JP3004212B2 - 消臭剤およびその製造方法 - Google Patents

消臭剤およびその製造方法

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直之 清水
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精製木酢液と、ア
ルコールとの加温下での反応生成物を含むことにより、
従来の精製木酢液および合成消臭剤の欠点を共に解消し
た消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般消費者等の清潔意識やフレグ
ランスへの関心の高まりにつれて、種々の臭いを消した
りマスキングする機能を有する消臭ないしデオドラント
剤の重要性も高まりつつある。
【0003】従来より、木材の乾留ないし炭化の際出る
煙成分を冷却した際に得られる液体成分たる「木酢液」
が、その消臭性と抗菌性を活かして、畜産農業において
家畜の糞尿等の脱臭剤として有効であることが知られて
いる(岸本定吉「木酢・炭で減農薬」第64頁(199
1)農山漁村文化協会)。最近における地球環境の保全
の面からも、該環境を破壊する虞が極めて低い木酢液の
利用が見直されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た木酢液は犬・猫等動物や昆虫の忌避剤としても有効に
利用可能であったといる一面をも有する。すなわち、上
記した動物のみならず人間に対しても、特異な臭気を有
する木酢液が「異臭」と感じられる場合も多い。したが
って現実には、木酢液の利用は屋外において「かなり強
い悪臭」を伴う場合(換言すれば、木酢液自体の異臭が
実質的に問題とならない場合)、例えば、上記したよう
な畜産農業における家畜糞尿の脱臭剤等に限定されて来
た。
【0005】他方、現在市販されている一般家庭用の芳
香、消臭、ないし脱臭剤においては、それらの大部分
が、合成界面活性剤からなる基剤に香料が添加された
「マスキング剤」である。したがって、このようなマス
キング剤の根本的な悪臭「除去」能力は疑問視されてい
る。
【0006】更には、上記の芳香・消臭・脱臭剤自体の
「人工的」な臭い自体を「悪臭」ないし不快と感じる人
も増加しつつある。加えて、このような化学人工物質の
空気中への残留は、上記した地球環境保全の立場からは
好ましいことではない。
【0007】本発明の目的は、上記した従来技術の欠点
を解消した消臭剤を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、地球環境の保全を図
りつつ、効果的な消臭を可能とした消臭剤を提供するこ
とにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、一般家庭、オフ
ィス等の室内(特に空調された室内)においても好適に
使用可能な消臭剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は鋭意研究の結
果、精製木酢液と、アルコールとを加温下に反応させる
ことが、木酢液の消臭効果を実質的に減殺することな
く、しかも該木酢液自体の特異な臭気を実質的に消失
(ないしは著しく軽減)させることを見出した。
【0011】本発明の消臭剤は上記知見に基づくもので
あり、より詳しくは、精製木酢液と、アルコールとの加
温下反応生成物を含むことを特徴とするものである。
【0012】本発明によれば、更に、精製木酢液と、ア
ルコールとを加温下に反応させる段階を含むことを特徴
とする消臭剤の製造方法が提供される。
【0013】上記した本発明の消臭剤においては、精製
木酢液の消臭能力を実質的に減殺することなく、該木酢
液の「特異な臭気」を実質的に消失させている。したが
って本発明の消臭剤は、一般家庭、オフィス等の室内
(特に空調等により換気が不充分となっている室内)に
おいても好適に使用可能である。
【0014】加えて、本発明の消臭剤は石油化学製品等
から人工的に合成された界面活性剤等を実質的に含有し
ていないため、ほぼ完全な「天然物ないし自然物」とし
て、自然環境に無理なくリサイクルされることが期待さ
れる。したがって、本発明によれば、従来の精製木酢液
および従来の合成消臭剤の欠点を共に解消することによ
り、地球環境の保全を図りつつ、効果的な消臭が可能と
なる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、必要に応じて図面を参照し
つつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載におい
て量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り
重量基準とする。
【0016】(木酢液)粗製の木酢液は、木材の乾留な
いし炭化(例えば、炭焼き)時に生ずる「煙」を集めて
冷却・液化させることにより得られる。
【0017】木酢液の採取装置の一例を、図1の模式斜
視図に示す。図1を参照して、煙道の出口(炭焼きガマ
の煙突等)1から出る煙を、該出口1から30cm程度
の間隔をおいて配置した曲がり土管2aおよび冷却用の
土管2b(液漏れ防止の点からは、双方の土管とも「上
塗り」したものが好ましい)により集め、且つ冷却して
液化させる。
【0018】該冷却の効率化の点からは、上記の土管2
bの冷却部分に、竹(マダケ、モウソウ竹等)3を5〜
6本程度挿入することが好ましい。土管2bとしては、
24cm程度の径を有するものが好適であり、また、該
土管2は、煙の吸い込みと、煙の通りとのバランスの点
から、水平から30度程度の角度で傾けることが好まし
い。
【0019】上記装置においては、集煙部(曲がり土管
2a)の一部から、粗製の木酢液4が落下するので、こ
れを竹製のトイ5等を用いて、タンク6(耐酸性)に導
けばよい。
【0020】このようにして得られた木酢液中には、酢
酸(木酢液の主成分)、プロピオン酸等の有機酸;クレ
ゾール等のフェノール類;アセトン、フルフラール等の
カルボニル化合物;メタノール等のアルコール;中性成
分、塩基性成分等が含有されているとされている。前記
文献「木酢・炭で減農薬」第25頁には、黒炭ガマ木酢
液の主要成分の一例として、有機物含有量(木酢液の1
5.8%)中において、酢酸58.4%(木酢液有機物
中の含有率、以下この項において同様)、プロピオン酸
1.9%、メタノール2.1%、フルフラール1.7
%、シクロテン2.3%、パラ及びメタ−クレゾール
(合計)1.4%、オルト−クレゾール1.2%等の成
分が記載されている。
【0021】(精製木酢液)上述した粗製の木酢液を精
製する方法を、図2の模式斜視図に示す。粗製木酢液
を、深い(好ましくは、直径の3倍以上の高さを有す
る)耐酸性容器(ポリタンク等)中に、1ケ月以上(例
えば、1〜6ケ月程度)静置すると、この図2に示すよ
うに上層11、中層12および下層13の3層に分離す
る。この上層11は、効果にバラツキがある不安定な木
酢液成分であり、他方、下層13は、施用するとむしろ
逆効果のある有害な木酢液成分である。これらの上下層
を除いた中層12の部分が、有効且つ安全な中層木酢液
である。この中層木酢液は、容器の中心から上に40%
の高さ、下に20%の高さの部分が好ましいとされてい
る(前記文献「木酢・炭で減農薬」第70〜71頁)。
【0022】この中層木酢液を、常法で蒸留することに
より、本発明で使用可能な精製木酢液が得られる。
【0023】上記の精製木酢液としては、必要に応じ
て、市販品(例えば、埼玉農工幾料販売(株)製、商品
名:スパット木酢液、等)を使用してもよい。
【0024】(木炭/植物体処理)上記した精製木酢液
は、そのままでも本発明の消臭剤製造用に使用可能であ
るが、該消臭剤からの更なる有害成分・臭気の除去ない
し芳香の付与の点からは、該精製木酢液を、木炭および
/又は植物体で処理した後に用いることが好ましい。こ
れらの木炭/植物体処理は、それぞれ単独でも効果があ
るが、組み合わせて用いることが、有害成分・臭気の除
去ないし芳香の付与の点から特に好ましい。これらの木
炭および植物体は、いずれも乾燥状態で用いることが好
ましい。
【0025】この木炭/植物体処理の好ましい態様の一
例を以下に示す。例えば、精製木酢液150L(リット
ル)を、容量200L程度のプラスチック・タンクに入
れ、これに木炭(例えば、(株)チャコ製、商品名:チ
ビチャコ)を好ましくは500g〜1000g程度浸漬
させ、そのまま室温で1ヶ月以上(好ましくは6ヶ月以
下程度)静置することが好ましい。必要に応じて、7〜
15日に1回程度、攪拌棒等を用いて攪拌することが好
ましい。このような木炭処理により、有害なタール分等
のより完全な除去が可能となる。
【0026】葉緑素を含有する植物体(例えば、葉)を
精製木酢液に浸漬する場合には、上記と同様に、精製木
酢液150Lに対して、植物体500〜1000g程度
浸漬することが好ましい。このような植物体浸漬によ
り、木酢液自体の臭気のより完全な除去ないしマスキン
グ、および/又は消臭剤へのより好適な芳香の付与が可
能となる。上記植物体としては、消臭剤への芳香付与の
点からは、月桂樹の乾燥葉が特に好適に使用可能であ
る。
