JP3002920U - ピース布団 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 寝たきりの病人の床ずれを防止できるととも
に、健康な人が使用しても雰囲気がよく、安眠し易い布
団を得る。 【構成】 両端に開口部を有する筒状袋１ａを複数個連
接して形成された筒状袋シーツ１と、弾性を有する合成
樹脂材で形成され上記筒状袋に出し入れできるように挿
入された筒状ネット２と、布袋に芯材を充填して形成さ
れ上記筒状ネット２に出し入れできるように挿入された
布団基材３とにより構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、就寝用の敷布団において、特に、寝たきりの病人用の敷布団とし て使用できるピース布団にかんするものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の就寝用の敷布団としては、通常被覆シーツに布団綿を入れたものが使用 されるが、近年、雰囲気が良く、安眠し易い布団が望まれ各種のものが考案され ている。しかし、一般家庭における寝たきりの病人用の敷布団としては適切なも のが無かった。即ち、寝たきりの病人については、床ずれを防止するため配慮が 必要であるが、一般家庭では病院におけるウォーターベッドやエアーマットを使 用することは困難である。従って、通常の布団で、床ずれ防止用品を用いると共 に、頻繁な介護がなされていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

一般に寝たきりの病人の床ずれの原因を見ると、多くは布団の湿気と、これに 起因する細菌の繁殖が大きいように考えられている。しかし、通常の布団ではこ の問題を解決することは極めて困難である。

【０００４】 この考案は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、一般家 庭における寝たきりの病人の床ずれを防止できるとともに、健康な人が使用して も雰囲気が良く、安眠し易い布団を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案に係るピース布団は、両端に開口部を有する筒状袋を複数個連接して 形成された被覆シーツと、弾性を有する合成樹脂材で形成され上記筒状袋に出し 入れできるように挿入された筒状ネットと、布袋に芯材を充填して形成され上記 筒状ネットに出し入れできるように挿入された布団基材とにより構成したもので ある。

【０００６】 また、布団基材の芯材として、合成樹脂製発砲材の小片と合成樹脂製ビーズと を混合して充填したものである。

【０００７】

【作用】

上記のように構成されたピース布団においては、寝たきりの病人の床ずれを防 止する場合は、床ずれができそうな部分の布団基材を抜き取って使用すれば、そ の部分は空間になって床ずれが生じない。他の部分で床ずれができそうになった ときは、その部分の布団基材をぬき取って、先に抜き取った部分の布団基材を挿 入することができる。また安眠のために適した芯材を充填した布団基材との取換 えもが簡単にできる。

【０００８】

【実施例】

（実施例１） 図１はこの考案の一実施例を示す斜視図である。図において、１は筒状袋シー ツであり、例えば綿布を用いて両端に開口部を有する筒状袋１ａを作り、この筒 状袋１ａを複数個連接して形成したものである。この場合、通常の敷布団の長さ において、５ないし１２分割したものを１ピースの筒状袋１ａとして、各筒状袋 １ａを繋ぎあわせることにより形成したものである。なお、図２（ａ）のように 、２枚のシーツを所定間隔毎に縫い合わせて筒状袋１ａを形成したものでも良い 。２は筒状ネットであり、弾性を有する合成樹脂材あるいは合成ゴム材で形成し たものである。この場合の弾性は、人間の体重では容易に圧縮されるが、体重が かかっていないときは常に円筒状に復帰するものである。なお、外形寸法は上記 筒状袋１ａに挿入できる寸法とし、また、ネットのメッシュは、空気が容易に流 通するようになされ、しかも、上記弾性が得られるならばメッシュは作り易い大 きさにすれば良い。

【０００９】 ３は布団基材であり、円柱状の布製の袋に芯材３ａを充填封入したもので、外 径寸法は上記筒状ネット２に挿入できる寸法に形成する。芯材３ａは合成樹脂製 発泡材の小片と合成樹脂製ビーズヲ混合したものを用いる。即ち、合成樹脂製発 泡材は、例えば発泡スチロールにより、大豆粒ないしアーモンド粒程度の大きさ に形成したものが適当であるが、梱包に使用された発泡スチロールの廃材を砕い たものでもよい。合成樹脂製ビーズは、直径５ｍｍ前後、長さ８ｍｍ前後の円筒 状に形成したものが適当であり市販もされている。

【０００１０】 使用する場合は、筒状袋シーツ１の各筒状袋１ａにそれぞれ筒状ネット２を挿 入する。そして、各筒状ネット２の中に布団基材３を挿入する。上記のように構 成されたピース布団によれば、芯材３ａが合成樹脂製発泡材の小片あるいは合成 樹脂製ビーズであるため、軽量でとり扱いが容易であり、また、布団の湿気が少 なく、従って、これに起因する細菌の繁殖が少なく、床ずれが減少する。もし床 ずれができそうな場合は、その部分の布団基材３を取り除くことにより防止でき る。他の部分で床ずれができそうになったときは、その部分の布団基材３を抜き 取って、先に抜き取った部分の布団基材３を挿入することができる。なお、布団 基材３の出し入れは、使用中の状態（病人が寝たきりの状態）であっても、両側 に布団基材３が挿入されている場合その中間の布団基材３は比較的簡単に出し入 れできる。

【０００１１】 （実施例２） 上記実施例１では、布団基材３の芯材３ａとして合成樹脂製発泡材の小片ある いは合成樹脂製ビーズを用いるものを示したが、使用者の好みや必要性に応じて 適当なものを選択する。即ち、頭部が位置する当りには保温力のない蕎麦殻、あ るいは、安眠のための芳香性を有するポプリを用いる。足元のあたりは、保温性 のある羽毛やウレタンフォームが適する。布団用綿は吸湿度が高く保温性に優れ ている点では従来どうりの寝具素材として好まれるし使用することに不都合性は ない。

【０００１２】 また、病人の寝具としての機能面から考えられる布団基材３の芯材３ａとして 水袋または保冷材などを部分的（頭、腰、胸等）に使用する事で平面状の使用状 態のままで機能面を生かし交換も容易である。また、磁気治療器用の永久磁石な どは布団基材３の芯材３ａがピース状になっていることで身体のつぼ等自由に設 定が可能であるしまた交換も容易である。

【０００１３】

【考案の効果】

上記のように構成されたピース布団によれば、床ずれができそうな部分の布団 基材を抜き取って使用する事により、その部分は空間になって床ずれが生じない 。他の部分で床ずれができそうになったときは、先にぬきとった部分の布団基財 を元に戻し、つぎの床ずれ部分を抜き取ることにより予防できる。また、安眠の ために適した芯材を充填した布団基材との取換えもが簡単にできるなどの効果を 奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を一部破断して示す斜視図
である。

【図２】この考案の各部を示すもので、（ａ）は筒状袋
シーツ１を示す。（ｂ）は筒状ネットを示す。（ｃ）は
布団基材を示す。

【符号の説明】

１ 筒状袋シーツ ２ 筒状ネット ３ 布団基材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端に開口部を有する筒状袋を複数個連
   接して形成された筒状袋シーツと、弾性を有する合成樹
   脂材で形成され上記筒状袋に出し入れできるように挿入
   された筒状ネットと、布袋に芯材を充墳して形成され上
   記筒状ネットに出し入れできるように挿入された布団基
   材とにより構成したことを特徴とするピース布団。
2. 【請求項２】 布団基材の芯材が合成樹脂製発泡材の小
   片と合成樹脂製ビーズを混合したものであることを特徴
   とする請求項１記載のピース布団。