JP2730666B2 - 超塑性窒化ケイ素系焼結体の製造方法 - Google Patents
超塑性窒化ケイ素系焼結体の製造方法Info
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- JP2730666B2 JP2730666B2 JP7027497A JP2749795A JP2730666B2 JP 2730666 B2 JP2730666 B2 JP 2730666B2 JP 7027497 A JP7027497 A JP 7027497A JP 2749795 A JP2749795 A JP 2749795A JP 2730666 B2 JP2730666 B2 JP 2730666B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超塑性窒化ケイ素系
焼結体の製造方法に関するものである。さらに、詳しく
は、この発明は、自動車、精密機械、化学プラント、切
削工具の構造材料として有用な超塑性窒化ケイ素系焼結
体とその製造方法に関するものである。
焼結体の製造方法に関するものである。さらに、詳しく
は、この発明は、自動車、精密機械、化学プラント、切
削工具の構造材料として有用な超塑性窒化ケイ素系焼結
体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、窒化ケイ素系焼結
体は、室温及び高温状態における強度特性、破壊靱性、
摩擦摩耗抵抗等の機械的性質に優れているため、自動車
エンジン部品、ボールベアリング、非鉄金属製造用機械
部品、切削工具等の構造材料として利用されてきてい
る。
体は、室温及び高温状態における強度特性、破壊靱性、
摩擦摩耗抵抗等の機械的性質に優れているため、自動車
エンジン部品、ボールベアリング、非鉄金属製造用機械
部品、切削工具等の構造材料として利用されてきてい
る。
【0003】この窒化ケイ素焼結体は強度特性、破壊靱
性に優れた材料であり、加工が必要な場合には、成形段
階において切削加工を行ったり、またはダイアモンド工
具によって焼結体を切削加工している。また近年、窒化
ケイ素系焼結体については、特許平1−335063に
開示されている窒化ケイ素と炭化ケイ素のナノコンポジ
ットや、サイアロン(J. Am. Cream. Soc, No.75
(1992) pp.1073)などが超塑性を示すこ
とが見いだされ、この特性を焼結体の塑性加工へ応用す
ることが期待されている。
性に優れた材料であり、加工が必要な場合には、成形段
階において切削加工を行ったり、またはダイアモンド工
具によって焼結体を切削加工している。また近年、窒化
ケイ素系焼結体については、特許平1−335063に
開示されている窒化ケイ素と炭化ケイ素のナノコンポジ
ットや、サイアロン(J. Am. Cream. Soc, No.75
(1992) pp.1073)などが超塑性を示すこ
とが見いだされ、この特性を焼結体の塑性加工へ応用す
ることが期待されている。
【0004】これらの超塑性を示す窒化ケイ素系焼結体
の製造には、従来より、加圧しながら高温加熱するホッ
トプレス法が用いられている。この発明の発明者らによ
っても微粉末を低温でホットプレスすることによる超塑
性窒化ケイ素の製造方法がすでに提案されてもいる。し
かしながら、一般には、従来用いられているこのホット
プレス法の場合には、長時間の高温加熱の必要があるた
め、高密度化が進行する一方で粒成長が進行するために
組織は粗くなるため、窒化ケイ素系焼結体は超塑性を示
さない。特に、大型部材を焼結する場合には、より高温
で加熱するため、内部まで緻密で微細な組織を得ること
はできるが、表面に近い部分では粒成長が進行するため
に超塑性を示さないという問題がある。
の製造には、従来より、加圧しながら高温加熱するホッ
トプレス法が用いられている。この発明の発明者らによ
っても微粉末を低温でホットプレスすることによる超塑
性窒化ケイ素の製造方法がすでに提案されてもいる。し
かしながら、一般には、従来用いられているこのホット
プレス法の場合には、長時間の高温加熱の必要があるた
め、高密度化が進行する一方で粒成長が進行するために
組織は粗くなるため、窒化ケイ素系焼結体は超塑性を示
さない。特に、大型部材を焼結する場合には、より高温
で加熱するため、内部まで緻密で微細な組織を得ること
はできるが、表面に近い部分では粒成長が進行するため
に超塑性を示さないという問題がある。
【0005】そこで、この発明の発明者らは、300n
m以下の平均粒径の微粉末を低温でホットプレスするこ
とによって、粒成長をほとんど進行させずに組織を高密
度化させ、超塑性を示す焼結体を製造する方法を提案し
た(特願平6−173189号)。しかしながら、この
より低温でのホットプレスによる超塑性窒化ケイ素焼結
体の製造法による場合にも、実際の焼結と粒成長のバラ
ンスを制御することが難しく、超塑性を有する焼結体を
均一に再現性よく実現することはできなかった。
m以下の平均粒径の微粉末を低温でホットプレスするこ
とによって、粒成長をほとんど進行させずに組織を高密
度化させ、超塑性を示す焼結体を製造する方法を提案し
た(特願平6−173189号)。しかしながら、この
より低温でのホットプレスによる超塑性窒化ケイ素焼結
体の製造法による場合にも、実際の焼結と粒成長のバラ
ンスを制御することが難しく、超塑性を有する焼結体を
均一に再現性よく実現することはできなかった。
【0006】このように、従来では粒成長の制御が難し
いため、超塑性を示す焼結体の製造には原料粉末や焼結
条件にきびしい条件が必要であり、再現性に問題があっ
た。この発明は、以上通りの事情を鑑みてなされたもの
であり、以上の通りの従来技術の欠点を解消し、組織が
微細で超塑性を示す窒化ケイ素系焼結体を再現性良く、
簡便に製造することのできる新しい方法を提供すること
を目的としている。
いため、超塑性を示す焼結体の製造には原料粉末や焼結
条件にきびしい条件が必要であり、再現性に問題があっ
た。この発明は、以上通りの事情を鑑みてなされたもの
であり、以上の通りの従来技術の欠点を解消し、組織が
微細で超塑性を示す窒化ケイ素系焼結体を再現性良く、
簡便に製造することのできる新しい方法を提供すること
を目的としている。
【0007】この発明は、上記の課題を解決するものと
して、平均粒径が300nm以下の微細な窒化ケイ素系
微粉末に、焼結助剤として酸化物粉末を添加し、真空あ
るいは不活性ガス雰囲気中において、加圧力20〜10
0MPa、昇温速度100℃/min以上、最高温度1
400〜1800℃で放電プラズマ焼結することを特徴
とする超塑性窒化ケイ素系焼結体の製造方法を提供す
る。
して、平均粒径が300nm以下の微細な窒化ケイ素系
微粉末に、焼結助剤として酸化物粉末を添加し、真空あ
るいは不活性ガス雰囲気中において、加圧力20〜10
0MPa、昇温速度100℃/min以上、最高温度1
400〜1800℃で放電プラズマ焼結することを特徴
とする超塑性窒化ケイ素系焼結体の製造方法を提供す
る。
【0008】
【作用】この発明においては、粉体原料を加圧しながら
パルス電流を印加し、粉体粒子間にプラズマ放電を生じ
させ、粉体を内部から急速に加熱し、短時間で焼結させ
る。このため、粒成長の進行は回避され、組織が微細で
超塑性を示す窒化ケイ素系焼結体の製造が可能となる。
パルス電流を印加し、粉体粒子間にプラズマ放電を生じ
させ、粉体を内部から急速に加熱し、短時間で焼結させ
る。このため、粒成長の進行は回避され、組織が微細で
超塑性を示す窒化ケイ素系焼結体の製造が可能となる。
【0009】原料とする窒化ケイ素系微粉末は、その平
均粒径を300nm以下とし、より好ましくは、その比
表面積を20m2 /g以上とする。平均粒径が300n
mを越える場合、しかも、特に比表面積が20m2 /g
未満の場合には、超塑性を示す焼結体は得られにくい。
再現性の点で問題となる。焼結のための放電プラズマ法
では、真空、あるいは窒素、アルゴン等の不活性ガスの
雰囲気下において、加圧20〜100MPa、昇温速度
100℃/min以上、最高温度1400〜1800℃
に、たとえば120分間程度までを目途として保持する
ことが望ましい。
均粒径を300nm以下とし、より好ましくは、その比
表面積を20m2 /g以上とする。平均粒径が300n
mを越える場合、しかも、特に比表面積が20m2 /g