【0027】上記した木炭/植物体処理の後、ろ過等の
分離手段により液体成分(例えば、黄色透明な液体とし
て得られる)を、後述するアルコールとの反応に用い
る。
【0028】(アルコール)本発明においては、アルコ
ール(反応性の点からは、無水アルコールが好ましい)
を、そのまま上記精製木酢液との反応に用いることも可
能であるが、木酢液自体の臭気のより完全な除去ないし
マスキング、および/又は消臭剤へのより好適な芳香の
付与の点からは、該アルコールも、葉緑素を含有する植
物体(例えば、葉)を浸漬した後に用いることが好まし
い。この浸漬に際しては、アルコールに対して、その1
/5容量以下程度の植物体を浸漬することが好ましい。
上記植物体としては、消臭剤への芳香付与の点からは、
月桂樹の乾燥葉が特に好適に使用可能である。上記の浸
漬処理は、室温で10日以上(更には15日〜1ヶ月程
度)静置することが好ましい。必要に応じて、4〜5日
に1回程度、攪拌棒等を用いて攪拌することが好まし
い。このような植物体浸漬処理の後、ろ過等の分離手段
により液体成分(例えば、深いエメラルド・グリーンの
液体として得られる)を、前述した精製木酢液との反応
に用いる。
【0029】上記アルコールは、精製木酢液との反応に
より該木酢液の刺激臭を実質的に消失ないしマスキング
が可能な限り、特に制限されないが、精製木酢液との反
応性、ないしは該反応により得られる消臭剤の香気の点
からは、炭素数1〜4(更には1〜3)の低級アルコー
ルが好ましく、特にエタノールが好ましく用いられる。
【0030】(木酢液とアルコールとの反応)上記した
精製木酢液と、アルコールとを加温下で反応させること
により、本発明の消臭剤(原液)が得られる。この反応
後の生成物においては、エステル様の香気が得られるこ
とから、該反応にはエステル化反応が関与していると推
定される。すなわち、該反応により、未反応の精製木酢
液自体の「刺激臭」が、エステル様の甘い香りに変化す
る。上記刺激臭が実質的に消失ないしマスキングされる
限り、反応条件は特に制限されないが、精製木酢液10
(重量)部に対して、アルコールを5〜20部程度(更
には8〜12部態度)反応させることが好ましい。加温
条件としては、50〜70℃程度(更には 55〜65
℃程度)の反応温度が好ましく、また5〜30分程度
(更には12〜20分程度)の反応時間が好ましい。
【0031】(消臭剤の使用方法)本発明の消臭剤(原
液)は、消臭対象等の必要に応じて、原液のまま使用す
ることも可能であるが、通常のエッセンシャル・オイル
等と同様に、公知の溶媒で数倍〜数十倍程度に薄めて使
用することが好ましい。水を希釈の溶媒として使用する
場合、該希釈の程度は、香気および消臭効果の点から
は、約10倍以上、更には20倍〜100倍程度(特に
25〜80倍程度)であることが好ましい。
【0032】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明する。
【0033】
【実施例】実施例1 (消臭剤の製造)市販の精製木酢液((株)アンリツ
製、商品名:ムースン)150L(リットル)を、容量
200L程度のプラスチック・タンクに入れ、これに木
炭((株)チャコ製、商品名:チビチャコ)約1000
g、および月桂樹の乾燥葉を約1000gを浸漬させ
て、そのまま室温で約3ヶ月間静置した。この静置の
間、15日に1回程度、攪拌棒を用いて上記タンク内の
内容物を攪拌した。
【0034】上記静置後に得られた混合物をステンレス
製の網を用いてろ過することにより、黄色透明な液体
(以下、「原料A」という)を得た。このような木炭/
月桂樹処理により、有害なタール分等がより完全に除去
されて木酢液の透明性が増すとともに、木酢液自体の臭
気が更に除去ないしマスキングされ、加えて、より好適
な芳香が付与された。上記により得た精製木酢液をノル
マルヘキサン法により分析したところ、タール分は53
ppmであり、またそのpHは3.1であった(社団法
人 埼玉県環境検査研究協会、所長 粟根氏による分析結
果)。
【0035】上記の精製木酢液とは別に、無水エタノー
ル(小堺製薬(株)製、試薬特級エタノール)5Lに対
して、その約1/10容量の月桂樹の乾燥葉を浸漬し、
そのまま室温で約1ヶ月静置した。この静置の間、3日
に1回程度の割合で、攪拌棒を用いて内容物を攪拌し
た。上記静置後に得られた混合物をフィルターを用いて
ろ過することにより、深いエメラルド・グリーンの液体
(以下、「原料B」という)を得た。
【0036】上記により得た「原料A」200mLと、
「原料B」200mLとを容量500mLのビーカーに
入れ、60℃の温浴中でガラス棒で攪拌しつつ約15間
加温した。この加温により混合液上部に生ずるゼリー状
の生成物を除いて、本発明の消臭剤(原液)を得た。こ
のエタノールとの加温により、精製木酢液自体の刺激臭
が実質的に消失ないしマスキングされて、甘いエステル
様の香気に変化した。
【0037】実施例2 (ペット臭に対する消臭効果)実施例1で得た消臭剤の
原液を、水でそれぞれ約30倍、約50倍、および約7
0倍に希釈した後、下記表1に示すような一般家庭の悪
臭(ペット臭)に対して家庭用の噴霧器((株)サカタ
ノタネ製、商品名:さかさスプレー)で噴霧(1回の希
釈消臭剤の噴霧量:約9mL;噴霧を1日に2回)する
ことにより適用して、その消臭効果の有無、および希釈
した消臭剤自体の臭気を実際に実験してもらい、その結
果をアンケート調査により得た。この調査は、一般人2
0名を対象に実施した。
【0038】上記調査の対象としてペット臭は、表1に
示すように、子犬、猫、小鳥、ハムスター、およびリス
の5種類であった。調査結果を、下記表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】上記の表1の「効果」の欄においては、ペ
ット臭に対して明らかに消臭効果があった場合を「有」
とし、効果が無いか又は不明確であった場合を「無」と
した。また、「溶液の匂い」の欄においては、希釈した
消臭剤自体の匂いが良好と感じられた場合を「良」と
し、該消臭剤自体の匂いが悪い(あるいは消臭剤自体の
匂いが必要無い)と感じられた場合を「悪」とした。上
記50倍液、あるいは70倍液の欄において、効果
「無」の場合は、犬や猫の尿が染み付いた布団に直接噴
霧したが、該ペット臭の元は一度の噴霧では消失しなか
ったという場合である。
【0041】上記表1を見れば、本発明の消臭剤が悪臭
(ペット臭)に対して極めて効果的な消臭効果を示し、
且つ、該消臭剤自体の匂いも良好であることが理解でき
よう。
【0042】実施例3 (家庭の悪臭に対する消臭効果)実施例1で用いたペッ
ト臭に代えて、下記表2に示すような一般家庭の悪臭6
種類(生ゴミ、トイレ、乗用車の車内臭、室内のタバコ
臭、革靴中の臭い、およ靴下の臭い)を用いた以外は、
実施例1と同様にして実験した結果をアンケート調査に
より得た。調査結果を、下記表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】上記の表2の「効果」および「溶液の匂
い」の欄の記載の意味は、上記表1と同様である。
【0045】上記表2を見れば、本発明の消臭剤が悪臭
(一般家庭の種々の悪臭)に対しても極めて効果的な消
臭効果を示し、且つ、該消臭剤自体の匂いも良好である
ことが理解できよう。
【0046】比較例 実施例1で得た「原料A」を水で約50倍に希釈した
後、一般家庭の悪臭(トイレ臭)に対して家庭用の噴霧
器で空中噴霧(1回の希釈消臭剤の噴霧量:約1mL;
使用後、その都度噴霧)した。消臭能力は認められた
が、木酢液自体の刺激臭が残存して、一般家庭(特に室
内)における消臭には不適であった。
【0047】実施例4 市販の寒天(生活共同組合製、商品名:角寒天;防腐剤
を含有せず)5gを水200mLとともに煮沸して溶解
させた後、ガラス製のシャーレ(直径6cm,深さ2c
m)内に注入して自然冷却により凝固させ、固化した寒
天サンプル(寒天部分の高さ:1.5cm)を4個作製
した。
【0048】上記のようにして得た寒天入りのシャーレ
4個(No.1〜No.4)に対して、下記の処理をそ
れぞれ施した。
【0049】No.1:そのまま(何等の防腐剤、消臭
剤を付与せず) No.2:実施例1で用いた市販の精製木酢液約1mL
を、スプレーを用いて、均一に寒天サンプル上に噴霧。
【0050】No.3:実施例1で得た本発明の消臭剤
約1mLを、スプレーを用いて、均一に寒天サンプル上
に噴霧。
【0051】No.4:市販の防菌・防カビ消臭剤(呉
工業株式会社製、商品名:クレ・メディゾール)約1m
Lを、スプレーを用いて、均一に寒天サンプル上に噴
霧。
【0052】上記により調製した4種類の寒天サンプル
入りシャーレを、蓋をしないで室内(一般家庭の居間、
直射日光が当たらない場所)に13日間放置して、寒天
サンプルの変化を観察したところ、以下の結果が得られ
た。
【0053】No.1:放置開始後1週間頃から、カビ
様のものが発生したが、その発生の程度は穏やかなもの
であり、該カビの色調も白系統のものであった。ほぼ無
臭。
【0054】No.2:放置の13日間を通じて、カビ
は発生せず。木酢液の匂いあり。
【0055】No.3:放置の13日間を通じて、カビ
