JP3008204U - 強制空冷用ヒートシンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 放熱特性が優れており、可及的にコンパクト
化が達成できると共に、製作面でも極めて簡単な、非常
に実用性の高いヒートシンクを提供することを目的とす
る。 【構成】 肉厚の天地板と２枚の側板とにより対向する
前後面を開口した構造の放熱ボックス本体を形成し、該
ボックス本体の天地板間に複数枚のフィン板材を櫛歯状
に渡して成る強制空冷用ヒートシンクにおいて、前記天
地板１，２には対向する面部に一定間隔に複数の凸条を
形成し、前記フィン板材４は両端に前記天地板の凸条に
はめ合う凹部を有し中間に少なくとも２以上の枝フィン
部４ｃを有する断面形状に形成すると共に、フィン板材
４をボックス本体の前後開口間距離よりも短くしてこれ
らフィン板材が平面的にみて先後端が対応する弧状にな
る如く配置してなる強制空冷用ヒートシンク。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空気を冷却媒体として、熱を吸収し散逸せしめるために大容量トラ ンジスター、シリコン制御整流器などのパワーモジュールに直接取り付ける強制 空冷用ヒートシンクに関するるものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、この種のヒートシンクの構造としては、図７に示す如く、肉厚の天地 板と２枚の薄側板とにより対向する前後面を開口した矩形箱型状のボックス本体 内に、櫛歯状に多数のフィン板材６を定間隔をおいて縦方向に装着してなるもの であり、これら本体及びフィン板材共にアルミニウム材料にて形成していた。実 際の使用に当たっては、この箱型のヒートシンクを直接その側面或いは上下面が 接触する如く、放熱対象となる半導体素子等の熱発生物体に取り付け、一方の開 口部より必要に応じ空気を吸引又は放出することにより、ヒートシンク内の多数 のフィン板材に伝熱してきた熱を放散させて冷却している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のヒートシンクにおいては、次のような問題点がある。 放熱特性を上げようとすると、フィン板材の枚数を増やすことになるが、通風 性を考慮すると、フィン板材相互間の間隙を余り狭くできないため、ボックス本 体のサイズを大きくせざるを得ず、コンパクト化に限界があった。 単純な断面のフィン板材では良好な伝熱特性を得るためには限界がある。 多数のフィン板材を天地のベース材に取り付けるのに手間が掛かり、製作面で の不利も大きい。

【０００４】 本考案は、このような従来のヒートシンクの問題点を解消し、放熱特性の優れ た、可及的にコンパクト化が達成でき、しかも製作面でも極めて簡単な、非常に 実用性の高いヒートシンクを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

このような目的を達成するための本考案の要旨は次の通りである。 （１）肉厚の天地板と２枚の側板とにより対向する前後面を開口した構造の放熱 ボックス本体を形成し、該ボックス本体の天地板間に複数枚のフィン板材を櫛歯 状に渡して成る強制空冷用ヒートシンクにおいて、前記天地板には対向する面部 に一定間隔に複数の凸条を形成し、前記フィン板材は両端に前記天地板の凸条に はめ合う凹部を有し中間に少なくとも２以上の枝フィン部を有する断面形状に形 成すると共に、フィン板材をボックス本体の前後開口間距離よりも短くしてこれ らフィン板材が平面的にみて先後端が対応する弧状になる如く配置したことを特 徴とする強制空冷用ヒートシンク。 （２）肉厚の天地板と２枚の側板とにより対向する前後面を開口した構造の放熱 ボックス本体を形成し、該ボックス本体の天地板間に複数枚のフィン板材を櫛歯 状に渡して成る強制空冷用ヒートシンクにおいて、前記天地板には対向する面部 に一定間隔に複数の凸条を形成し、前記フィン板材は両端に前記天地板の凸条に はめ合う凹部を有し中間に少なくとも２以上の枝フィン部を有する断面形状に形 成すると共に、フィン板材をボックス本体の前後開口間距離よりも短くしてこれ らフィン板材が交互に一方の開口と他方の開口面に各一端が揃うように配置した ことを特徴とする強制空冷用ヒートシンク。 （３）一方の開口部に吸引或いは吹き込み用手段を備えてなる（１）又は（２） 記載のヒートシンク。

