JP3008375B2 - 一塩化硫黄の製造方法 - Google Patents
一塩化硫黄の製造方法Info
- Publication number
- JP3008375B2 JP3008375B2 JP3085175A JP8517591A JP3008375B2 JP 3008375 B2 JP3008375 B2 JP 3008375B2 JP 3085175 A JP3085175 A JP 3085175A JP 8517591 A JP8517591 A JP 8517591A JP 3008375 B2 JP3008375 B2 JP 3008375B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sulfur
- sulfur monochloride
- monochloride
- chlorine
- reaction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
関し、詳しくは、一塩化硫黄を溶媒とし、硫黄と塩素を
反応させて、一塩化硫黄を製造する方法に関する。
オニル、芳香族チオール類、チオビスフエノール類等の
製造原料やゴム加硫剤等に広く用いられている有用な化
合物である。従来、一塩化硫黄の一般的な製法として
は、二硫化炭素に塩素を反応させる方法や、或いは前反
応で得られた塩化硫黄を溶媒として用い、これに固体硫
黄を溶融させた後、塩素を吹き込む方法等が知られてい
る。
従来、主として前者の方法にて製造されている。しか
し、この方法によれば、一塩化硫黄のほかに、副生物と
して四塩化炭素が同時に生成する。この四塩化炭素は、
オゾン層破壊原因物質として、その使用が制限されてい
る化合物であるので、この方法を今後とも継続すること
は困難である。
て、硫黄を溶解させるために、塩化硫黄を事前に用意し
なければならず、また、2回目以降の反応のために、得
られた塩化硫黄を一部リサイクルする必要があるため
に、反応当たりの収量が少い。更に、得られる一塩化硫
黄の純度が低いために、複数回の蒸留精製を行わなけれ
ばならない等の問題があるので、従来、小規模の製造に
は用いられているものの、工業的には好適な製造方法と
はいえない。
化硫黄と二塩化硫黄との混合物を溶媒として用いて、硫
黄と塩素とを反応させて一塩化硫黄を製造する方法にお
ける上記した問題を解決するためになされたものであつ
て、高純度の一塩化硫黄を高収率にて製造することがで
きる方法を提供することを目的とする。
塩化硫黄を溶媒とし、実質的に鉄又は鉄塩の不存在下に
硫黄1モルに対して塩素0.5〜0.8モルを吹き込んで、
30〜100℃の温度で反応させることを特徴とする。
従来、一塩化硫黄の製造において、硫黄と塩素との反応
は、鉄製の反応容器中で行なわれている。従つて、かか
る方法によれば、微量の鉄分が塩化硫黄中に含まれるこ
ととなり、後述するように、この鉄分は、一塩化硫黄と
塩素との反応を促進するので、一塩化硫黄中に二塩化硫
黄が混入することとなり、得られる一塩化硫黄の純度を
低下させるのみならず、一塩化硫黄から二塩化硫黄を分
離することも容易ではない。尚、上記鉄分とは、鉄又は
鉄塩をいい、鉄塩とは塩化鉄(II)や塩化鉄(III)、酸
化鉄等をいう。
よれば、実質的に鉄又は鉄塩の不存在下に硫黄と塩素と
を反応させる。具体的には、例えば、反応容器として、
鉄分を溶出することのないガラス製容器、ガラスライニ
ング容器、琺瑯容器、ステンレス鋼製容器等を用いて、
一塩化硫黄を溶媒として、硫黄と塩素とを反応させる。
なかでも、ステンレス鋼製容器が取り扱いが容易である
ので、本発明の方法において特に好ましく用いられる。
制限されるものではなく、クロム含有量が12重量%以
上のもの、例えばJIS鋼種記号において、SUS又は
SUHで表わされる鋼の中から選ばれたものが耐食性、
耐熱性の点で好ましく用いられる。かかるステンレス鋼
の例としては、SUS201、202、301、30
2、303、303Se、304、304H、304
L、305、305J1、308、309S、310
S、316、316H、316L、316J1、316
J1L、317、317L、321、321H、34
7、347H、384、329J1、429、430、
430F、434、416、420J1、420J2、
420F、431、440A、440B、440C、4
40F、630、631、631J1や、SUH31、
309、310、330、661、446、616等を
挙げることができる。
硫黄に対して、0.5〜0.8倍モルの範囲で用いられる。
塩素量が0.5倍モルより少ないときには、未反応の硫黄
が残存し、一塩化硫黄中に混入するために精製工程が必
要となる。他方、0.8倍モルより多いときには、一塩化
硫黄と塩素が更に反応して二塩化硫黄が生成することと
なるので、好ましくない。本発明によれば、このように
して、二塩化硫黄の副生が抑制され、精製することな
く、高純度の一塩化硫黄を高収率で得ることができる。
の範囲であり、好ましくは40〜70℃の範囲である。
反応温度が100℃より高いときは、塩素の吹き抜けが
起こり、他方、30℃より低いときは、反応速度が遅く
なるため、反応に長時間を要し、効率的でなく好ましく
ない。反応に溶媒として用いる一塩化硫黄の量は、通
常、原料硫黄に対して0.1〜100重量倍までの範囲で
あるが、特に、塩素の有効利用及び容積効率等の経済的
な観点から、2〜6重量倍が好ましい。
ステンレス鋼製反応容器に実質的に鉄分を含まない硫黄
及び一塩化硫黄を仕込んだ後、反応液の温度を前記の如
く30〜100℃とし、次いで、これに塩素を同温度で
3〜5時間で攪拌しながら吹き込んで、反応を行なわせ
る。本発明によれば、かかる方法によつて直ちに純度9
8%以上であつて、そのまま製品とすることができる一
塩化硫黄を得ることができる。
一塩化硫黄を溶媒として、硫黄と塩素を反応させること
によつて、二塩化硫黄の副生を実質的になくして、高純
度の一塩化硫黄を高収率にて得ることができる。このよ
うな一塩化硫黄は、精製の必要なしに、そのままで製品
とすることができる。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。 実施例1 SUS316L製500ml容器に溶媒として純度98.7
%の一塩化硫黄200.0gを仕込み、これに硫黄40.0
g(1.25モル)を加えた。液温を50℃とし、塩素4
9.7g(0.70モル)を3時間で吹き込んだ。得られた
反応液をガスクロマトグラフイーにより分析したとこ
ろ、一塩化硫黄の純度は98.5%であり、このまま製品
とすることができるものであつた。収量は284.2gで
あつた(収率97.8%)。 比較例1 反応容器として鉄製の容器を用いた以外は、実施例1と
同様に反応を行なつた。得られた反応液を分析したとこ
