JP3004100B2 - 燻化用台車装置 - Google Patents

燻化用台車装置

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JP3004100B2
JP3004100B2 JP3245630A JP24563091A JP3004100B2 JP 3004100 B2 JP3004100 B2 JP 3004100B2 JP 3245630 A JP3245630 A JP 3245630A JP 24563091 A JP24563091 A JP 24563091A JP 3004100 B2 JP3004100 B2 JP 3004100B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燻し瓦を作製するため
の燻化装置のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、トンネル窯方式の燻し瓦生産
設備においては、台車に載せた瓦素地を素焼きし、この
台車上に鉄製の燻化箱を被せ、燻化箱内を密閉状態と
し、この箱内に天井部のノズルからLPGガスとN2
スの混合ガスを注入し燻化し、冷却時天井部のノズルか
らN2 ガスを注入し箱内を正圧にし冷却している。
【0003】この燻化箱と台車間のシール構造による
と、焼成台車の外周縁に上方に開口するU状溝を形成
し、このU状溝内に無機材料系パッキング材を挿入し、
このパッキング材上に燻化箱の下端を載置し、燻化箱内
を密封にしていた。台車上に燻化箱を載せる場合、一般
に昇降機により燻化箱を焼成台車上に載置する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の燻化装置のシール構造によると、燻化工程後
の冷却工程において、燻化箱内に局所的に負圧を生じ、
シール部より燻化箱内に外気が流入するため、ショーユ
や再酸化が発生するので、燻し瓦の品質が低下しまた燻
し瓦が不均一な品質になるという問題がある。
【0005】すなわち、冷却時、燻化箱内の温度降下と
圧力低下によって外部から燻化箱内に外気を吸引し、そ
れにより燻化箱内の瓦素地が酸化されるため瓦素地の表
面の銀色カーボン層が黒色化しやすく、さらには瓦素地
の酸化が著しい場合には瓦素地表面の銀色カーボン層が
飛散して瓦素地表面の一部に白色域が発生し品質を劣化
させるという問題がある。
【0006】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、燻化箱内のシール性を高めること
で、瓦素地の酸化防止による高品質かつ均一な品質の燻
し瓦を製作することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明による燻化用台車装置は、瓦素地を載置するた
めの台車と、この台車に載せられる瓦素地を燻化するた
めに瓦素地の周囲を気密に保持する燻化箱とを備えた燻
化用台車装置であって、前記台車頂面に枠状に形成され
るW字状脚部材と、このW字状脚部材の内溝と外溝に貯
蔵されるシール材と、前記燻化箱の下端に枠状に形成さ
れるとともに前記内溝および前記外溝に貯蔵されるシー
ル材に浸漬可能なU字状脚部材と、前記シール材と前記
U字状脚部材とにより囲まれる圧力室に接続され前記圧
力室に不活性ガスを導入する不活性ガス導入用配管とを
有することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の燻化用台車装置によれば、燻化後の冷
却時、燻化箱の下端と台車の頂面との間に形成される圧
力室に不活性ガスが導入されるため、圧力室内が正圧に
なるので、燻化箱の内部が確実にシールされる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2に示すように、台車1の頂面に上端蓋付き下
端底無しの燻化箱2が載置される。台車1の頂面の外周
には、図1に示すように、W字状脚部材3、4、5が突
き出している。脚部材3と脚部材4とで形成される内溝
6ならびに脚部材4と脚部材5とで形成される外溝7に
は、それぞれ無機材料系パッキン材等のシール材9、1
0が充填されている。
【0010】燻化箱2の下端には、断面逆U字状のU字
状脚部材12、13が設けられる。脚部材12、13の
端部12a、13aは、それぞれシール材9、10に浸
漬されている。U字状脚部材12、13およびシール材
9、10によって圧力室15が形成される。この圧力室
15に第1配管20が開口し、燻化室21内に第2配管
22が開口する。第1配管20と第2配管22の上流側
は配管23に接続されている。
【0011】次にガス導入回路について説明する。図3
に示すように、ガス導入通路25は、CO2 ボンベ2
6、N2 ボンベ27、空気ボンベ28およびLPGボン
ベ29からのガスを開閉する開閉弁30、31、32、
33ならびにガス導入通路34および切替え弁37、ガ
ス導入通路35および燻化箱2の天井部に開口されるノ
ズル36等から構成される。切替え弁37は、ガス導入
通路34をガス導入通路35またはガス導入通路23に
選択的に開あるいは両方開に切替える切替え弁である。
【0012】次に、瓦の燻化時の作用について説明す
る。燻化時、図示しない昇降機により台車1の頂面に燻
化箱2が図2に示すように載置される。そして燻化時、
2 ボンベ27とLPGボンベ29の各開閉弁31、3
3が開に切替えられ、切替え弁37の切替えにより、ガ
ス導入通路34とガス導入通路35とを連通し、ガス導
入通路23を閉じる。これにより、N2 ガスとLPGガ
スがガス導入通路35からノズル36より燻化箱内部の
燻化室21に導入される。
【0013】冷却時、切替え弁37を切替え、ガス導入
通路23側を開にする。そしてN2ボンベ27の開閉弁
31を開にし、開閉弁30、32、33を閉にする。こ
れにより、N2 ガスがガス導入通路23より第1配管2
0、第2配管22から圧力室15、ならびに燻化室21
の内部に流入される。すると、圧力室15の圧力P
1は、外部の大気圧P0 と比較し、P1 >P0 となり、
圧力室15が正圧となるので外部の大気が燻化室21の
内部に流入するのが防止される。したがって、燻化室2
1内の燻化された瓦素地にショーユや再酸化という品質
不良の発生が防止される。このように、冷却時、燻化室
21に外気が流入するのが防止されるため、燻し瓦の冷
却時に品質不良の発生が防止されるという効果がある。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の燻化用台
車装置によれば、台車頂面にW字状脚部材を形成し、こ
のW字状脚部材の内溝と外溝にシール材を充填し、これ
らのシール材に燻化箱下端のU字状脚部材を浸漬するよ
うにし、冷却時にこのU字状脚部材とシール材とで囲ま
れる圧力室に不活性ガスが導入されるので、燻化室のシ
ールが確実に確保される。したがって、冷却時に燻し瓦
の品質劣化が防止され、高品質かつ均一な品質をもつ燻
し瓦を作製することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるシール部を示すもので、
図2に示す1点鎖線A部の拡大断面図である。
【図2】本発明の実施例による燻化用台車装置を示す一
部切欠断面図である。
【図3】本発明の実施例によるガス導入回路を示すガス
回路図である。
【符号の説明】
1 台車 2 燻化箱 3、4、5 W字状脚部材 6 内溝 7 外溝 9、10 シール材 12、13 U字状脚部材 15 圧力室 21 燻化室 20 第1配管(不活性ガス導入用配管)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】瓦素地を載置するための台車と、 この台車に載せられる瓦素地を燻化するために瓦素地の
    周囲を気密に保持する燻化箱とを備えた燻化用台車装置
    であって、 前記台車頂面に枠状に形成されるW字状脚部材と、 このW字状脚部材の内溝と外溝に貯蔵されるシール材
    と、 前記燻化箱の下端に枠状に形成されるとともに前記内溝
    および前記外溝に貯蔵される各シール材に浸漬可能なU
    字状脚部材と、 前記シール材と前記U字状脚部材とにより囲まれる圧力
    室に接続され前記圧力室に不活性ガスを導入する不活性
    ガス導入用配管とを有することを特徴とする燻化用台車
    装置。
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