JP3006565U - カートリッジホルダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製本作業の際に多数の紙面と一体に綴じ込む
ことができ、かつ十分なディスクカートリッジの保護機
能を有しているだけでなく、書籍の見開き時においても
支障を来さないように構成されたカートリッジホルダー
を提供する。 【構成】 非可撓性基体110 の側面111 に形成された収
納凹部140 にディスクカートリッジ90を収納し、一端の
綴じ込み部130 を介して書籍に綴じ込まれるように構成
されたカートリッジホルダー100 であり、少なくとも前
記収納凹部140 を覆い、前記綴じ込み部130 まで伸びる
ように可撓性プラスチックフィルム60が前記非可撓性基
体110 の側面111 に固着されると共に、前記綴じ込み部
130 近傍の前記非可撓性基体110 には書籍綴じ方向に沿
うＶ字溝75が設けられており、該Ｖ字溝75を覆う前記可
撓性プラスチックフィルム60によりヒンジ部65が構成さ
れている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、円盤状情報記録媒体を格納したディスクカートリッジを収納して固 定するホルダーに関し、より詳しくは、書籍等に添付されるディスクカートリッ ジを収納するのに好適なカートリッジホルダーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、パーソナルコンピュータが広く使用されるようになったことに伴い、ソ フトウェアの内容紹介や使用方法等を記載した書籍が多数発行されているが、こ のような本の中には、ソフトウェアのサンプルプログラム等を記録したフロッピ ィディスクやＣＤ−ＲＯＭ等の円盤状情報記録媒体を格納したディスクカートリ ッジが一緒に付録として添付販売されているものがある。 ところが、従来は本と前記ディスクカートリッジとを別個に包装して輸送した 後、書店においてこれら本とディスクカートリッジとを一つずつ手作業により組 み合わせて添付販売されているため、極めて効率が悪いばかりでなく、本のペー ジの間に挿入されて輪ゴム等で止められている前記ディスクカートリッジが脱落 したり盗まれたりすることがあった。 このようなことから、前記ディスクカートリッジを書籍と一緒に取り扱うとき に、該ディスクカートリッジが書籍から脱落する等のトラブルのないカートリッ ジホルダーが要望されている。

【０００３】 そこで、例えばフロッピーディスクを収納して固定し、製本作業の際に多数の 紙面と一体に綴じ込むことができるカートリッジホルダーとして、図８に示すよ うな構造のホルダーが提案されている。 このホルダーについて図８を用いて説明すると、比較的厚みのある書籍１に段 ボールや厚紙を用いて平板状に成形されたカートリッジホルダー１０が綴じ込ん である。このカートリッジホルダー１０の基体２０は、その側面２１に矩形状の 開口を有する収納凹部３０が凹設され、その凹部内にディスクカートリッジ９０ を収納するようにしたものである。また、前記収納凹部３０には、該収納凹部３ ０内に収納された前記ディスクカートリッジ９０を脱落しないように固定する薄 板帯状の保持手段であるバンド部４０が該収納凹部３０の一方の側縁３２と他方 の側縁３３との間に張設されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記カートリッジホルダー１０は、書籍を輸送する際等の物流過程 において、前記ディスクカートリッジ９０に損傷などが発生しないように、上述 の如く段ボールや厚紙等の比較的硬く曲げ難い非可撓性基体で構成されており、 その厚みもディスクカートリッジ９０とほぼ同じ厚みのものが用いられている。 そこで、前記書籍１を開く場合、前記カートリッジホルダー１０以外の冊子部 分１１は柔軟に見開きできるが、このカートリッジホルダー１０が綴じ込まれた ページ近傍の紙面を開く際には開き難く、その為綴じ側の文字等が見にくい等の 欠点がある。このようなことから、図示のごとく前記カートリッジホルダー１０ を書籍１の先頭頁側又は最終頁側に綴じ込む等の工夫をしたとしても、上述の欠 点を十分解消するものではなく、前記カートリッジホルダー１０は書籍の取り扱 い性を低下させるものであった。

