JP3004057B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置に関し、
特には、上部本体を下部本体に対して開閉可能とした画
像形成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】装置本体を上下２つ割り構造とし、上部
本体を下部本体に対して開放することにより装置内部を
露出させ、内部の紙詰まりの解除や保守を容易とした画
像形成装置が知られる。このような上下２つ割りは、転
写材の搬送路を境目として行なうことが便利であり、こ
のため通常においては上部本体に感光体や露光装置およ
びクリーニング装置などが配置され、下部本体に現像装
置や転写装置、分離装置などが配置される。

【０００３】ところで、クリーニング装置は、感光体か
ら除去したトナーを廃棄トナー容器内へと収容するため
に廃棄トナー収容装置に作動的に連結されている。廃棄
トナー収容装置は、クリーニング装置と同様に上部本体
に設けられて上部本体の開閉に拘らず常時クリーニング
装置と連結され、または、廃棄トナー収容装置は下部本
体に設けられ、上部本体に配設されたクリーニング装置
のトナー排出口は可撓な搬送チューブによって連結され
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来装置に
あって、廃棄トナー収容装置を上部本体に設けた場合に
は、廃棄トナー容器の交換時など、廃棄トナー容器をク
リーニング装置のトナー排出口から脱着する時に排出口
周辺にあるトナーがこぼれ広がり、トナーにより下部本
体を広い領域にわたって汚染し易い。また、廃棄トナー
収容装置を下部本体に設け、可撓チューブにより連結す
る場合にあっては、チューブ内でトナーを搬送するスク
リュー装置の構成が複雑となる。

【０００５】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、上部本体にクリーニング装置を、下部本
体に廃棄トナー収容装置を設けた画像形成装置におい
て、廃棄トナー容器の脱着時に発生し易い排出口からの
トナーの撒き散らしを可及的に最少とすることのできる
装置を簡単な構成で提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【０００６】このため、本発明による画像形成装置は、
上部本体と下部本体とを有し、上部本体は下部本体に対
して上下に開閉可能であり、上部本体には感光体と、該
感光体表面に残存するトナーを感光体表面から除去する
ためのクリーニング装置とが設けられ、該クリーニング
装置は除去したトナーをクリーニング装置外へと排出す
るためのトナー排出パイプを備えており、下部本体には
前記トナー排出パイプの排出口を受ける廃棄トナー収容
装置が設けられている画像形成装置において、廃棄トナ
ー収容装置は、該廃棄トナー収容装置の廃棄トナー容器
内に突没可能に設けられたトナー検知器を有し、トナー
検知器は枢動可能なレバーに設けられ、該レバーはばね
手段により、自由状態においては、トナー検知器が廃棄
トナー容器外に位置するように付勢されており、上部本
体を閉じる動作により上部本体の一部が該レバーに当接
して前記レバーをバネ手段の作用に抗して枢動し、トナ
ー検知器を廃棄トナー容器内に位置させることを特徴と
する。

【０００７】さらに、トナー排出パイプ周りには、シャ
ッター部材が設けられ、シャッター部材は、排出パイプ
の排出口を、開閉可能とし且つ前記シャッター部材が自
由状態においてはばね手段により閉じるように作用し、
下部本体に、上部本体を下部本体に閉じたときにシャッ
ター部材を移動させて排出パイプの排出口を開放する係
合手段を設けたことを特徴とする。

【０００８】

【０００９】

【作用】このような手段により、上部本体を開放する時
には、この開放動作に伴ってシャッター部材が係合手段
から離れ、これによりばね手段がシャッター部材を移動
させてシャッター部材の壁面によりトナー排出口を塞
ぐ。

【００１０】

【実施例】以下、図面について本発明の実施例を説明す
る。図７および図８は本発明による画像形成装置の一例
を示す。画像形成装置１は、大別して、上部本体２およ
び下部本体３とから構成されている。上部本体２は下部
本体３に対してその後端側を枢軸４によって枢着されて
上方に開放可能とされ、閉じた状態においてはその手前
側に設けられたクランプ手段（図示なし）によって掛止
さられている。図７は上部本体２が閉じた状態、図８は
開いた状態をそれぞれ示す。

【００１１】図示例では、上部本体２は、ドラム状の感
光体６、感光体６を一様に帯電するコロナ帯電手段７、
帯電した感光体６上に複写すべき光像を投影する露光手
段８、転写後に感光体６上に残存する残留トナー等の汚
物を除去するためのクリーニング装置２０を配置し、下
部本体３は、感光体６上に形成された静電潜像をトナー
粉体により現像してトナー像とする現像装置９、トナー
像を感光体６から転写材上に転写する転写コロナ装置１
１、転写材を感光体６から分離する分離コロナ装置１２
を配置している。

【００１２】更に、下部本体３は、前記した装置の他、
感光体の転写部に転写材を供給する転写材供給装置１６
および転写材搬送装置１７を有し、これらにより搬送さ
れた転写材は感光体６からトナー像を転写されたのち感
光体６から分離され、搬送ベルト１８により加熱定着装
置１３に搬送され、そこでトナー像を定着した後、排出
ローラ１４によって装置外に排出される。

