JP3002241B2 - 硬質ガラス用封着合金 - Google Patents
硬質ガラス用封着合金Info
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- JP3002241B2 JP3002241B2 JP2178324A JP17832490A JP3002241B2 JP 3002241 B2 JP3002241 B2 JP 3002241B2 JP 2178324 A JP2178324 A JP 2178324A JP 17832490 A JP17832490 A JP 17832490A JP 3002241 B2 JP3002241 B2 JP 3002241B2
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- JP
- Japan
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- alloy
- thermal expansion
- hard glass
- coefficient
- sealing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、気密封止性に優れた硬質ガラス用封着合金
に関する。
に関する。
[従来の技術] 硬質ガラスは、粘度が4×1014ポイズであるときの温
度、すなわち歪点が約430℃にある。この歪点以下に維
持された硬質ガラスは、粘性流動を起こさず、また如何
なる急冷によっても永久歪を残留させることがない。そ
して、室温から歪点までの温度領域における平均熱膨張
係数は、約5.3×10-8/℃である。
度、すなわち歪点が約430℃にある。この歪点以下に維
持された硬質ガラスは、粘性流動を起こさず、また如何
なる急冷によっても永久歪を残留させることがない。そ
して、室温から歪点までの温度領域における平均熱膨張
係数は、約5.3×10-8/℃である。
硬質ガラスは歪点よりも高い温度に加熱されて封着合
金と封着される。封着後の冷却過程において、歪点以上
の温度域においては、硬質ガラスと封着合金との熱膨張
に基づく応力は、ガラスの粘性流動により緩和される。
しかし、歪点以下の温度域においては、熱膨張差に基づ
く応力が緩和されず、この応力差が大きいと硬質ガラス
の破壊あるいは硬質ガラスと封着合金との界面にて剥離
が生じ、気密が保たれなくなる。そのため、硬質ガラス
に封着される金属材料としては、硬質ガラスに対する熱
膨張特性の整合性をもたせることから、常温〜430℃の
温度領域において硬質ガラスとほぼ同等の熱膨張係数を
もつことが要求される。この点で、Fe−29Ni−17Co合金
が、従来から代表的な封着合金として使用されている。
金と封着される。封着後の冷却過程において、歪点以上
の温度域においては、硬質ガラスと封着合金との熱膨張
に基づく応力は、ガラスの粘性流動により緩和される。
しかし、歪点以下の温度域においては、熱膨張差に基づ
く応力が緩和されず、この応力差が大きいと硬質ガラス
の破壊あるいは硬質ガラスと封着合金との界面にて剥離
が生じ、気密が保たれなくなる。そのため、硬質ガラス
に封着される金属材料としては、硬質ガラスに対する熱
膨張特性の整合性をもたせることから、常温〜430℃の
温度領域において硬質ガラスとほぼ同等の熱膨張係数を
もつことが要求される。この点で、Fe−29Ni−17Co合金
が、従来から代表的な封着合金として使用されている。
しかし、Fe−29iN−17Co合金は、多量のCoを含有する
ため、高価な材料である。そのため、用途に制約を受
け、広く使用されるまでには至っていない。そこで、Fe
−29Ni−17Co合金に代わる安価な封着合金が代用されて
いる。
ため、高価な材料である。そのため、用途に制約を受
け、広く使用されるまでには至っていない。そこで、Fe
−29Ni−17Co合金に代わる安価な封着合金が代用されて
いる。
このような安価な封着合金として、Fe−42Ni合金が知
られている。この合金は、高価なCoを含有していないた
め、比較的安価な材料として取扱われる。しかも、30〜
300℃における熱膨張係数は、約5×10-6/℃で、硬質ガ
ラスの熱膨張係数に近いものである。
られている。この合金は、高価なCoを含有していないた
め、比較的安価な材料として取扱われる。しかも、30〜
300℃における熱膨張係数は、約5×10-6/℃で、硬質ガ
ラスの熱膨張係数に近いものである。
[発明が解決しようとする課題] しかし、Fe−42Ni合金は、変移点が330℃と低い。こ
の温度330を境として、単位温度当りで熱膨張係数の変
移量が急激に変化し、熱膨張曲線に屈曲点がみられる。
しかも、30〜400℃の熱膨張係数が6.4×10-6/℃と比較
的大きい。そのため、Fe−42Ni合金を使用して硬質ガラ
スを封着したとき、Fe−29Ni−17Co合金に比べて低い気
密性をもった封止部が得られる。
の温度330を境として、単位温度当りで熱膨張係数の変
移量が急激に変化し、熱膨張曲線に屈曲点がみられる。
しかも、30〜400℃の熱膨張係数が6.4×10-6/℃と比較
