JP3003008B2 - 耐酸、耐熱性グルコースイソメラーゼ、その製造法及びそれを用いるフラクトースの製造法 - Google Patents
耐酸、耐熱性グルコースイソメラーゼ、その製造法及びそれを用いるフラクトースの製造法Info
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸性下でD−グルコー
ス(以下、グルコースと記載)をD−フラクトース(以
下、フラクトースと記載)に変換する新規な耐酸、耐熱
性グルコースイソメラーゼ、その製造法及びそれを用い
るフラクトースの製造法に関するものである。
ス(以下、グルコースと記載)をD−フラクトース(以
下、フラクトースと記載)に変換する新規な耐酸、耐熱
性グルコースイソメラーゼ、その製造法及びそれを用い
るフラクトースの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フラクトースは天然に存在する糖の中で
最も甘味の強い糖であり、甘味料として使用されてい
る。フラクトースは、現在、澱粉を原料として製造され
るグルコースをグルコースイソメラーゼで異性化して製
造されており、一般に、異性化糖と呼ばれ、フラクトー
ス42〜45%を含む液糖として市販されている。
最も甘味の強い糖であり、甘味料として使用されてい
る。フラクトースは、現在、澱粉を原料として製造され
るグルコースをグルコースイソメラーゼで異性化して製
造されており、一般に、異性化糖と呼ばれ、フラクトー
ス42〜45%を含む液糖として市販されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、現在、異性
化糖の製造に使用されている公知のグルコースイソメラ
ーゼは最適pHが8〜9付近にあるため、酸性下で不安
定で、工業的規模でのグルコース異性化反応は、通常、
pH8付近で行われている。一方、澱粉からグルコース
の製造において、α−アミラーゼによる、澱粉の液化反
応はpH6付近で行われ、グルコアミラーゼによる液化
澱粉の糖化反応はpH4.5付近で行われている。
化糖の製造に使用されている公知のグルコースイソメラ
ーゼは最適pHが8〜9付近にあるため、酸性下で不安
定で、工業的規模でのグルコース異性化反応は、通常、
pH8付近で行われている。一方、澱粉からグルコース
の製造において、α−アミラーゼによる、澱粉の液化反
応はpH6付近で行われ、グルコアミラーゼによる液化
澱粉の糖化反応はpH4.5付近で行われている。
【0004】このように、澱粉から異性化糖の製造にお
いて、澱粉の液化、液化澱粉の糖化、グルコースの異性
化の各工程の反応pHは、それぞれの工程において使用
される酵素の作用条件と安定性から、pH6→4.5→
8と変化させて行うという、煩雑かつ非能率的な方法が
採られているのが現状である。
いて、澱粉の液化、液化澱粉の糖化、グルコースの異性
化の各工程の反応pHは、それぞれの工程において使用
される酵素の作用条件と安定性から、pH6→4.5→
8と変化させて行うという、煩雑かつ非能率的な方法が
採られているのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、澱粉から異
性化糖の製造を効率的かつ経済的に行うため、グルコア
ミラーゼによる液化澱粉の糖化条件と一致した条件で作
用する耐酸性のグルコースイソメラーゼの検索を行って
きた結果、土壌中より分離し、ストレプトマイセス・エ
スピーG−27(Streptomyces sp.
G−27)と同定した微生物がpH5付近においても効
率的にグルコースをフラクトースに異性化する耐酸性の
グルコースイソメラーゼを生産することを認めた。この
酵素を用いることによって異性化反応の作用pH条件
を、現在、澱粉の液化に使用されているバチルス属のα
−アミラーゼや、液化澱粉の糖化に使用されているアス
ペルギルス属又はリゾープス属のグルコアミラーゼの作
用pH条件と適合させることができ、実質的に一貫した
条件で液化、糖化及び異性化などの反応を行うことがで
きるため、澱粉から能率的かつ経済的に異性化糖を製造
することが可能となった。本発明はこの知見に基づいて
なされたものである。
性化糖の製造を効率的かつ経済的に行うため、グルコア
ミラーゼによる液化澱粉の糖化条件と一致した条件で作
用する耐酸性のグルコースイソメラーゼの検索を行って
きた結果、土壌中より分離し、ストレプトマイセス・エ
スピーG−27(Streptomyces sp.
