JP3004987U - 移植機の苗分離ローラ - Google Patents

移植機の苗分離ローラ

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JP3004987U JP1994007690U JP769094U JP3004987U JP 3004987 U JP3004987 U JP 3004987U JP 1994007690 U JP1994007690 U JP 1994007690U JP 769094 U JP769094 U JP 769094U JP 3004987 U JP3004987 U JP 3004987U
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孝 佐々木
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株式会社ホクエイ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 農作物の移植栽培で、個々の苗に分離可能に
整然と連結した整列した苗を使用し個々の苗に分離して
移植する移植機において、苗の根傷を発生させることな
く、耐久性の高い、維持管理の楽な苗分離ローラを提供
する。 【構成】 苗分離ローラ20は回転する分離軸14にその中
心孔21をはめ込まれ、その外周面22で整列苗90の側面に
接して分離し、苗分離ローラ20はゴムのような弾性体か
ら成り、その外周面22と中心孔21の間の端面24から中心
孔21と平行な方向の多数の孔25を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、農作物の移植栽培で、個々の苗に分離可能に整然と連結した紙筒育 苗容器による紙筒苗のような整列した苗を使用し個々の苗に分離して移植する移 植機において、整然と連結した整列苗から個々の苗に分離する苗分離ローラに関 する。
【0002】
【従来の技術】
一列状の紙筒苗を個々の苗に分離する苗分離ローラは、特公昭47−1718 0号として提案されていて、この苗分離ローラは回動するスポンジ様物質を使用 するところに特徴がある。
【0003】 この苗分離ローラは、紙筒苗を押しつぶさない程度の反力を生ずるスポンジ輪 で、回動するスポンジ様物質に紙筒苗が喰い込み無理無く紙筒苗の分離を行うこ とができるので、苗の根傷みも少ない。
【0004】 また、複数列に整然と連結された整列苗を個々の苗に分離する苗分離ローラは 、特公平5−51241号として提案されていて、この苗分離ローラもスポンジ 体を使用している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
前記従来の技術の、スポンジ様物質を苗分離ローラに用いるものでは、毎秒2 〜3本の分離速度で年に5〜10haを植え付けても数年の耐久性があった。しか し、前記特公平5−51241号に示されるような自動苗分離の移植機では毎秒 5本以上の分離速度となり、5ha程度を植え付けただけで苗分離ローラの中心孔 が破損してしまうことがあった。
【0006】 また、スポンジ様物質に替えてゴムのような弾性体で苗分離ローラを形成する と、紙筒苗が食い込めないため押しつぶされて苗の根傷みが発生する。
【0007】 本考案は、整列苗を個々の苗に分離する移植機において、苗の根傷を発生させ ることなく、耐久性の高い、維持管理の楽な苗分離ローラにより、高性能・高能 率な移植機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案の移植機の苗分離ローラは、個々の苗91に分離可能に整然と連 結した整列苗90を苗分離ローラ20により個々の苗91に分離して移植する移植機に おいて、苗分離ローラ20は回転する分離軸14にその中心孔21をはめ込まれ、その 外周面22で整列苗90の側面に接して分離し、苗分離ローラ20はゴムのような弾性 体から成り、その外周面22と中心孔21の間の端面24から中心孔21と平行な方向の 多数の孔25を設けたものである。
【0009】 請求項2の考案の移植機の苗分離ローラは、苗分離ローラ20の多数の孔25が両 端面24の間を通っているものである。
【0010】 請求項3の考案の移植機の苗分離ローラは、苗分離ローラ20の多数の孔25が片 側の端面24で薄い膜26で覆われており、その薄い膜26で覆われた端面24を上方と して使用するものである。
【0011】 請求項4の考案の移植機の苗分離ローラは、苗分離ローラ20の外周面22にその 回転方向に直交する方向に長い複数の突起23を設けたものである。
【0012】
【作 用】
請求項1の考案では、苗分離ローラ20はゴムのような弾性体から成り、その外 周面22と中心孔21の間の端面24から中心孔21と平行な方向の多数の孔25を設けた から、多数の孔25によりゴムのような弾性体から成る苗分離ローラ20は外周面22 に整列苗90や分離された個々の苗91が接すると容易に変形する。また、苗分離ロ ーラ20は中心孔21の回りはゴムのような弾性体で形成されており、分離軸14の回 転力を外周面22に確実に伝えられる。
【0013】 請求項2の考案では、苗分離ローラ20の多数の孔25が両端面24の間を通ってい るから、分離された苗91等からこぼれた土が多数の孔25に侵入しても通り抜けて 落下する。
【0014】 請求項3の考案では、苗分離ローラ20の多数の孔25が片側の端面24で薄い膜26 で覆われており、その薄い膜26で覆われた端面24を上方として使用するから、分 離された苗91等からこぼれた土が多数の孔25に侵入することがなく、また端面24 が薄い膜26で覆われていても苗分離ローラ20の変形を妨げない。
【0015】 請求項4の考案では、苗分離ローラ20の外周面22にその回転方向に直交する方 向に長い複数の突起23を設けたから、苗分離ローラ20の外周面22が濡れても整列 苗90との間で滑ることが少ない。
【0016】
【実 施 例】
以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。
【0017】 個々の苗91に分離可能に整然と連結した整列苗90として、紙筒育苗容器による 紙筒苗を示している。この紙筒育苗容器は、展開すると六角柱状の上下が開口し た紙筒を、整然と水溶性糊で貼り合わせたものである。この紙筒中に培土を詰め て播種して育苗すると苗が生長して紙筒苗の整列苗90となり、水溶性糊は灌水に より徐々に溶けて無くなり、紙筒は腐敗の進行により徐々に互いに結合し、移植 時には適度の連結強度を保って個々の苗91に分離可能に整然と連結するようにな っている。
【0018】 つぎに、整列苗90を個々の苗91に分離する苗分離ローラ20を装備した移植機に ついて説明する。
【0019】 図1において、1は機枠であり、機枠1は平面視が略長方形の枠体を成してい て、図示しないトラクターに取り付けられて牽引され進行する。そして、機枠1 の上方には上部枠2を設け、上部枠2の上方には苗載台3を設け、苗載台3の下 方の上部枠2に分離装置10を設ける。機枠1の下方左右には接地輪4を設け、接 地輪4は圃面Eに接地していて機枠1の進行により回転して装置の動力を供給す る。機枠1と上部枠2の間に苗選別整列装置40を設け、苗選別整列装置40は苗選 別整列装置枠41に支持され、分離装置10と苗選別整列装置40の間に転向装置30を 設け、苗選別整列装置40と圃面Eの間には植付装置50を設ける。
【0020】 分離装置10は、上部枠2上の一対のレール11と、レール11上をその長手方向に 往復移動する苗供給枠12と、苗供給枠12に設けた苗供給ベルト13と、苗選別整列 装置枠41から上方に突出した一対の分離軸14と、一対の分離軸14の上部に上下2 段にはめ込まれた一対の苗分離ローラ20とからなる。苗供給ベルト13は、苗供給 枠12の往復移動端で整列苗90の一列分だけ苗分離ローラ20の方向に間歇的に回行 し、苗分離ローラ20の方向に低く傾斜している。一対の苗分離ローラ20は、互い の対向面が転向装置30の方向に向かうように回転していて、その上下の苗分離ロ ーラ20の間から転向装置30の一対のベルト31の始端が始まる。
【0021】 苗分離ローラ20は略円筒形を成し、その円筒中心に中心孔21が開いており、中 心孔21はその円筒両端面24に開孔している。苗分離ローラ20は天然ゴム,合成ゴ ム,軟質合成樹脂などのゴムのような弾性体から成り、その外周面22と中心孔21 の間の端面24から中心孔21と平行な方向の多数の細長い孔25を設ける。互いの孔 25は独立して連通しておらず、また孔25と孔25の間は薄くなっていて容易に変形 するようになっている。
【0022】 苗分離ローラ20の孔25の第1の実施例は、図7から図9に示すように、苗分離 ローラ20の多数の孔25が両端面24の間を通っている。
【0023】 苗分離ローラ20の孔25の第2の実施例は、図10から図13に示すように、苗 分離ローラ20の多数の孔25が片側の端面24で薄い膜26で覆われており、その薄い 膜26で覆われた端面24を上方として使用する。
【0024】 苗分離ローラ20の外周面22には、その回転方向に直交する方向の両端面24間に 達する長さの複数の突起23を等間隔に設ける。その突起23の高さは整列苗90に外 周面22が接する程度の低いものとする。
【0025】 苗分離ローラ20は回転する分離軸14にその中心孔21をはめ込まれ、その外周面 22および突起23で整列苗90の側面に接する。整列苗90は立垂状態で苗供給ベルト 13上に載せられ、苗供給枠12の往復移動により共に移動し、一対の苗分離ローラ 20に順次接することにより連続的に個々の苗91に分離され、分離された苗91は一 対の苗分離ローラ20に挾まれて繰り出され、転向装置30に受け渡される。整列苗 90の一列を全て分離し終えると苗供給ベルト13が間歇回行し、新たな苗列の分離 が開始される。
【0026】 転向装置30は、分離装置10と苗選別整列装置40の間に設け、分離装置10の苗分 離ローラ20により立垂状態で分離された苗91を横向き状態に連続的に転向させ、 転向装置30の搬送終端から苗選別整列装置40の横搬送ベルト42,43を水平方向に 連ねて設け、横搬送ベルト42,43は横向き状態の苗91を搬送する。
【0027】 転向装置30には一対のベルト31を設け、一対のベルト31の表面には多数の弾性 突起を設け、一対のベルト31はその対接面間にて苗91の紙筒の中間部を挾んで搬 送する。一対のベルト31は、苗選別整列装置枠41から上方に突出したプーリー軸 33と後方に突出したプーリー軸との間に掛け渡され、水平方向後方に屈曲して苗 91を立垂状態のまま後方に向かわせ、垂直下方向に屈曲していて苗91を横向き状 態に転向させ、その下端が搬送終端となっている。一対のベルト31の両走行側面 には、ベルト31の屈曲に対応したガイドレール32を設け、その溝にベルト31のピ ンがはまり込んで摺動走行し、ベルト31の所定の屈曲状態が維持される。
【0028】 一対のベルト31の搬送終端の下方から苗選別整列装置40としての横搬送ベルト 42,43を水平方向に連ねて設け、転向装置30の搬送終端から受け渡された横向き 状態の苗91を載せて搬送する。苗選別整列装置40では、苗91の葉の生えていない 欠株苗を除去し、間隔の不揃になった苗91列を一旦密着整列させた後、所定間隔 毎に苗91を植付装置50に受け渡す。
【0029】 植付装置50は一対の弾性円盤によるもので、苗選別整列装置40から横向き状態 で受け渡された苗91を立垂状態として圃面Eに植え付ける。
【0030】 つぎに、苗分離ローラ20の作動を説明する。
【0031】 一対の苗分離ローラ20は互いに反対方向に同一速度で回転すると共に、その周 速は苗供給枠12の移動速度より速く、例えばその3倍程度の速度で回転する。苗 の分離に際し、整列苗90の移動方向に対し正転する側の苗分離ローラ20は苗分離 位置である整列苗90の第1列に変形して接する位置とし、整列苗90の移動方向に 対し逆転する側の苗分離ローラ20は整列苗90の第一列の移動方向前方で後続する 第2列に近接する位置とする。
【0032】 整列苗90の分離される第1列の苗は正転する側の苗分離ローラ20と後続する第 2列の苗との間に挾まれると、移動する苗の速度より速くかつそれと同方向に回 転する苗分離ローラ20の回転力により転動され、隣接する苗と後続する第2列の 苗から引き離され分離される。
【0033】 このとき、多数の孔25によりゴムのような弾性体から成る苗分離ローラ20は外 周面22に整列苗90が接すると容易に変形するから、苗の根傷を発生させることが ない。また、苗分離ローラ20は中心孔21の回りはゴムのような弾性体で形成され ており、分離軸14の回転力を外周面22に確実に伝えられるから、十分な耐久性を 発揮する。さらにまた突起23により、苗分離ローラ20の外周面22が濡れても整列 苗90との間で滑ることが少ないから、苗分離ローラ20の回転力が分離される苗に 伝わり確実に分離される。
【0034】 引き離され分離された苗91は、引き続き移動方向に転動すると共に逆転する側 の苗分離ローラ20に当たって反転し、一対の苗分離ローラ20の間に入り込み、一 対の苗分離ローラ20に挾まれて繰り出され、転向装置30に受け渡される。このと き、分離された苗91は一対の苗分離ローラ20に挾まれても、多数の孔25によりゴ ムのような弾性体から成る苗分離ローラ20は外周面22に分離された個々の苗91が 接すると容易に変形するから、苗の根傷を発生させることがない。
【0035】 また、正転する側の苗分離ローラ20による分離される苗の分離が仮に不十分な 場合があっても、その移動方向前方に位置する逆転する側の苗分離ローラ20が接 することにより、正転する側の苗分離ローラ20とは反対方向に回転させられて引 き離される。従ってより分離ミスを生ずることもなく、確実に個々の苗91に分離 される。
