JP3003157U - 組立用ボルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立、解体作業が能率よく行え、かつネジ山
がつぶれにくいと共に、ネジ谷部の応力集中を防止で
き、しかもコンクリートが付着しにくく、又、コンクリ
ートが谷底部分に付着した場合でも、これの取り除きが
簡単にできるようにした組立用ボルトの提供。 【構成】 ボルトＡの有効径Ｄ上におけるネジ山幅Ｔ１
及びネジピッチＰ１が、メートル並目ネジによる三角ネ
ジ山ボルトＢに比べて１．５〜２．０倍に形成され、か
つネジ谷部２が弧状凹面に形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、建設業におけるコンクリート型枠等の組立用に用いられる 組立用ボルトに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、組立用ボルトには、一般市販品であるメートル並目ネジによる三角ネジ 山ボルト、例えば、ボルト径１６ｍｍの場合、ネジピッチ２ｍｍで、ネジ山が断 面三角形に形成されたボルトが用いられていた。

【０００３】 組立用ボルトは、例えば、港湾工事におけるテトラポットやその他コンクリー ト二次製品等の製作用型枠、建築、土木工事におけるコンクリート現場打用型枠 の組立、解体等に際し、締結具として頻繁に繰返し使用されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の組立用ボルトでは、メートル並目ネジによる三角ネジ山 ボルトが用いられているため、型枠等の組み立てに際し、ボルト孔に入れにくい ときにハンマー等で組立用ボルトを打ち込んだりすると、ネジ山がつぶれて使用 不能になるなど、ネジ山の強度面で問題があるし、又、ネジ山が三角形で、ネジ ピッチが小さいため、ネジ山間隔が密になってコンクリートがネジ谷部に付着し 易いと共に、付着したコンクリートを取り除きにくく、更には、ネジピッチが小 さいために、ナットの螺合や取り外しに伴う回転回数が多く必要となり、ボルト 、ナットの締結作業に費やす時間が長くなるという問題があった。

【０００５】 このように、従来の組立用ボルトにあっては、ネジ山の強度不足やコンクリー トの付着によるボルトの取替でコスト的な無駄が多いし、ボルト、ナットの締結 に時間がかかることで、作業能率が悪いという難点があった。 尚、従来、ネジ山幅及びネジピッチを大きくした組立ボルトがあるが（欧州特 許出願公開第８０８７２号明細書）、この組立ボルトは、ネジ山面をフラットに 形成するようにしているため、ネジ谷部は、その谷底部分に小さなアール面を形 成するしかできず、これでは、谷底部分に応力が集中してボルトが折損しやすく なるし、谷底部分にコンクリートが付着した場合、これを取り除きにくいという 問題があった。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】

本考案は、上述のような従来の問題を解決し、組立、解体作業が能率よく行え 、かつネジ山がつぶれにくいと共に、ネジ谷部の応力集中を防止でき、しかもコ ンクリートが付着しにくく、又、コンクリートが谷底部分に付着した場合でも、 これの取り除きが簡単にできるようにした組立用ボルトを提供することを目的と する。 この目的を達成するために、本考案の組立ボルトでは、ボルトの有効径上にお けるネジ山幅及びネジピッチが、メートル並目ネジによる三角ネジ山ボルトに比 べて１．５〜２．０倍に形成され、かつネジ谷部が弧状凹面に形成されている構 成とした。

【０００７】

【作用】

本考案の組立用ボルトでは、メートル並目ネジによる三角ネジ山ボルトに比べ て、有効径上のネジ山幅が１．５〜２．０倍と大きいので、その分だけネジ山の 強度が向上し、ネジ山がつぶれにくい。 又、ネジピッチも１．５〜２．０倍と大きいので、ボルト、ナットの締結時に おける回転回数が少なくて足り、締結時間の短縮が図れると共に、ネジ山間隔が 粗くなるため、コンクリートがネジ谷部に付着しにくくなる。 尚、本考案で、ネジ山幅及びネジピッチを、メートル並目ネジによる三角ネジ 山ボルトに比べて、１．５〜２．０倍としたのは、１．５倍以下では、ネジ山の 強度の向上及びナット締結時間の短縮といった効果が十分に得られないし、又、 ２．０倍以上では、ネジピッチが大きくなり過ぎてナットとの締結が弛んでしま うといったおそれが生じるためである。 又、ネジ谷部が弧状凹面に形成されているため、ネジ谷部の応力集中が防止さ れるし、ネジ谷部の谷底部分がなだらかになるため、谷底部分にコンクリートが 付着した場合でも、そのコンクリートを簡単に取り除くことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面により詳述する。 図１は本実施例の組立用ボルトＡ（図１−イ）と、メートル並目ネジによる三 角ネジ山ボルトＢ（図１−ロ）との比較図で、三角ネジ山ボルトＢは、ボルト径 １６ｍｍで、有効径Ｄ上におけるネジ山幅Ｔ２＝１ｍｍ、ネジピッチＰ２＝２ｍ ｍとなっており、又、組立用ボルトＡは、ボルト径１６ｍｍで、有効経Ｄ上にお けるネジ山幅Ｔ１＝１．８ｍｍ、ネジピッチＰ１＝３．６ｍｍとなっている。即 ち、組立用ボルトＡは、三角ネジ山ボルトＢに比べて、有効径Ｄ上におけるネジ 山幅Ｔ１が、三角ネジボルトＢのネジ山幅Ｔ２の１．８倍に形成されると共に、 ネジピッチＰ１が三角ネジ山ボルトＢのネジピッチＰ２の１．８倍に形成されて いる。