G−27)と同定した微生物がpH5付近においても効
率的にグルコースをフラクトースに異性化する耐酸性の
グルコースイソメラーゼを生産することを認めた。この
酵素を用いることによって異性化反応の作用pH条件
を、現在、澱粉の液化に使用されているバチルス属のα
−アミラーゼや、液化澱粉の糖化に使用されているアス
ペルギルス属又はリゾープス属のグルコアミラーゼの作
用pH条件と適合させることができ、実質的に一貫した
条件で液化、糖化及び異性化などの反応を行うことがで
きるため、澱粉から能率的かつ経済的に異性化糖を製造
することが可能となった。本発明はこの知見に基づいて
なされたものである。
【0006】以下、本発明の内容を更に具体的に説明す
る。本発明のグルコースイソメラーゼ(以下、本発明の
酵素という)の理化学的性質は下記の通りである。 a)作用:酸性下でD−グルコースをD−フラクトース
に変換する。 b)基質特異性:D−グルコースとD−フラクトースの
相互変換を行う他、D−キシロース、L−アラビノース
とD−リボースをそれぞれ対応するケトースに異性化す
る。しかしD−マンノース、D−ガラクトース、D−ア
ラビノースなどには実質的に作用しない。 c)作用pH:4〜8である。 d)最適pH:7付近に認められるが、pH5付近でも
よく作用し、約30%の活性を示す。 e)最適温度:0.1Mグルコースを基質としpH8、
10分反応での最適温度は85〜87℃である。 f)安定pH:0.1M緩衝液(酢酸又はリン酸緩衝
液)の下で、室温(約25℃)で 時間放置後、残存活
性を測定した。その結果、pH4〜12の範囲で安定で
あった。 g)熱安定性:酵素水溶液を各温度で加熱した結果、8
0℃、85℃では、30分間加熱しても失活は認められ
ず、むしろ活性の増加が認められた。又、90℃、10
分間の加熱では約30%失活した。 h)Km値:グルコースに対するKmは約0.083
M、D−キシロースに対するKmは約0.13Mで、本
酵素はD−キシロースよりもD−グルコースに対してよ
り親和性が大きい。 i)賦活剤:Co2+、Mg2+、Mn2+などにより賦活さ
れる。その活性の強さは、5×10-3MにおいてCoC
l2を100%としたとき、MgSO4約42%、MnS
O4約17%であった。 j)阻害剤:5×10-3MのHgCl2、AgNO3、C
uSO4、CaCl2などにより阻害された。 k)精製法:硫酸アンモニウムによる分画、DEAE−
セファロースカラムクロマトグラフィー及びセファデッ
クスG−150ゲルろ過などにより電気泳動的に単一ま
で精製することができる。 l)活性測定法:0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.
0)、0.01M MgSO4及び0.2Mのグルコー
スを含む溶液0.5mlに、適量の酵素を加え、水で全
量を1.0mlとし、60℃で反応させる。そして生成
したフラクトースをシステイン−カルバゾール法で定量
する。この条件で、1分間に1マイクロモルのフラクト
ースを生成する酵素量を1単位とした。
る。本発明のグルコースイソメラーゼ(以下、本発明の
酵素という)の理化学的性質は下記の通りである。 a)作用:酸性下でD−グルコースをD−フラクトース
に変換する。 b)基質特異性:D−グルコースとD−フラクトースの
相互変換を行う他、D−キシロース、L−アラビノース
とD−リボースをそれぞれ対応するケトースに異性化す
る。しかしD−マンノース、D−ガラクトース、D−ア
ラビノースなどには実質的に作用しない。 c)作用pH:4〜8である。 d)最適pH:7付近に認められるが、pH5付近でも
よく作用し、約30%の活性を示す。 e)最適温度:0.1Mグルコースを基質としpH8、
10分反応での最適温度は85〜87℃である。 f)安定pH:0.1M緩衝液(酢酸又はリン酸緩衝
液)の下で、室温(約25℃)で 時間放置後、残存活
性を測定した。その結果、pH4〜12の範囲で安定で
あった。 g)熱安定性:酵素水溶液を各温度で加熱した結果、8
0℃、85℃では、30分間加熱しても失活は認められ
ず、むしろ活性の増加が認められた。又、90℃、10
分間の加熱では約30%失活した。 h)Km値:グルコースに対するKmは約0.083
M、D−キシロースに対するKmは約0.13Mで、本
酵素はD−キシロースよりもD−グルコースに対してよ
り親和性が大きい。 i)賦活剤:Co2+、Mg2+、Mn2+などにより賦活さ
れる。その活性の強さは、5×10-3MにおいてCoC
l2を100%としたとき、MgSO4約42%、MnS
O4約17%であった。 j)阻害剤:5×10-3MのHgCl2、AgNO3、C
uSO4、CaCl2などにより阻害された。 k)精製法:硫酸アンモニウムによる分画、DEAE−
セファロースカラムクロマトグラフィー及びセファデッ
クスG−150ゲルろ過などにより電気泳動的に単一ま
で精製することができる。 l)活性測定法:0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.