【0036】 苗分離ローラ20の孔25の第1の実施例は、苗分離ローラ20の多数の孔25が両端 面24の間を通っているものである。この場合、分離された苗91等からこぼれた土 が多数の孔25に侵入しても通り抜けて落下するから、孔25に土が詰まり苗分離ロ ーラ20が固くなって苗の根傷を発生させることがない。
【0037】 苗分離ローラ20の孔25の第2の実施例は、苗分離ローラ20の多数の孔25が片側 の端面24で薄い膜26で覆われており、その薄い膜26で覆われた端面24を上方とし て使用するものである。この場合、分離された苗91等からこぼれた土が多数の孔 25に侵入することがなく、また端面24が薄い膜26で覆われていても苗分離ローラ 20の変形を妨げないから、孔25に土が詰まり苗分離ローラ20が固くなって苗の根 傷を発生させることがない。
【0038】 以上の実施例では、整列苗90として紙筒育苗容器によるものを示したが、育苗 培地そのものが育苗容器を形成している無機物繊維や高分子化合物によるもので も、個々の苗91に分離可能に整然と連結されているものであれば良い。
【0039】
【考案の効果】
請求項1の考案によれば、苗分離ローラはゴムのような弾性体から成り、その 外周面と中心孔の間の端面から中心孔と平行な方向の多数の孔を設け、多数の孔 によりゴムのような弾性体から成る苗分離ローラは外周面に整列苗や分離された 個々の苗が接すると容易に変形するから、苗の根傷を発生させることがない。ま た、苗分離ローラは中心孔の回りはゴムのような弾性体で形成されており、分離 軸の回転力を外周面に確実に伝えられるから、十分な耐久性を発揮する。
【0040】 請求項2の考案によれば、苗分離ローラの多数の孔が両端面の間を通っており 、分離された苗等からこぼれた土が多数の孔に侵入しても通り抜けて落下するか ら、孔に土が詰まり苗分離ローラが固くなって苗の根傷を発生させることがない 。
【0041】 請求項3の考案によれば、苗分離ローラの多数の孔が片側の端面で薄い膜で覆 われており、その薄い膜で覆われた端面を上方として使用し、分離された苗等か らこぼれた土が多数の孔に侵入することがなく、また端面が薄い膜で覆われてい ても苗分離ローラの変形を妨げないから、孔に土が詰まり苗分離ローラが固くな って苗の根傷を発生させることがない。
【0042】 請求項4の考案によれば、苗分離ローラの外周面にその回転方向に直交する方 向に長い複数の突起を設け、苗分離ローラの外周面が濡れても整列苗との間で滑 ることが少ないから、苗分離ローラの回転力が分離される苗に伝わり確実に分離 される。
【図面の簡単な説明】
【図1】移植機の苗分離ローラの一実施例を示す側面図
である。
【図2】その部分拡大図である。
【図3】その部分拡大背面図である。
【図4】図3のA矢視図である。
【図5】図3の苗分離ローラの部分拡大図である。
【図6】図4の苗分離ローラの部分拡大図である。
【図7】図6のB−B断面図である。
【図8】苗分離ローラの平面図である。
【図9】その斜視図である。
【図10】図7の別の実施例を示す図である。
【図11】苗分離ローラの別の実施例の平面図である。
【図12】その底面図である。
【図13】その斜視図である。
【符合の説明】
14 分離軸 20 苗分離ローラ 21 中心孔 22 外周面 23 突起 24 端面 25 孔 26 薄い膜 90 整列苗 91 苗

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個々の苗に分離可能に整然と連結した整
    列苗を苗分離ローラにより個々の苗に分離して移植する
    移植機において、苗分離ローラは回転する分離軸にその
    中心孔をはめ込まれ、その外周面で整列苗の側面に接し
    て分離し、苗分離ローラはゴムのような弾性体から成
    り、その外周面と中心孔の間の端面から中心孔と平行な
    方向の多数の孔を設けた移植機の苗分離ローラ。
  2. 【請求項2】 苗分離ローラの多数の孔が両端面の間を
    通っている請求項1記載の移植機の苗分離ローラ。
  3. 【請求項3】 苗分離ローラの多数の孔が片側の端面で
    薄い膜で覆われており、その薄い膜で覆われた端面を上
    方として使用する請求項1記載の移植機の苗分離ロー
    ラ。
  4. 【請求項4】 苗分離ローラの外周面にその回転方向に
    直交する方向に長い複数の突起を設けた請求項1記載の
    移植機の苗分離ローラ。
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