未満の場合には、超塑性を示す焼結体は得られにくい。
再現性の点で問題となる。焼結のための放電プラズマ法
では、真空、あるいは窒素、アルゴン等の不活性ガスの
雰囲気下において、加圧20〜100MPa、昇温速度
100℃/min以上、最高温度1400〜1800℃
に、たとえば120分間程度までを目途として保持する
ことが望ましい。
【0010】窒化ケイ素系粉末としては、各種のものが
考慮されるが、より具体的には、たとえば、β型窒化ケ
イ素、α−サイアロン、β−サイアロン等が例示され
る。これらの窒化ケイ素系粉末は、この発明の方法にお
いては、82〜98重量%の割合で用いるのが好まし
く、また、これに対応して、酸化物粉末は、2〜18重
量%が好ましい。
考慮されるが、より具体的には、たとえば、β型窒化ケ
イ素、α−サイアロン、β−サイアロン等が例示され
る。これらの窒化ケイ素系粉末は、この発明の方法にお
いては、82〜98重量%の割合で用いるのが好まし
く、また、これに対応して、酸化物粉末は、2〜18重
量%が好ましい。
【0011】82重量%未満、98重量%を超える場合
のいずれも、充分な超塑性特性を持った焼結体が得られ
ない。酸化物粉末については、好適には、希土類酸化
物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム等が考慮されるが、より好ましくは希土類酸化物2
〜7重量%、酸化アルミニウム0〜3重量%、酸化マグ
ネシウム0〜5重量%、および酸化カルシウム0〜3重
量%の組成物が例示される。
のいずれも、充分な超塑性特性を持った焼結体が得られ
ない。酸化物粉末については、好適には、希土類酸化
物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム等が考慮されるが、より好ましくは希土類酸化物2
〜7重量%、酸化アルミニウム0〜3重量%、酸化マグ
ネシウム0〜5重量%、および酸化カルシウム0〜3重
量%の組成物が例示される。
【0012】以下、実施例を示してさらに詳しく超塑性
窒化ケイ素系焼結体とその製造法について説明する。
窒化ケイ素系焼結体とその製造法について説明する。
【0013】
【実施例】実施例1 出発原料は市販のβ型窒化ケイ素粉末(電気化学製SN
−P21FC、平均粒径510nm、比表面積10.9
m2 /g)をボールミルにて粉砕し、分級して得られた
β型窒化ケイ素微粉末(平均粒径280nm、比表面積
21.7m2 /g)を用い、このβ型窒化ケイ素微粉末
93重量%に対して、酸化イットリウム(信越化学製、
純度99.9%)3重量%、酸化アルミニウム(住友化
学製、純度99.99%)2重量%、酸化マグネシウム
(関東化学製)2重量%を窒化ケイ素製のボールミルで
n−ヘキサンを分散媒として湿式混合した。混合物を乾
燥後、直径20mmの炭素製の型に入れ、放電プラズマ
焼結法により真空中で、50MPaの加圧下、昇温速度
310℃/minで1550℃まで加熱し、5分間保持
した。
−P21FC、平均粒径510nm、比表面積10.9
m2 /g)をボールミルにて粉砕し、分級して得られた
β型窒化ケイ素微粉末(平均粒径280nm、比表面積
21.7m2 /g)を用い、このβ型窒化ケイ素微粉末
93重量%に対して、酸化イットリウム(信越化学製、
純度99.9%)3重量%、酸化アルミニウム(住友化
学製、純度99.99%)2重量%、酸化マグネシウム
(関東化学製)2重量%を窒化ケイ素製のボールミルで
n−ヘキサンを分散媒として湿式混合した。混合物を乾
燥後、直径20mmの炭素製の型に入れ、放電プラズマ
焼結法により真空中で、50MPaの加圧下、昇温速度
310℃/minで1550℃まで加熱し、5分間保持
した。
【0014】製造された焼結体の相対密度は96.8
%、平均粒子径は200nmであった。この焼結体を1
500℃で20MPaの圧力で圧縮したところ、変形速
度5.2×10-4/sで変形し、超塑性を示した。比較例1 実施例1の原料(SN−P21FC)を用いて、実施例
1と同じ組成の混合粉末を同様の方法で製造した。この
混合粉末を直径20mmの炭素製の型に入れ、放電プラ
ズマ焼結法により、真空中において、50MPaの加圧