0)、0.01M MgSO4及び0.2Mのグルコー
スを含む溶液0.5mlに、適量の酵素を加え、水で全
量を1.0mlとし、60℃で反応させる。そして生成
したフラクトースをシステイン−カルバゾール法で定量
する。この条件で、1分間に1マイクロモルのフラクト
ースを生成する酵素量を1単位とした。
【0007】本発明の酵素は、現在、工業的に広く使用
されているストレプトマイセス・ルビジノサス(Str
eptomyces rubiginosus)のグル
コースイソメラーゼ(以下、酵素Aという)〔Y. T
akasaki, アグリカルチャル・バイオロジカル
・ケミストリー(Agric. Biol. Che
m.),33巻,1523頁(1969)〕及びストレ
プトマイセス・フェオクロモゲネス(Streptom
yces phaeodhromogenes)のグル
コースイソメラーゼ(以下、酵素Bという)〔N.Ts
umuraら,アグリカルチャル・バイオロジカル・ケ
ミストリー(Agric.Biol.Chem.),2
9巻,1192頁(1965)〕に比べ、以下に記載す
る酵素的性質の差異が認められた。
されているストレプトマイセス・ルビジノサス(Str
eptomyces rubiginosus)のグル
コースイソメラーゼ(以下、酵素Aという)〔Y. T
akasaki, アグリカルチャル・バイオロジカル
・ケミストリー(Agric. Biol. Che
m.),33巻,1523頁(1969)〕及びストレ
プトマイセス・フェオクロモゲネス(Streptom
yces phaeodhromogenes)のグル
コースイソメラーゼ(以下、酵素Bという)〔N.Ts
umuraら,アグリカルチャル・バイオロジカル・ケ
ミストリー(Agric.Biol.Chem.),2
9巻,1192頁(1965)〕に比べ、以下に記載す
る酵素的性質の差異が認められた。
【0008】すなわち、 (1)本発明の酵素の最適pHは7付近にあるが、図1
に示す通り、pH5以下でもよく作用する。一方、酵素
Aの最適pHは8.5付近にあり、pH6における活性
はpH8.5のときの約30%である。そして、pH5
以下では不安定で実質的に作用しない。又、酵素Bの最
適pHはよりアルカリ側のpH9.3〜9.5に認めら
れていおり、そして同様にpH5以下では実質的に作用
しない。
に示す通り、pH5以下でもよく作用する。一方、酵素
Aの最適pHは8.5付近にあり、pH6における活性
はpH8.5のときの約30%である。そして、pH5
以下では不安定で実質的に作用しない。又、酵素Bの最
適pHはよりアルカリ側のpH9.3〜9.5に認めら
れていおり、そして同様にpH5以下では実質的に作用
しない。
【0009】(2)本発明の酵素の最適温度は85〜8
7℃にあり、酵素A及び酵素Bに比べ5〜7℃高い。
7℃にあり、酵素A及び酵素Bに比べ5〜7℃高い。
【0010】(3)本発明の酵素は85℃で30分加熱
しても失活が認められないが、酵素Aは80℃、10分
の加熱で約30%失活し、酵素Bは70℃、10分の加
熱で80〜85%失活する。
しても失活が認められないが、酵素Aは80℃、10分
の加熱で約30%失活し、酵素Bは70℃、10分の加
熱で80〜85%失活する。
【0011】(4)本発明の酵素は、D−グルコースの
他、D−キシロース、D−リボース、L−アラビノース
などにも作用し、それぞれ対応するケトースに異性化す
る。すなわち、本酵素は巾広い基質特異性を示すのに対
し、酵素AはD−グルコースとD−キシロースのみに作
用し、酵素BはD−グルコース、D−キシロースとL−
アラビノースに作用する。
他、D−キシロース、D−リボース、L−アラビノース
などにも作用し、それぞれ対応するケトースに異性化す
る。すなわち、本酵素は巾広い基質特異性を示すのに対
し、酵素AはD−グルコースとD−キシロースのみに作
用し、酵素BはD−グルコース、D−キシロースとL−
アラビノースに作用する。
【0012】(5)酵素A及び酵素Bは、D−グルコー
スに対するKm値がD−キシロースに対するKmより大
きく、D−グルコースよりもD−キシロースに対する親
和性の方が大きいのに対し、本発明の酵素は、D−グル
コースに対するKmは約0.083M、D−キシロース
に対するKmは約0.13Mであり、 D−キシロ
ースよりもD−グルコースに対してより親和性が大き
い。
スに対するKm値がD−キシロースに対するKmより大
きく、D−グルコースよりもD−キシロースに対する親
和性の方が大きいのに対し、本発明の酵素は、D−グル
コースに対するKmは約0.083M、D−キシロース
に対するKmは約0.13Mであり、 D−キシロ
ースよりもD−グルコースに対してより親和性が大き
い。
【0013】(6)酵素A及び酵素BはMg2+により最
も強く賦活されるのに対し、本発明の酵素はMg2+より
Co2+によって強く賦活される。
も強く賦活されるのに対し、本発明の酵素はMg2+より
Co2+によって強く賦活される。
【0014】本発明の酵素の理化学的性質のうち、主な
性質について、公知のグルコースイソメラーゼと比較し
た結果を表1に示す。
性質について、公知のグルコースイソメラーゼと比較し
た結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】以上のとおり、本発明の酵素は作用pH、
熱安定性などの性質において、公知のグルコースイソメ
ラーゼに比べ重要な差異が認められ、耐酸性と耐熱性に
優れた新規なグルコースイソメラーゼと考えられるもの
である。
熱安定性などの性質において、公知のグルコースイソメ
ラーゼに比べ重要な差異が認められ、耐酸性と耐熱性に
優れた新規なグルコースイソメラーゼと考えられるもの
である。
【0017】本発明において使用されるストレプトマイ
セス・エスピー G−27は新たに土壌から発見、分離
されたものであり、その菌学的性質は下記の通りであ
る。尚、本菌株は工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第12036号(FERM P−12036)
として寄託されている。
セス・エスピー G−27は新たに土壌から発見、分離
されたものであり、その菌学的性質は下記の通りであ
