JP3001827B2 - セラミックス成形体の製造方法 - Google Patents

セラミックス成形体の製造方法

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JP3001827B2
JP3001827B2 JP9064875A JP6487597A JP3001827B2 JP 3001827 B2 JP3001827 B2 JP 3001827B2 JP 9064875 A JP9064875 A JP 9064875A JP 6487597 A JP6487597 A JP 6487597A JP 3001827 B2 JP3001827 B2 JP 3001827B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、セラミックス成形
体の製造方法に関し、特に複雑な形状のセラミックス成
形体を好適に製造することのできる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からセラミックス成形体は、原料粉
末を金型成形等によって成形し、引続いて焼結し、さら
に切削、研削、研磨等の機械加工を施す方法によって製
造されている。この方法では、焼結後に機械加工が施さ
れるので、焼結による収縮が生じてもセラミックス成形
体の寸法精度は良好である。しかしながらセラミックス
成形体は難加工材であるので、複雑形状の機械加工の効
率は極めて悪い。したがって、複雑な形状を有するセラ
ミックス成形体の製造には、生産性が低く、かつコスト
が高いという問題が存在する。これに対して最近機械加
工を行わない方法として超塑性加工を利用した成形方法
が提案されている。たとえば、特開平7−69742に
は、セラミックス焼結体について制御された温度および
ひずみ速度の下で超塑性加工を行い、所要の3次元形状
を有する高強度セラミックス成形体を製造する方法が開
示されている。このような超塑性を利用した塑性加工に
よれば、従来のような機械加工工程を経ることなく、強
度の高いセラミックス成形体を所要の形状に精度よく成
形することができるので、セラミックス成形体の生産性
を向上することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにセラミッ
クス焼結体を超塑性加工によって成形すれば、焼結後の
機械加工を省略することができるので、機械加工に伴う
問題を解決することができる。しかしながら超塑性加工
には、形状に関して成形可能限界があり、複雑な形状の
セラミックス成形体を所要の形状に成形することは困難
であるという問題が存在する。したがって複雑な形状の
セラミックス成形体は、各構成部品を機械加工によって
作成した後、はめこみ式の機械的な結合を行うことによ
って作製されている。この結果、複雑な形状のセラミッ
クス成形体に関しては、前記機械加工に伴う問題が存在
するばかりでなく、はめこみ部から破損が生じやすいと
いう強度面の問題も存在する。
【0004】本発明の目的は、前記問題を解決し、複雑
な形状を有するセラミックス成形体を効率的に製造する
ことのできる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミックス
原料粉末を成形して焼結した焼結体を複数個準備し、前
記各焼結体に機械加工を施して単純形状の中間成形体を
形成し、形成された複数の中間成形体のうちの少なくと
も1つの中間成形体に熱間圧縮加工を施し、前記熱間圧
縮加工の圧縮方向に対して垂直な一仮想面内に存在する
ように配置されている複数の中間成形体を一体的に接合
して全体形状を所定の形状に形成することを特徴とする
セラミックス成形体の製造方法である。本発明に従え
ば、単純形状を有する複数の中間成形体が熱間圧縮加工
の圧縮方向に対して垂直な一仮想面内に存在するように
配置され、少なくとも1つの中間成形体に熱間圧縮加工
が施されるので、熱間圧縮加工が施された中間成形体と
それに隣接配置された中間成形体とが熱間変形によって
接触し、接触界面を介して接合される。これによって複
数の中間成形体は一体的に接合されるので、複雑な形状
を有するセラミックス成形体を効率的に製造することが
できる。また熱間圧縮加工が施された中間成形体は内部