【０００５】 そこで、本考案は上記の事情に鑑みてなされたものであって、製本作業の際に 多数の紙面と一体に綴じ込むことができ、かつ十分なディスクカートリッジの保 護機能を有しているだけでなく、書籍の見開き時においても支障を来さないよう に構成されたカートリッジホルダーを提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の上記目的は、非可撓性基体の側面に形成された収納凹部にディスクカ ートリッジを収納し、一端の綴じ込み部を介して書籍に綴じ込まれるように構成 されたカートリッジホルダーにおいて、 少なくとも前記収納凹部を覆い、前記綴じ込み部まで伸びるように可撓性プラ スチックフィルムが前記非可撓性基体の側面に固着されると共に、前記綴じ込み 部近傍の前記非可撓性基体には書籍綴じ方向に沿う肉抜き溝が設けられており、 該肉抜き溝を覆う前記可撓性プラスチックフィルムによりヒンジ部が構成されて いることを特徴とするカートリッジホルダーにより達成することができる。

【０００７】 また、前記肉抜き溝の開口側の溝幅が底部側の溝幅よりも広く構成されている 上記カートリッジホルダー、前記肉抜き溝が断面略Ｖ字形状の溝にて構成された 前記カートリッジホルダー、前記非可撓性基体が段ボールもしくは厚紙にて構成 された前記カートリッジホルダー、前記可撓性プラスチックフィルムが少なくと も前記収納凹部内を目視可能な透明又は半透明の可撓性プラスチックフィルムに て構成された前記カートリッジホルダー、前記可撓性プラスチックフィルムの綴 じ込み部側を除く端縁近傍に、該可撓性プラスチックフィルムを剥がす際の手が かりとなる開封手段が設けられた前記カートリッジホルダー、更には前記ディス クカートリッジが、その中に回転自在な円盤状情報記録媒体を収納してなるディ スクカートリッジである前記カートリッジホルダーによっても本考案の上記目的 を達成することができる。

【０００８】

【実施態様】

以下、添付図面に基づいて本考案の一実施態様におけるカートリッジホルダー を詳細に説明する。 図１に示すように、本実施態様のカートリッジホルダー１００は平板状の非可 撓性基体１１０からなり、この非可撓性基体１１０の一方の側面１１１には収納 凹部１４０が形成され、この収納凹部１４０内に収納されたディスクカートリッ ジ（３．５インチサイズのフロッピーディスク）９０が脱落しないように、前記 側面１１１には可撓性プラスチックフィルム６０が固着され、前記収納凹部１４ ０を覆っている。

【０００９】 前記非可撓性基体１１０は、平板状の非可撓性板材である厚紙から成り、矩形 平板状の下板部１７０と、前記ディスクカートリッジ９０を収納できる厚みと大 きさを有する矩形状の開口１８１が打ち抜かれた矩形平板状の上板部１８０とが 適宜接着されて図３に示すように前記収納凹部１４０が形成されている。尚、前 記下板部１７０と前記上板部１８０とを一体に形成し、これらを折り畳んで適宜 接着することにより前記非可撓性基体１１０を構成しても良い。

【００１０】 前記可撓性プラスチックフィルム６０は、少なくとも前記収納凹部１４０を覆 うと共に前記カートリッジホルダー１００の一端の綴じ込み部１３０まで伸びる ように、前記側面１１１の全面を覆って接着剤等により固着されている。 尚、前記非可撓性板材としては、厚紙以外にも段ボール或いは合成樹脂板等の 材質を使用することができる。又、前記可撓性プラスチックフィルムとしては、 ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、塩化ビニル等からなる厚さ１５〜２０ ０μｍ程度のプラスチックフィルムを用いることができるが、好ましくは、少な くとも前記収納凹部１４０内のディスクカートリッジ９０を目視可能な透明又は 半透明の可撓性プラスチックフィルムを用いる。

【００１１】 そして、前記カートリッジホルダー１００は、その一端の綴じ込み部１３０を 介して図２に示すように書籍１に綴じ込まれるが、前記綴じ込み部１３０近傍の 前記非可撓性基体１１０には書籍綴じ方向に沿う肉抜き溝であるＶ字溝７５が形 成されている。前記Ｖ字溝７５の断面形状は、図３に示すように、前記可撓性プ ラスチックフィルム６０に覆われた一方の側面１１１側から他方の側面１１２側 へ向かって広がる略Ｖ字形状とされている。尚、前記可撓性プラスチックフィル ム６０には、前記Ｖ字溝７５のような肉抜き溝は設けられていない。又、綴じ込 み部側の端面からＶ字溝７５までの距離は、綴じ代である綴じ込み部１３０が確 保できる十分な距離とされる。