る。尚、本菌株は工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第12036号(FERM P−12036)
として寄託されている。
【0018】A.形態 (1)基生菌糸は樹枝状に分岐し発育、液体・固体をと
わず、いかなる培地においても、断裂しない。 (2)気菌糸は単純分枝で、直状の長い胞子連鎖を形成
する。培養が長期となると先端部でゆるく波状になる
が、らせん状は稀である。 (3)胞子柄は基生菌糸から形成されるが、認められる
ほど長くない(10μm以下)。分枝は菌糸の主軸に対
し20〜40℃、分枝数は通常1〜3本。 (4)胞子嚢、菌核、球状体は形成しない。 (5)胞子は気菌糸上にのみ生じ、出来る方向は求心
的。胞子の表面は平滑で、卵円形又は円筒系、1.0×
1.5〜2.0μm、通常50個以上の直状の連鎖とな
る。 (6)基生菌糸、気菌糸の幅はそれぞれ1.0〜1.5
μm。
わず、いかなる培地においても、断裂しない。 (2)気菌糸は単純分枝で、直状の長い胞子連鎖を形成
する。培養が長期となると先端部でゆるく波状になる
が、らせん状は稀である。 (3)胞子柄は基生菌糸から形成されるが、認められる
ほど長くない(10μm以下)。分枝は菌糸の主軸に対
し20〜40℃、分枝数は通常1〜3本。 (4)胞子嚢、菌核、球状体は形成しない。 (5)胞子は気菌糸上にのみ生じ、出来る方向は求心
的。胞子の表面は平滑で、卵円形又は円筒系、1.0×
1.5〜2.0μm、通常50個以上の直状の連鎖とな
る。 (6)基生菌糸、気菌糸の幅はそれぞれ1.0〜1.5
μm。
【0019】 B.各培地における生育状態 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 培 地 発 育 気菌糸 裏面の 溶解性 色調 色素 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− イースト・麦芽 良好 拡散性 盛上り 豊富 絨毯状 黄褐色 なし 寒天培地 皺 淡黄白色 淡桃→灰色 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− オートミール 良好 拡散性 平坦 中庸 絨毯状 黄 色 なし 寒天培地 黄色 淡桃→灰色 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− スターチ・無機 良好 拡散性 平坦 中庸 絨毯状 黄白色 なし 塩寒天培地 淡黄白色 淡桃→灰色 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− グリセリン・ア 良好 拡散性 盛上り 中庸 粉状 黄 色 なし スパラギン寒天 黄色 灰白色 培地 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− チロシン寒天 良好 拡散性 平坦 豊富 線状 黒褐色 なし 培地 皺 淡黄白色 白色 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− シュクロース・ 弱い 拡散性 平坦 なし 黒 色 なし 硝酸塩培地 無色 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− グルコース・ア 良好 拡散性 平坦 中庸 線状 黄 色 なし スパラギン寒天 黄白色 淡桃→灰色 培地 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 栄養寒天培地 中庸 局限性 平坦 なし 黄白色 なし 黄白色 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ベネット寒天 良好 拡散性 盛上り 中庸 粉状 黄 色 なし 培地 皺 黄白色 淡桃→灰白色 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ペプトン・イー 中庸 局限性 平坦 なし 黄 色 なし スト・鉄寒天 皺 黄白色 培地 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− スターチ合成寒 微 拡散性 無色 なし 無 色 なし −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0020】C.生理学的性質 (1)リトマスミルク:凝固なく消化、リトマス還元な
し (2)ゼラチン液化:なし (3)抗酸性:陰性 (4)グルコース酸化(Hugh−Leifson):
陽性 (5)温度生育性:至適温度39℃、生育温度範囲15
〜45℃ (6)pH生育性:最適pH7.2、生育pH範囲4.
8〜9.5 (7)耐塩性:7% (8)硝酸塩の還元:陽性 (9)硫化水素の生成:陽性 (10)カゼイン分解(Fraizer法):陽性 (11)デンプンの加水分解:陽性 (12)エスクリン加水分解:陽性 (13)リンゴ酸石灰の溶解:陽性 (14)アデニン分解:陽性 (15)キサンチン分解:陰性 (16)チロシン分解:陰性 (17)フェニールアラニン脱アミノ:陰性 (18)ウレアーゼ:陽性 (19)カタラーゼ:陽性 (20)細胞壁タイプ: LL−ジアミノピメリン酸 + meso−ジアミノピメリン酸 − グリシン + リジン − アラビノース − ガラクトース − (21)窒素源の利用性:アスパラギン酸ナトリウム、
カゼミノ酸、β−アラニン、ペプトン、グルタミン酸ナ
トリウム(+++)良く利用する L−アルギニン、硫安、塩安、DL−メチオニン、L−
バリン(++) 利用する 硝酸カリ、硝酸ナトリウム、尿素(+)弱く利用する (22)炭素源の利用性:D−グルコース、D−キシロ
ース、L−アラビノース、L−ラムノース、D−フラク
トース、D−ガラクトース、D−ラフィノース、D−マ
ンニット、i−イノシトール、シュクロース(+++)
良く利用する サリシン(+)利用する
し (2)ゼラチン液化:なし (3)抗酸性:陰性 (4)グルコース酸化(Hugh−Leifson):
陽性 (5)温度生育性:至適温度39℃、生育温度範囲15
〜45℃ (6)pH生育性:最適pH7.2、生育pH範囲4.