【０００９】 又、組立用ボルトＡのネジ山１の断面形状は、ネジ山１の頂部に若干の平坦部 １１が形成され、かつネジ谷部２は弧状凹面に形成されて、谷底部分がなだらか に形成されており、その製造は転造によるものである。 尚、図２中、３は組立用ボルトＡのナットで、組立用ボルトＡのネジ形状に対 応したネジ穴形状となっている。

【００１０】 図３は組立用ボルトＡの使用例を示しており、この場合、型枠用メタルフォー ム４，４の連結用として用いられており、メタルフォーム４，４のフランジ４１ ，４１に形成されたボルト穴４２，４２に組立用ボルトＡを挿通して、ナット３ で締結するようにしている。

【００１１】 従って、本実施例の組立用ボルトＡでは、メートル並目ネジによる三角ネジ山 ボルトＢに比べて、ネジ山幅Ｔ１が１．８倍と大きいために、ネジ山１の強度が 強く、又、ネジピッチＰ１が１．８倍と大きいために、ナット３との締結作業が スピードアップされ、かつコンクリートが付着しにくくなると共に、コンクリー トが付着したとしても、コンクリートの取り除きが容易になる。 特に、ネジ谷部２が弧状凹面に形成されているため、ネジ谷部の応力集中が防 止されるし、又、ネジ谷部２の谷底部分がなだらかになるため、谷底部分にコン クリートが付着した場合でも、そのコンクリートを簡単に取り除くことができる 。

【００１２】 以上、本考案の実施例を図面により説明したが、本考案の具体的な構成は前記 実施例に限定されることはなく、考案の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっ ても本考案に含まれる。

【００１３】 例えば、組立用ボルトの用途としては、実施例で示した型枠用メタルフォーム の連結用としてだけではなく、その他、建築や土木等で使用する各種部材の締結 用として使用できる。 又、組立用ボルトの外径については種々のサイズ、例えば、ボルト径１０ｍｍ の場合、ネジ山幅１．５ｍｍで、ネジピッチ３ｍｍ（メートル並目ネジによる三 角ネジ山ボルトは、ボルト径１０ｍｍの場合、ネジ山幅０．７５ｍｍで、ネジピ ッチ１．５ｍｍ）、ボルト径２４ｍｍの場合、ネジ山幅２．５ｍｍで、ネジピッ チ５ｍｍ（メートル並目ネジによる三角ネジ山ボルトは、ボルト径２４ｍｍの場 合、ネジ山幅１．５ｍｍで、ネジピッチ３．０ｍｍ）を用意しておくことになる 。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明してきたように、本考案の組立用ボルトにあっては、メートル並目ネ ジによる三角ネジ山ボルトに比べて、ネジ山幅及びネジピッチが１．５〜２．０ 倍に大きいので、ネジ山の強度が向上して、ネジ山がつぶれにくくなり、又、ナ ットとの締結に費やす時間が短縮されてスピードアップが図れるし、ネジ山間隔 が粗くなるので、コンクリートが付着しにくく、取り除きやすいという効果が得 られる。

【００１５】 又、ネジ谷部が弧状凹面に形成されているため、ネジ谷部の応力集中が防止さ れて、ボルトの折損といった事故を防止できるし、又、ネジ谷部の谷底部分がな だらかになるため、谷底部分にコンクリートが付着した場合でも、そのコンクリ ートを簡単に取り除くことができるという効果が得られる。

【００１６】 従って、組立用ボルトの耐用期間が長くなって経費の無駄が省けるし、組立、 解体作業の能率向上を図ることができ、しかもコンクリートの付着に対して有効 に対処できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の組立用ボルトを示す説明図であ
る。

【図２】本考案実施例の組立用ボルトを示す側面図であ
る。

【図３】本考案実施例の組立用ボルトの使用例を示す一
部切欠図である。

【符号の説明】

Ａ 組立用ボルト Ｂ メートル並目ネジによる三角ネジ山ボルト Ｔ１ ネジ山幅 Ｐ１ ネジピッチ １ ネジ山 ２ ネジ谷部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボルトの有効径上におけるネジ山幅及び
   ネジピッチが、メートル並目ネジによる三角ネジ山ボル
   トに比べて１．５〜２．０倍に形成され、かつネジ谷部
   が弧状凹面に形成されていることを特徴とする組立用ボ
   ルト。