的大きい。そのため、Fe−42Ni合金を使用して硬質ガラ
スを封着したとき、Fe−29Ni−17Co合金に比べて低い気
密性をもった封止部が得られる。
この気密性は、封着合金に要求される最も重要な特性
の一つである。そのため、気密性に劣るFe−42Ni合金
は。信頼性を要求される部品に使用されていないのが現
状である。
の一つである。そのため、気密性に劣るFe−42Ni合金
は。信頼性を要求される部品に使用されていないのが現
状である。
本発明は、このような問題を解消すべき案出されたも
のであり、Fe−29Ni−17Co合金よりCo含有量が少なく、
しかもFe−29Ni−17Co合金と同等の熱膨張特性を有する
安価な硬質ガラス用封着合金を提供することを目的とす
る。
のであり、Fe−29Ni−17Co合金よりCo含有量が少なく、
しかもFe−29Ni−17Co合金と同等の熱膨張特性を有する
安価な硬質ガラス用封着合金を提供することを目的とす
る。
本発明の封着合金は、その目的を達成するために、N
i:31〜42重量%,Co:1重量%以上で10重量%未満を含
み、且つNi+Co量が38〜46重量%で、残部Fe及び不可避
的不純物からなり、30〜400℃における平均熱膨張係数
が4.5×10-6/℃〜6.0×10-6/℃であることを特徴とす
る。
i:31〜42重量%,Co:1重量%以上で10重量%未満を含
み、且つNi+Co量が38〜46重量%で、残部Fe及び不可避
的不純物からなり、30〜400℃における平均熱膨張係数
が4.5×10-6/℃〜6.0×10-6/℃であることを特徴とす
る。
本発明者等は、封着合金のもつ問題点を解決するべ
く、Fe−Ni−Co系合金の熱膨張特性を詳細に調べた。そ
の結果、Ni31〜42重量%,Co1重量%以上で10重量%未
満,且つNi+Co量が38〜46重量%で、残部Fe及び不可避
的不純物からなる合金で、30〜400℃の平均熱膨張係数
が硬質ガラスと同等の4.5×10-6/℃〜6.0×10-6/℃を有
する合金が得られることを見い出し、本発明に至ったも
のである。
く、Fe−Ni−Co系合金の熱膨張特性を詳細に調べた。そ
の結果、Ni31〜42重量%,Co1重量%以上で10重量%未
満,且つNi+Co量が38〜46重量%で、残部Fe及び不可避
的不純物からなる合金で、30〜400℃の平均熱膨張係数
が硬質ガラスと同等の4.5×10-6/℃〜6.0×10-6/℃を有
する合金が得られることを見い出し、本発明に至ったも
のである。
Fe−Ni合金は、第1図に見られるように、Ni量の増加
に伴って熱膨張係数が小さくなる。しかし、Ni38重量%
前後を境として、熱膨張係数が増加する傾向がみられ
る。このため、Fe−Ni2元系においては、熱膨張係数を
6.0×10-6/℃以下にすることはできない。
に伴って熱膨張係数が小さくなる。しかし、Ni38重量%
前後を境として、熱膨張係数が増加する傾向がみられ
る。このため、Fe−Ni2元系においては、熱膨張係数を
6.0×10-6/℃以下にすることはできない。
このFe−Ni二元系合金にCoを添加するとき、熱膨張係
数は、第2図に示すように急激に小さくなる。しかし、
Coの添加も、ある含有量を境として、多量のCo含有によ
って逆に熱膨張係数を大きくする傾向を示す。
数は、第2図に示すように急激に小さくなる。しかし、
Coの添加も、ある含有量を境として、多量のCo含有によ
って逆に熱膨張係数を大きくする傾向を示す。
すなわち、熱膨張特性は、Ni含有量とCo含有量とのバ
ランスに応じて定まる。そして、第2図に示すように、
Fe−32%Ni系ではCo7〜15%、Fe−35%Ni系ではCo4〜12
%、Fe−38%Ni系ではCo1〜8%の範囲で熱膨張係数が
最も小さくなる。この範囲でFe−Ni−Co合金の熱膨張係
数は、硬質ガラスの熱膨張係数と同等の4.5×10-6/℃〜
6.0×10-6/℃となり、これらを外れるCo量では熱膨張係
数が大きくなり過ぎる。
ランスに応じて定まる。そして、第2図に示すように、
Fe−32%Ni系ではCo7〜15%、Fe−35%Ni系ではCo4〜12
%、Fe−38%Ni系ではCo1〜8%の範囲で熱膨張係数が
最も小さくなる。この範囲でFe−Ni−Co合金の熱膨張係
数は、硬質ガラスの熱膨張係数と同等の4.5×10-6/℃〜
6.0×10-6/℃となり、これらを外れるCo量では熱膨張係
数が大きくなり過ぎる。
したがって、本発明においては、硬質ガラスの熱膨張
係数と同等の値を得ることを条件に、成分範囲を第3図
の如く選定し、Ni+Co量を38〜46%とした。
係数と同等の値を得ることを条件に、成分範囲を第3図
の如く選定し、Ni+Co量を38〜46%とした。
なお、Fe−Ni−Co合金を溶解・精製する際、Si,Mn,Al
等の脱硫脱酸元素が添加されることがある。本発明の封
着合金は、これら元素を若干量含有してもよいことは勿
論である。
等の脱硫脱酸元素が添加されることがある。本発明の封
着合金は、これら元素を若干量含有してもよいことは勿
論である。
以下、実施例によって、本発明を具体的に説明する。
真空誘導溶解炉で、第1表に成分・組成を示した22種
類の合金を12Kg溶解し、鍛造,熱間圧延して厚さ3mmの
