JP3007716B2 - 無水マレイン酸の分離方法 - Google Patents

無水マレイン酸の分離方法

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誠 石川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無水マレイン酸の分離
方法に関するものであり、詳しくは、特定の吸収剤を使
用することにより、無水マレイン酸を含有するガス状混
合物から、無水マレイン酸を工業的有利に分離する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、無水マレイン酸は、n−ブタ
ン、ブテン等のC4炭化水素またはベンゼン等の炭化水
素供給物を酸化反応器内で気相酸化し、得られるガス状
混合物から無水マレイン酸を回収して精製する方法によ
り製造されている。ガス状混合物からの無水マレイン酸
を分離する方法の1つとして、有機吸収剤を使用する方
法があり、各種の吸収剤が提案されている。例えば、ジ
ブチルフタレート(英国特許第727,828号明細
書)、ジフェニルペンタクロライド(米国特許第2,8
93,924号明細書)、ジブチルマレエート(特公昭
36−17548号公報)、アルケニルコハ酸無水物
(米国特許第3,818,680号明細書)、ジベンジ
ルベンゼン(西独特許公開第2,444,824号明細
書)、ポリメチルベンゾフェノン(英国特許第1,44
3,411号明細書)、フタル酸とC4 〜C8 アルコー
ルとのエステル(すなわちジアルキルフタレート)(米
国特許第3,891,680号明細書)、ヘキサヒドロ
フタル酸ジアルキルエステル(特公平1−25747号
公報)等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
有機吸収剤は、工業的規模の無水マレイン酸の分離にお
いては、必ずしも満足できるものではない。例えば、ジ
アルキルフタレート及びジアルキルマレエートの場合
は、熱安定性が十分でなくて損失するために吸収剤を補
充する必要がある。ポリメチルベンゾフェノンの場合
は、高価であり且つジベンジルベンゼンと同様に室温で
固体であって取り扱いの観点から有利とは言えない。ま
た、ヘキサヒドロフタル酸ジエステルの場合は、工業的
に入手し難いという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記実情
に鑑み、無水マレイン酸用の有機吸収剤について鋭意検
討を重ねた結果、特定の2塩基酸ジアルキルエステルに
より、上記の課題を解決し得るとの知見を得、本発明を
完成した。すなわち、本発明は、無水マレイン酸の工業
的有利な分離方法の提供を目的としたものであって、そ
の要旨は、無水マレイン酸を含有するガス状混合物を吸
収剤と接触させて無水マレイン酸を吸収剤に吸収させ、
次いで、無水マレイン酸を吸収剤から回収するに当り、
吸収剤として、特許請求の範囲に記載の化学式〔化1〕
で示される2塩基酸ジアルキルエステルを使用すること
を特徴とする無水マレイン酸の分離方法に存する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。無水マレ
イン酸を含有するガス状混合物(以下、単にガス状混合
物と言う)としては、無水マレイン酸の製造工程の酸化
反応器から流出する反応ガスが挙げられる。上記の反応
ガスは、通常、250〜600℃の温度で反応器から流
出し、無水マレイン酸の他に、水、窒素、酸素、一酸化
炭素、二酸化炭素、未反応の炭化水素等を含有してい
る。
【0006】先ず、本発明においては、ガス状混合物を
吸収剤と接触させて無水マレイン酸を吸収剤に吸収させ
る。本発明の特徴は、吸収剤として、前記の化学式〔化
1〕で示される2塩基酸ジアルキルエステルを使用する
点にある。前記の化学式〔化1〕中、R1 は−(C
2 n −で表されるアルキレン基、R2 及びR3 はそ
れぞれ−(CH2 m −CH3 で表されるアルキル基を
示し、上記のnは3〜12の範囲の整数、mは0〜8の
範囲の整数を示す。上記の2塩基酸ジアルキルエステル
は、具体的には、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ
ン二酸、ドデカ二酸、ブラシル酸(トリデカン二酸)等
の2塩基酸のジアルキルエステルである。そして、アル
キル成分としては、炭素原子数が0〜4のものが好まし
く、また、酸成分としては、アジピン酸より高沸点のも
のが好ましい。
【0007】ガス状混合物と吸収剤との接触には、棚段
塔、充填塔および泡鐘塔等の各種形式の吸収塔が用いら
れる。吸収塔においては、塔の下部よりガス状混合物が
導入され、塔の上部より吸収剤が導入され、両者は向流
的に接触する。そして、塔の上部より無水マレイン酸を
実質的に含まないガス状混合物が導出され、塔の下部よ
り無水マレイン酸を吸収した吸収剤が導出する。
【0008】吸収塔へ導入されるガス状混合物の温度
は、これが高い程その構成成分の全てを蒸気(ガス)相
に保持できて好ましいが、余りにも高温過ぎる場合は、
無水マレイン酸の吸収効率が低下する。従って、ガス状
混合物の温度は、その圧力と組成にも依存するが、一般
には60〜150℃の範囲、好ましくは60〜100℃
の範囲とするのがよい。そして、このような条件の採用
により、実質的にマレイン酸の生成を伴わずしてガス状
混合物中に含まれている無水マレイン酸の90%以上を
吸収剤に吸収させることができる。
【0009】次に、本発明においては、無水マレイン酸
を溶解した吸収剤から無水マレイン酸を回収する。無水
マレイン酸の回収は、吸収塔の下部より導出した無水マ
レイン酸を吸収した吸収剤を蒸留塔に供給して行われ
る。無水マレイン酸と吸収剤とは、蒸留塔にて分別蒸留
され、蒸留塔の上部より無水マレイン酸が回収され、蒸
留塔の下部より吸収剤が回収される。回収された吸収剤
は、吸収塔に循環して再使用される。
【0010】本発明で使用する2塩基酸ジアルキルエス
