JP5400317B2 - インプラント材料 - Google Patents

インプラント材料 Download PDF

Info

Publication number
JP5400317B2
JP5400317B2 JP2008105701A JP2008105701A JP5400317B2 JP 5400317 B2 JP5400317 B2 JP 5400317B2 JP 2008105701 A JP2008105701 A JP 2008105701A JP 2008105701 A JP2008105701 A JP 2008105701A JP 5400317 B2 JP5400317 B2 JP 5400317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating layer
implant
layer
zirconia
implant material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008105701A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008284349A (ja
Inventor
建記 柏原
茂 吉岡
充雄 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikusui Kagaku Kogyo KK
Original Assignee
Kikusui Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kikusui Kagaku Kogyo KK filed Critical Kikusui Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2008105701A priority Critical patent/JP5400317B2/ja
Priority to US12/148,086 priority patent/US20080274160A1/en
Priority to EP08007478A priority patent/EP1992368A3/en
Publication of JP2008284349A publication Critical patent/JP2008284349A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5400317B2 publication Critical patent/JP5400317B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

本発明は、例えば、歯科、整形外科、形成外科、口腔外科等の分野において、人工歯、人工骨として用いられるインプラント材料に関する。
近年、人工歯根、人工骨などのインプラント材料を生体に挿入し、失われた機能を回復させる、いわゆるインプラントテクノロジーが注目されている。
歯科用インプラント材料としては、主として、チタン等の金属材料が使用されてきた。しかし、チタン製のインプラント材料と、金合金製の上部構造物との間で生じるガルバニック作用により、チタンが溶出し、この溶出したチタンがインプラント材料の周囲組織に分布することが報告されている。この現象は、体内に蓄積された金属イオンによって引き起こされるアレルギーの一因となるものと考えられる。
そこで、不導体であり、上記のようなガルバニック作用を生じさせないセラミックス製のインプラント材料が提案されている(特許文献1参照)。
特開平10−85240号公報
しかしながら、セラミックスから成るインプラント材料は、生体に移植したとき、生体の組織(例えば骨組織)との結合に長時間を要するという問題があった。これは、生体にインプラント材料を移植したとき、その周囲におけるpHが3〜4.5になり、結果として骨増殖性が低下してしまうことに起因する。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、セラミックスが主成分であっても、短時間で生体組織と結合するインプラント材料を提供することを目的とする。
(1)請求項1の発明は、
平均結晶粒子径が0.3μm以下である部分安定化ジルコニアを主成分する基材と、
セラミックスを主成分とし、中心気孔径が10〜100μmの範囲にある多孔質である被覆層と
を備え、
前記被覆層は、5〜10重量%のカルシウムを含むことを特徴とするインプラント材料を要旨とする。
本発明のインプラント材料は、カルシウムを含む被覆層を有することにより、生体に移植したとき、生体組織(例えば骨組織)との結合が短時間で進むという効果を奏する。
これは、以下の現象が生じているためであると推測できる。すなわち、生体にセラミックスから成るインプラント材料を移植すると、通常は、インプラント材料の周囲におけるpHが3〜4.5になり、生体組織の増殖が阻害されるが、本発明のインプラント材料を用いれば、被覆層から溶出したカルシウムイオンが、pHを中性にする。pHが中性である条件は、生体組織(例えば骨組織)の増殖が進みやすい条件であるので、結果として、本発明のインプラント材料を用いれば、インプラント材料と生体組織との結合が短時間で行われる。
特に本発明では、被覆層におけるカルシウムの重量比が5重量%以上であることにより、上述した効果を十分奏することができる。また、10重量%以下であることにより、被覆層が脆弱化しにくくなる。