【００１２】 従って、前記カートリッジホルダー１００は、前記綴じ込み部１３０近傍に前 記Ｖ字溝７５が形成されていることにより、保護機能の高い硬い素材から成る前 記非可撓性基体１１０が例えば図２に示すように書籍１の厚み方向の中段部分に 綴じ込まれた場合であっても、このＶ字溝７５を覆う前記可撓性プラスチックフ ィルム６０がヒンジ部６５となって柔軟に撓み変形するので、該カートリッジホ ルダー１００の綴じ込みページ近傍の紙面の見開きに支障を来さないようにでき る。 また、見開き時おける手指による開き力による変形は前記ヒンジ部６５に集中 するので、ディスクカートリッジ９０が収納された領域（前記非可撓性基体１１ ０の収納凹部１４０を含む領域）の曲がり方を小さくでき、この点においてもデ ィスクカートリッジ９０の保護機能を高めることができる。更に、前記カートリ ッジホルダー１００において綴じ込み部１３０と他の部分の厚みに差がないので 、書籍１の体裁を損なうことなく撓み作用を発揮することができる。

【００１３】 更に、前記肉抜き溝としては、上記の如きＶ字溝７５に限らず、図４に示すよ うな矩形状の断面形状を有する矩形溝８５や、図５に示すような凸状の断面形状 を有する段付き溝９５等の種々の断面形状を有する溝を用いることができ、その 大きさも素材によって適宜変更される。 但し、前記Ｖ字溝７５や前記段付き溝９５のように、本考案における肉抜き溝 はその開口側の溝幅が底部側の溝幅よりも広く構成されていることが好ましい。 即ち、前記肉抜き溝の開口側の溝幅を底部側の溝幅よりも広くすることにより、 開き力によるカートリッジホルダー１００の変形を前記ヒンジ部６５に集中でき る共に、例えばカートリッジホルダー１００を図３の矢印Ａ方向に開いた際の非 可撓性基体１１０の溝形成部の干渉を防止できる。そこで、前記ヒンジ部６５は 、撓み変形し易くなると共に、見開き時の曲がり角度を大きくできる。

【００１４】 そして、前記カートリッジホルダー１００に収納された前記ディスクカートリ ッジ９０は、前記可撓性プラスチックフィルム６０を前記非可撓性基体１１０の 側面１１１から剥がすことにより取り出し可能となる。そこで、例えば図６に示 したように、前記可撓性プラスチックフィルム６０の綴じ込み部側を除く端縁に 隣接する前記非可撓性基体１１０の一部に切り欠き部１１５を形成し、前記可撓 性プラスチックフィルム６０を剥がす際の手がかりとなる開封手段を設けること もできる。又、図７に示したように、前記可撓性プラスチックフィルム６０の綴 じ込み部側を除く端縁の一部に摘み片６７を形成し、該可撓性プラスチックフィ ルム６０を剥がす際の開封手段としても良い。更に、前記ヒンジ部６５に沿った 前記可撓性プラスチックフィルム６０にミシン目を施し、該可撓性プラスチック フィルム６０の切り取りを容易とすることもできる。 このような開封手段である切り欠き部１１５及び摘み片６７等を設けることに より、前記可撓性プラスチックフィルム６０が剥がし易くなり、前記ディスクカ ートリッジ９０を前記カートリッジホルダー１００から取り出し易くなる。

【００１５】 尚、上記実施態様においては、前記非可撓性基体１１０を二枚の厚紙による二 層構造としたが、合成樹脂板等による一体構造でもよいことは言うまでもない。 更に、上記実施態様においては、３．５インチサイズのフロッピーディスクで あるディスクカートリッジ９０を収納するカートリッジホルダーについて述べた が、本考案は他のサイズのフロッピーディスクやオーディオ等に用いられている 磁気テープカセット等の磁気記録媒体、ＣＤ（光学式記録媒体）、ＣＤ−ＲＯＭ 或いはＭＯ（光磁気記録媒体）等の円盤状情報記録媒体を収納したカートリッジ にも適用できるものである。また、本考案は比較的フレキシブルな例えば５イン チサイズのフロッピィディスク等において適用可能である。

【００１６】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案のカートリッジホルダーは、非可撓性基体の側面に 形成された収納凹部にディスクカートリッジを収納し、一端の綴じ込み部を介し て書籍に綴じ込まれるように構成されたカートリッジホルダーであり、少なくと も前記収納凹部を覆い、前記綴じ込み部まで伸びるように可撓性プラスチックフ ィルムが前記非可撓性基体の側面に固着されると共に、前記綴じ込み部近傍の前 記非可撓性基体には書籍綴じ方向に沿う肉抜き溝が設けられており、該肉抜き溝 を覆う前記可撓性プラスチックフィルムによりヒンジ部が構成されている。