【００１３】図９は、上部本体２に配置されるクリーニ
ング装置２０の一例を示す。クリーニング装置２０は、
ＡＣ除電器２１、クリーニングブレード２２、クリーニ
ングローラ２３を有する。ＡＣ除電器２１は感光体６お
よびその表面に残存するトナーを除電して、感光体６か
らのトナーの離脱を容易とさせる。クリーニングブレー
ド２２は図示しないばね手段によりその先端が感光体表
面に適当な圧力で接するように付勢されており、ＡＣ除
電器２１により静電気的付着力を弱められた感光体上の
トナーを感光体から除去する。ブレード２２による除去
によってその先端から落下するトナーはブレード２２の
下方で回転するクリーニングローラ２３により排出スク
リュー２４へと送られる。図中矢印はそれぞれの部材の
回転方向を示している。

【００１４】排出スクリュー２４は、クリーニング装置
２０の本体内と連通し且つ本体から横方向に突出した円
筒状の廃棄トナー排出パイプ２６内を通って延びてい
る。図５に示すように、排出パイプ２６は上部本体２の
側板２ａよりも更に外方に延びており、その先端は塞が
っており、先端近くの下方に廃棄トナー排出口２７が形
成されている。これによりクリーニングブレード２２に
より回収された本体内の廃棄トナーは排出スクリュー２
４により排出パイプ２６内を通って搬送され、排出口２
７から排出される。

【００１５】図１乃至３に示すように、排出パイプ２６
の先端側部分を周って排出パイプの外径よりも僅かに大
きい内径を有する円筒状のシャッター部材２８が軸周り
に回動自在に設けられている。シャッター部材２８は排
出パイプ２６の排出口２７を塞ぐに充分な長さを有し、
且つその一部に排出口２７と整合可能な排出口２９を形
成する。シャッター部材２８は、図２に示すように排出
口２９が排出口２７と整合した位置と、図３に示すよう
に排出口２７とずれてシャッター部材の周壁が排出口２
７を塞ぐ位置との間を移動できる。シャッター部材２８
の軸周りに、一端を不図示の固定部分に、他端をシャッ
ター部材２８に掛止したコイルばね３１が設けられてお
り、コイルばね３１は、常態において、シャッター部材
２８を図３で示す位置に向かって移動するように付勢し
ている。図示していないが適当なストッパがシャッター
部材２８に当接可能に設けられており、シャッター部材
２８を図３で示す位置よりも更に半時計方向に移動しな
いようにその移動範囲を制限している。

【００１６】シャッター部材２８はその周壁の一部から
半径方向外方に向かって延びるレバー３２を有してい
る。上部本体２を下部本体３に閉じる動作に伴い、この
レバー３２と当接するように、係合部材３３が下部本体
３に設けられている。係合部材３は下部本体３の側部に
設けられた廃棄トナー容器収容箱３４の上面に固定され
た上方に延びる形状を有する。これにより、上部本体２
を下部本体３に閉じる時には、図２に示すように、その
閉じる動作に従い、レバー３２が係合部材３３の先端に
当接し、シャッター部材２８をコイルばね３１の作用に
抗し時計方向に回動させ、シャッター部材２８の排出口
２９を排出パイプ２６の排出口２６に整合させる。これ
により、排出口２６からのトナーの排出を可能とさせ
る。一方、保守等のために上部本体２を開放した時に
は、図３に示すように、レバー３２が係合部材３３から
離れ、シャッター部材２８はばね３１の作用により図２
でみて半時計方向に回動して元の位置に復帰し、シャッ
ター部材２８の周壁が排出パイプ２６の排出口を塞い
で、そこからのトナーのこぼれ落ちを防止する。

【００１７】廃棄トナー収容装置は、廃棄トナー容器３
６、廃棄トナー容器を装填するための収容箱３４を有す
る。収容箱３４は、画像形成装置の側面側に設けられ、
一側面が開放した（３４ａ）箱体からなり、この開放部
分３４ａから箱状の廃棄トナー容器３６が着脱可能に装
填される。廃棄トナー容器３６はそれ自体を廃棄可能
に、例えば紙等の材料により作られ、その上面には、図
６に示すように、排出パイプ２６から排出される廃棄ト
ナーを収容するための開口３７を有している。未使用の
容器３６の開口３７は不乾性接着剤により再接着可能な
シール３８により塞がれており、容器３６は、収容箱３
４に装填するに先だって、図６に示すように、シール３
８の一端側を剥して使用に供される。また容器３６を収
容箱３４から取り外して廃棄するときには、再びシール
３８により開口３７を塞ぐことにより容器３６からのト
ナーのこぼれ落ちを防止することができる。

【００１８】収容箱３４は、図４に示すように、その上
面に、内部に装填した容器３６の開口３７と整合する位
置に開口３９が形成されている。開口３９は、上部本体
２を下部本体３に閉じた時に、トナー排出パイプ２６の
排出口２７がそれに対面する位置に設けられている。