また、本発明のインプラント材料は、基材を、平均結晶粒子径が0.3μm以下である部分安定化ジルコニアにより構成することにより、乳酸に曝される環境にあっても、じん性が劣る(もろくなる)ようなことがない。
部分安定化ジルコニアの平均結晶粒子径は、0.01μm以上であることが好ましい。0.01μm以上であることにより、表面活性が強くなり過ぎることがなく、焼結時に再結晶化しにくい。その結果、部分安定化ジルコニアの結晶粒子径が大きく(例えば0.3μm以上)なってしまうことがない。また、0.01μm以上であることにより、部分安定化ジルコニアの表面積が過大となることがないため、成形時に基材の密度が大きくなり、焼結時に基材が緻密化する。
また、本発明のインプラント材料は、多孔質である被覆層を備えるので、インプラント材料を生体に移植したとき、インプラント材料と生体組織(例えば骨組織)との結合が一層強くなる。すなわち、生体組織がカルシウム含有層の細孔内に侵入することで、インプラント材料と生体組織との結合を強化する。
特に本発明では、多孔質における中心気孔径が10μm以上であることにより、インプラント材料を生体に移植したとき、骨が気孔内に成長し、インプラント材料が安定して固定される効果が顕著になる。また、100μm以下であることにより、インプラント材料の表面強度が低下しにくくなる。
前記平均結晶粒子径及び中心気孔径は、電子顕微鏡(SEM)を用いた幾何学的計測法で測定した値である。
前記部分安定化ジルコニアとしては、例えば、イットリアを添加することによりジルコニアを部分安定化したものが挙げられる。イットリアの添加量は2〜4モルが好適であり、特に、3モルが好適である。
前記被覆層を形成するセラミックスとしては、例えば、ジルコニア等が上げられる。
本発明のインプラント材料は、例えば、歯科、整形外科、形成外科、口腔外科等の分野において、人工歯、人工骨として用いることができる。
(2)請求項2の発明は、
前記被覆層よりも上層に、ハイドロキシアパタイドを含むハイドロキアパタイト層を備えることを特徴とする請求項1記載のインプラント材料を要旨とする。
本発明のインプラント材料は、ハイドロキアパタイト層を有することにより、生体に移植したとき、生体組織(例えば骨組織)との結合が、一層、短時間で進むという効果を奏する。
これは、インプラント材料を生体に移植したとき、ハイドロキアパタイト層から、早期にカルシウムイオンが溶出し、そのカルシウムイオンが、インプラント材料の周辺におけるpHを中性にし、結果として、インプラント材料と生体組織(例えば骨組織)との結合を促進するためであると考えられる。
前記ハイドロキシアパタイト層は、実質的にハイドロキシアパタイトのみから成る層であってもよいし、ハイドロキシアパタイトとともに、他の成分をハイドロキシアパタイトの性能に問題のない範囲で含む層であってもよい
(3)請求項の発明は、
前記被覆層を構成するセラミックスが、ジルコニアであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインプラント材料を要旨とする。
本発明のインプラント材料における被覆層は、ジルコニアを主成分とすることにより、強度が高い。ジルコニアのうちでも、3モルのイットリアで部分安定化したジルコニアであって、平均結晶粒子径が0.3μm以下のものが好ましい。このようなジルコニアは、乳酸に曝される環境にあっても、靱性が劣化しにくい。
3モルのイットリアで部分安定化したジルコニアの平均結晶粒子径は、0.01μm以上であることが好ましい。0.01μm以上であることにより、表面活性が強くなり過ぎることがなく、焼結時に再結晶化しにくい。その結果、3モルのイットリアで部分安定化したジルコニアの結晶粒子径が大きく(例えば0.3μm以上)なってしまうことがない。また、0.01μm以上であることにより、3モルのイットリアで部分安定化したジルコニアの表面積が過大となることがないため、成形時に被覆層の密度が大きくなり、焼結時に被覆層が緻密化する。
本発明を実施例に基づいて説明する。
a)インプラントボディの構成
図1及び図2に基づいて、歯科用インプラントボディ1の構成を説明する。図1はインプラントボディ1の正面図であり、図2は、図1のA−A断面における縦断面図である。
インプラントボディ1は、生体に埋設される埋設部1aと、生体から露出し、上部構造物(図示略)が装着される露出部1bとから成る。埋設部1aは、棒状の形状を有し、その上端から下方に向かう孔部9が形成されている。また、埋設部1aの外周面のうち、下端を含む領域には、埋設部1aを生体に埋設するためのネジ溝11が形成されている。更に、埋設部1aの外周面のうち、上端付近には、断面6角形のナット部13が形成されている。このナット部13にスパナ等を装着し、埋設部1aを回転させることにより、埋設部1aを生体にねじ込むことができる。
埋設部1aは、基材3と、被覆層5と、ハイドロキシアパタイト層7とから構成される。上記基材3は、緻密質ジルコニアから成る。この緻密質ジルコニアは、イットリアを3モル含む平均結晶粒子径0.3μmの部分安定化ジルコニアである。上記被覆層5は、基材3の表面を覆う層である。被覆層5は、基材3と同様の緻密質ジルコニアを主成分とするとともに、5重量%のカルシウムを含む。また、被覆層5は、多孔質の層であり、その中心気孔径は50μmである。上記ハイドロキシアパタイト層7は、ハイドロキシアパタイトから成る層であり、被覆層5を更に外側から被覆する。
