JP3004302U - 鑑賞魚水槽用産卵箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 産卵前には親魚に静かな産卵環境を提供し、
一方産卵後には稚魚の成育を促す産卵箱とする。 【構成】 産卵箱Ａと、この産卵箱の壁面に着脱自在に
設けられるべき、一面に取水部Ｃを有する濾過装置Ｂの
組み合わせよりなり、この濾過装置の取水部は産卵箱の
連通路１１を有する壁面に密接されると共に、濾過装置
の上部には吐出口３３をその吐出方向を産卵箱の内部方
向と外部方向に選択可能に配する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は鑑賞魚の飼育にあたり、水槽内の親魚を収容して産卵させるための 産卵箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種産卵箱としては水槽内に通水状態で配置すべき箱状のものが公知 であり、この際産卵箱内に水を循環させるための装置を設けることも公知であっ た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は以上の公知技術を前提に、全く新たな発想に基づいた作用・効果を 生ぜしめる産卵箱を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

即ち、この考案の産卵箱は水槽内に通水状態で配置すべき箱状の産卵箱と、こ の産卵箱の壁面に着脱自在に設けられるべき、一面に取水部を有する濾過装置の 組み合わせよりなり、この濾過装置の取水部は産卵箱の連通路を有する壁面に密 接されると共に、濾過装置の上部には吐出口をその吐出方向を産卵箱の内部方向 と外部方向に選択可能に配した構成よりなる。

【０００５】

【作用】

よって、この考案の産卵箱によれば産卵箱内に通水された水は産卵箱の連通路 を介して濾過装置内に取水され、更に吐出口より揚水されることにより産卵箱内 の水が濾過される作用を生じる。

【０００６】 又、吐出口をその吐出方向を産卵箱の内部方向と外部方向に選択可能に配した ことにより、産卵前には吐出口の吐出方向を産卵箱の外部方向に向けることによ り、無用な水流の発生を防いで親魚に静かな産卵環境を提供し、一方産卵後には 吐出口の吐出方向を産卵箱の内部方向に向けることにより積極的に水流を発生さ せ、稚魚にこの水流に抗して泳ぐことを強いることによりその成育を促す作用を 生じる。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の産卵箱の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。 図１はこの考案の産卵箱の全体を示す斜視図である。 この考案の産卵箱は、水槽内に通水状態で配置すべき箱状の産卵箱とこの産卵 箱の壁面に着脱自在に設けられるべき濾過装置の組み合わせよりなる。

【０００８】 図中符号Ａは産卵箱であり、この実施例では透明の合成樹脂素材により有底の 箱状に構成されるものであり、両側壁及び底にはこれが設置される水槽（図示せ ず）内の水が通水するためのスリット状の連通路１１が配される。 尚、図中符号１４は水槽内に産卵箱を固定するための吸盤、同じく１５は上端 に設けられる蓋である。

【０００９】 図中符号Ｂは濾過装置である。 この濾過装置Ｂは前面を開放して取水部Ｃとした箱状の揚水ケース３０、この 内部に設けられる送気管３４、及び濾過材３８よりなる（図３乃至図５参照）。

【００１０】 上記の揚水ケース３０は前面を産卵箱Ａの側壁の連通路１１箇所に突設した環 状のリブ１２に外嵌すると共に、適宜係合手段（図示せず）により係合すること により産卵箱Ａの内部と連通して密着・固定される。 尚、この際に揚水ケース３０の前面に突設された複数本の柱２７により濾過材 ３８が産卵箱Ａの側壁の連通路１１箇所との間に挟持されることとなる。

【００１１】 一方、上記の揚水ケース３０内にはエアーポンプに連結される送気管３４が配 され、この送気管３４の下端には散気部材３５が、上方には送気管を圧迫するこ とによりエアーポンプよりの送気量を調節するクランプ３６が設けられる。

【００１２】 更に、上記の揚水ケース３０の上方には首部３１を設けられ、この首部３１に は一方に吐出口３３を開口した吐出ヘッド３２が回動自在に嵌着される。

【００１３】 以上の濾過装置Ｂによれば、送気管３４に加圧空気を送ることにより、下端の 散気部材３５より気泡が発生し、その結果揚水ケース３０内の水の比重が低下す ることにより上昇水流が発生し、揚水ケース内の水は吐出口３３より揚水される こととなる。 そして、上記作用に従い産卵箱Ａ内の水はその連通路１１より濾過材３８を介 して取水部Ｃより濾過装置Ｂ内に取水される。