テルより成る吸収剤は、以下のような利点を有する。 (1)室温において液体であり、粘度も比較的低い。従
って、取り扱いの観点から有利である。 (2)高い沸点を有するために、無水マレイン酸の吸収
温度を高くしてその溶解度を大きくしても蒸気圧は極め
て低い。従って、ガスの飽和によって引き起こされる吸
収剤の損失を無視できる値に減少させることができる。 (3)化学的に著しく安定であり、長期に亙っての循環
使用においても損失が少ない。 (4)水に対する親和性が実質上無視できる程度に小さ
いために、マレイン酸の生成は著しく少ない。 (5)無水マレイン酸との沸点差が大きいために、段数
の少ない蒸留塔で無水マレイン酸との分別が可能であ
る。 (6)適度な減圧度において(5〜760mHg abs )沸
点を有するために、無水マレイン酸の蒸留回収において
釜側の熱源を確保し易い。 (7)水存在下であっても吸収塔内のトレイもしくは充
填層内でマレイン酸もしくはフマル酸の結晶析出を誘発
しない。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の例におい
ては、無水マレイン酸を吸収剤から蒸留回収する工程を
省略した。すなわち、吸収塔として実段数5段のトレー
棚段塔使用した図1に示す吸収装置を使用し、本発明の
吸収剤による無水マレイン酸の吸収工程のみを実施し、
本発明の吸収剤の性能を明らかにした。また、ガス状混
合物として、無水マレイン酸17.9g、水28g、窒
素ガス160Nlの組成のメイキャップガスを使用し
た。この組成は、公知の無水マレイン酸の製造工程の酸
化反応器から流出する反応ガスの組成とほぼ一致する。
【0012】実施例1 予め余熱して気化させた100℃のガス状混合物(無水
マレイン酸2容量%、水17.5容量%及び窒素80.
5容量%のガス組成)を導管(1)を通して吸収塔
(A)の下部より200Nl/hrの速度でを導入し
た。一方、予め70℃に加温したセバシン酸ジ−n−ブ
チルエステル(吸収剤)を導管(2)を通して吸収塔
(A)上部より260g/hrの速度で導入した。吸収
塔(A)は、ジャケット部に熱媒を循環して保温した。
吸収塔(A)の上部より導出するガス流を導管(3)を
通して冷却器(C)に導入し15℃に冷却した。冷却器
(C)からの凝縮液を導管(4)を通して留出容器
(D)に導出し、未凝縮ガスを導管(5)を通して抜き
出した。そして、導管(6)を通して抜出した凝縮液中
のマレイン酸濃度を測定して無水マレイン酸飛散率を求
めた。また、無水マレイン酸を吸収した吸収剤を導管
(7)を通して吸収塔(A)の下部より缶出容器(B)
に導出した。そして、導管(8)を通して抜出した缶出
液中のマレイン酸濃度を測定してマレイン酸生成率を求
めた。また、無水マレイン酸の供給量を基準にして無水
マレイン酸の吸収率を求めた。缶出容器(B)は、ジャ
ケット部に温水を循環して保温した。以上の結果を表1
に示す。
【0013】実施例2〜3 実施例1において、セバシン酸ジ−n−ブチルエステル
の供給量を表1記載の条件に変更した以外は、実施例1
と同様にして無水マレイン酸の吸収テストを行い、その
結果を表1に示す。 実施例4〜6 実施例1において、セバシン酸ジブチルエステルの代わ
りにセバシン酸ジエチルエステルを用いて表1記載の供
給条件に変更した以外は、実施例1と同様にして無水マ
レイン酸の吸収テストを行い、その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】 吸収剤量(g/h) 液ガス比 飛散率(%) 生成率(%) 吸収率(%) ──────────────────────────────────── 実施例1 128 0.6 3 5 92 実施例2 258 1.2 2 4 94 実施例3 518 2.4 1 2 97 実施例4 128 0.6 3 4 93 実施例5 258 1.2 1 2 97 実施例6 518 2.4 1 1 98 ──────────────────────────────────── 液ガス比=吸収剤供給量/ガス状混合物供給量
【0015】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、特定の吸
収剤の使用により、無水マレイン酸の工業的有利な分離
方法が提供され、本発明の工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において使用した吸収装置の説
明図である。
【符号の説明】
(A):吸収塔 (C):冷却器 (B):缶出容器 (D):留出容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水上 功 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化 成株式会社水島工場内 (56)参考文献 特開 昭48−67219(JP,A) 特開 昭50−131923(JP,A) 特開 昭60−156684(JP,A) 特開 昭61−291581(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 307/60 B01D 53/14 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水マレイン酸を含有するガス状混合物
    を吸収剤と接触させて無水マレイン酸を吸収剤に吸収さ
    せ、次いで、無水マレイン酸を吸収剤から回収するに当
    り、吸収剤として、下記の化学式〔化1〕で示される2
    塩基酸ジアルキルエステルを使用することを特徴とする
    無水マレイン酸の分離方法。 【化1】R2 OOC−R1 −COOR3 (式中、R1 は−(CH2 n −で表されるアルキレン
    基、R2 及びR3 はそれぞれ−(CH2 m −CH3
    表されるアルキル基を示し、上記のnは3〜12の範囲
    の整数、mは0〜8の範囲の整数を示す)
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