の空孔が低減し、強度が向上するとともに所定の形状に
成形されるので、形状の形成と接合とを同一工程で行う
ことができる。
【0006】また本発明は、前記単純形状の中間成形体
を前記各焼結体に熱間加工を施して形成することを特徴
とする。 本発明に従えば、前記単純形状の中間成形体が熱間加工
によって形成されるので、中間成形体内部の空孔が低減
し、中間成形体の強度が機械加工によって形成した中間
成形体に比べて向上する。したがって中間成形体は形状
形成と高強度化とを同一工程で達成することができる。
【0007】
【0008】また本発明は、前記熱間圧縮加工が温度1
000℃以上、ひずみ速度10-2/秒以下の条件下で施
されることを特徴とする。 本発明に従えば、熱間圧縮加工が温度1000℃以上、
ひずみ速度10-2/秒以下の条件下で施されるので、セ
ラミックス成形体の成分系がたとえば超塑性現象を発現
する成分系であるときには、前記接触界面において超塑
性変形を生じさせることができる。これによって接触界
面における原子間距離が小さくなるので、原子の相互拡
散が活発化し、接合力が向上する。また熱間圧縮超塑性
加工が施されるので、セラミックス成形体内部の空孔が
効果的に消滅し、セラミックス成形体の強度が大幅に向
上する。この結果、複雑な形状を有するセラミックス成
形体の機械部品としての信頼性が大幅に向上する。
【0009】また本発明は、前記成形体が酸化物系セラ
ミックス、炭化物系セラミックスおよび窒化物系セラミ
ックスの1または複数から成ることを特徴とする。 本発明に従えば、前記成形体は酸化物系セラミックス、
炭化物系セラミックスおよび窒化物系セラミックスの1
または複数から成るので、セラミックス成形体に要求さ
れる特性に応じて、適正な成分系を選択して用いること
ができる。したがってセラミックス成形体の適用範囲を
大幅に拡大することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によって好適に製
造することのできるセラミックス製タービンディスクの
構成を簡略化して示す斜視図である。タービンディスク
1は耐熱性の優れたセラミックスから成り、ディスク部
3と複数の翼部4とから構成される。ディスク部3は略
円板状のセラミックス成形体であり、その軸線2に垂直
な2つの表面には周方向に延びる凹所5が軽量化を図る
ために形成されている。翼部4は略平板状のセラミック
ス成形体であり、ディスク部3の外周面に周方向に等間
隔をあけて、かつ外周面から半径方向外方に突出して放
射状に形成されている。
【0011】図2は本発明の実施の一形態であるセラミ
ックス成形体の製造方法を、図1に示すセラミックス製
タービンディスクを対象として説明するためのフローチ
ャートであり、図3は図1に示すセラミックス製タービ
ンディスクの一素材であるディスク部中間成形体の形状
を示す斜視図であり、図4は図1に示すセラミックス製
タービンディスクの一素材である翼部中間成形体の形状
を示す斜視図であり、図5は図1に示すセラミックス製
タービンディスクの成形時における型治具の構成を示す
正面図であり、図6は図1の切断面線VI−VIから見
た平面図であり、図7は図5に示す型治具の上型の構成
を示す正面断面図であり、図8は図5に示す型治具の下
型の構成を示す正面断面図であり、図9は図5に示す型
治具の翼拘束治具の構成を示す斜視図である。図2から
図9を参照して図1に示すセラミックス製タービンディ
スク1の製造方法を説明する。
【0012】図2を参照して、ステップa1では、原料
粉末の調製が行われる。本実施の形態では、原料粉末と
してアルミナを10wt%添加したジルコニア粉末が用
いられる。これらの原料粉末はボールミル等によって均
一に混合され、混合粉末の状態に調製される。なお原料
粉末の粒径はサブミクロンである。ステップa2では、
プレス成形が行われ、所定形状の圧粉体が形成される。
プレス成形は混合粉末を金型に充填し、圧縮力を付与す
ることによって行われる。ステップa3では、常圧焼結
が行われ、焼結体が形成される。常圧焼結は、前記圧粉
体をたとえば1500℃、2時間の条件で熱処理するこ
とによって行われる。本実施の形態では、焼結体として
前記ディスク部3の中間素材であるディスク部焼結体
と、前記翼部4の中間素材である8個の翼部焼結体とが
準備される。なお前記焼結体はアルミナとジルコニアか
