JP3004850B2 - 光第2高調波発生装置 - Google Patents
光第2高調波発生装置Info
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Description
下、LDとも称する)を基本波光源とする光第2高調波
発生(以下、SHGとも称する)装置に関する。
や画像処理技術の分野で、小型な光源であるLDの波長
を短波長化する技術が強く求められている。LDの波長
を1/2に短波長化する技術として、従来、様々なSH
G方法およびそれを実現するための装置が提案されてい
る。その中でも、この出願に係る発明者は特願平3−5
1930号において、LDの発振波長をSHG素子から
の帰還によって擬似位相整合(以下、QPMとも称す
る)条件を満足する波長で安定的に規定する方法を提案
している。以下、この方法を自己擬似位相整合法または
S−QPM法と称する。
するために、図面を参照して、このS−QPM法を実現
するためのS−QPM SHG装置(自己擬似位相整合
光第2高調波発生装置)について簡単に説明する。図4
は、S−QPM SHG装置の説明に供する概略図であ
る。
子は、非線形光学結晶であるLiNbO3 基板10とそ
の表面に形成した光導波路12とを具えており、この光
導波路12中に周期的に分極反転領域14が形成されて
いる。これら分極反転領域14は、光導波路12の残部
(非分極反転領域)16よりは屈折率が僅かに高いの
で、光導波路12全体を見ると、光導波方向に沿って回
折格子を形成しているとみなすことができる。従って、
これら分極反転領域14および非分極反転領域16が周
期的屈折率分布構造を形成することになる。
外部光共振器を形成するように構成すれば、周期的屈折
率分布構造からの光帰還によってLDの安定したレーザ
発振を起こすことができる。
は、光導波路12中の屈折率の変化する周期Λ、即ち、
分極反転領域の形成周期Λが、QPM条件を示す下記の
(1)式と、ブラッグ反射(DBR)条件を示す下記の
(3)式とを同時に満足するように設定された周期的屈
折率分布構造を設けている。
播方向に沿ったそれぞれの寸法(l=Λ/2)を示し、
s、pはそれぞれ自然数を示し、N(λ/2)およびN
(λ)は、それぞれ第2高調波および基本波に対する分
極反転領域の実効屈折率を示している。
的屈折率分布構造からLDへの帰還光が多くなる。この
ため、この帰還光によってレーザ発振が起こり、さら
に、QPM条件が満足される。その結果、コヒーレント
長毎に第2高調波の光強度が増大し、さらに、この第2
高調波の光(2ω)は屈折率分布構造を通過していくの
でQPM素子から高出力で出射されることになる。
いては、理論的には高いSHG効率の達成が可能とな
る。
S−QPM SHG装置においては、上述の(1)式お
よび(2)式を同時に正確に満足させることは、困難で
ある。これは、QPM条件およびDBR条件を満足させ
るために、屈折率分布構造の周期の寸法に高い精度が要
求されるためである。この精度に対して、従来のフォト
リソグラフィの技術によって作製できる周期の精度には
限度(せいぜいサブマイクロメートル程度)があり、ま
た、作製したSHG装置自身の寸法が温度変化によって
変化してしまうという問題があった。
して、周期的屈折率分布構造の周期の寸法とQPM素子
の変換効率との関係の計算結果を示す。図2のグラフの
横軸は、周期的屈折率分布構造としての周期的分極反転
構造の周期を表し、縦軸は、SHG変換効率を光第2高
調波強度(SH)の相対値で表している。計算にあたっ
ては、基本は光の波長が1.327μm、コヒーレンス
長6.5μm、雰囲気温度300K、素子長2mm(約
300周期に相当)として計算した。図2のグラフから
QPM条件を満足させるために要求される精度の一つの
目安である半値幅が約39nmであることがわかる。こ
の半値幅がQPMとしての周期の寸法の精度の許容度の
目安となる。
との関係の計算結果を示す。図3のグラフの横軸は分極
反転構造の周期を表し、縦軸はDBRの反射率を表して
いる。図3からDBR条件を満足させるために要求され
る精度の一つの目安である半値幅が約0.56nmであ
ることがわかる。この半値幅がDBRとしての周期の寸
法に要求される精度、すなわち許容度の目安となる。こ
の計算例では、DBR条件の許容度はQPM条件の許容
度の約1/70である。
一例にすぎないが、QPM条件を満たすために要求され
る精度に比べて、DBR条件を満足するために要求され
る精度がはるかに高いこと、すなわち許容度がはるかに
小さいことがわかる。従って、S−QPM SHG装置
において、SHG効率はQPM条件よりもDBR条件の
許容度に依存することがわかる。
ための条件を満足させるために、温度制御といった微調
整技術を用いて結晶の屈折率を調整することも考えられ
る。しかし、これら温度制御等のための構成を含めると
S−QPM SHG装置の微調整が技術的に煩雑になる
だけでなく、装置の生産コストの上昇を招くことにな
る。S−QPM SHG装置を実用化する上では、生産
コストを低くすることが重要である。
