H0833465B2 JP 63076518 A JP63076518 A JP 63076518A JP 7651888 A JP7651888 A JP 7651888A JP H0833465 B2 JPH0833465 B2 JP H0833465B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、沸騰水型原子炉及びその運転方法に係
り、更に詳細には、低出力・低流量運転時に高いスペク
トルシフト効果を得られるように改良された大口径ウォ
ータチャンネル(または大口径ウォータロッド)を備え
た9×9型燃料集合体を装荷した沸騰水型原子炉と、そ
の流量制御による負荷追従運転、及び負荷追従運転と組
合せたスペクトルシフト運転に関するものである。
[従来の技術] 現在、我国で実用に供されている沸騰水型原子炉の殆
どは、8×8正方格子配列で2本のウォータロッドとと
もに62本の燃料棒を束ねた形式(8×8−2)の燃料集
合体を採用している。
この従来の8×8型燃料集合体としては、例えば第7
図に示されるものがある。
また、第6図は、沸騰水型原子炉の炉心を1/4につい
て表わしたものであり、残りの3/4炉心は、図の1/4炉心
のI軸とJ軸について対称に配置される。図において10
7は、中性子の吸収体を含む十字形の制御棒であり、101
は燃料集合体を表わす。燃料集合体101は、第7図に示
すようにNO.1〜62の計62本の燃料棒104と、内部に燃料
物質を含まず中空で冷却水を流通する2本のウォータロ
ッド105Cとを8×8正方格子状に配列して構成され、ジ
ルカロイ製のチャネルボックス106で外周を囲んで、制
御棒107に隣接して原子炉に装荷される。原子炉の出力
運転中は、冷却水がウォータロッド105C内を下部から流
入して上部までボイドを生じることなく流れる。
次に、沸騰水型原子炉の運転について説明する。
沸騰水型原子炉の運転には、定期的に燃料を交換する
ことによって、1〜2年を1サイクルとする連続運転を
維持するのに必要な余剰反応度を与えるとともに、サイ
クル末期を除いて制御棒107、及び燃料棒104の一部に混
在させたガドリニアに代表される可燃性毒物によって余
剰反応度を抑制することが必要である。同時に、炉心の
冷却水の流量(炉心流量)を減少させ、ボイド率を増加
させることによっても余剰反応度を抑制可能なことが重
要であり、これは、例えば下記文献に示されるような炉
心流量制御によるスペクトルシフト運転の基本的な原理
を与えるものである。
文献:G.C.Hopkins著; “BWR Spectral Shift" GEAP−25391(1981), General Electric,Co. スペクトルシフト運転とは、意識的に中性子スペクト
ルを変化(スペクトルシフト)させることにより、238U
の中性子捕獲を促進させ、プルトニウム生成量を増大さ
せる運転法であり、核燃料の経済性向上に有効なもので
あるが、沸騰水型原子炉においては、上記文献に示され
るように、炉心流量制御によって実現されることが知ら
れている。
ここで、この従来から知られる沸騰水型原子炉の炉心
流量制御によるスペクトルシフト運転(以下、流量制御
スペクトルシフト運転と称する)について、添付図面を
参照しながら炉心流量による冷却水のボイド率の変化、
及び余剰反応度との関係を用いて説明する。
第8図は、沸騰水型原子炉の運転出力と流量の軌跡を
示す出力・流量マップである。図示するように、原子炉
の通常の運転範囲は、定格出力流量制御曲線202、100%
流量曲線204、再循環ポンプのキャビテーション防止の
ための制限曲線207に囲まれた領域にある。なお、201は
定格出力における拡大された運転範囲(炉心流量制御範
囲)、206は自然循環曲線である。
流量制御スペクトルシフト運転を行うためには、定格
出力流量制御曲線202を高出力側203に、100%流量曲線2
04を高流量側205に拡大する。すなわち、運転サイクル
初期および中期において、炉心流量制御範囲201の下限
(201の左端、約90%流量)で運転し、余剰反応度が低
下した運転サイクル末期において炉心流量制御範囲201
の上限(201の右端、約105%流量)に移行させる。この
運転方法によれば、サイクルの初期及び中期においてボ
イド率が増加して減速材(冷却水を兼ねる)による減速
作用が低減するため、中性子スペクトルが高エネルギー
側へシフトし、その結果、燃料親物質である238Uの中性
子吸収が増加してPuへの転換比が高くなる。さらに、サ
イクル末期で流量を最大にすれば、ボイド率の低減と中
性子スペクトルの低エネルギー側への逆シフトを生じ、
生成Puの核分裂割合が増加して余剰反応度を高めること
ができる。
以上の説明から明らかなとおり、流量制御スペクトル
シフト運転による効果、すなわち転換比の増加と燃料経
済性の向上の程度は、炉心流量制御範囲の上限〜下限間
のボイド率の変化の大きさで表わされる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記のような沸騰水型原子炉の流量制
御スペクトルシフト運転においては、定格出力運転時の
可能な炉心流量の制御範囲は、約90〜105%の比較的狭
い範囲に限定される。これは、上記文献にも指摘されて
いるように、流量を大幅に低下するとバーンアウト余裕
(MCPR)を低下させ、逆に大幅に増加させると再循環ポ
ンプの容量を超えたり、炉心内構造物の振動の恐れがあ
るなどの理由により、流量に制約を受けるためである。
従って、この定格出力運転時の炉心流量の制御範囲の限
定は不可避である。
この約90%〜105%の範囲の流量制御による減速材の
量の変化、すなわち蒸気ボイド体積率の変化は、従来法
では僅か5%(炉心平均)にすぎず、スペクトルシフト
効果も小さいという問題点がある。
この発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、低出力・低流量運転時におい
て高いスペクトルシフト効果を発揮する経済性の高い沸
騰水型原子炉を得ることであり、更に、この沸騰水型原
子炉の負荷追従運転を行なうに際し、出力の調整を炉心
流量制御によって行なうことにより、高いスペクトルシ
フト効果が得られる運転方法を提供することである。ま
た、この負荷追従運転をスペクトルシフト運転と組合せ
て行なうことにより、最大のスペクトルシフト効果を達
成することも本発明の課題の一部である。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の沸騰水型原子炉
は、炉心冷却水流量制御により出力調整可能な沸騰水型
原子炉において、 9×9正方格子配列の中央部の複数の燃料棒を、下部
から上部へ向けて内部に冷却水を流通可能とした角型の
大口径ウォータチャンネルまたは丸型の大口径ウォータ
ロッドに置き換えた燃料集合体を有し、 これらウォータチャンネルまたはウォータロッドの下
部の冷却水流入路内に、炉心冷却水流量の低下に応じて
前記冷却水流入路の開口面積を狭くする手段を備えてな
るものである。
また、この沸騰水型原子炉の運転方法においては、負
荷追従運転中の出力の制御を炉心冷却材流量制御によっ
て行なうに際し、 前記ウォータチャンネルまたはウォータロッド内が、
定格出力運転時の炉心内冷却水定格流量付近において
は、蒸気ボイドが発生することなく冷却水で満たされる
とともに、低出力運転時の所定の炉心内冷却水低流量時
においては、蒸気ボイドを発生しうるように、 これら定格流量付近及び所定の炉心内冷却水流量に対
応して前記手段により前記冷却水流入路の開口面積を設
定するものである。
この場合、燃料経済性をより向上させるために、前記
負荷追従運転の定格出力付近の出力範囲において、運転
サイクル初期及び中期における炉心冷却材流量を定格流
量の約90%、運転サイクル末期における炉心冷却流量を
定格流量の約105%とする定格流量の約90〜105%の範囲
の炉心冷却材流量制御によるスペクトルシフト運転を併
せて行なってもよい。
[作用] 上記の通り、定格出力運転時の炉心冷却水流量の制御
範囲の制約(約90〜105%)は不可避であるため、本発
明は低出力・低流量運転時に高いスペクトル効果を発揮
しうる沸騰水型原子炉を得んとするものである。以下、
本発明の作用について説明する。
本発明の沸騰水型原子炉に装荷される燃料集合体は、
燃料要素の束内に大口径ウォータチャンネルまたは大口
径ウォータロッドを含む形式である。この大口径ウォー
タチャンネルまたは大口径ウォータロッド(この欄の以
下の説明ではウォータロッドに代表させる)の下部の冷
却水流入路内には、炉心冷却水流量の低下に応じて前記
冷却水流入路の開口面積を狭くする手段が備えられてい
る。従って、炉心冷却水流量が低下するとウォータロッ
ド内への冷却水流入路の開口面積が狭くなり、ウォータ
ロッド内にボイド空間が発生しやすくなる故、スペクト
ルシフト効果を発揮することが可能である。すなわち、
低流量でウォータロッド内に積極的にボイドを発生さ
せ、燃料中の238Uの中性子捕獲を促進し、プルトニウム
の生成量を増大し得る。
なお、本発明の燃料集合体を9×9型燃料集合体とし
た理由は、流量制御スペクトルシフト運転において、MC
PRを少しでも向上させ、流量制御運転の余裕を確保する
ためである。これは9×9型燃料集合体は、従来の8×
8型燃料集合体に比べて伝熱面積を増加させているた
め、単位面積あたりの熱負荷が小さくなり、MCPRが向上
することに基づく。
更に、この9×9型燃料集合体は大口径ウォータロッ
ドを備えたものとした理由は、本発明の基本的な作用が
上述のように低流量運転時においてウォータロッド内に
ボイドを積極的に発生させてスペクトルシフト効果を得
るものである故、ウォータロッドの流路面積が大きい程
効果も大きいためである。
次に、本発明の沸騰水型原子炉の運転方法について説
明する。
本発明によれば、負荷追従運転を行なうが、負荷追従
運転のための出力の調整は流量制御で行われる。その
際、ウォータロッドの下部の冷却水流入路内に設けられ
た前記手段により、炉心冷却水流量に応じて冷却水流入
路の開口面積を設定する。それは次のように行なう。
定格出力運転時の炉心内冷却水定格流量付近において
は、従来のウォータロッドと同様に、ウォータロッド内
にボイド空間が発生することなく冷却水が満たされるよ
うに設定する。
一方、低出力運転時の所定の炉心内冷却水低流量時に
おいては、ボイト空間を発生しうるように設定する。
この場合、所定の低流量運転時にスペクトルシフト効
果が生じる。すなわち、所定の低流量でウォータロッド
内にボイド空間が発生し、プルトニウムの生成量が増大
する。また、定格流量付近ではボイド空間が消滅するた
め、プルトニウムの生成量は減少する。
従って、負荷追従運転を行いながら、燃料を経済的に
燃焼させることが可能である。
更に、前記負荷追従運転の定格出力付近の運転時に
は、流量制御によるスペクトルシフト運転を併せて行な
うことも可能である。この場合、スペクトルシフト運転
の流量制御範囲は、従来法と同様に、定格流量の約90〜
105%の範囲である。従って、スペクトルシフト運転単
独で得られるスペクトルシフト効果は従来法と同様であ
る。しかし、前記負荷追従運転によってもスペクトルシ
フト効果が得られるので、両運転を併せて行なうことに
より、結果として高いスペクトルシフト効果が期待でき
る。
[実施例] 本発明の実施例として、本発明の沸騰水型原子炉に装
荷される9×9型燃料集合体の主要な設計諸元を第1表
に示す。
第1表のA欄に示される実施例は1本の大口径角型ウ
ォータチャンネルを備えた9×9型燃料集合体であり、
B欄に示される実施例は2本の大口径丸型ウォータロッ
ドを備えた9×9型燃料集合体である。
これらA欄及びB欄に示した9×9型燃料集合体は、
各々の横断面図が第1図及び第2図に示されている。第
1図及び第2図において、図中に付した符号103及び104
は、寸法形状が異なる点を除いては上記従来技術の第7
図に示した従来型8×8型燃料集合体と同様の構成要素
を示している。
なお、第1表のC欄には、比較のため従来型8×8型
燃料集合体の主要な設計諸元が示されている。
第1表から明からなように、本発明で採用する9×9
型燃料集合体は、従来の8×8型燃料集合体に比して伝
熱面積が大きく、一方、大口径のウォータチャンネル10
5Aまたはウォータロッド105Bの断面積は、従来の8×8
型燃料集合体用ウォータロッドに比して3〜5倍程度の
大きさを有する。
これら大口径のチャンネル105Aまたはウォータロッド
105Bを備えた9×9型燃料集合体を採用した理由につい
ては、上記作用の欄で述べた通りである。
次に、ウォータチャンネル105A(またはウォータロッ
ド105B)の下部構造について説明する。
第3図は本発明の9×9型燃料集合体(第1表A欄及
び第1図に示したものに相当)の内部説明図であり、構
造的特徴が明らかとなるように燃料棒の大部分を取り除
いて示してある。
第3図に示す9×9型燃料集合体は、中央の3行3列
の燃料棒104が1本の角形ウォータチャンネル105Aに置
換された形式であり、ウォータチャンネル105Aの下部構
造(炉心冷却水流量の低下に応じて冷却水流入炉の開口
面積を狭くする手段)は、第4図に断面図で示されてい
る。
第3図〜第4図において、冷却水はウォータチャンネ
ル105Aの下部端栓105aの周方向数ケ所に設けられた入口
105cより流入し、下部端栓105aの内周面に逆三角推状に
設けられた弁室105fの内壁と逆三角推状のフロート弁10
5dとの間隙を通ってウォータチャンネル105A内を上昇
し、ウォータチャンネル出口105bより流出する。フロー
ト弁105dは炉心冷却水流量により上下に移動可能であ
り、その上方への移動を制限するためのストッパー(係
止手段)105eが弁室105fの上方に溶接等で固定されてい
る。このストッパー105eは放射状に2〜3ケ所設けるに
とどめてあり、フロート弁105dと下部端栓105aの間隙を
通ってきた冷却水の流れを防げないようになっている。
第4図中、フロート弁105dは実線と破線で示してある
が、原子炉の定格出力で炉心冷却水流量が定格の90%の
時に、ウォータチャンネル105A内に流入する流量で破線
の位置になるように設定する。ウォータチャンネル105A
の流量を駆動する圧力差△Pは炉心冷却水流量に強く依
存している故、ウォータチャンネル105A内に流入する流
量が減少すると、フロート弁105dは下降するが、出力65
%、炉心冷却水流量40%位で実線の位置になるように設
定する。
この実施例では、フロート弁105dが位置する部分の流
れ抵抗をあらわす局所圧損係数は、フロート弁105dが上
限(点線)の時に比して、下限(実線)の位置では約8
倍になる。
次に、この下部構造によるウォータチャンネル105Aま
たはウォータロッド105B内のボイド空間の成因について
説明する。
ウォータチャンネル105Aまたはウォータロッド105B
(以下の説明では単にウォータロッドと称する)の流量
を駆動する圧力差を△Pと定義する。この△Pは次式で
表わされる。
△P=P1−P2 ……(1) または、 △P=△Pa+△Pb+△Pw ……(2) 但し、P1:ウォータロッド入口のインチャンネル(チャ
ンネル・ボックス内部であり、ウォータロッドの外)の
圧力 P2:ウォータロッド出口のインチャンネルの圧力 △Pa:ウォータロッド入口の圧損 △Pb:ウォータロッド出口の圧損 △Pw:ウォータロッド直管部の圧損 上記(2)式において、△Pwはウォータロッド内の流
速が小さいため、摩擦圧損と加速圧損を無視して △Pw=△Ph =ρL ……(3) と近似できる。
但し、 △Ph:静水頭 L:ウォータロッドの直管部長さ(正確に表現すれば、冷
却材入口と出口の間の距離) ρ:ウォータロッド内の冷却材平均密度 さらにρは、(2),(3)式から次式により表わす
ことができる。
ρ=1/L{△P−(△Pa+△Pb)} ……(4) なお、ここでρは、ボイト発生がある場合、その体積
も含めた平均値である。
一方、低流量時においては、ウォータロッド入口のイ
ンチャンネル圧力P1が小さくなるとともにウォータロッ
ド流量駆動圧力差△Pも小さくなる。(4)式を参照す
れば、この時にウォータロッド出入口の圧損の和△Pa
△Pbを十分な大きさの値に設定しておけば、ρを小さく
できることが解る。ρの低下に伴ないウォータロッド内
にはγ線過熱、中性子減速、及びウォータロッド管壁か
らの熱伝達により蒸気が発生し、ボイド空間が存在する
ことになる。ウォータロッド出入口の圧損の和△Pa+△
Pbは、ウォータロッド入口の圧損△Paの設定、すなわち
フロート弁の設定により、十分な大きさの値に設定する
ことができる。
なお、従来型燃料重合体においては、通常運転範囲
(上記第8図に示した202,204,207の各線で囲まれる領
域)において、ウォータロッドにボイドを発生させない
ことを条件として、ウォータロッド内に冷却水が満たさ
れるように構成されていたため、低出力・低流量運転時
においても、流量駆動圧力差△Pが小さくなる割合より
もウォータロッド出入口の圧損の和△Pa+△Pbが小さく
なる割合の方が大きく、ボイド空間が発生しにくく、例
え発生したとしてもその量は実用的なスペクトルシフト
効果を得るには十分ではなかった。
次に、本発明の沸騰水型原子炉の運転方法について説
明する。
本発明の運転方法においては負荷追従運転を行なう
が、負荷追従に伴なう出力の調整は炉心冷却水流量制御
で行なう。この場合、上記ウォータロッドの下部構造に
より、低出力・低流量時にスペクトルシフト効果が生じ
る。従って、負荷追従運転を行ないつつ燃料を経済的に
燃焼させることができる。なお、付言すれば、典型的な
日負荷追従運転の出力の調整パターンは、所謂14h−1h
−8h−1h方式である。すなわち、100%定格出力を14時
間保持した後、低出力、例えば定格出力の65%に落し、
その低出力を8時間保持した後に、1時間で100%出力
に再度復帰するパターンを繰り返すものである。
更に、上記負荷追従運転の際には、定格出力付近の運
転時に、上記従来技術の流量制御スペクトルシフト運転
を併せて行なう方法もある。この場合、従来技術の流量
制御スペクトルシフト運転によるスペクトルシフト効果
に加えて、上記負荷追従運転のスペクトルシフト効果を
併せて得られ、高いスペクトルシフト効果を達成でき
る。
次に、本発明の重要な構成要因であるウォータロッド
内流量とボイド発生について、第5図に示す出力・流量
マップを参照して説明する。
第5図は本発明の沸騰水型原子炉の流量制御によるス
ペクトルシフト運転及び負荷追従運転時の運転出力と流
量の軌跡を示し、ボイド体積率を併せて示してある。こ
の場合、上記本発明で採用する燃料集合体は、炉心最外
周には92体、その内周側には672体が装荷されており、
炉心全体の全装荷数は764体(672+92)である。
第5図において、301は定格出力の流量制御スペクト
ルシフト運転の、302は流量制御による負荷追従運転
(出力100〜65%,流量100〜40%の範囲)の特性曲線を
示す。また、303は炉心内周側の燃料集合体672体につい
ての、304は炉心最外周の92体についてのウォータロッ
ド内に発生するボイドのウォータロッド内での体積平均
を示す。
炉心内周の燃料集合体のボイド率303を参照すると、
低流量では約25%のボイド率であるが、定格流量ではわ
ずかに5%強程度となっている。
一方、炉心最外周の燃料集合体のボイド率304は、炉
心冷却水流量の全範囲に亘って、炉心内周側のボイド率
303よりも2〜3%大きくなっている。これは、炉心最
外周では出力が低下するため、オリフィス(図示しない
が、第3図の下部タイプレート108より下に設置される
燃料サポートに取り付けられる炉心構成要素)によって
燃料集合体に流入する冷却水流量全体が低くなるように
制御されているためである。従って、本発明の構成で
は、上記最外周のボイド率上昇は不可避である。しか
し、最外周の燃料集合体の装荷数は、炉心全体の約10%
に過ぎないため、本発明の効果は内周側に装荷された約
90%の燃料集合体によって得ることができる。
なお、第5図の305は、炉心内周の燃料集合体のボイ
ド率303の変化を、インチャンネル内ボイド率に換算し
たものである。換算式は下記の通りである。
α=α×Aw/AI 但し、 α:ウォータロッド内ボイド率より換算したインチャン
ネル内相当ボイド率 αw:ウォータロッド内平均ボイド率 Aw:ウォータロッド内流路面積 AI:インチャンネル内流路面積(ウォータロッド内流路
面積を除く) この特性曲線305から明らかなように、本発明におい
ては、低流量で実効的なボイド率が増大し、流量制御負
荷追従運転を行うことにより、約5%のインチャンネル
内ボイド率変化に相当するスペクトルシフト効果が得ら
れる。これは従来の流量制御スペクトルシフト運転によ
る効果が最大約5%程度であることを考慮すれば大きな
効果である。というのは、本発明の沸騰水型原子炉にお
いて流量制御負荷追従運転を行なう際、従来の流量制御
スペクトルシフト運転を併せて行なえば、両運転の効果
を合せて最大10%のボイド率変化に相当するスペクトル
シフト効果が達成されるためである。
参考までに、第5図中には、従来型9×9型燃料集合
体764体を上記と同様に炉心に装荷した場合のウォータ
ロッド内ボイド率変化306,307を併せて示してある。306
は内周側の燃料集合体672体について、307は最外周の燃
料集合体9体について示すものである。なお、ここで従
来型9×9型燃料集合体とは、本発明のような下部構造
を持たない点を除いては、その構成は第1表A,B欄に示
したものと同様である。定格流量の約40〜105%の流量
制御範囲における内周側のボイド率変化306は、ウォー
タロッド内ボイド率で僅か5%程度の変化しかなく、本
発明の方が約3倍以上大きい。
[発明の効果] 本発明は、以上説明したように構成されているので、
以下に記載されるような効果を奏する。
炉心に装荷される燃料集合体の大口径ウォータチャン
ネル(または大口径ウォータロッド)の下部の冷却水流
入路内に、炉心冷却水流量の低下に応じて冷却水流入路
の開口面積を狭くする手段を備えたため、この手段によ
り冷却水流入路の開口面積を適宜に設定すれば、低流量
運転時のウォータチャンネル(またはウォータロッド)
内に積極的にボイドを発生させ、スペクトルシフト効果
を発揮することが可能である。
また、この沸騰水型原子炉は、上述の通り低流量運転
に効果的である故、低流量運転を伴なう流量制御負荷追
従運転には特に好適である。この場合、前記手段によっ
て、所定の低流量時にウォータチャンネル(またはウォ
ータロッド)内にボイドが発生するように冷却水流入路
の開口面積を設定することにより、負荷追従運転を行い
ながらスペクトルシフト効果が得られる。
更に、流量制御負荷追従運転と流量制御スペクトルシ
フト運転とを併せて行なうことにより、最大のスペクト
ルシフト効果が得られ、燃料経済性の高い優れた運転法
が達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の沸騰水型原子炉に装荷する
9×9型燃料集合体の断面図、第3図は本発明の沸騰水
型原子炉に装荷する9×9型燃料集合体の内部説明図、
第4図は第1図〜第3図の燃料集合体に用いるウォータ
チャンネル(またはウォータロッド)の下部構造を示す
断面図、第5図は本発明の沸騰水型原子炉の流量制御運
転時の出力・流量・ボイド率の特性を示す線図、第6図
は沸騰水型原子炉の炉心の1/4を表わす断面図、第7図
は従来型8×8型燃料集合体の断面図第8図は沸騰水型
原子炉の流量制御特性を示す線図である。 105A……ウォータチャンネル 105B……ウォータロッド 105a……下部端栓 105b……ウォータチャンネル出口 105c……入口 105d……フロート弁 105e……ストッパー 105f……弁室
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9216−2G G21C 7/26 GDB S

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉心冷却水流量制御により出力調整可能な
    沸騰水型原子炉において、 9×9正方格子配列の中央部の複数の燃料棒を、下部か
    ら上部へ向けて内部に冷却水を流通可能とした角型の大
    口径ウォータチャンネルまたは丸型の大口径ウォータロ
    ッドに置き換えた燃料集合体を有し、 これらウォータチャンネルまたはウォータロッドの下部
    の冷却水流入路内に、炉心冷却水流量の低下に応じて前
    記冷却水流入路の開口面積を狭くする手段を備えてなる
    ことを特徴とする沸騰水型原子炉。
  2. 【請求項2】請求項1記載の沸騰水型原子炉の運転にお
    いて、負荷追従運転中の出力の制御を炉心冷却材流量制
    御によって行なうに際し、 前記ウォータチャンネルまたはウォータロッド内が、定
    格出力運転時の炉心内冷却水定格流量付近においては、
    蒸気ボイドが発生することなく冷却水で満たされるとと
    もに、低出力運転時の所定の炉心内冷却水低流量時にお
    いては、蒸気ボイドを発生しうるように、 これら定格流量付近及び所定の炉心内冷却水流量に対応
    して前記手段により前記冷却水流入路の開口面積を設定
    したことを特徴とする沸騰水型原子炉の運転方法。
  3. 【請求項3】前記負荷追従運転の定格出力付近の出力範
    囲において、運転サイクル初期及び中期における炉心冷
    却材流量を定格流量の約90%、運転サイクル末期におけ
    る炉心冷却材流量を定格流量の約105%とする定格流量
    の約90〜105%の範囲の炉心冷却材流量制御によるスペ
    クトルシフト運転を併せて行なうことを特徴とする請求
    項2記載の沸騰水型原子炉の運転方法。
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