ろ、一塩化硫黄の純度は92.0%であり、5.5%の二塩
化硫黄を含有していた。反応液288.0gを蒸留して純
度98.6%の一塩化硫黄255.0gを回収した(収率6
3.9%)。 比較例2 反応容器として鉄製の容器を用い、また、溶媒として比
較例1と同様にして得られた反応液(一塩化硫黄92.6
%、二塩化硫黄5.3%含有)200.0gを用いた以外
は、実施例1と同様に反応を行つた。得られた反応液を
分析したところ、一塩化硫黄の純度は86.3%であり、
10.2%の二塩化硫黄を含有していた。反応液288.6
gを蒸留して、純度98.5%の一塩化硫黄238.8gを
回収した(収率59.3%)。
Claims (3)
- 【請求項1】一塩化硫黄を溶媒とし、実質的に鉄又は鉄
塩の不存在下に硫黄1モルに対して塩素0.5〜0.8モル
を吹き込んで、30〜100℃の温度で反応させること
を特徴とする一塩化硫黄の製造方法。 - 【請求項2】硫黄と塩素とをステンレス鋼からなる容器
中で反応させることを特徴とする請求項1記載の一塩化
硫黄の製造方法。 - 【請求項3】ステンレス鋼がクロム含有量12重量%以
上であることを特徴とする請求項2記載の一塩化硫黄の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3085175A JP3008375B2 (ja) | 1991-04-17 | 1991-04-17 | 一塩化硫黄の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3085175A JP3008375B2 (ja) | 1991-04-17 | 1991-04-17 | 一塩化硫黄の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04317401A JPH04317401A (ja) | 1992-11-09 |
JP3008375B2 true JP3008375B2 (ja) | 2000-02-14 |
Family
ID=13851326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3085175A Expired - Fee Related JP3008375B2 (ja) | 1991-04-17 | 1991-04-17 | 一塩化硫黄の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3008375B2 (ja) |
-
1991
- 1991-04-17 JP JP3085175A patent/JP3008375B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04317401A (ja) | 1992-11-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0388114B1 (en) | Process for production of 1,2,2,2,- Tetrafluoro-ethyl difluoromethyl ether | |
EP0372635B1 (en) | Method of preparing dialkyl and diallyl dicarbonates | |
JP3008375B2 (ja) | 一塩化硫黄の製造方法 | |
EP0004636A2 (en) | Process for preparing benzotrifluoride and its derivatives | |
JP3572619B2 (ja) | ジフルオロメタンの製造方法 | |
JP2734876B2 (ja) | 光学活性4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造方法 | |
JPS61249964A (ja) | 3,4,5,6−テトラクロロ−2−トリクロロメチルピリジンに富む混合物の調製方法 | |
JPS5865241A (ja) | 第二ベンジルハライドのカルボニル化方法 | |
EP0163230B1 (en) | Process for producing aromatic chlorine compounds | |
EP0921115B1 (en) | Process for making aromatic nitriles | |
JPS59186955A (ja) | β−メルカプトプロピオン酸エステルの製造法 | |
JP3164284B2 (ja) | 2−クロロ−4−トリフルオロメチルベンザルクロライドの製造方法 | |
JPH07242587A (ja) | ジフルオロ酢酸およびジフルオロ酢酸アミドの製造方法 | |
JP2523936B2 (ja) | ジカルボニルフロライドの製造方法 | |
HU194149B (en) | Process for preparing acid chlorides chlorinated in position alpha | |
JPH01100137A (ja) | 1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタンの製造法 | |
JPH09176110A (ja) | チオグリコール酸の製造方法 | |
JPS6147426A (ja) | フツ素化環式炭化水素類の製法 | |
JPH0285232A (ja) | 長鎖二塩基酸モノエステル塩の製造方法 | |
JPH08259507A (ja) | アセトフェノン誘導体のニトロ化方法 | |
JPS60116650A (ja) | ハロゲン化ビニルエ−テル類の製法 | |
KR800001589B1 (ko) | 클로로 술포닐 벤조일 클로리드의 제조방법 | |
JPS61155351A (ja) | β−クロルプロピオン酸クロライドと芳香族カルボン酸クロライドの製造法 | |
JPH0352885A (ja) | チオフェンジカルボン酸ジエステルを製造する方法 | |
JPH02188541A (ja) | アルキレングリコールの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071203 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081203 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081203 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091203 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |