JP3005307U

JP3005307U - 筆記具用軸

Info

Publication number: JP3005307U
Application number: JP1994008250U
Authority: JP
Inventors: 谷守守; 根吉保関; 正雄 ▲濱▼田
Original assignee: セイキ工業株式会社
Priority date: 1994-06-16
Filing date: 1994-06-16
Publication date: 1994-12-20
Anticipated expiration: 2000-06-16

Abstract

(57)【要約】【目的】筆記具における軸体に吸湿性を付与してぬめ
りや滑りを防止し、不快感や疲労感をやわらげると共
に、加工性を向上させる。【構成】内外２層からなる円筒形軸体１の内層材２に
強度を保つ合成樹脂またはアルミニウムを使用し、外層
材３にエラストマーを使用する。上記エラストマーに、
吸湿性を付与するために必要な量の吸湿粉材５を混合す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、筆記具用軸に関するものであり、更に詳しくは、ボールペン、万年筆及びシャープペンシル等の、把持部が円筒形軸体である筆記具用軸に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の筆記具においては、プラスチック等の各種材料を単層の円筒形軸体として使用したり、内外２層に形成した円筒形軸体の外層材としてエラストマーを使用したりしている。ところが、いずれの材料を使用した軸体も、吸湿性に乏しく、汗や手の脂等が付着するとぬめったり滑りやすくなったりして、不快感やそれに伴う疲労感が生じていた。加工性の面についても、上記２層の軸体は成形後に旋削・切削などによるの軸端の加工や表面に装飾的な加工を施すことが多いが、エラストマーはその弾力性により切削・加工が困難である、といった欠点があった。

【０００３】また、実公平０６−０１７５７５号公報においては、発泡プラスチックまたは塩化ビニールに木片を混入し、パイプ状に成形した筆記具用軸体について提案されているが、軸体の強度を保つためには木片を５％程度しか混入することができず、意匠性を高める程度で、十分な吸湿性及び加工性を得るには至らないものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の技術的課題は、ボールペン、万年筆及びシャープペンシル等の筆記具における軸体に吸湿性を付与してぬめりや滑りを防止し、不快感やそれに伴う疲労感をやわらげると共に、加工性を向上させることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案の筆記具用軸は、内外２層からなる円筒形軸体の内層材に強度を保つ合成樹脂またはアルミニウムを使用し、外層材にエラストマーを使用したものにおいて、上記エラストマーに、吸湿性を付与するために必要な量の吸湿粉材を混合したことを特徴とするものである。更に具体的には、上記円筒形軸体の外層材には塩化ビニールエラストマー、オレフィンエラストマーまたはスチレンエラストマーを使用し、該外層材に混合する吸湿粉材としては木粉、モミガラ、木綿繊維または紙の粉体を使用することにより構成される。上記外層材には、一般的に１５〜５０％の吸湿粉材を混合することができるが、２０〜４０％を混合するのが望ましく、更に３０％程度の吸湿粉材を混合するのが最も望ましい。

【０００６】

【作用】

上記構成を有する筆記具用軸においては、外層材のエラストマーに混合した吸湿粉材が汗や手の脂を吸収するため、ぬめりや滑りによる不快感やそれに伴う疲労感を防止することができ、その上、外層材であるエラストマーは、把持した際の感覚がソフトであるため、それらの相互作用により長時間使用しても疲れを感じさせない。また、吸湿粉材の混合によって、外層材のエラストマーの弾力性を低下させるため、その加工性も改善され、軸体の成形後における旋削・切削などによる軸端の加工や表面の装飾的な加工も容易になる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１において、円筒形軸体１は内層材２と外層材３の２層からなり、該内層材２は強度を保つために、合成樹脂またはアルミニウム等の軽量金属を使用している。また、該外層材３は、エラストマーに吸湿性を付与するために必要な量の吸湿粉材５を混合したものである。

【０００８】上記外層材３としては、具体的には、塩化ビニールエラストマー、オレフィンエラストマーまたはスチレンエラストマー等の弾力性のある合成樹脂を使用することができ、それによって、把持した際のソフトな感覚を創り出すことができる。該エラストマーに混合する吸湿粉材５としては、吸湿性に富む材料、例えば、木粉、モミガラ、木綿繊維または紙等を粉体にして使用することができる。

【０００９】上記外層材３には、一般的に吸湿粉材５を１５〜５０ｗｔ％の割合で混合することができる。より吸湿性及び加工性を高めるためには、２０〜４０ｗｔ％程度の割合で混合するのが望ましいが、更に言えば、３０ｗｔ％程度を混合するのが最も望ましい。該外層材３のエラストマーの弾力性は、吸湿粉材５を上記範囲内で混合すればそのソフトな感覚を失うことはなく、しかもそれに適度の吸湿性と加工性を付与することができる。

【００１０】上記構成を有する筆記具用軸においては、上述のように外層材３のエラストマーに吸湿粉材５を混合することにより、該吸湿粉材５が汗や手の脂を吸収するため、ぬめりや滑りを防止することができ、その上、エラストマーは、把持した際の感覚がソフトであるため、それらの相互作用により長時間使用しても疲れを感じさせない。また、吸湿粉材５の混合によって、外層材３のエラストマーの弾力性を低下させるため、その加工性も改善され、軸体の成形後における旋削・切削などによる軸端の加工や表面の装飾的な加工も容易になる。

【００１１】本実施例における筆記具は、ボールペン、万年筆またはシャープペンシル等のなかでも、把持部が円筒形軸体のものとしたが、その断面形状は円形に近似するもの（例えば、四角形または六角形等の多角形）であれば自由に適用することができる。また、前述のように、軸体の成形後における旋削・切削によって軸端を加工したり、軸体表面に溝を付設したり、テーパ状に成形したりすることもできる。

【００１２】また、上記外層材３のエラストマーに混合した吸湿粉材５が軸体表面状に作り出す模様も、そのままデザイン的に利用することができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上に詳述したように、本考案の筆記具用軸によれば、ボールペン、万年筆及びシャープペンシル等の筆記具における軸体に吸湿性を付与してぬめりや滑りを防止し、不快感やそれに伴う疲労感をやわらげると共に、加工性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る筆記具用軸の斜視図である。

【図２】図１の筆記具用軸の軸方向に垂直な面での断面
図である。

【符号の説明】

１円筒形軸体２内層材３外層材５吸湿粉材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】内外２層からなる円筒形軸体の内層材に
強度を保つ合成樹脂またはアルミニウムを使用し、外層
材にエラストマーを使用したものにおいて、上記エラス
トマーに、吸湿性を付与するために必要な量の吸湿粉材
を混合したことを特徴とする筆記具用軸。
【請求項２】円筒形軸体の外層材に塩化ビニールエラ
ストマー、オレフィンエラストマーまたはスチレンエラ
ストマーを使用したことを特徴とする請求項１に記載の
筆記具用軸。
【請求項３】円筒形軸体の外層材に、１５〜５０％の
吸湿粉材を混合したことを特徴とする請求項１または２
に記載の筆記具用軸。
【請求項４】円筒形軸体の外層材に、２０〜４０％の
吸湿粉材を混合したことを特徴とする請求項１または２
に記載の筆記具用軸。
【請求項５】円筒形軸体の外層材に混合する吸湿粉材
として、木粉、モミガラ、木綿繊維または紙の粉体を使
用したことを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記
載の筆記具用軸。