緩和したS−QPM SHG装置を提供することにあ
る。
め、この発明の光第2高調波発生装置によれば、基本波
光源としての半導体レーザ(LD)と、擬似位相整合第
2高調波発生素子(QPM SHG素子)とを具え、L
DとQPM SHG素子とを、LDがQPM SHG素
子からの帰還光を利用してレーザ発振するように、光結
合させてあり、QPM SHG素子は基本波の伝搬方向
に沿って周期的屈折率分構造を具えてなる光第2高調波
発生装置において、周期的屈折率分布構造は、光の伝播
する方向に沿って屈折率が変化する周期lが下記(1)
式および(2)式を同時に満足するように構成されてな
ることを特徴とする。
然数(但しp' /q≠自然数)を示し、λは基本波の波
長を示し、N(λ/2)およびN(λ)はそれぞれ第2
高調波および基本波に対する周期的屈折率分布構造の実
効屈折率を示す。
己擬似位相整合光第2高調波発生(S−QPM SH
G)装置において、QPM SHG素子の周期的屈折率
分布構造は、光の伝播する方向に沿って屈折率が変化す
る周期lが下記(1)式および(2)式を同時に満足す
るように構成してある。
然数(但しp' /q≠自然数)を示し、λは基本波の波
長を示し、N(λ/2)およびN(λ)はそれぞれ第2
高調波および基本波に対する周期的屈折率分布構造の実
効屈折率を示す。このように構成すると、DBR条件を
満足する周期的分極反転構造は超周期構造となるので、
DBR条件を緩和することができる。その結果、SHG
効率の高いS−QPM SHG装置を従来よりも容易に
得ることができる。
p' 、qを設定できることを、パラメータMを導入して
説明する。素子長をLとしたときの全素子長にわたる分
極反転構造の中の周期の数に比例するパラメータをMと
すると、Mは下記の式(4)で表される。
る半値幅は、このMの値にほぼ反比例することが知られ
ている。従って、ブラック反射条件の半値幅を広くする
ためには、このMを小さくすれば良い。(4)式中のl
は、QPM条件を満足させるための必要条件であるから
lの値そのものを変えることはできない。そこで、DB
R条件を上述した(3)式から下記の(2)式に示すよ
うに変える。
するパラメータM' は下記に(5)式で示すようにMの
1/q倍となる。これに伴い、ブラッグ反射条件の半値
幅はほぼq倍となる。その結果、DBR条件がq倍に緩
和されることなる。
に分極反転構造を設けた場合、QPM条件を満足する分
極反転構造の1周期は、1つの分極反転領域(長さl)
と1つの非分極反転領域(長さl)とから構成された長
さ2lのままであるが、一方、ブラッグ反射構造として
1周期は、それぞれq個ずつの分極反転領域および非分
極反転領域から構成される長さ2(ql)のいわゆる超
格子構造(1つの周期的構造の中に複数の周期的構造を
見てとれる構造)となっている。即ち、このSーQPM
SHG装置では、上述の(5)式を反映して、QPM
条件のq周期がDBR条件の1周期を満足することにな
る。
調波発生装置の実施例について説明する。尚、以下に参
照する図は、この発明が理解できる程度に、各構成成分
の大きさ、形状および配置関係を概略的に示してあるに
すぎない。従って、この発明は、図示例に限定されるも
のでないことは明らかである。
の実施例の説明に供する説明図であり、装置を構成する
QPM SHG素子の斜視図である。この実施例では、
q=4としたときの構造を示している。
波光源としての半導体レーザ(図示せず)と、擬似位相
整合第2高調波発生素子(QPM SHG素子)とを具
えており、LDとQPM SHG素子とを、LDがQP
M SHG素子からの帰還光を利用してレーザ発振する
ように、光結合させてある。QPM SHG素子は基本
波の伝搬方向に沿って周期的屈折率分構造を具えてい
る。
装置では、QPM SHG素子(以下、単に素子とも称
する)として、LiNbO3 基板20の+C面にTi
(チタン)を周期的(周期Λ=2l)に拡散させて分極
反転領域22を形成した周期的分極反転構造を具えてい
る。また、この周期的分極反転構造と直交するように、
プロトン交換法(Li+ −H+ 交換法)により、光導波
路24が形成してある。
布構造である周期的分極反転構造は、光の伝播する方向
に沿って屈折率が変化する周期lが下記(1)式および
(2)式を同時に満足するように構成されている。
上の自然数(但しp'/q≠自然数)を示し、λは基本
波の波長を示し、N(λ/2)およびN(λ)はそれぞ
れ第2高調波および基本波に対する周期的屈折率分布構
造の実効屈折率を示す。
件を満足する分極反転構造の1周期は、1つの分極反転
領域(長さl)と1つの非分極反転領域(長さl)とか
ら構成された長さ2l(=Λ)のままであが、一方、ブ
ラッグ反射構造としての1周期はそれぞれ4つずつの分
極反転領域および非分極反転領域から構成される長さ2
×(4l)=4Λであり、いわゆる超格子構造となって
いる。従って、この実施例ではQPM条件の4周期がD
BR条件の1周期を満足するようになっている。このた
め、DBR条件を満足するために要求される精度の許容
度は、q=1とした場合の4倍に緩和されることにな
る。
料を使用し、特定の条件で形成した場合について説明し
たが、この発明は、多くの変更および変形を行うことが
できる。例えば、上述した実施例では、LiNbO3 基
板20を用いたが、この発明では、例えばKTiOPO
4 (KTP)基板26を用いることもできる。また、上
述した実施例では、分極反転構造と直交する光導波路2
4を形成したが、この発明では、図5に示すように、基
板に、基板よりも屈折率の高い高屈折率領域22を周期
的に分布させ、この分布に沿って基本波を伝播させる構
造を有するQPM SHG素子としても良い。
ば、DBR条件を満足する周期的分極反転構造を超周期
構造としたので、DBR条件を緩和することができる。
その結果、SHG効率の高いS−QPM SHG装置を
従来よりも容易に得ることができる。
SHG素子の説明に供する斜視図である。
率との関係の計算結果を示すグラフである。
との関係の計算結果を示すグラフである。
G素子の説明に供する概略図である。
の変形例の説明に供する斜視図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 基本波光源としての半導体レーザと、擬
似位相整合第2高調波発生素子とを具え、 前記半導体レーザと前記擬似位相整合第2高調波発生素
子とを、前記半導体レーザが前記擬似位相整合第2高調
波発生素子からの帰還光を利用してレーザ発振するよう
に、光結合させてあり、 前記擬似位相整合第2高調波発生素子は基本波の伝搬方
向に沿って周期的屈折率分布構造を具えてなる光第2高
調波発生装置において、 前記周期的屈折率分布構造は、光の伝播する方向に沿っ
て屈折率が変化する周期lが下記(1)式および(2)
式を同時に満足するように構成されてなることを特徴と
する光第2高調波発生装置。 l=(2s−1)・λ/[4{N(λ/2)−N(λ)}]・・・・(1) l=(p' /q)・λ/{4N(λ)}・・・・・・・・・・・・・(2) 但し、sおよびp' はそれぞれ自然数、qは2以上の自
然数(但しp' /q≠自然数)を示し、λは基本波の波
長を示し、N(λ/2)およびN(λ)はそれぞれ第2
高調波および基本波に対する前記周期的屈折率分布構造
の実効屈折率を示す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5270852A JP3004850B2 (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 光第2高調波発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5270852A JP3004850B2 (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 光第2高調波発生装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07122809A JPH07122809A (ja) | 1995-05-12 |
JP3004850B2 true JP3004850B2 (ja) | 2000-01-31 |
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ID=17491885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5270852A Expired - Fee Related JP3004850B2 (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 光第2高調波発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3004850B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4545380B2 (ja) * | 2003-01-16 | 2010-09-15 | パナソニック株式会社 | 光導波路デバイスならびにそれを用いたコヒーレント光源およびそれを備えた光学装置 |
JPWO2014208533A1 (ja) * | 2013-06-27 | 2017-02-23 | 日本碍子株式会社 | ボリューム・ホログラム・グレーティング素子、光源デバイスおよび接続構造 |
-
1993
- 1993-10-28 JP JP5270852A patent/JP3004850B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
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---|
O plus E No.161 p.66−73 |
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JPH07122809A (ja) | 1995-05-12 |
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