下、昇温速度340℃/minで1700℃まで加熱
し、その状態を10分間保持した。
%、平均粒子径は200nmであった。この焼結体を1
500℃で20MPaの圧力で圧縮したところ、変形速
度5.2×10-4/sで変形し、超塑性を示した。比較例1 実施例1の原料(SN−P21FC)を用いて、実施例
1と同じ組成の混合粉末を同様の方法で製造した。この
混合粉末を直径20mmの炭素製の型に入れ、放電プラ
ズマ焼結法により、真空中において、50MPaの加圧
下、昇温速度340℃/minで1700℃まで加熱
し、その状態を10分間保持した。
【0015】これにより製造された焼結体の相対密度は
94.1%、平均粒子径は680nmであった。高温で
長時間の加熱を行ったが、密度は低い値にとどまった。
この焼結体を1500℃で20MPaの圧力で圧縮した
ところ、平均速度6.7×10-7/sでクリープ変形し
たが、超塑性は示さなかった。これは、焼結体の平均粒
子径が大きいためである。実施例2 市販のαサイアロン粉末(宇部興産、平均粒径830n
m、比表面積10.9m2 /g)を粉砕、分級して得ら
れたαサイアロン微粉末(平均粒径260nm、比表面
積22.5m2 /g)94重量%、酸化イットリウム
(信越化学製、純度99.9%)3重量%、酸化アルミ
ニウム(住友化学製、純度99.99%)3重量%を窒
化ケイ素製のボールミルでn−ヘキサンを分散媒として
湿式混合した。この混合物を乾燥後、直径20mmの炭
素製の型に入れ、放電プラズマ焼結法により、真空中に
おいて、30MPaの加圧下、昇温速度340℃/mi
nで1700℃まで加熱し、保持せずに冷却した。
94.1%、平均粒子径は680nmであった。高温で
長時間の加熱を行ったが、密度は低い値にとどまった。
この焼結体を1500℃で20MPaの圧力で圧縮した
ところ、平均速度6.7×10-7/sでクリープ変形し
たが、超塑性は示さなかった。これは、焼結体の平均粒
子径が大きいためである。実施例2 市販のαサイアロン粉末(宇部興産、平均粒径830n
m、比表面積10.9m2 /g)を粉砕、分級して得ら
れたαサイアロン微粉末(平均粒径260nm、比表面
積22.5m2 /g)94重量%、酸化イットリウム
(信越化学製、純度99.9%)3重量%、酸化アルミ
ニウム(住友化学製、純度99.99%)3重量%を窒
化ケイ素製のボールミルでn−ヘキサンを分散媒として
湿式混合した。この混合物を乾燥後、直径20mmの炭
素製の型に入れ、放電プラズマ焼結法により、真空中に
おいて、30MPaの加圧下、昇温速度340℃/mi
nで1700℃まで加熱し、保持せずに冷却した。
【0016】これにより製造された焼結体の相対密度は
97.3%、平均粒子径は230nmであった。この焼
結体を1500℃で20MPaの圧力で圧縮したとこ
ろ、変形速度4.7×10-4/sで変形し、超塑性を示
した。比較例2 実施例2と同じ混合粉末を直径15mmの炭素製の型に
入れ、ホットプレス法によって、窒素雰囲気において、
昇温速度30℃/minで1800℃まで加熱して、そ
の状態を2時間保持した。
97.3%、平均粒子径は230nmであった。この焼
結体を1500℃で20MPaの圧力で圧縮したとこ
ろ、変形速度4.7×10-4/sで変形し、超塑性を示
した。比較例2 実施例2と同じ混合粉末を直径15mmの炭素製の型に
入れ、ホットプレス法によって、窒素雰囲気において、
昇温速度30℃/minで1800℃まで加熱して、そ
の状態を2時間保持した。
【0017】これにより製造された焼結体の相対密度は
98.9%であったが、高密度の成形体を得るためには
高温で長時間の加熱が必要であった。これは通常の加圧
焼結法では放電による加熱がなく、高密度化の進行が遅
いためである。この焼結体を1500℃で20MPaの
圧力で圧縮したところ、変形速度7.4×10-6/sで
クリープ変形したが、超塑性は示さなかった。これは、
焼結体の平均粒子径が大きいためである。実施例3 市販のβサイアロン粉末(宇部興産、平均粒径970n
m、比表面積10.9m2 /g)を粉砕、分級して得ら
れたβサイアロン微粉末(平均粒径290nm、比表面
積21.7m2 /g)95重量%、酸化イットリウム
(信越化学製、純度99.9%)3重量%、酸化マグネ
シウム(関東化学製)2重量%を窒化ケイ素製のボール
ミルでn−ヘキサンを分散媒として湿式混合した。この
混合物を乾燥後、直径20mmの炭素製の型に入れ、放
電プラズマ焼結法により、真空中において、50MPa
の加圧下、昇温速度300℃/minで1500℃まで
加熱し、その状態を5分間保持した。
98.9%であったが、高密度の成形体を得るためには
高温で長時間の加熱が必要であった。これは通常の加圧
焼結法では放電による加熱がなく、高密度化の進行が遅
いためである。この焼結体を1500℃で20MPaの
圧力で圧縮したところ、変形速度7.4×10-6/sで
クリープ変形したが、超塑性は示さなかった。これは、
焼結体の平均粒子径が大きいためである。実施例3 市販のβサイアロン粉末(宇部興産、平均粒径970n
m、比表面積10.9m2 /g)を粉砕、分級して得ら
れたβサイアロン微粉末(平均粒径290nm、比表面
積21.7m2 /g)95重量%、酸化イットリウム
(信越化学製、純度99.9%)3重量%、酸化マグネ
シウム(関東化学製)2重量%を窒化ケイ素製のボール
ミルでn−ヘキサンを分散媒として湿式混合した。この
混合物を乾燥後、直径20mmの炭素製の型に入れ、放
電プラズマ焼結法により、真空中において、50MPa
の加圧下、昇温速度300℃/minで1500℃まで
加熱し、その状態を5分間保持した。
【0018】これにより製造された焼結体の相対密度は
98.1%、平均粒子径は250nmであった。この焼
結体を1400℃で70MPaの圧力で圧縮したとこ
ろ、変形速度5.2×10-4/sで変形し、超塑性を示
した。比較例3 実施例3と同じ混合粉末を直径15mmの炭素製の型に
入れ、ホットプレス法によって、窒素雰囲気中で、昇温
速度30℃/minで1700℃まで加熱して、その状
態を1時間保持した。
98.1%、平均粒子径は250nmであった。この焼
結体を1400℃で70MPaの圧力で圧縮したとこ
ろ、変形速度5.2×10-4/sで変形し、超塑性を示
した。比較例3 実施例3と同じ混合粉末を直径15mmの炭素製の型に
入れ、ホットプレス法によって、窒素雰囲気中で、昇温
速度30℃/minで1700℃まで加熱して、その状
態を1時間保持した。
【0019】これにより製造された焼結体の相対密度は
99.3%であったが、高密度の成形体を得るためには
高温で長時間の加熱が必要であった。これは通常の加圧
焼結法では放電による加熱がなく、高密度化の進行が遅
いためである。平均粒子径は3.1μmであった。この
焼結体を1400℃で70MPaの圧力で圧縮したとこ
ろ、変形速度5.8×10-7/sでクリープ変形した
が、超塑性は示さなかった。これは、焼結体の平均粒子
径が大きいためである。
99.3%であったが、高密度の成形体を得るためには
高温で長時間の加熱が必要であった。これは通常の加圧
焼結法では放電による加熱がなく、高密度化の進行が遅
いためである。平均粒子径は3.1μmであった。この
焼結体を1400℃で70MPaの圧力で圧縮したとこ
ろ、変形速度5.8×10-7/sでクリープ変形した
が、超塑性は示さなかった。これは、焼結体の平均粒子
径が大きいためである。
【0020】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明したと
おり、粉体試料を加圧しながらパルス電流を印加するこ
とで、粉体粒子間にプラズマ放電が起こり、粉体試料を
内部から急速に加熱させ、短時間で焼結させることがで
きるため、粒成長の進行は回避され、組織が微細で超塑
性を示す窒化ケイ素系焼結体を製造することが可能とな
る。
おり、粉体試料を加圧しながらパルス電流を印加するこ
とで、粉体粒子間にプラズマ放電が起こり、粉体試料を
内部から急速に加熱させ、短時間で焼結させることがで
きるため、粒成長の進行は回避され、組織が微細で超塑
性を示す窒化ケイ素系焼結体を製造することが可能とな
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 平均粒径300nm以下の窒化ケイ素系
微粉末に酸化物粉末を添加し、真空あるいは不活性ガス
雰囲気中において、加圧力20〜100MPa、昇温速
度100℃/min以上、最高温度1400〜1800
℃で放電プラズマ焼結し、相対密度95%以上、平均粒
子径300nm以下であり、温度1300℃以上、負荷
圧力10〜200MPaで変形速度1×10−4/s以
上で変形する超塑性焼結体を製造することを特徴とする
超塑性窒化ケイ素系焼結体の製造方法。 - 【請求項2】 窒化ケイ素系微粉末の添加割合が82〜
98重量%である請求項1の超塑性窒化ケイ素系焼結体
の製造方法。 - 【請求項3】 窒化ケイ素系微粉末は、比表面積が20
m2/g以上である請求項1の超塑性窒化ケイ素系焼結
体の製造方法。 - 【請求項4】 窒化ケイ素系微粉末がβ型窒化ケイ素系
微粉末である請求項1の超塑性窒化ケイ素系焼結体の製
造方法。 - 【請求項5】 窒化ケイ素系微粉末が、α−またはβ−
サイアロン微粉末である請求項1の超塑性窒化ケイ素系
焼結体の製造方法。 - 【請求項6】 酸化物が、希土類酸化物2〜7重量%、
酸化アルミニウム0〜3重量%、酸化マグネシウム0〜
5重量%、および酸化カルシウム0〜3重量%の組成か
らなる請求項1の超塑性窒化ケイ素系焼結体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7027497A JP2730666B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 超塑性窒化ケイ素系焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7027497A JP2730666B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 超塑性窒化ケイ素系焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08208341A JPH08208341A (ja) | 1996-08-13 |
JP2730666B2 true JP2730666B2 (ja) | 1998-03-25 |
Family
ID=12222786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7027497A Expired - Lifetime JP2730666B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 超塑性窒化ケイ素系焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2730666B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010265141A (ja) * | 2009-05-14 | 2010-11-25 | Kagoshima Univ | 窒化珪素複合焼結体及びその製造方法 |
JP7358331B2 (ja) * | 2018-02-28 | 2023-10-10 | 株式会社トクヤマ | 窒化ケイ素粉末の製造方法 |
WO2024162443A1 (ja) * | 2023-02-01 | 2024-08-08 | Agc株式会社 | 窒化珪素質焼結体、ベアリング用転動体、窒化珪素質素球、及びベアリング |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3617076B2 (ja) * | 1993-06-30 | 2005-02-02 | 住友電気工業株式会社 | 窒化ケイ素系焼結体及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-01-24 JP JP7027497A patent/JP2730666B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08208341A (ja) | 1996-08-13 |
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