【０００６】

【作用】

本考案においては、フィン板材として枝フィン部を有しているため表面積が拡 大され、その分伝熱特性が増し、また、該フィン板材の配列を各板材端部が弧状 になるように或いは交互に内部に引っ込むようにしたため、実質的な開口面積を 増大することになり、通風性の向上をもたらす。しかも、フィン板材の上下両端 に凹部を設け、これに対応する凸部を取り付け天地板に設けて、簡単に押し込み 操作ではめ合うようにしたことから、容易に製作し得る。

【０００７】

【実施例】

以下本考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。 図１は本考案に係るヒートシンクの一実施例を示す斜視図であり、図２は一方 の開口部からみた部分拡大正面図である。図示のように、ヒートシンクは、肉厚 の天板１及び地板２（放熱ベース材）と２枚の薄側板３とにより対向する前後面 を開口した構造の放熱ボックス本体を形成し、該ボックス本体の天地板１，２間 に複数枚のフィン板材４を櫛歯状に渡して構成される。ボックス本体のサイズ及 びフィン板材のサイズ・枚数は、使用される場所や使用目的等により適宜変更す ることができる。

【０００８】 図１に示すヒートシンクにおいては、まず、フィン板材４の断面形状に特色を もっている。即ち、図２に示す如く、上端に三角形状の凹部４ａを、下端にＵ字 状の凹部４ｂを、中間部に複数の枝フィン部４ｃを一体として形成している。こ れら凹部４ａ，４ｂ及び枝フィン部４ｃはそれぞれの部材の長手方向（開口間の 方向）にわたって延びている。なお、枝フィン部４ｃは図示の例では、板材両面 に対称に４条ずつ設けているが、その数はフィン板材４のサイズなどに応じて増 減すればよい。このフィン板材４はアルミニウムの押出型材から製作される。

【０００９】 次に、ボックス本体の放熱ベース材を構成する天板１は、その断面が前記フィ ン板材４の上端凹部４ａに対応した三角形状凸部１ａを連続して有するように、 アルミ押出型材にて製作される。他方、同じく放熱ベース材となる地板２は、フ ィン板材の下端凹部４ｂに対応すると共にその下端凹部の一部が嵌合するように 、Ｕ字状の突起２ａとその両側に溝部２ｂが連続して形成される。

【００１０】 このようにフィン板材４、天地板１，２を上記のように製作しておけば、ヒー トシンク組立時に、図４に示すように、上下方向からフィン板材を挟んで天板１ 及び地板２を押圧する場合、天板１の凸部１ａをフィン板材の上端凹部４ａに当 て、地板２の突起２ａをフィン板材の下端凹部４ｂに当てて垂直に押圧すれば、 フィンの下端凹部４ｂは溝部２ｂ内にはめ込まれ緊密に係合する。実際の製作時 には全てのフィン板材を同時に天地板間にセットしてから押圧すればよく、その 後、側板３を取り付ければよい。各フィン板材４は図２に示すように、隣り合う 枝フィン部４ｃ同士が接触するようにすることが望ましい。

【００１１】 さらに、図１のヒートシンクにおいては、フィン板材４の平面からみた配列状 況を示す図３から分かる如く、フィン板材４の全長Ｌ₁ をヒートシンクの前後開 口間長さＬ₂ より短くし、このフィン板材４の複数枚を、平面的にみて先後端が 対応する弧状になる如く配置している。従って、開口の一方は（図１の前部）フ ィン板材が凹状に、開口の他方は（図１の後部）フィン板材が凸状に配列される 。このため例えば、図１のヒートシンクの後部に吸引用のファン５を装着して実 際の冷却時にシンク内を吸引した場合には、実質的な開口面積が大きくなった前 部からは空気が取り入れやすく、一層放熱特性を向上させる。加えて、枝フィン 部４ｃの存在により一層伝熱面積が増すとともに空気の通過が円滑になる。なお 、ヒートシンクに装着する吸引手段は、逆に送風手段とすることもでき、ファン やブロワが用いられる。