露出部1bは、その上端から下端に至る貫通孔を有する筒状部材であり、その下端を含む一部が、埋設部1aの孔部9に挿入されている。露出部1bは、上記基材3と同様に、イットリアを3モル含む平均結晶粒子径0.3μmの部分安定化ジルコニアから成る。
b)インプラントボディ1の製造方法
(i) 埋設部1aの製造方法
円筒状の3molイットリア安定ジルコニアセラミックス成形体を粉末プレス法により作成した。次に、この成形体を炉の中で1300℃にて焼成し、セラミックス焼結体を得た。このセラミックス焼結体を、ダイヤモンドツールを研削治具として有するマシニングセンターにより、図1及び図2に示す形状に機械加工し、基材3を得た。基材3におけるジルコニアの平均結晶粒子径は0.3μmであった。
次に、基材3の外周面に、スラリーを浸漬塗装した。このスラリーは、基材3を構成するものと同様の緻密質ジルコニアの粉末と、発泡剤である、平均中心粒子径2μmの炭酸カルシウム粉末とを、粉末の容積比90:10で含むものである。スラリーの浸漬塗装後、1日間乾燥させてから、1300℃にて焼成した。その結果、平均中心気孔径が50μmであり、気孔率が15%である、緻密質ジルコニアの被覆層5が形成された。この被覆層5は、発泡剤の発泡により生じた炭酸ガスで気孔が形成され、また、被覆層5の全体を100重量部としたとき、5重量部のカルシウムを含んでいる。被覆層5の厚みは2〜10μmであった。なお、被覆層5の厚みは、スラリーの塗布量、スラリー濃度により調整できる。
なお、被覆層5の形成においては、スラリーに、炭酸カルシウム粉末の代わりに、焼失材として、球状カーボン粉末を用いても良い。この場合、焼成後により生じた多孔質層に、カルシウムを含浸させることで、被覆層5を形成できる。
次に、基材3の外周面に対し、2−エチルヘキサン酸カルシウムとリン酸トリクレジルとを含有するアルコール溶液を塗布し、400℃まで加熱し、10分間焼成する操作を4回繰り返すことにより、ハイドロキシアパタイト層7を形成し、埋設部1aを完成した。
(ii) 露出部1bの製造方法
埋設部1aにおける基材3の製造方法と同様にして、露出部1bを製造した。すなわち、円筒状の3molイットリア安定ジルコニアセラミックス成形体を粉末プレス法により作成し、この成形体を炉の中で1300℃にて焼成したセラミックス焼結体を、ダイヤモンドツールを研削治具として有するマシニングセンターにより、図1及び図2に示す露出部1bの形状に機械加工した。
(iii) 埋設部1aと露出部1bとの結合
露出部1bの下端を埋設部1aにおける孔部9に挿入し、インプラントボディ1を完成した。
基本的には前記実施例1と同様にして、インプラントボディ1を製造した。ただし、本実施例2では、被覆層5の代わりに、カルシウムを含有しない、緻密質ジルコニアの多孔質層を形成した。この多孔質層は、前記実施例1において被覆層5を形成するときの工程のうち、焼成までは同様に行うが、カルシウム含浸処理は行わずに形成したものである。
基本的には前記実施例1と同様にして、インプラントボディ1を製造した。ただし、本実施例3では、ハイドロキシアパタイト層7を形成しなかった。
基本的には前記実施例1と同様にして、インプラントボディ1を製造した。ただし、本実施例4では、被覆層5における中心気孔径を10μmとした。なお、この中心気孔径は、被覆層5の形成に用いるスラリーに含まれる焼失剤の平均粒子径を14μmとすることにより実現できる。なお、焼失剤の平均粒子径が、中心気孔径10μmよりも大きい14μmである理由は、焼成中に収縮するためである。
基本的には前記実施例1と同様にして、インプラントボディ1を製造した。ただし、本実施例5では、被覆層5の代わりに、カルシウムを含有しない、緻密質ジルコニアの多孔質層を形成した。この多孔質層は、前記実施例1において被覆層5を形成するときの工程のうち、焼成までは同様に行うが、カルシウム含浸処理は行わずに形成したものである。また、この多孔質層における中心気孔径を10μmとした。
基本的には前記実施例5と同様にして、インプラントボディ1を製造した。ただし、本実施例6では、基材3を構成する、イットリアを3モル含む部分安定化ジルコニアの平均結晶粒子径を0.01μmとした。
前記実施例1〜6で製造したインプラントボディ1の構成を表1に示す。
Figure 0005400317
(比較例)
基本的には前記実施例1と同様であるが、一部を変更した比較例1〜16のインプラントボディ1を製造した。それらの構成を表2に示す。
Figure 0005400317
表2に示すとおり、比較例1〜5では、基材3及び露出部1bを構成する緻密質ジルコニアの平均結晶粒子径を0.5μmとした。また、比較例3、6、12、14、15では、被覆層を形成しなかった。よって、これらの比較例は当然に、「被覆層が多孔質である」、「被覆層が5〜10重量%のカルシウムを含む」という要件に該当しない。また、比較例4、13では、被覆層を多孔質とせず、均一に充填された層とした。なお、これは、被覆層を形成するためのスラリーに焼失剤を配合しないようにすることで実現できる。また、比較例2、8〜11、16では、被覆層における中心気孔径を50μmとは異なる値に設定した。また、比較例4、7、13では、被覆層にカルシウムを含浸させなかった。また、比較例8〜11、16では、被覆層が含むカルシウムの量を5重量%とは異なる値に設定した。