8〜9.5 (7)耐塩性:7% (8)硝酸塩の還元:陽性 (9)硫化水素の生成:陽性 (10)カゼイン分解(Fraizer法):陽性 (11)デンプンの加水分解:陽性 (12)エスクリン加水分解:陽性 (13)リンゴ酸石灰の溶解:陽性 (14)アデニン分解:陽性 (15)キサンチン分解:陰性 (16)チロシン分解:陰性 (17)フェニールアラニン脱アミノ:陰性 (18)ウレアーゼ:陽性 (19)カタラーゼ:陽性 (20)細胞壁タイプ: LL−ジアミノピメリン酸 + meso−ジアミノピメリン酸 − グリシン + リジン − アラビノース − ガラクトース − (21)窒素源の利用性:アスパラギン酸ナトリウム、
カゼミノ酸、β−アラニン、ペプトン、グルタミン酸ナ
トリウム(+++)良く利用する L−アルギニン、硫安、塩安、DL−メチオニン、L−
バリン(++) 利用する 硝酸カリ、硝酸ナトリウム、尿素(+)弱く利用する (22)炭素源の利用性:D−グルコース、D−キシロ
ース、L−アラビノース、L−ラムノース、D−フラク
トース、D−ガラクトース、D−ラフィノース、D−マ
ンニット、i−イノシトール、シュクロース(+++)
良く利用する サリシン(+)利用する
【0021】以上の菌学的諸性質についてバージェイス
・マニュアル・オブ・ディタミネイティブ・バクテリオ
ロジー(Bergey’s Manual of De
terminative Bacteriology)
(第7版)及びThe Actinomycetes
(2巻、152〜292頁)を参照し、本菌をストレプ
トマイセス・エスピー G−27(Streptomy
ces sp. G−27)と同定した。
・マニュアル・オブ・ディタミネイティブ・バクテリオ
ロジー(Bergey’s Manual of De
terminative Bacteriology)
(第7版)及びThe Actinomycetes
(2巻、152〜292頁)を参照し、本菌をストレプ
トマイセス・エスピー G−27(Streptomy
ces sp. G−27)と同定した。
【0022】本菌を培養してグルコースイソメラーゼを
生産するには、窒素源として、コーンスティープリカ
ー、肉エキス、ペプトン、ブイヨン、カゼイン、大豆
粕、酵母、酵母エキスなど、通常、微生物の培養に使用
される有機窒素源、あるいは塩化アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム、尿素、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源
を単独又は有機窒素源に補足して使用される。
生産するには、窒素源として、コーンスティープリカ
ー、肉エキス、ペプトン、ブイヨン、カゼイン、大豆
粕、酵母、酵母エキスなど、通常、微生物の培養に使用
される有機窒素源、あるいは塩化アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム、尿素、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源
を単独又は有機窒素源に補足して使用される。
【0023】炭素源としては、キシロース、又はその原
料であるキシラン及びその派生物が使用される。この
他、ソルビトール、グリセリン、マンノース、グルコー
ス、シュークロースなども有効である。
料であるキシラン及びその派生物が使用される。この
他、ソルビトール、グリセリン、マンノース、グルコー
ス、シュークロースなども有効である。
【0024】以上の窒素源と炭素源の他に、補足する培
地成分としてリン酸塩、マグネシウム塩、コバルト塩、
マンガン塩などが添加される。
地成分としてリン酸塩、マグネシウム塩、コバルト塩、
マンガン塩などが添加される。
【0025】培養は、pH5〜9、好ましくはpH5.
5〜8、温度25〜50℃、好ましくは30℃で1〜4
日間程度行われる。グルコースイソメラーゼは菌体内に
生産される酵素であるので、培養後、ろ過又は遠心分離
により菌体を回収し、そのまま、又は適当な固定化処理
を使用するか、超音波又は自己消化法により該酵素を抽
出し使用される。抽出された酵素は必要により、濃縮
し、硫酸アンモニウム、アセトン、メタノール、エタノ
ールなどで沈殿し、乾燥保存する。
5〜8、温度25〜50℃、好ましくは30℃で1〜4
日間程度行われる。グルコースイソメラーゼは菌体内に
生産される酵素であるので、培養後、ろ過又は遠心分離
により菌体を回収し、そのまま、又は適当な固定化処理
を使用するか、超音波又は自己消化法により該酵素を抽
出し使用される。抽出された酵素は必要により、濃縮
し、硫酸アンモニウム、アセトン、メタノール、エタノ
ールなどで沈殿し、乾燥保存する。
【0026】本発明の酵素を用い、グルコースからフラ
クトースを生成する反応は、20〜60%のグルコース
溶液又はグルコース含有液、例えば、澱粉糖化液が使用
され、pH4.5〜8、温度50〜90℃で行うことが
できる。すなわちアスペルギルス・ニガー又はリゾープ
ス属のグルコアミラーゼを用い、pH4.5〜5.5で
糖化された糖化液を、実質的にpHを調整することな
く、そのまま異性化原料として使用するか、又は、澱粉
液化液又はデキストリン含有液を原料とし、グルコアミ
ラーゼが作用する条件(pH4.5〜5.5、温度55
〜60℃)で、グルコアミラーゼによる糖化と本発明の
酵素による異性化を同時に行うことができる。又、澱粉
を原料とし、α−アミラーゼによる液化、グルコアミラ
ーゼによる糖化と本発明の酵素による異性化の、3つの
反応を、pH5〜6、温度55〜60℃で同時に行い、
澱粉から直接、異性化糖を製造することも可能である。
クトースを生成する反応は、20〜60%のグルコース
溶液又はグルコース含有液、例えば、澱粉糖化液が使用
され、pH4.5〜8、温度50〜90℃で行うことが
できる。すなわちアスペルギルス・ニガー又はリゾープ
ス属のグルコアミラーゼを用い、pH4.5〜5.5で
糖化された糖化液を、実質的にpHを調整することな
く、そのまま異性化原料として使用するか、又は、澱粉
液化液又はデキストリン含有液を原料とし、グルコアミ
ラーゼが作用する条件(pH4.5〜5.5、温度55
〜60℃)で、グルコアミラーゼによる糖化と本発明の
酵素による異性化を同時に行うことができる。又、澱粉
を原料とし、α−アミラーゼによる液化、グルコアミラ
ーゼによる糖化と本発明の酵素による異性化の、3つの
反応を、pH5〜6、温度55〜60℃で同時に行い、
澱粉から直接、異性化糖を製造することも可能である。
【0027】さらに又、本発明の酵素は耐酸と耐熱性に
優れているため、公知のグルコースイソメラーゼで平衡
まで異性化した糖液を、pH5〜6、80〜95℃で短
時間処理することにより、フラクトース側に平衡を移動
させ、フラクトース含有量の高い異性化糖を製造する目
的にも使用することができる。
優れているため、公知のグルコースイソメラーゼで平衡
まで異性化した糖液を、pH5〜6、80〜95℃で短
時間処理することにより、フラクトース側に平衡を移動
させ、フラクトース含有量の高い異性化糖を製造する目
的にも使用することができる。
【0028】尚、異性化した反応物の糖組成の分析は高
速液体クロマトグラフィーによるか、又は、フラクトー
スはシステインーカルバゾール法による比色定量によ
り、グルコースはグルコースオキシダーゼを用いる酵素
法により、そして全糖量はアンスロン法又はフェノール
−硫酸法による比色定量法により行われる。
速液体クロマトグラフィーによるか、又は、フラクトー
スはシステインーカルバゾール法による比色定量によ
り、グルコースはグルコースオキシダーゼを用いる酵素
法により、そして全糖量はアンスロン法又はフェノール
−硫酸法による比色定量法により行われる。
【0029】以下、実施例により本発明の詳細を説明す
る。
る。
実施例1 コーンスティープ・リカー1.5%、各種の炭素源1
%、K2HPO4 0.3%、MgSO4・7H2O 0.
1%、CoCl2 1×10-3Mからなる培地(pH
6)4mlを計18mmの試験管に入れ、常法により殺
菌後、ストレプトマイセス・エスピー G−27(微工
研菌寄第12036号)を接種し、30℃で2日間振盪
培養した。培養後、20KC超音波で細胞を破砕し、抽
出されたグルコースイソメラーゼ活性を測定した。得ら
れた結果を表2に示す。
%、K2HPO4 0.3%、MgSO4・7H2O 0.
1%、CoCl2 1×10-3Mからなる培地(pH
6)4mlを計18mmの試験管に入れ、常法により殺
菌後、ストレプトマイセス・エスピー G−27(微工
研菌寄第12036号)を接種し、30℃で2日間振盪
培養した。培養後、20KC超音波で細胞を破砕し、抽
出されたグルコースイソメラーゼ活性を測定した。得ら
れた結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、キシロースの
他、グリセリン、ソルビトールなどによってもグルコー
スイソメラーゼが生産された。
他、グリセリン、ソルビトールなどによってもグルコー
スイソメラーゼが生産された。
【0032】実施例2 炭素源としてキシロースとグリセリンの混合比を種々変
え(全量、1%)、コーンスティープ・リカー1.5
%、とK2HPO4 0.3%、MgSO4・7H2O 0.
1%、CoCl2 1×10-3Mからなる培地(pH
6)を用い、実施例1と同様、4mlを試験管に入れ、
常法により殺菌後、ストレプトマイセス・エスピー G
−27(微工研菌寄第12036号)を接種し、30℃
で2日間振盪培養した。培養後、実施例1と同様にし
て、生産されたグルコースイソメラーゼ活性を測定した
結果は表3に示す通りであった。
え(全量、1%)、コーンスティープ・リカー1.5
%、とK2HPO4 0.3%、MgSO4・7H2O 0.
1%、CoCl2 1×10-3Mからなる培地(pH
6)を用い、実施例1と同様、4mlを試験管に入れ、
常法により殺菌後、ストレプトマイセス・エスピー G
−27(微工研菌寄第12036号)を接種し、30℃
で2日間振盪培養した。培養後、実施例1と同様にし
て、生産されたグルコースイソメラーゼ活性を測定した
結果は表3に示す通りであった。
【0033】
【表3】
【0034】表3から明らかなように、キシロース0.
6%とグリセリン0.4%添加したとき生産量が最も高
かった。
6%とグリセリン0.4%添加したとき生産量が最も高
かった。
【0035】キシロース0.6%、グリセリン0.4
%、コーンスティープ・リカー1.5%、K2HPO4
0.1%、MgSO4・7H2O 0.1%、CoCl2
1×10-3Mからなる培地(pH6)で培養した菌体
から抽出された酵素液に、硫酸アンモニウムを60%飽
和になるように加え、生成した沈殿を透析し、DEAE
−セファロースカラムクロマトグラフィー、セファデッ
クスG−150カラムクロマトグラフィーを行って精製
酵素を調製した。精製採取された本発明のグルコースイ
ソメラーゼは電気泳動的に単一であった。
%、コーンスティープ・リカー1.5%、K2HPO4
0.1%、MgSO4・7H2O 0.1%、CoCl2
1×10-3Mからなる培地(pH6)で培養した菌体
から抽出された酵素液に、硫酸アンモニウムを60%飽
和になるように加え、生成した沈殿を透析し、DEAE
−セファロースカラムクロマトグラフィー、セファデッ
クスG−150カラムクロマトグラフィーを行って精製
酵素を調製した。精製採取された本発明のグルコースイ
ソメラーゼは電気泳動的に単一であった。
【0036】実施例3 実施例2に従って培養し、得られた本発明のグルコース
イソメラーゼを用いグルコース異性化反応の条件につい
て試験した。 (1)反応pHの影響 グルコース各200mg、各pHの酢酸又はリン酸緩衝
液0.08M、MgSO4 5×10-3M、CoCl2
1×10-3M、グルコースイソメラーゼ0.11単位、
全量1.0mlで、60℃で反応した。得られた結果は
図1に示す通りであった。
イソメラーゼを用いグルコース異性化反応の条件につい
て試験した。 (1)反応pHの影響 グルコース各200mg、各pHの酢酸又はリン酸緩衝
液0.08M、MgSO4 5×10-3M、CoCl2
1×10-3M、グルコースイソメラーゼ0.11単位、
全量1.0mlで、60℃で反応した。得られた結果は
図1に示す通りであった。
【0037】図1から明らかなように、本酵素はpH5
付近でもよく作用し、効率的に反応が進行した。
付近でもよく作用し、効率的に反応が進行した。
【0038】(2)反応温度の影響 グルコース各400mg、pH5.0の酢酸酸緩衝液
0.08M、MgSO41×10-2M、CoCl2 1×
10-3M、グルコースイソメラーゼを基質1g当たり2
単位加え、全量1.0mlで、60℃、65℃、70℃
で反応した。得られた結果は図2に示す通り、70℃に
おいて最も効率的に反応が進行した。
0.08M、MgSO41×10-2M、CoCl2 1×
10-3M、グルコースイソメラーゼを基質1g当たり2
単位加え、全量1.0mlで、60℃、65℃、70℃
で反応した。得られた結果は図2に示す通り、70℃に
おいて最も効率的に反応が進行した。
【0039】実施例4及び実施例5においては、本発明
のグルコースイソメラーゼとグルコアミラーゼを用いデ
キストリンから糖化と異性化反応を同時に行った結果に
ついて示す。
のグルコースイソメラーゼとグルコアミラーゼを用いデ
キストリンから糖化と異性化反応を同時に行った結果に
ついて示す。
【0040】グルコアミラーゼとしては、市販のアスペ
ルギルス・ニガー〔製品名:グルクザイムNL,天野製
薬(株)製造〕及びリゾープス・デレマー〔製品名グル
クザイム6000、天野製薬(株)製造〕の生産するも
のを使用した。 実施例4
ルギルス・ニガー〔製品名:グルクザイムNL,天野製
薬(株)製造〕及びリゾープス・デレマー〔製品名グル
クザイム6000、天野製薬(株)製造〕の生産するも
のを使用した。 実施例4
【0041】デキストリン約30%、MgSO4 1×
10-2M、CoCl2 1×10-3M、アスペルギルス
・ニガーのグルコアミラーゼを基質1g当たり36単
位、及び実施例2に従い調製した本発明の酵素を基質1
g当たり4単位加え、pH5.0で、60℃で48時間
反応した。得られた結果を表4と図3に示す。48時間
後、異性化率46.9%の異性化糖液が得られた。
10-2M、CoCl2 1×10-3M、アスペルギルス
・ニガーのグルコアミラーゼを基質1g当たり36単
位、及び実施例2に従い調製した本発明の酵素を基質1
g当たり4単位加え、pH5.0で、60℃で48時間
反応した。得られた結果を表4と図3に示す。48時間
後、異性化率46.9%の異性化糖液が得られた。
【0042】
【表4】
【0043】実施例5 デキストリン約30%、MgSO4 2×10-2M、C
oCl2 1×10-3M、リゾープス・デレマーのグル
コアミラーゼを基質1g当たり18単位、及び実施例2
に従い調製した本発明の酵素を基質1g当たり4単位加
え、pH5.0、pH5.25及び5.5において60
℃で72時間反応した。得られた結果を表5に示す。p
H5.25において、糖化反応が最も効率的に進行し、
糖化率94.3%、異性化率45.9%の糖液が得られ
た。
oCl2 1×10-3M、リゾープス・デレマーのグル
コアミラーゼを基質1g当たり18単位、及び実施例2
に従い調製した本発明の酵素を基質1g当たり4単位加
え、pH5.0、pH5.25及び5.5において60
℃で72時間反応した。得られた結果を表5に示す。p
H5.25において、糖化反応が最も効率的に進行し、
糖化率94.3%、異性化率45.9%の糖液が得られ
た。
【0044】
【表5】
【0045】実施例6 バレイショ澱粉約30%、MgSO4 1×10-2M、
CaCl2 1×10-3MをpH5.5で90℃に加熱
後、バチルス・ズブチリスのα−アミラーゼ〔製品名ア
ミラーゼADアマノ:天野製薬(株)製造〕を基質1g
当たり10単位加え、澱粉を液化し、次いで該液化澱粉
(pH5.5)を60℃に冷却後、実施例5で使用した
リゾープス・デレマーのグルコアミラーゼを基質1g当
たり36単位加え糖化した。得られた糖化液(pH5.
5)に実施例2に従い調製した本発明の酵素を基質1g
当たり4単位加え、60℃で48時間反応したところ、
異性化率46.9%の異性化糖液が得られた。
CaCl2 1×10-3MをpH5.5で90℃に加熱
後、バチルス・ズブチリスのα−アミラーゼ〔製品名ア
ミラーゼADアマノ:天野製薬(株)製造〕を基質1g
当たり10単位加え、澱粉を液化し、次いで該液化澱粉
(pH5.5)を60℃に冷却後、実施例5で使用した
リゾープス・デレマーのグルコアミラーゼを基質1g当
たり36単位加え糖化した。得られた糖化液(pH5.
5)に実施例2に従い調製した本発明の酵素を基質1g
当たり4単位加え、60℃で48時間反応したところ、
異性化率46.9%の異性化糖液が得られた。
【0046】
【発明の効果】本発明の耐酸性、耐熱性グルコースイソ
メラーゼは、澱粉の液化に使用されているα−アミラー
ゼ及び液化澱粉の糖化に使用されているグルコアミラー
ゼの作用条件に適している。そのため実質的に一貫した
条件で液化、糖化及び異性化などの反応を行うことがで
きるため、澱粉から能率的かつ経済的に異性化糖を製造
することができる。
メラーゼは、澱粉の液化に使用されているα−アミラー
ゼ及び液化澱粉の糖化に使用されているグルコアミラー
ゼの作用条件に適している。そのため実質的に一貫した
条件で液化、糖化及び異性化などの反応を行うことがで
きるため、澱粉から能率的かつ経済的に異性化糖を製造
することができる。
【図1】本発明の酵素を用いた異性化反応条件での反応
pHの影響を示している。図中−○−はpH4.7、−
●−はpH4.9、−△−はpH5.2、−黒三角−は
pH5.5及び−□−はpH6.8の場合をそれぞれ示
す。
pHの影響を示している。図中−○−はpH4.7、−
●−はpH4.9、−△−はpH5.2、−黒三角−は
pH5.5及び−□−はpH6.8の場合をそれぞれ示
す。
【図2】本発明の酵素の最適温度を示している。
【図3】本発明の酵素の熱安定性を示している。図中−
○−は80℃、−●−は85℃及び−□−は90℃の場
合をそれぞれ示す。
○−は80℃、−●−は85℃及び−□−は90℃の場
合をそれぞれ示す。
【図4】本発明の酵素を用いた異性化反応条件での反応
温度の影響を示している。図中−○−は60℃、−●−
は65℃及び−□−は70℃の場合をそれぞれ示す。
温度の影響を示している。図中−○−は60℃、−●−
は65℃及び−□−は70℃の場合をそれぞれ示す。
【図5】デキストリンを基質とし、グルコアミラーゼに
よる糖化反応と本発明の酵素による異性化反応を同時に
行った結果を示している。図中−○−はフラクトース量
及び−●−は全糖量をそれぞれ示す。
よる糖化反応と本発明の酵素による異性化反応を同時に
行った結果を示している。図中−○−はフラクトース量
及び−●−は全糖量をそれぞれ示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の理化学的性質を有する耐酸、耐熱
性グルコースイソメラーゼ。 a)作用:酸性下でD−グルコースをD−フラクトース
に変換する。 b)基質特異性:D−グルコースとD−フラクトースの
相互変換を行う他、D−キシロース、L−アラビノース
とD−リボースをそれぞれ対応するケトースに異性化す
る。しかしD−マンノース、D−ガラクトース、D−ア
ラビノースなどには実質的に作用しない。 c)作用pH:4〜8である。 d)最適pH:7付近である。 e)最適温度:85〜87℃である。 f)安定pH:pH4〜12付近である。 g)温度安定性:pH7において80〜85℃で30分
で安定である。 h)Km値:グルコースに対するKmは約0.083
M、D−キシロースに対するKmは約0.13Mであ
る。 i)賦活剤:コバルトイオン、マグネシウムイオン、マ
ンガンイオンなどにより賦活される。 j)阻害剤:水銀イオン、銀イオン、銅イオン及びカル
シウムイオンで阻害される。 - 【請求項2】 請求項1記載の耐酸、耐熱性グルコース
イソメラーゼ生産能を有するストレプトマイセス属菌を
培養し、該グルコースイソメラーゼを生産し、これを採
取することを特徴とする耐酸、耐熱性グルコースイソメ
ラーゼの製造法。 - 【請求項3】 請求項1記載の耐酸、耐熱性グルコース
イソメラーゼをグルコース含有液に作用させ、得られる
フラクトース含有液を採取することを特徴とするフラク
トースの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3059344A JP3003008B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 耐酸、耐熱性グルコースイソメラーゼ、その製造法及びそれを用いるフラクトースの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3059344A JP3003008B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 耐酸、耐熱性グルコースイソメラーゼ、その製造法及びそれを用いるフラクトースの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08187080A JPH08187080A (ja) | 1996-07-23 |
JP3003008B2 true JP3003008B2 (ja) | 2000-01-24 |
Family
ID=13110592
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3059344A Expired - Fee Related JP3003008B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 耐酸、耐熱性グルコースイソメラーゼ、その製造法及びそれを用いるフラクトースの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3003008B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9028895B2 (en) | 2009-07-10 | 2015-05-12 | Chr. Hansen A/S | Method for production of an alcoholic beverage with reduced content of alcohol |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4945096B2 (ja) * | 2004-10-29 | 2012-06-06 | 松谷化学工業株式会社 | 異性化糖を含む難消化性デキストリンの製造方法 |
-
1991
- 1991-02-28 JP JP3059344A patent/JP3003008B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9028895B2 (en) | 2009-07-10 | 2015-05-12 | Chr. Hansen A/S | Method for production of an alcoholic beverage with reduced content of alcohol |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08187080A (ja) | 1996-07-23 |
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