JP3005269U - 靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、靴内部の通気性を向上させて足が
むれないようにしたり、足を衛生的にすることができ、
又、中物材が汚れたり、中底が本底の影響で熱くなった
り冷たくなるという弊害のない靴の提供を目的とする。 【構成】 アッパー１に対し袋状に縫い付けるプラット
おもて２において足の裏のつま先部及び土ふまず部あた
りと対応する箇所にそれぞれ通気孔３を設けると共に、
その通気孔３に銅付き鳩目４を取り付け、プラットおも
て２の下にプラットホームとして合成樹脂製の線条を織
って、もしくは編んで、又は溶着することによって扁平
な立体形状となした弾力性且つ通気性を有するエアーク
ッション５を配し、そのエアークッション５の周囲をア
ッパー１に縫い付けた巻革９で包み、エアークッション
５の下に断熱性を有する中底６を当て、その中底６の下
にアウトソール７を積層したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プラット式又はカリフォルニア式と称される方法によって製造され る靴、特にその底の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

靴の内部は高温多湿になりやすく、足がむれたり、非衛生的になりやすいとい う問題がある。このような問題を解決するものとして、従来、例えば実開昭６４ −１９３０５号公報に見られるように、「中底にパンチング孔を設け、本底に空 窩部を設けると共にこれを外部へ開通させる孔又は溝を設け、通気性を有する中 物材を本底の空窩部へ収納した構造の靴」が提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の従来例のような構造の靴は、靴内部の通気性が向上するが、本底の空窩 部と外部とを開通させる孔や溝から内部へ埃などが侵入して中物材が汚れる問題 がある。また、空窩部以外の箇所では、中底と本底の間に中物材が介在しないの で、路面の影響を受ける本底の温度がそのまま中底に伝わって、夏は熱く、冬は 冷たくなって履き心地が良くないという問題もある。そこで本考案は、靴内部の 通気性を向上させて足がむれないようにしたり、足を衛生的にすることができ、 又、中物材が汚れたり、中底が本底の影響で熱くなったり冷たくなるという弊害 のない靴の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の靴は、アッパー１に対し袋状に縫い付け るプラットおもて２において足の裏のつま先部及び土ふまず部あたりと対応する 箇所にそれぞれ通気孔３を設けると共に、その通気孔３に銅付き鳩目４を取り付 け、プラットおもて２の下にプラットホームとして合成樹脂製の線条を織って、 もしくは編んで、又は溶着することによって扁平な立体形状となした弾力性且つ 通気性を有するエアークッション５を配し、そのエアークッション５の周囲をア ッパー１に縫い付けた巻革９で包み、エアークッション５の下に断熱性を有する 中底６を当て、その中底６の下にアウトソール７を積層したことを特徴とするも のである。

【０００５】

【作用】

プラットおもて２の下に配したプラットホームとしてのエアークッション５に は多量の空気が保溜され、歩行時にその空気が押し出されて通気孔３から出てく るので、靴内部における足の周囲の通気性が向上する。また、通気孔３に取り付 けた銅付き鳩目４は通気孔３が潰れて閉塞するのを防止すると共に、その銅イオ ンの殺菌作用により靴内部を衛生的にする。尚、上記の従来例では、本底に設け た孔や溝から中物材へ空気を供給していたが、本考案におけるプラットホームと してのエアークッション５は、上記従来例における中物材のように本底に設けた 空窩部に詰め込まれるものではなく、独立して靴底の一つの層となっていて、そ の周囲を包む巻革９等の縫い目などにおいて外部との通気性が充分に確保される ので、上記従来例における本底の孔や溝のようなものを特に設ける必要はない。 従って、埃が侵入しにくくエアークッション５が汚れる虞がない。また、エアー クッション５がプラットホームとして、プラットおもて２とアウトソール７の間 の全体にわたって位置するので、空気層が間に存在することになり断熱効果があ る。更に、アウトソール７の上には断熱性の中底６も配しているので断熱効果が 顕著であり、アウトソール７が熱く又は冷たくなっても、足の裏に接するプラッ トおもて２はその影響を受けない。また、プラットホームの下に中底６を配した ことにより、その中底６にシャンクなどを取り付けることができて底の構造を堅 牢なものにすることができる。

【０００６】

【実施例】

以下、図示した本考案の実施例について説明する。まず、図中符号２がプラッ トホームの上面を覆うプラットおもてである。このプラットおもて２はアッパー １に対して袋状に縫い付けられる。このプラットおもて２は単独の素材で形成す ることもできるが、本実施例のものは通気性を有する生地と吸湿性を有する不織 布等の生地を積層して構成されている。

【０００７】 プラットおもて２において足の裏のつま先部と土ふまず部あたりに対応する箇 所にそれぞれ複数の通気孔３を穿設している。そして、その通気孔３にはそれぞ れ鳩目４を取り付けて通気孔３が押し潰されて閉塞しないようにしている。各鳩 目４は、図３及び図４に示すように、プラットおもて２の裏面側に銅製リング８ を一体的に止着している。

【０００８】 次に、符号５がプラットホームとしてのエアークッションである。このエアー クッション５は、合成樹脂製の線条を織って、もしくは編んで、又は溶着するこ とによって扁平な空隙部の多い立体形状に形成されて、良好な弾力性及び通気性 を有している。尚、本実施例では「フローリアン」を使用した。

【０００９】 エアークッション５の周囲は、アッパー１及びプラットおもて２に一体的に縫 い付けた巻革９で包んでいる。

【００１０】 次に、符号６は中底であり、この中底６は上記のプラットホームの下に置かれ るものであり、断熱性のあるパルプボードなどによって形成されている。この中 底６の裏面における土ふまず部あたりにはシャンク（図示せず）を取り付けてい る。

【００１１】 また、符号７は中底６の下に接着されたゴム等を材料とするアウトソールであ る。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は上記の通りであり、アウトソールに上記従来例における孔や溝のよう なものを設けなくとも、靴内部の通気性を向上させて、足のむれを防止すると共 に、靴の内部を衛生的にすることができるものである。そして、底の内部へ埃が 侵入してエアークションなどが汚れる等の弊害がなく、又、プラットおもてとア ウトソールの間の断熱性が向上して、アウトソールの影響でプラットおもてが熱 く又は冷たくなるのを防止することができ、履き心地が極めて良好になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】つま先部あたりにおける横断面図である。

【図２】底を構成する部材の分解斜視図である。

【図３】プラットおもての通孔を設けた箇所の一部裏面
図である。

【図４】プラットおもての通孔を設けた箇所の断面図で
ある。

【符号の説明】

１ アッパー ２ プラットおもて ３ 通気孔 ４ 鳩目 ５ エアークッション ６ 中底 ７ アウトソール ８ 銅製リング ９ 巻革

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アッパー１に対し袋状に縫い付けるプラ
   ットおもて２において足の裏のつま先部及び土ふまず部
   あたりと対応する箇所にそれぞれ通気孔３を設けると共
   に、その通気孔３に銅付き鳩目４を取り付け、プラット
   おもて２の下にプラットホームとして合成樹脂製の線条
   を織って、もしくは編んで、又は溶着することによって
   扁平な立体形状となした弾力性且つ通気性を有するエア
   ークッション５を配し、そのエアークッション５の周囲
   をアッパー１に縫い付けた巻革９で包み、エアークッシ
   ョン５の下に断熱性を有する中底６を当て、その中底６
   の下にアウトソール７を積層したことを特徴とする靴。