ら成り、サブミクロンの結晶粒径を有する微細多結晶体
であるので、適正な成形条件下では超塑性現象を示す。
【0013】ステップa4では、前記ディスク部焼結体
および翼部焼結体に機械加工が施される。これによっ
て、前記ディスク部焼結体は図3に示すように前記ディ
スク部3の素材であるディスク部中間成形体13に形成
され、前記翼部焼結体は図4に示すように前記翼部4の
素材である翼部中間成形体16に形成される。ディスク
部中間成形体13は、略円板状の単純形状の中間成形体
であり、その寸法は、たとえば直径D1;30.5m
m、高さH1;14mmである。翼部中間成形体16
は、略平板状の単純形状の中間成形体であり、その寸法
は、たとえば厚さT1;2mm、幅W1;11mm、高
さH2;8mmである。このように前記ディスク部中間
成形体13および翼部中間成形体16は、単純形状の中
間成形体であるので、機械加工によって所定の形状に精
度よく形成される。
【0014】なお本実施の形態では、機械加工によって
各中間成形体13,16の形成が行われているけれど
も、それに代わって熱間加工、たとえば熱間圧縮超塑性
加工によって成形を行ってもよい。これによって、前記
ディスク部焼結体および翼部焼結体の内部に存在してい
る空孔が低減するので、前記ディスク部中間成形体13
および翼部中間成形体16の強度が向上する。この結
果、前記ディスク部中間成形体13および翼部中間成形
体16は形状形成と高強度化とを同一工程にて達成する
ことができる。なお、前記熱間圧縮超塑性加工の条件に
ついては後述する。
【0015】ステップa5では、前記ディスク部中間成
形体13と8個の翼部中間成形体16とが所定位置に配
置される。前記ディスク部中間成形体13と翼部中間成
形体16とは、ともに図5および図6に示すように型治
具17内に挿入されて配置されている。型治具17は炭
化ケイ素製であり、ディスク部中間成形体13と翼部中
間成形体16とを乗載する下型19と、ディスク部中間
成形体13の上面に当接し、下型19に対向して設けら
れる上型18と、翼部中間成形体16を拘束保持する翼
拘束治具20と、下型19および翼拘束治具20とを外
囲する筒状の壁型21と、下型19および壁型21とを
支持する底型22とから成る。上型18は略円柱状の形
状を有しており、その下面には図7に示すように突起1
8aが形成されている。上型18の外径D2は、たとえ
ば40mmである。下型19は略円柱状の形状を有して
おり、その上面には図8に示すように突起19aが形成
されている。下型19の外径D3は、たとえば50mm
である。なお前記上型18、下型19、壁型21および
底型22は型治具17の軸線23と同軸に配置されてい
る。
【0016】翼拘束治具20は、図9に示すように曲面
状の外周面20aと内周面20bとを有する湾曲片であ
り、8個1組で用いられる。8個の翼拘束治具20は、
図6に示すようにその外周面20aを壁型21の内周面
に当接させた状態で周方向に間隔をあけて配置されてい
る。なお翼拘束治具20の外周面20aと内周面20b
との半径方向厚みD4は、たとえば10mmである。ま
た翼拘束治具20の内周面20bには、前記上型18が
軸線方向に摺動自在に嵌合されている。さらに上型18
の上面には圧縮ロッド24が同軸に設けられており、圧
縮ロッド24は壁型21の内周面に軸線方向に摺動自在
に嵌合されている。
【0017】前記ディスク部中間成形体13は、図5に
示すようにその軸線を型治具17の軸線23と一致させ
て前記下型19の上面に載置されている。前記翼部中間
成形体16は、図6に示すように前記翼拘束治具20相
互間の周方向間隙にその厚さT1を周方向に向けて、か
つその幅W1を半径方向に向けて嵌め込まれている。ま
た翼部中間成形体16の幅W1方向一端部16aは、前
記壁型21の内周面に当接しており、その他端部16b
は翼拘束治具20の内周面20bよりも半径方向内方に
突出して、かつ前記ディスク部中間成形体13の外周面
よりも半径方向外方に間隔をあけて配置されている。な
お前記翼部中間成形体16の突出量は、たとえば1mm
である。したがってディスク部中間成形体13と翼部中
間成形体16とは、型治具17の軸線23に対して垂直
な一仮想面内に存在するように配置されており、翼部中
間成形体16はディスク部中間成形体13の半径方向外