【００１２】 次に、図５は本考案の他の実施例を示すもので、図１のものと用いる部材は全 て共通であり、同一符号は同一のものを示す。図１のものと異なる点は、図５で はフィン板材４の配置を交互にずらして配列したことである。即ち、図６の平面 図に示すように、開口間距離よりも短いフィン板材４の一端を交互に対向する開 口毎に合わせて配列することにより、図５に示すように、両方の開口部のある一 定範囲においては、フィン板材４が一本おきに配置された状態となる。このよう にフィン板材を配置することにより、図１のものと同様に、開口部からの空気の 吸引・通過を容易にする機能がある。勿論、内部は図２の正面図と同様に、フィ ン板材４が蜜に配置された状態となるため、放熱特性に変わりはない。

【００１３】

【考案の効果】

以上の如く本考案のヒートシンクによれば、従来のものに比し放熱特性が優れ ており、また、冷却媒体の流れも良好であり、しかも、多数のフィン板材をはめ 合い構造で取り付けることができるため、製作が容易となる、等の実用的な効果 が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るヒートシンクの一実施例を示す斜
視図。

【図２】図２の部分拡大正面図。

【図３】図１におけるフィン板材の配置状態を示す平面
説明図。

【図４】本考案における天地板とフィン板材との係合状
態を示す説明図。

【図５】本考案に係るヒートシンクの他の実施例を示す
斜視図。

【図６】図５におけるフィン板材の配置状態を示す平面
説明図。

【図７】従来のヒートシンクの例を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 天板 １ａ 三角形状凸部 ２ 地板（ベース材） ２ａ Ｕ字状凸部 ２ｂ 溝部 ３ 側板 ４ フィン板材 ４ａ，４ｂ 端部凹部 ４ｃ 枝フィン部 ５ 吸引ファン

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 肉厚の天地板と２枚の側板とにより対向
   する前後面を開口した構造の放熱ボックス本体を形成
   し、該ボックス本体の天地板間に複数枚のフィン板材を
   櫛歯状に渡して成る強制空冷用ヒートシンクにおいて、
   前記天地板には対向する面部に一定間隔に複数の凸条を
   形成し、前記フィン板材は両端に前記天地板の凸条には
   め合う凹部を有し中間に少なくとも２以上の枝フィン部
   を有する断面形状に形成すると共に、フィン板材をボッ
   クス本体の前後開口間距離よりも短くしてこれらフィン
   板材が平面的にみて先後端が対応する弧状になる如く配
   置したことを特徴とする強制空冷用ヒートシンク。
2. 【請求項２】 肉厚の天地板と２枚の側板とにより対向
   する前後面を開口した構造の放熱ボックス本体を形成
   し、該ボックス本体の天地板間に複数枚のフィン板材を
   櫛歯状に渡して成る強制空冷用ヒートシンクにおいて、
   前記天地板には対向する面部に一定間隔に複数の凸条を
   形成し、前記フィン板材は両端に前記天地板の凸条には
   め合う凹部を有し中間に少なくとも２以上の枝フィン部
   を有する断面形状に形成すると共に、フィン板材をボッ
   クス本体の前後開口間距離よりも短くしてこれらフィン
   板材が交互に一方の開口と他方の開口面に各一端が揃う
   ように配置したことを特徴とする強制空冷用ヒートシン
   ク。
3. 【請求項３】 一方の開口部に吸引或いは吹き込み用手
   段を備えてなる請求項１又は２記載のヒートシンク。