【００１４】 一方、吐出ヘッド３２は回動により事前にその吐出口３３を産卵箱Ａ内部 方向又は外部方向に選択することにより、前者の場合には産卵箱Ａ内に吐出によ る水流を発生させ、後者の場合にはそれを防止する（図６及び図７参照）。

【００１５】 以上の産卵箱において、この実施例では産卵箱を着脱自在の仕切り部材により 上下２層に区画している。 図中符号２０は仕切り部材であり、産卵箱内に設けた係合段部１３に載置され ることにより産卵箱を上下に区画する（図２参照）。 この仕切り部材２０は透明の合成樹脂素材により構成されるものであり、下端 に向かうに従い幅狭となる断面Ｖ字状の溝２１及び２３を２条平行に設けた断面 Ｗ字状に構成され、それぞれの溝の下端には成魚が通過不可能な大きさのスリッ ト状の連通路２２及び２４が設けられる。

【００１６】 よって、産卵された卵は仕切り部材２０の溝２１及び２３の下端の連通路２２ 及び２４より産卵箱の下層に落下して孵化し、一方親魚等の成魚はこの連通路を 通過できないので親魚や他の成魚による稚魚の不測の捕食が防止される（図中符 号Ｆ１は成魚を、同じくＦ２は稚魚を指す）。 この場合、仕切り部材を断面Ｖ字状の溝を２条平行に設けた断面Ｗ字状に構成 したので、谷を鋭角に近づけた卵を落下させるのに理想的な溝でありながら、高 さが増大せず産卵箱の下層部に充分な容積を確保することが可能となる。

【００１７】

【考案の効果】

以上の構成よりなるこの考案は次の特有の効果を奏する。 産卵箱内に通水された水は産卵箱の連通路を介して濾過装置内に取水され、更 に吐出口より揚水されることにより産卵箱内の水が濾過され、親魚に清浄な産卵 環境を提供する。

【００１８】 吐出口をその吐出方向を産卵箱の内部方向と外部方向に選択可能に配したこと により、産卵前には吐出口の吐出方向を産卵箱の外部方向に向けることにより、 無用な水流の発生を防いで親魚に静かな産卵環境を提供し、一方産卵後には吐出 口の吐出方向を産卵箱の内部方向に向けることにより積極的に水流を発生させ、 稚魚にこの水流に抗して泳ぐことを強いることによりその成育を促すという、今 までにない発想に基づく効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の産卵箱の斜視図。

【図２】同上、断面図。

【図３】同上、要部の断面図。

【図４】同上、要部の分解状態の一部切り欠き側面図。

【図５】同上、濾過装置の分解状態の斜視図。

【図６】同上、吐出口を産卵箱の外部方向に向けた状態
の要部の斜視図。

【図７】同上、吐出口を産卵箱の内部方向に向けた状態
の要部の斜視図。

【符号の説明】

Ａ 産卵箱 １１ 連通路 ２０ 仕切り部材 ２１ 溝 ２２ 連通路 ２３ 溝 ２４ 連通路 Ｂ 濾過装置 ３３ 吐出口

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水槽内に通水状態で配置すべき箱状の産
   卵箱と、この産卵箱の壁面に着脱自在に設けられるべ
   き、一面に取水部を有する濾過装置の組み合わせよりな
   り、この濾過装置の取水部は産卵箱の連通路を有する壁
   面に密接されると共に、濾過装置の上部には吐出口をそ
   の吐出方向を産卵箱の内部方向と外部方向に選択可能に
   配したたことを特徴とする鑑賞魚水槽用産卵箱。
2. 【請求項２】 産卵箱を着脱自在の仕切り部材により上
   下２層に区画し、この仕切り部材を下端に向かうに従い
   幅狭となる断面Ｖ字状の溝を２条平行に設けた断面Ｗ字
   状に構成し、それぞれの溝の下端には成魚が通過不可能
   な大きさの連通路を設けた請求項１記載の鑑賞魚水槽用
   産卵箱。