【００１９】一方、開口３７、３９を通って、廃棄トナ
ー容器内３６に突没可能にトナー検知装置４１が収容箱
３４の上面に設けられている。トナー検知装置４１は、
一端を枢軸により収容箱３４の上面に対して枢動可能に
設けられたレバー３４と、レバー３４の自由端側に固定
されたトナー検知器４４と、レバー３４とを、自由状態
において図３に示す位置に位置するように付勢するねじ
りばね４６とを有している。レバー３４はまた、上部本
体２を下部本体３に閉じるときに、その動作に従って、
トナー排出パイプ２６またはシャッター部材２８の一部
が当接するアーム４８を一体的に設けている。

【００２０】レバー４３は、最も好ましくは、収容箱３
４の開口３９を覆うことのできる程度の大きさであるこ
とがよく、このようにすることにより廃棄トナーの排出
時に生じる開口３９からのトナー煙の飛散を解消するこ
とができる。図４において破線５２は開口３９の周囲を
巡って設けられたフェルトまたはスポンジ等の部材であ
り、緩衝とともに、上記トナー煙の飛散を防止する。

【００２１】図２に示すように、上部本体２を下部本体
３に閉じたときにはシャッター部材２８の下端がレバー
４３のアーム４８に当接してそれを下方に押し下げ、こ
れによりレバーに設けられたトナー検知器４４が収容箱
３４の開口３９から廃棄トナー容器３７内に位置する。
トナー検知器４４は圧電装置、磁気感知装置、光学的感
知装置など公知のトナー検知器を用いることができる。
これにより、廃棄トナー容器３６内に収容される廃棄ト
ナーが満杯に近い所定のレベルになると、トナー検知器
４４がこれを検知し、オペレータに、廃棄トナー容器を
交換するように警告する。

【００２２】廃棄トナー容器３６は、図５に示すよう
に、画像形成装置の側面扉５１を開けることにより露出
される。オペレータが、側面扉５１を開き、上部本体２
を上に開くと、レバー４３のアーム４８を押さえていた
廃棄パイプ２８が上方に移動し、開放されたレバー４３
はばね４６の作用により上方に移動し、トナー検知器４
４が廃棄トナー容器３６から引き上げられる。これによ
り廃棄トナー容器３６は、収容箱３４から障害なく取り
外して交換することができる。

【００２３】また、上記したように、このとき、シャッ
ター部材２７が移動して排出パイプ２６の排出口２７を
塞ぐ。

【００２４】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、装
置の保守、修理、または廃棄トナー容器の交換時など、
上部本体を開放すると、その開放動作に伴いトナー排出
パイプの排出口が自動的に塞がれるため、トナーのこぼ
れによる装置内の汚染を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による画像形成装置の廃棄トナー収容装
置の平面図。

【図２】同廃棄トナー収容装置の断面図。

【図３】同廃棄トナー収容装置の別の状態を示す断面
図。

【図４】同廃棄トナー収容装置の斜視図。

【図５】本発明による画像形成装置の部分を示す斜視
図。

【図６】廃棄トナー容器の斜視図。

【図７】本発明による画像形成装置の一例の断面図。

【図８】同例の別の状態を示す断面図。

【図９】クリーニング装置の一例の概略図。

【符号の説明】

１ 画像形成装置 ２ 上部本体 ３ 下部本体 ２０ クリーニング装置 ２６ トナー排出パイプ ２７ 排出口 ２８ シャッター部材 ３２ レバー ３３ 係合部材 ３４ 廃棄トナー容器収容箱 ３６ 廃棄トナー容器 ４１ トナー検知装置 ４４ トナー検知器

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部本体と下部本体とを有し、前記上部
   本体は前記下部本体に対して上下に開閉可能であり、前
   記上部本体には感光体と、該感光体表面に残存するトナ
   ーを感光体表面から除去するためのクリーニング装置と
   が設けられ、該クリーニング装置は前記除去したトナー
   をクリーニング装置外へと排出するためのトナー排出パ
   イプを備えており、前記下部本体には前記トナー排出パ
   イプの排出口を受ける廃棄トナー収容装置が設けられて
   いる画像形成装置において、 前記廃棄トナー収容装置は、該廃棄トナー収容装置の廃
   棄トナー容器内に突没可能に設けられたトナー検知器を
   有し、 前記トナー検知器は枢動可能なレバーに設けられ、該レ
   バーはばね手段により、自由状態においては、トナー検
   知器が廃棄トナー容器外に位置するように付勢されてお
   り、上部本体を閉じる動作により上部本体の一部が該レ
   バーに当接して前記レバーをバネ手段の作用に抗して枢
   動し、トナー検知器を廃棄トナー容器内に位置させるこ
   とを 特徴とする画像形成装置。
2. 【請求項２】 前記トナー排出パイプ周りには、シャッ
   ター部材が設けられ、 前記シャッター部材は、前記排出パイプの排出口を、開
   閉可能とし且つ前記シャッター部材が自由状態において
   はばね手段により閉じるように作用し、 前記下部本体に、前記上部本体を前記下部本体に閉じた
   ときに前記シャッター部材を移動させて前記排出パイプ
   の排出口を開放する係合手段を設けたことを特徴とする
   請求項１記載の 画像形成装置。