【００１７】 従って、カートリッジホルダーが書籍の厚み方向の中段部分に綴じ込まれた場 合であっても、書籍綴じ方向に沿う前記綴じ込み部近傍のヒンジ部が柔軟に撓み 変形するので、保護機能の高い硬い素材を使用しても書籍の見開き時に該カート リッジホルダーが綴じ込まれたページ近傍の紙面の見開きに支障を来さないよう にできる。 また、見開き時の開き力による変形を前記ヒンジ部に集中させることができる ので、ディスクカートリッジが収納された領域の曲がり方を小さくでき、該ディ スクカートリッジの保護機能を高めることができる。 さらに、本考案によれば、カートリッジホルダーの綴じ込み部と該ホルダーの 他の部分の厚みに差がないので、書籍の体裁を損なうことなく撓み作用を十分に 発揮することができ、取り扱い性のよい書籍を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施態様に基づくカートリッジホル
ダーの全体斜視図である。

【図２】図１に示したすカートリッジホルダーが綴じ込
まれた書籍の見開き状態の斜視図である。

【図３】図１に示したカートリッジホルダーのＸ−Ｘ断
面矢視図である。

【図４】本考案の他の実施態様に基づく肉抜き溝を示す
要部拡大断面図である。

【図５】本考案の他の実施態様に基づく肉抜き溝を示す
要部拡大断面図である。

【図６】本考案の他の実施態様に基づくカートリッジホ
ルダーの要部拡大斜視図である。

【図７】本考案の他の実施態様に基づくカートリッジホ
ルダーの要部拡大斜視図である。

【図８】従来のカートリッジホルダーが書籍に綴じ込ま
れたときの問題を説明するための全体斜視図である。

【符号の説明】

１ 書籍 ６０ 可撓性プラスチックフィルム ６５ ヒンジ部 ７５ Ｖ字溝 ９０ ディスクカートリッジ １００ カートリッジホルダー １１０ 非可撓性基体 １３０ 綴じ込み部 １４０ 収納凹部 １７０ 下板部 １８０ 上板部

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 非可撓性基体の側面に形成された収納凹
   部にディスクカートリッジを収納し、一端の綴じ込み部
   を介して書籍に綴じ込まれるように構成されたカートリ
   ッジホルダーにおいて、 少なくとも前記収納凹部を覆い、前記綴じ込み部まで伸
   びるように可撓性プラスチックフィルムが前記非可撓性
   基体の側面に固着されると共に、前記綴じ込み部近傍の
   前記非可撓性基体には書籍綴じ方向に沿う肉抜き溝が設
   けられており、該肉抜き溝を覆う前記可撓性プラスチッ
   クフィルムによりヒンジ部が構成されていることを特徴
   とするカートリッジホルダー。
2. 【請求項２】 前記肉抜き溝の開口側の溝幅が、底部側
   の溝幅よりも広く構成されていることを特徴とする請求
   項１に記載のカートリッジホルダー。
3. 【請求項３】 前記肉抜き溝が、断面略Ｖ字形状の溝に
   て構成されたことを特徴とする請求項１又は請求項２に
   記載のカートリッジホルダー。
4. 【請求項４】 前記非可撓性基体が、段ボールもしくは
   厚紙にて構成されたことを特徴とする請求項１乃至請求
   項３のいずれかに記載のカートリッジホルダー。
5. 【請求項５】 前記可撓性プラスチックフィルムが、少
   なくとも前記収納凹部内を目視可能な透明又は半透明の
   可撓性プラスチックフィルムにて構成されたことを特徴
   とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載のカート
   リッジホルダー。
6. 【請求項６】 前記可撓性プラスチックフィルムの綴じ
   込み部側を除く端縁近傍に、該可撓性プラスチックフィ
   ルムを剥がす際の手がかりとなる開封手段が設けられた
   ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載のカ
   ートリッジホルダー。
7. 【請求項７】 前記ディスクカートリッジが、その中に
   回転自在な円盤状情報記録媒体を収納してなるディスク
   カートリッジであることを特徴とする請求項１乃至６の
   いずれかに記載のカートリッジホルダー。