また、比較例1〜2、7、8〜11、15、16では、ハイドロキシアパタイト層7を形成しなかった。また、比較例13では、基材及び露出部をアルミナで構成した。すなわち、比較例13で用いた基材及び露出部は、まず、99.8%のアルミナ成形体を粉末プレス法により作成し、この成形体を炉の中で1600℃にて焼成してアルミナ焼結体を得、このアルミナ焼結体を、前記実施例1における基材3及び露出部1bと同様の形状に機械加工したものである。さらに、比較例13では、被覆層もアルミナから成るものとした。この被覆層は、アルミナ粉末を含むスラリーを基材表面に塗布し、1600℃で焼成することで形成する。
また、比較例14〜15では、基材及び露出部をチタンで構成した。すなわち、比較例14〜15で用いた基材は、チタン線材を、前記実施例1における基材3及び露出部1bと同様の形状に機械加工したものである。
また、比較例16では、基材を、イットリア8モルを添加した完全安定化ジルコニアから成るものとした。
また、基本的には前記実施例5と同様であるが、一部を変更した実験例1のインプラントボディ1を製造した。その構成を表2に示す。実験例1では、基材3を構成する、イットリアを3モル含む部分安定化ジルコニアの平均結晶粒子径を0.009μmとした。
(発明の効果を確かめるための試験)
各実施例、比較例、及び実験例で製造したインプラントボディ1、又はそれらと同様に製造されたが、形状のみ異なるものを試験体とし、次の試験を行った。
(i)曲げ強度及び耐乳酸性の試験
各実施例及び比較例のインプラントボディ1における埋設部1aと同様に製造した、幅5mm、長さ30mm、肉厚1mmの試験体を用意した。この試験体の曲げ強度を、万能試験機(INSTORON5882、インストロン製)を用い、クロスヘッドの速度0.5mm/min、支点間距離20mmの条件で測定した。曲げ強度の値に応じて、以下の基準で曲げ強度を評価した。
◎:800MPaを超える
○:600〜800MPa
△:300〜600MPa
×:300MPa未満
(ii)耐乳酸性の試験
前記(i)で曲げ強度を測定した試験体を、濃度1%の乳酸溶液中に5ヶ月間浸漬してか
ら、再び、同様の方法で曲げ試験を行った。浸漬前の曲げ強度を100としたときにおける浸漬後の曲げ強度に応じて、以下の基準で耐乳酸性を評価した。
○:浸漬後の曲げ強度が95〜105の範囲にある
△:浸漬後の曲げ強度が60〜94の範囲にある
×:浸漬後の曲げ強度が60未満である
(iii)溶出性試験
各実施例及び比較例で製造したインプラントボディ1のうち、埋設部1aを、濃度1%の乳酸溶液70ml中に5ヶ月間浸漬した。このとき、溶液中に溶出した基材3の成分(ジルコニア、アルミナ、チタン)をプラズマ発光分析装置(ICPS−7510、島津製作所)にて検出した。そして、溶出量に応じて、以下の基準で、溶出性を評価した。
◎:溶出濃度が0.5ppm以下
○:溶出濃度が0.5〜1.0ppm
△:溶出濃度が1.0〜10ppm
×:溶出濃度が10ppmを超える
(iv)生体親和性試験
ラット脛骨に埋設部1aを埋入し、4週間が経過した時点で、埋設部1aと骨との接触具合を測定した。そして、以下の基準で、生体親和性を評価した。
◎:骨と90〜100%接触
○:骨と70〜90%接触
△:骨と50〜70%接触
×:骨との接触は50%未満
試験結果を上記表1及び表2に示す。表1及び表2から明らかなように、実施例1〜6のインプラントボディは、いずれの試験においても優れていた。
それに対し、比較例1〜5では、基材3を構成する緻密質ジルコニアの平均結晶粒子径が0.5μmと大きいため、耐乳酸性において劣っている。
また、比較例3、6、12では、多孔質の被覆層を有しないことにより、曲げ強度が低い。
また、比較例7では、被覆層にカルシウムが含浸されておらず、且つハイドロキシアパタイト層が形成されていないため、生体親和性において劣っている。
また、比較例8では、被覆層におけるカルシウム含有量が少なく、且つハイドロキシアパタイト層が形成されていないため、生体親和性において劣っている。
また、比較例9では、被覆層におけるカルシウム含有量が多すぎるため、溶出性において劣っている。
また、比較例10では、被覆層における中心気孔径が大きすぎるため、曲げ強度が低い。
また、比較例11では、被覆層における中心気孔径が小さすぎるため、生体親和性において劣っている。
また、比較例13〜15では、基材がアルミナ又はチタンであることにより、耐乳酸性及び溶出性において劣っている。さらに、比較例15では、カルシウムを含有する被覆層も、ハイドロキシアパタイト層も形成されていないため、生体親和性において劣っている。
比較例16では、基材が完全安定化ジルコニアであることにより、曲げ強度及び生体親和性においてやや劣っている。
実験例1では、基材3を構成する、イットリアを3モル含む部分安定化ジルコニアの平均結晶粒子径が0.009μmであるため、耐乳酸性、曲げ強度においてやや劣っている。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、インプラントボディ1は、埋設部1aと露出1bとが一体に形成されたものであってもよい。この場合、被覆層5及びハイドロキシアパタイト層は、インプラントボディ1の外周面全体に形成してもよいし、あるいは、埋設部1aに相当する領域にのみ形成してもよい。
インプラントボディ1の外観を表す正面図である。 図1のA−A断面におけるインプラントボディ1の縦断面図であり、一部の拡大図を含む。
符号の説明
1・・・インプラントボディ
1a・・・埋設部
1b・・・露出部
3・・・基材
5・・・被覆層
7・・・ハイドロキシアパタイト層
9・・・孔部
11・・・ネジ溝
13・・・ナット部

Claims (3)

  1. 平均結晶粒子径が0.3μm以下である部分安定化ジルコニアを主成分する基材と、
    セラミックスを主成分とし、中心気孔径が10〜100μmの範囲にある多孔質である被覆層と
    を備え、
    前記被覆層は、5〜10重量%のカルシウムを含むことを特徴とするインプラント材料。
  2. 前記被覆層よりも上層に、ハイドロキシアパタイドを含むハイドロキアパタイト層を備えることを特徴とする請求項1記載のインプラント材料。
  3. 前記被覆層を構成するセラミックスが、ジルコニアであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインプラント材料。
JP2008105701A 2007-04-17 2008-04-15 インプラント材料 Expired - Fee Related JP5400317B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008105701A JP5400317B2 (ja) 2007-04-17 2008-04-15 インプラント材料
US12/148,086 US20080274160A1 (en) 2007-04-17 2008-04-16 Implant material
EP08007478A EP1992368A3 (en) 2007-04-17 2008-04-17 Implant material

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007108304 2007-04-17
JP2007108304 2007-04-17
JP2008105701A JP5400317B2 (ja) 2007-04-17 2008-04-15 インプラント材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008284349A JP2008284349A (ja) 2008-11-27
JP5400317B2 true JP5400317B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=40144620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008105701A Expired - Fee Related JP5400317B2 (ja) 2007-04-17 2008-04-15 インプラント材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5400317B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2263991A1 (en) * 2009-06-19 2010-12-22 Nobel Biocare Services AG Dental application coating
JP6008643B2 (ja) * 2012-07-31 2016-10-19 京セラメディカル株式会社 生体インプラント材料の製造方法および生体インプラント材料
EP3882213B1 (en) * 2018-11-16 2023-07-12 Orbray Co., Ltd. Method for producing zirconia material