方に間隔をあけて、かつ周方向に間隔をあけて放射状に
配置されている。
【0018】ステップa6では、熱間圧縮超塑性加工と
拡散接合とが施され、前記セラミックス製タービンディ
スク1が形成される。熱間圧縮超塑性加工は、加工前の
状態である図5の軸線23よりも左側部分に示すように
ディスク部中間成形体13のみに上型18および圧縮ロ
ッド24を介して圧縮力を付与することによって行われ
る。なお圧縮力の付与方向を表す圧縮方向25は型治具
17の軸線23と平行である。熱間圧縮超塑性加工は、
ディスク部中間成形体13の高さH1が翼部中間成形体
16の高さH2と一致するまで行われる。したがって熱
間圧縮超塑性加工の圧縮量はH1−H2=14−8=6
mmである。
【0019】前記熱間圧縮超塑性加工は、成形温度10
00℃以上、ひずみ速度10-2/秒以下の条件で施され
ることが好ましい。成形温度を1000℃以上とするの
は、成形温度が1000℃未満では成形速度が遅くなり
成形効率が低下するからである。またひずみ速度を10
-2/秒以下とするのは、それを超えるひずみ速度では成
形中に中間成形体が破損するおそれがあるからである。
なお特に好ましい成形温度範囲は1300〜1500℃
である。
【0020】成形荷重は、成形温度に応じて10-2/秒
以下のひずみ速度となるように適宜制御される。しかし
ながら、成形中にひずみ速度を検出することは極めて困
難である。したがって成形荷重制御は、単位時間あたり
の成形荷重増加量(以後、荷重速度と略称する)と成形
荷重上限値とを前記ひずみ速度範囲を満たすように予め
設定し、成形荷重が成形荷重上限値に達するまでは、前
記荷重速度が予め定める値となるように制御し、成形荷
重が成形荷重上限値に達したときには、成形荷重がその
上限値を保つように制御することによって行われる。型
治具の材質はセラミックス、黒鉛等が好ましい。なお本
実施の形態の超塑性加工条件は、たとえば成形温度;1
400℃、ひずみ速度;10-3〜10-2/秒(荷重速
度;0.05kN/秒、成形荷重上限値;100kN、
雰囲気;大気圧窒素であり、使用した型治具は炭化ケイ
素製である。
【0021】前述のようにディスク部中間成形体13と
翼部中間成形体16とは、型治具17の軸線23に対し
て垂直な一仮想面内に存在するように配置されており、
ディスク部中間成形体13の圧縮方向25は前記軸線2
3と平行であるので、前記圧縮力の付与によってディス
ク部中間成形体13は前記一仮想面内において半径方向
外方に超塑性変形し、加工後の状態である図5および図
6の右側部分に示すように翼拘束治具20および翼部中
間成形体16に接触する。また翼部中間成形体16は、
翼拘束治具20よりも半径方向内方に1mm突出してい
るので、突出部はディスク部中間成形体13の超塑性変
形部分との接触界面において超塑性変形し、超塑性変形
の塑性流動によって接触界面の原子間距離が極めて小さ
くなる。したがって、接触界面における原子の相互拡散
が活発になり、接触界面における接合力が増大する。こ
の結果、ディスク部中間成形体13と8個の翼部中間成
形体16とは一体的に、かつ強固に拡散接合され、所定
の全体形状を有する前記タービンディスク1が形成され
る。またディスク部中間成形体13は、前記上型18と
下型19とに挟まれて成形されるので、所定の形状に精
度よく成形され、その表面には前記凹所5が形成され
る。また熱間圧縮超塑性加工によって、前記ディスク部
中間成形体13の内部に存在している空孔が消滅するの
で、前記ディスク部中間成形体13の強度が大幅に向上
する。この結果、タービンディスク1のディスク部3
は、形状形成と高強度化とを同一工程で達成することが
できる。さらにタービンディスク1のディスク部3と翼
部4との接合が同一工程で達成される。
【0022】このように単純形状を有する複数のセラミ
ックス中間成形体の少なくとも1つに熱間圧縮超塑性加
工を施すことによって複数のセラミックス中間成形体を
一体的に拡散接合して全体形状を所定の形状に形成する
ことができるので、複雑な形状を有するセラミックス成
形体を効率的に製造することができる。この結果複雑な
形状を有するセラミックス成形体の生産性を大幅に向上
し、生産コストを大幅に低減することができる。また複
数のセラミックス中間成形体が熱間圧縮超塑性加工の圧