は発生せず。ほぼ無臭。
【0056】No.4:放置開始後5日目頃からカビが
発生し始め、10日目位には寒天の表面は殆ど黒いカビ
で被われてしまった。石油系溶剤の匂いあり。
【0057】上記の実験で得られた「カビ発生率」(寒
天の全表面積に対するカビ発生部分の面積比)の測定結
果を図3のグラフに示す。該カビ発生率の数値は、肉眼
観察による「目分量」測定によった。
【0058】上記した実験結果および図3のグラフを見
れば、本発明の消臭剤が、不必要な匂いの残存を生ずる
ことなく、木酢液本来の機能(食品の防腐・殺菌効果)
を有効に発揮し得ることが理解できよう。
【0059】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、精製木
酢液と、アルコールとの加温下反応物を含むことを特徴
とする消臭剤;および、精製木酢液と、アルコールとを
加温下に反応させる段階を含むことを特徴とする消臭剤
の製造方法が提供される。
【0060】上記した本発明の消臭剤においては、精製
木酢液の消臭・除菌能力を実質的に減殺することなく、
該木酢液の「特異な臭気」を実質的に消失させている。
したがって本発明の消臭・除菌剤は、一般家庭、オフィ
ス等の室内(特に空調等により換気が不充分となってい
る室内)においても好適に使用可能である。
【0061】加えて、本発明の消臭剤は石油化学製品等
から人工的に合成された界面活性剤等を実質的に含有し
ていないため、ほぼ完全な「天然物ないし自然物」とし
て、自然環境に無理なくリサイクルされることが期待さ
れる。したがって、本発明によれば、従来の精製木酢液
および従来の合成消臭剤の欠点を共に解消することによ
り、地球環境の保全を図りつつ、効果的な消臭が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材炭化の際の木酢液を採取する装置の一例を
示す模式斜視図である。
【図2】木材炭化により得られた木酢液から、中層木酢
液を採取する方法の一例を説明するための模式斜視図で
ある。
【図3】防腐・消臭剤の種類による寒天サンプル上のカ
ビ発生率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…煙道の出口、2a…曲がり土管、2b…冷却用土
管、3…冷却用の竹、4…粗製の木酢液、5…竹製の
樋、6…木酢液採集用のタンク、11…上層木酢液、1
2…中層木酢液、13…下層木酢液。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−117944(JP,A) 特開 昭56−15752(JP,A) 特開 昭61−90665(JP,A) 特開 平9−94291(JP,A) 特開 昭58−111668(JP,A) 特公 昭38−5294(JP,B1) 特公 昭48−27470(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 9/01 A01N 65/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製木酢液と、アルコールとの加温下反
    応生成物を含むことを特徴とする消臭剤。
  2. 【請求項2】 前記アルコールが、エタノールである請
    求項1記載の消臭剤。
  3. 【請求項3】 前記精製木酢液が、葉緑素(クロロフィ
    ル)を含有する植物体の抽出物を含む請求項1記載の消
    臭剤。
  4. 【請求項4】 前記アルコールが、葉緑素を含有する植
    物体の抽出物を含む請求項1ないし3のいずれかに記載
    の消臭剤。
  5. 【請求項5】 精製木酢液と、アルコールとを加温下に
    反応させる段階を含むことを特徴とする消臭剤の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記アルコールが、エタノールである請
    求項5記載の消臭剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記精製木酢液中に、葉緑素を含有する
    植物体を浸漬した後、該精製木酢液を前記アルコールと
    反応させる請求項5記載の消臭剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アルコール中に葉緑素含有植物体を
    浸漬した後に、該アルコールを前記精製木酢液と反応さ
    せる請求項5記載の消臭剤の製造方法。
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