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60024309T2 (de) * 1999-11-15 2006-09-07 Wright Medical Technology Inc., Arlington Verfahren zur herstellung von starren vernetzten artikeln
JP2004075532A (ja) * 2002-08-01 2004-03-11 Kobe Steel Ltd 高強度・高靱性ジルコニア焼結材およびそれを用いた生体材料
JP4721635B2 (ja) * 2003-10-30 2011-07-13 京セラ株式会社 生体部材及びそれを用いた人工関節並びに生体部材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008284349A (ja) 2008-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0390129B1 (en) Dental implant
ES2324404T3 (es) Revestimiento metalico de poros abiertos para implantes osteoarticulares y procedimiento para fabricarlo.
JP5340150B2 (ja) 多孔質の外層を有するインプラントおよびその製造方法
Li et al. Surface-dimpled commercially pure titanium implant and bone ingrowth
JP4707666B2 (ja) 歯科用埋入のための方法及び装置
US20110195378A1 (en) Composite Bio-Ceramic Dental Implant and Fabricating Method Thereof
KR20090086570A (ko) 치과용 임플란트 및 그 제조방법
US7416564B2 (en) Porous bioceramics for bone scaffold and method for manufacturing the same
JP3648968B2 (ja) 生体用ジルコニア系複合セラミック焼結体
US20130150227A1 (en) Composite Bio-Ceramic Dental Implant and Fabricating Method Thereof
Fouziya et al. Surface modifications of titanium implants–The new, the old, and the never heard of options
JP5400317B2 (ja) インプラント材料
CN112057674A (zh) 一种表面具有微纳结构的诱骨医用钛合金及其制备方法
Dantas et al. Sliding behavior of zirconia porous implant surfaces against bone
KR101095909B1 (ko) 생체뼈 유도성의 인공뼈와 그 제조방법
EP1992368A2 (en) Implant material
CN108472409B (zh) 矫形植入物
JP3008586B2 (ja) 人工補填補綴材料の製造方法
US4832602A (en) Stomatological implant
JPH11178912A (ja) 生体補綴部材
Kang et al. Comparison of osseointegration between laser-etched and magnesium-incorporated oxidized implants in the rabbit femur.
KR960010743B1 (ko) 복합 임플란트재 및 그의 제조방법
US20220354651A1 (en) Bone implant having coated porous structure
KR20090044660A (ko) 임플란트 표면에 다공층의 형성방법
JP2005278875A (ja) 人工骨および人工関節

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130319

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130430

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5400317

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees