JP3008586B2 - 人工補填補綴材料の製造方法 - Google Patents

人工補填補綴材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工補填補綴材料、即
ち、歯や骨の欠陥部分を補填、補綴する材料の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯や骨の欠損部分を人工材料で補填、補
綴することは古くから行われている。即ち、従来より生
体に適用されてきた人工補填補綴材料としては、金属材
料、有機材料、無機材料等があるが、強度、安全性、生
体との親和性、接着性等で改善点を有しており、より生
体に近似した材料の開発が現在も継続しているのが現状
である。
【0003】特に人工材料を用い歯や骨の欠損部を補填
補綴する際の問題点として生体と材料との接着性があ
り、これは人工材料の埋込後2〜3ケ月経過した後に、
人工材料と生体組織が安定的状態を形成することが必要
であるが、かかる接着性を改良するために水酸化アパタ
イト、三リン酸カルシウム等の生体活性材料が知られて
いる。 これらの生体活性材料では生体中の骨芽細胞が
自ら生産するアパタイトと該材料とが一体化し骨癒着を
生じるものといわれているが、かかる材料は主としてセ
ラミックスであるため生体骨組織と比較すると強度の点
で相対的に低く、かつ材料表面に傷等が生ずると極端に
強度が低下するという課題を有している。
【0004】これに対し、金属材料、炭素材料、アルミ
ナ、ジルコニア等の生体不活性材料では強度の点で生体
骨組織を凌ぐものがあるものの、生体との接着性の点で
生体活性材料に劣る。そこでかかる接着性を改善するた
めに材料表面に凸凹を設けたり、あるいは生体と同様の
結合組織を形成させるように材料表面に多孔構造層を設
け、強固な接着性を生体との反応により生じさせる方法
(特公昭61−9859号公報)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
生体活性材料あるいは生体不活性材料は生体との接着性
にそれぞれの特徴があるものの、かかる接着が一応完了
するための期間はいずれも約2〜3ケ月という長期間を
要し、かかる期間人工補填補綴材料を埋入部に静置保持
する必要がある。そして静置保持が不十分であると、接
着に要する期間が更に延びたり、あるいは炎症等により
接着不能となったりする等の課題を有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等はか
かる課題を解決すべく鋭意検討した結果、表面に炭素質
多孔層を有する基材に、リン酸カルシウム化合物及び該
化合物と基材を接着させ得るバインダーを含むスラリー
を塗布し、乾燥し、焼成して該バインダーを炭化するこ
とにより、人工補填補綴材料の接着力が高まり、接着に
要する期間も飛躍的に短縮できることを見出し、本発明
に到達した。
【0007】即ち、本発明の目的は、短期間で強固に接
着可能な高特性の人工補填補綴材料を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】然して、かかる本発明の
目的は、表面に炭素質多孔層を有する基材に、リン酸カ
ルシウム化合物及び該化合物と基材を接着させ得るバイ
ンダーを含むスラリーを塗布し、乾燥し、焼成して該バ
インダーを炭化することを特徴とする人工補填補綴材料
の製造方法により容易に達成される。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる基材は、表面に炭素質多孔層を有しているこ
とが特徴である。その様な基材は、全体が多孔性の炭素
材料からなる基材と、多孔性の炭素材料以外の材料から
なる芯材の表面に、後から炭素質多孔層を形成させてな
る基材とに大別される。
【0010】前者、即ち、全体が多孔性の炭素材料から
なる基材の具体例としては、各種の炭素繊維強化炭素材
料、焼結型炭素材料又はガラス状炭素材料等が挙げられ
る。一方、後者の基材用の芯材としては、従来この分野
に用いられている芯材ならいずれも使用可能で、具体的
には、白金、チタン、タンタル、タングステン等の金属
やこれらの合金、各種の炭素繊維強化炭素材料、焼結型
炭素材料又はガラス状炭素材料等の炭素材料、アルミ
ナ、ジルコニア、リン酸カルシウム、チタニア、生体性
ガラス等のセラミック等が挙げられる。これらの芯材の
表面に炭素質多孔層を形成させて本発明用の基材を製造
する方法は、特に限定されないが、特公昭61−985
9号公報に詳細に記載されている方法が好ましい。
【0011】即ち、例えば炭素繊維の比較的長繊維を用
いた編織布、不織布、フェルト、紙、あるいは比較的短
繊維のチョップドストランド等を上記の芯材表面上に被
覆固定する。その際、編織布、フェルト、紙等を用いる
場合にはこれらを適宜の大きさに切断して必要に応じて
有機質接着剤を用いて付着させ、更に必要ならば長繊維
をもって巻き付け固定する。チョップドストランドを用
いる場合には基材表面の必要部分に有機質接着材を塗布
しておき、これにチョップドストランドをまぶすように
付着固定する方式が採用される。次いで得られたもの
(以下、これを堆積用炭素材と呼ぶ。)に熱分解炭素を
析出させて一体化させる。この熱分解炭素処理は、基材
の温度が600℃以上2300℃以下、望ましくは70
0〜1100℃、基材から表面に向かって負の温度勾配
を持つ状態をつくるようにして、熱分解炭素を析出させ
ることが優れた炭素質多孔質層を形成させるために好適
である。この様な負の温度勾配を持たせるには具体的に
は高周波誘導加熱等が採用される。
【0012】かくして形成された炭素質多孔質層は典型
的には例えば繊維がランダムな方向に多数重なり合っ
て、しかも互いに強固に結着している構造であって、形
成される細孔の大きさは基材表面付近では孔径が100
μm以上、好ましくは200μm以上の細孔が含まれて
おり、基材の内部方向に向かって孔径が小さくなってい
る。即ち、内部に向かって次第に空隙率が小さくなるよ
うな空隙率分布を有する多孔質層となっており、接着強
度向上の観点からも好ましい。
【0013】多孔質部分の少なくとも一部が骨の内部に
埋入された場合、骨組織が多孔質部分の細孔内に侵入し
て強固な結合組織が形成される。また、かりにリン酸カ
ルシウム化合物が基材表面付近から脱落した場合でも、
細孔内には残留して所期の効果を失わないから、リン酸
カルシウム化合物の脱落を防止するために基材表面に触
れないようにする必要がなく、取り扱いが容易になると
いう利点もある。
【0014】特に、本発明においては、該多孔層が炭素
質なので、弾性率が骨と比較的近く、骨組織が侵入した
場合の親和性が優れている。以上、本発明に用い得る種
々の基材を列挙したが、多孔層作製の際、直接通電加
熱、高周波誘導加熱方式を用いることができるため、導
電性の芯材を用いることが望ましい。なぜなら、基材に
不織布等を固定し熱分解炭素を析出させる際、不織布内
部の温度勾配が基材側から表面側に負となるため、空隙
率の分布を表面ほど高くさせることができるからであ
る。
【0015】なお、作製した炭素質多孔層を芯材から取
り外し、接着剤を用いて別の芯材に接着してもよい。こ
の場合、芯材は導電性、非導電性に拘らず列挙した金
属、セラミックスを用いることができる。また、本発明
方法を人工歯根材に適用する場合には、用いる芯材の一
部にネジ切り構造または非ネジ切り構造の非円形断面部
分を設けると、脱落を物理的に防止でき好ましい。
【0016】本発明人工補填補綴材料を、人工歯根材と
して用いる場合には、細菌の侵入を防ぐ為、炭素質多孔
層部分が、口腔内に露出せず、全て顎骨内に埋入されて
いることが重要である。本発明は、上記の様な表面に炭
素質多孔層を有する基材に、リン酸カルシウム化合物及
びバインダーを含むスラリーを塗布し、乾燥し、焼成し
て炭化することを特徴とする。
【0017】リン酸カルシウム化合物としては、例えば
無水リン酸二石灰(CaHPO4 )、ピロリン酸石灰
(Ca2 2 7 )、ブルシャイト(CaHPO4 2H
2 O)、リン酸三カルシウム(Ca3 (PO4 2 )、
ハイドロキシアパタイト(Ca 10(PO4 6 (OH)
2 )等が挙げられ、中でもその骨誘導作用の強さ故、リ
ン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイトまたはそれ
らの混合物が好ましいが、これらに限定されるものでは
ない。
【0018】リン酸カルシウム化合物の有する骨誘導作
用とは、繊維状の生体組織が基材表面で成長し、骨組織
に変化するのを促進する作用である。本発明において
は、基材表面が炭素質多孔層となっており、多くの場
合、該多孔層を形成する繊維と生体組織が互いにからみ
あった二重編目構造を形成し、互いに非常に強固に接着
する。
【0019】リン酸カルシウム化合物は、上記骨誘導作
用を発現させるのに必要十分な量使用すればよく、具体
的には、基材表面に0.1μm以上の層をなす程度以上
の量使用するのが適当である。より詳細には、基材表面
付近の細孔表面に、約0.1μm以上の層をなす程度以
上の量使用するのが適当で、より好ましくは、基材の表
面及び内部の全細孔表面に厚さ0.1μm以上のリン酸
カルシウム化合物層を形成させるのがよい。
【0020】該リン酸カルシウム化合物層を形成せしめ
るスラリー中のリン酸カルシウム化合物の濃度は、低す
ぎれば骨誘導作用が発揮されず、また高すぎれば基材表
面の細孔を閉塞させ、生体組織の侵入に悪影響を及ぼす
恐れがある。従って基材の気孔径にもよるが、スラリー
中のリン酸カルシウム化合物濃度は通常0.5〜50w
t%の範囲で用いられ、好ましくは1〜20wt%の範
囲で用いられる。
【0021】リン酸カルシウム化合物を含むスラリーに
用いる分散媒は、水のほか、クロロホルム等の非水溶媒
のいずれをも用いることができ、特に限定されない。リ
ン酸カルシウム化合物とともにスラリー中に含有させる
バインダーは、該スラリーを乾燥させた際に、リン酸カ
ルシウム化合物を炭素質多孔層の表面及び細孔内に添着
させるのに充分な結着力を発現しうるものであれば特に
限定されず、分散媒の種類に応じて、該分散媒に溶解す
るものの中から適宜選択され、一般的な工業用バインダ
ーを用いることができる。具体的には、分散媒が水の場
合には、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース
及びアルギン酸等のナトリウム塩及びアンモニウム塩等
の塩、アラビヤゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ポリビニルピロリドン並びにポリビ
ニルアルコール等が挙げられ、有機溶媒を用いる場合に
は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール及び
ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。このう
ち、ポリアクリル酸アンモニウム等のポリアクリル酸塩
は、水溶性で、分散媒として水を用いることができるの
でスラリーの取扱が容易であり、かつリン酸カルシウム
化合物の分散剤としての作用もあるので、別に分散剤を
添加する必要が全くなく、焼成後も炭素以外は残らない
ので好ましい。
【0022】バインダーは、リン酸カルシウム化合物を
炭素質多孔層に接着させるのに必要十分な量用いればよ
く、具体的には、リン酸カルシウム化合物に対し、1〜
50wt%、好ましくは5〜30wt%の範囲で用いら
れる。
【0023】また、本発明方法は、表面に炭素質多孔層
を有する基材に、リン酸カルシウム化合物及びバインダ
ーを含むスラリーを塗布し、乾燥し、焼成することが特
徴だが、該スラリーの成分はリン酸カルシウム化合物及
びバインダーだけに限定されるものではなく、必要に応
じて、他の成分も併用してよい。例えばスラリーを製造
する際、分散媒中へ、リン酸カルシウム化合物を均一に
分散させることにより、炭素質多孔層へのリン酸カルシ
ウム化合物の不均一な付着や、凝集塊による表面細孔の
閉塞等を防止する目的で、必要に応じて、公知の分散剤
を用いるのが好ましい。
【0024】かかる分散剤としては、分散媒が水の場合
には、例えば塩酸等の無機酸が用いられる。また、上述
したポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース
塩、アルギン酸塩等のバインダーは、分散剤としての効
果も大きいので、他のバインダーを使用した場合に、該
バインダーとは別に、分散剤としてスラリーに添加して
もよい。
【0025】分散媒が有機溶媒の場合には、脂肪酸モノ
グリセライド、ソルビタン脂肪酸部分エステル、ショ糖
脂肪酸エステル等の分散剤が好ましい。なお、これらの
分散剤中の脂肪酸に相当する部分としては、ステアリン
酸、オレイン酸、パルミチン酸等が好ましい。これらの
分散剤の使用量は、分散媒及びリン酸化合物の種類にも
よるが、通常、リン酸化合物の0.1〜10wt%、好
ましくは0.1〜5wt%用いられる。
【0026】さらに、スラリーを作成するときにはバイ
ンダー、分散剤の混合順序も燐酸カルシウム化合物の分
散性に影響を及ぼすため重要である。燐酸カルシウム化
合物と分散剤を溶解させた一部の分散媒を分散容器内
で、所定時間分散、粉砕処理を行なった後、バインダー
を溶解した分散媒を添加しさらに分散、粉砕処理を行
う。分散、粉砕処理には通常用いられるボールミルや振
動ボールミル、ペイントシェイカーなどが用いられる。
【0027】本発明方法は、表面に炭素質多孔層を有す
る基材に、リン酸カルシウム化合物及びバインダーを含
むスラリーを塗布し、乾燥し、焼成して該バインダーを
炭化することが特徴で、リン酸カルシウム化合物及びバ
インダーを含むスラリーを基材表面に塗布する方法は特
に限定されず、細孔内部への塗布の効果が大きい点で、
真空含浸が最も好ましいが、簡便には、浸漬塗布、スプ
レー塗布等の方法でも可能である。
【0028】分散処理されたスラリーを炭素質多孔層中
に含浸する。このとき歯根材を減圧にした後スラリーを
導入し、所定時間後常圧に戻すことによりスラリーは多
孔層内部にまで含浸される。なお、分散媒が水の場合に
は、スラリーと多孔質炭素との濡れが悪いため含浸に先
立ち炭素表面の親水化処理するのが好ましい。親水化処
理には、酸による湿式酸化や酸素による乾式酸化などの
手法がとられるが、芯材に対してマイルドであるという
点から酸素、空気プラズマによる処理が望ましい。
【0029】乾燥方法も、リン酸カルシウム化合物が炭
素質多孔層の表面及び細孔内に接着されるのに必要十分
な温度、時間を選択すればよく、自然に乾燥しても、熱
風乾燥してもよい。焼成は、非酸化性雰囲気下、500
〜1000℃、好ましくは600〜800℃で行うのが
好ましい。該焼成により、分散剤が炭化されて炭素質多
孔層と一体化し、燐酸カルシウム化合物が基材に強固に
添着する。生体に埋入後も燐酸カルシウム化合物は殆ど
流出することなく骨誘導作用を発現すると考えられる。
従って、生体への短期間で強固な接着が実現される。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。 (実施例1)直径3.2mm、長さ1.5mmの柱状頭
部とその下に直径1.9mm、長さ9.5mmの柱状の
足を設けたチタン製の芯材の足の部分に炭素繊維のフェ
ルトを厚さ5mmに巻き付ける。このサンプルを反応器
内で高周波誘導加熱により700℃に加熱したのち、A
rガスをキャリアーガスとしてジクロルエチレンの蒸気
を反応器内に導入して熱分解炭素を生成させる。1時間
の反応の後、チタン芯材と炭素繊維が熱分解炭素で接着
され一体化した、表面が開気孔である多孔構造層をもつ
材料を得る。この材料の表面状態を細工用グラインダー
にて整え、直径3.2mm、全長11.6mmのチタン
製の頭部をもち、その下に表面が開気孔である炭素質多
孔構造層をもつ基材を作製する。更に、該基材表面の炭
素質多孔層をエアプラズマ処理(300W,0.3to
rr,10分)により親水化した。ハイドロキシアパタ
イト(HAP)10g、バインダーとして、日本化薬
(株)製、特殊ポリアクリル酸共重合体「カヤディスパ
ー」1g、水89gを分散球70gと共に容器にいれペ
イントシェイカー処理を6時間行い、スラリーを得た。
このスラリーを、前記基に真空含浸しHAPを添着させ
た。これをSEM観察したところ、補填補綴材の表面お
よび内部の添着状態は良好であった。
【0031】つぎに、分散剤を炭素化することを目的と
して不活性雰囲気下で700℃1時間の処理を行なっ
た。熱処理後のサンプルを超音波洗浄したがHAP粒子
の脱落はほとんど見られなかった。また、該補填補綴材
をニホンザルの大腿骨に埋入し、一定期間経過後屠殺
し、該大腿骨を取り出して、該補填補綴材との剪断接着
強度をミネベア社製機械的特性解析装置、“TCM50
00A”を用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0032】(実施例2)基材に真空含浸するスラリー
の組成を、HAP10g、バインダーとして、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)0.2
g、水89.8gとした以外は、前記実施例1と全く同
様にした結果を表1に示す。
【0033】(比較例1)分散剤の炭素化及びエアプラ
ズマ処理の工程を省いた以外、前記実施例2と全く同様
にした結果を表1に示す。 (比較例2)実施例1と全く同様にして製造した基材
に、HAPを添着させないでそのままニホンザルの大腿
骨に埋入した以外前記実施例1と全く同様にした結果を
表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明方法によれば、生体に、従来より
短期間で強固に接着可能な人工補填補綴材料を、容易に
製造可能であって、また、リン酸カルシウム化合物の脱
落が防止され、該リン酸カルシウム化合物は生体に埋入
後も殆ど流出せずに効果的に作用する。従って、生体組
織が速やかに多孔層に侵入するので、従来より短期間で
強固に接着可能な人工補填補綴材を容易に製造可能であ
る。また、本発明方法によれば、リン酸カルシウム化合
物の脱落を防止するために基材表面に触れないようにす
る必要がなく、工程中の基材の取り扱いもより容易にな
るという利点もあり、多大な工業的利益を提供するもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000005968 三菱化学株式会社 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 (72)発明者 大谷 杉郎 群馬県桐生市菱町黒川2010番の2 (72)発明者 ▲柳▼澤 定勝 東京都港区三田二丁目3番34−407号 (72)発明者 新島 邦雄 埼玉県大宮市上小町563番地 (72)発明者 松浦 一志 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 町野 洋 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 布施 亨 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 27/00 A61K 6/00 - 6/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に炭素質多孔層を有する基材に、リ
    ン酸カルシウム化合物及び該化合物と基材を接着させ得
    るバインダーを含むスラリーを塗布し、乾燥し、焼成し
    て該バインダーを炭化することを特徴とする人工補填補
    綴材料の製造方法。
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