縮方向に対して垂直な一仮想面内に存在するように配置
されているので、複数の中間成形体が平面状に配列した
複雑形状のセラミックス成形体を効率的に製造すること
ができる。この結果、セラミックス成形体の形状を多様
化することができ、形状の成形可能範囲を大幅に拡大す
ることができる。さらにまた本実施の形態では、熱間圧
縮超塑性加工が施されるので、セラミックス成形体内部
の空孔が効果的に消滅し、セラミックス成形体の強度が
大幅に向上する。この結果、複雑な形状を有するセラミ
ックス成形体の機械部品としての信頼性が大幅に向上す
る。さらにまた本実施の形態の方法で製造したタービン
ディスク1の翼部4が使用中に破損した場合でも、前記
拡散接合によって補修することができる。
【0023】前述のように、本実施の形態では、出発原
料としてジルコニア粉末とアルミナ粉末とが用いられて
いるので、セラミックス成形体の成分はジルコニアとア
ルミナとから成る。しかしながら、本発明のセラミック
ス成形体の成分は前記成分系のみに限定されるものでは
なく、酸化物系セラミックス、炭化物系セラミックスお
よび窒化物系セラミックスの1または複数から成る成分
系であってもよい。前記酸化物系セラミックスは、単純
酸化物系セラミックスと複合酸化物系セラミックスとか
ら成り、前記単純酸化物系セラミックスはアルミナ、ジ
ルコニア、マグネシア等のセラミックスから成り、前記
複合酸化物系セラミックスはムライト、ハイドロキシア
パタイト等のセラミックスから成る。前記炭化物系セラ
ミックスは、シリコンカーバイド、チタンカーバイド、
ボロンカーバイド等のセラミックスから成り、前記窒化
物系セラミックスはシリコンナイトライド、アルミニウ
ムナイトライド、ボロンナイトライド等のセラミックス
から成る。なお前記セラミックス群のうち、特に好まし
い成分系は、超塑性現象を発現する成分系であり、それ
はジルコニア、ジルコニア−アルミナ系、ボライド−ジ
ルコニア系、アルミナ、ハイドロキシアパタイト系、シ
リコンナイトライド、シリコンカーバイド−シリコンナ
イトライド系などである。
【0024】また本実施の形態では、熱間加工として熱
間圧縮超塑性加工が施されているが、熱間圧縮超塑性加
工でなく通常の熱間圧縮加工によって成形を行ってもよ
い。さらに他の熱間加工によって成形を行ってもよい。
さらにまた本実施の形態では、複数の中間成形体が熱間
圧縮加工の圧縮方向に対して垂直な一仮想面内に存在す
るように配置されているが、他の実施の形態として複数
の中間成形体が熱間圧縮加工の圧縮方向に直列に連なる
ように配置してもよい。これによって複数の中間成形体
が直線状に配列した複雑形状の中間成形体を効率的に製
造することができるので、形状の成形可能範囲を大幅に
拡大することができる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、単純形状
を有する複数の中間成形体が熱間圧縮加工の圧縮方向に
対して垂直な一仮想面内に存在するように配置され、少
なくとも1つの中間成形体に熱間圧縮加工が施されるの
で、熱間圧縮加工が施された中間成形体の塑性流動によ
って複数の中間成形体を一体的に接合させることができ
る。したがって、複雑な形状を有するセラミックス成形
体を効率的に製造することができる。この結果、形成さ
れるセラミックス成形体の形状を多様化させることがで
き、形状の成形可能範囲を大幅に拡大することができ
る。また熱間圧縮加工が施された成形体は、内部の空孔
が低減し、強度が向上するとともに、所定の形状に成形
されるので、形状の形成と接合とを同一工程で行うこと
ができる。この結果、複雑な形状を有するセラミックス
成形体の生産性を大幅に向上し、生産コストを大幅に低
減することができる。
【0026】また本発明によれば、前記単純形状の中間
成形体が熱間加工によって形成されるので、中間成形体
内部の空孔が低減し、中間成形体の強度が機械加工によ
って形成した中間成形体に比べて向上する。したがって
中間成形体は形状形成と高強度化とを同一工程で達成す
ることができる。また、ここでの強度向上は、これらの
中間成形体を熱間加工によって一体的に接合する際の強
度向上に加わるものとなり、成形品の大幅な強度向上が
達成できる。
【0027】
【0028】また本発明によれば、熱間圧縮加工が温度
1000℃以上、ひずみ速度10-2/秒以下の条件下で