板材に仕上げた。この板材から試験片を切出し、850℃
で5分の焼鈍を施した後、30〜400℃の温度範囲におけ
る熱膨張係数を測定した。その結果を、第1表に併せて
示す。
類の合金を12Kg溶解し、鍛造,熱間圧延して厚さ3mmの
板材に仕上げた。この板材から試験片を切出し、850℃
で5分の焼鈍を施した後、30〜400℃の温度範囲におけ
る熱膨張係数を測定した。その結果を、第1表に併せて
示す。
第1表から明らかなように、本発明の合金は、従来の
合金のFe−29Ni−17Coと同等の熱膨張係数もっている。
そこで、この合金を使用して硬質ガラスを封着したとこ
ろ、硬質ガラスとの整合性も良好で、気密性に優れた封
止部が得られた。
合金のFe−29Ni−17Coと同等の熱膨張係数もっている。
そこで、この合金を使用して硬質ガラスを封着したとこ
ろ、硬質ガラスとの整合性も良好で、気密性に優れた封
止部が得られた。
〔発明の効果〕 以上に説明したように、本発明は、Fe−Ni−Co三元系
において、各成分の含有量をバランスさせることによっ
て、30〜400℃の温度領域における平均熱膨張係数が硬
質ガラスと同等の値を示す合金を得ている。この合金
は、その熱膨張特性のために、硬質ガラスに対する良好
な整合性を呈し、気密性に優れた封止部を得ることがで
きる。しかも、Co含有量が少ないため、比較的安価な封
着材料として使用される。
において、各成分の含有量をバランスさせることによっ
て、30〜400℃の温度領域における平均熱膨張係数が硬
質ガラスと同等の値を示す合金を得ている。この合金
は、その熱膨張特性のために、硬質ガラスに対する良好
な整合性を呈し、気密性に優れた封止部を得ることがで
きる。しかも、Co含有量が少ないため、比較的安価な封
着材料として使用される。
第1図はFe−Ni二元系合金の30〜400℃におけるNi含有
量と熱膨張係数との関係を示し、第2図は30〜400℃の
熱膨張係数に及ぼすNi含有量及びCo含有量の影響を示
し、第3図はFe−Ni−Co三元図に30〜400℃の熱膨張係
数を整理して示したものである。
量と熱膨張係数との関係を示し、第2図は30〜400℃の
熱膨張係数に及ぼすNi含有量及びCo含有量の影響を示
し、第3図はFe−Ni−Co三元図に30〜400℃の熱膨張係
数を整理して示したものである。
フロントページの続き (72)発明者 馬場園 勝典 山口県新南陽市大字富田4976番地 日新 製鋼株式会社鉄鋼研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−64742(JP,A) 特開 昭63−96247(JP,A) 特公 昭50−3971(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 302
Claims (1)
- 【請求項1】Ni:31〜42重量%,Co:1重量%以上で10重量
%未満を含み、且つNi+Co量が38〜46重量%で、残部Fe
及び不可避的不純物からなり、30〜400℃における平均
熱膨張係数が4.5×10-6/℃〜6.0×10-6/℃であることを
特徴とする硬質ガラス用封着合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2178324A JP3002241B2 (ja) | 1990-07-05 | 1990-07-05 | 硬質ガラス用封着合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2178324A JP3002241B2 (ja) | 1990-07-05 | 1990-07-05 | 硬質ガラス用封着合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0466650A JPH0466650A (ja) | 1992-03-03 |
JP3002241B2 true JP3002241B2 (ja) | 2000-01-24 |
Family
ID=16046494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2178324A Expired - Lifetime JP3002241B2 (ja) | 1990-07-05 | 1990-07-05 | 硬質ガラス用封着合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3002241B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008243522A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネル |
-
1990
- 1990-07-05 JP JP2178324A patent/JP3002241B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0466650A (ja) | 1992-03-03 |
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