施されるので、セラミックス成形体の成分系を適正に選
択することによって超塑性変形を生じさせることができ
る。これによって成形体相互の接触界面における原子の
拡散が活発化するので、成形体相互間の接合力が向上す
る。また熱間圧縮超塑性加工が施されるので、セラミッ
クス成形体の強度が大幅に向上する。この結果複雑な形
状を有するセラミックス成形体の機械部品としての信頼
性が大幅に向上する。
【0029】また本発明によれば、成形体が酸化物系セ
ラミックス、炭化物系セラミックスおよび窒化物系セラ
ミックスの1または複数から成るので、セラミックス成
形体に要求される特性に応じて、適正な成分系を選択し
て用いることができる。したがってセラミックス成形体
の適用範囲を大幅に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって好適に製造することのできるセ
ラミックス製タービンディスクの構成を簡略化して示す
斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態であるセラミックス成形
体の製造方法を、図1に示すセラミックス製タービンデ
ィスクを対象として説明するためのフローチャートであ
る。
【図3】図1に示すセラミックス製タービンディスクの
一素材であるディスク部中間成形体の形状を示す斜視図
である。
【図4】図1に示すセラミックス製タービンディスクの
一素材である翼部中間成形体の形状を示す斜視図であ
る。
【図5】図1に示すセラミックス製タービンディスクの
成形時における型治具の構成を示す正面図である。
【図6】図5の切断面線VI−VIから見た平面図であ
る。
【図7】図5に示す型治具の上型の構成を示す正面断面
図である。
【図8】図5に示す型治具の下型の構成を示す正面断面
図である。
【図9】図5に示す型治具の翼拘束治具の構成を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 タービンディスク 3 ディスク部 4 翼部 10,14,17 型治具 11,15,18 上型 13 ディスク部中間成形体 16 翼部中間成形体 19 下型 20 翼拘束治具 24 圧縮ロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−170562(JP,A) 特開 平8−337478(JP,A) 特開 昭55−100274(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 37/00 F01D 5/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス原料粉末を成形して焼結し
    た焼結体を複数個準備し、前記各焼結体に機械加工を施
    して単純形状の中間成形体を形成し、形成された複数の
    中間成形体のうちの少なくとも1つの中間成形体に熱間
    圧縮加工を施し、前記熱間圧縮加工の圧縮方向に対して
    垂直な一仮想面内に存在するように配置されている複数
    の中間成形体を一体的に接合して全体形状を所定の形状
    に形成することを特徴とするセラミックス成形体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記単純形状の中間成形体を前記各焼結
    体に熱間加工を施して形成することを特徴とする請求項
    1記載のセラミックス成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱間圧縮加工が温度1000℃以
    上、ひずみ速度10-2/秒以下の条件下で施されること
    を特徴とする請求項1または2記載のセラミックス成形
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記成形体が酸化物系セラミックス、炭
    化物系セラミックスおよび窒化物系セラミックスの1ま
    たは複数から成ることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のセラミックス成形体の製造方法。
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