JP3001811U - 布用転写シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 家庭用印刷機でも簡単に図柄を印刷して布地
などに転写捺染を施すことのできる布用転写シートを提
供する。 【構成】 カラーコピー用転写シート１は、半透明の上
質紙３の片面に、親水性のアクリル樹脂エマルジョンを
主成分とする透明の捺染糊５を塗布して構成されてい
る。捺染糊５が親水性であるので、捺染糊５の表面に水
性インクで図柄７を印刷することができ、この図柄７を
圧着加熱によって布地に転写することができる。圧着加
熱の際もアイロンで１６０℃〜１７０℃に加熱すれば、
容易に転写捺染を行うことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、図柄を印刷して布地に転写捺染にするための布用転写シートに関し 、特に家庭用印刷機で図柄を印刷できる布用転写シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、染料または顔料を含む印刷インクでもって、予め紙その他のフィル ム，シートなどへ模様を印刷して転写紙を作り、これを布地と合わせて圧着加熱 し、図柄を布の面へ転写する転写捺染の技術が知られている。また、この転写捺 染の一手法として、予め基材の片面に捺染糊を塗布した布用転写シートを用意し 、この捺染糊の上にスクリーン印刷などによって図柄を印刷し、これを布地と合 わせて圧着加熱することも考えられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来の布用転写シートでは、捺染糊としてゴム系の疎水性のものが 使用されている。このため、捺染糊の上には図柄を油性インクで印刷しなければ ならず、家庭用には不向きであった。例えば、家庭用印刷機として、ワードプロ セッサやプリントゴッコ（商品名：理想科学製）などが知られているが、これら の家庭用印刷機では全て水性インクを使用している。これは、油性インクはシン ナーなど比較的危険な溶剤を必要とするためである。従って、従来の布用転写シ ートに家庭用印刷機で図柄を印刷した場合、インクが全て弾かれてしまうといっ た問題が発生していた。

【０００４】 そこで、本考案は、家庭用印刷機でも簡単に図柄を印刷して布地などに転写捺 染を施すことのできる布用転写シートを提供することを目的としてなされた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達するためになされた請求項１記載の考案は、基材の片面に親水性 の捺染糊を塗布したことを特徴とする布用転写シートを要旨としている。 請求項２記載の考案は、上記捺染糊が１６０℃〜１７０℃で可塑化することを 特徴とする請求項１記載の布用転写シートを要旨としている。

【０００６】 請求項３記載の考案は、上記捺染糊表面に平滑化処理を施したことを特徴とす る請求項１記載の布用転写シートを要旨としている。 更に、請求項４記載の考案は、上記基材および上記捺染糊が透明または半透明 であることを特徴とする請求項２記載の布用転写シートを要旨としている。

【０００７】

【作用】

このように構成された請求項１記載の考案では、基材の片面に親水性の捺染糊 が塗布されている。このため、捺染糊表面に水性インクによって容易に図柄を印 刷することが可能である。このようにして図柄を印刷した後、捺染糊の塗布面を 布地に圧着加熱すると、捺染糊が可塑化して布地に付着する。このため、家庭用 印刷機によって水性インクで印刷した図柄を布地に転写することができる。

【０００８】 また、請求項２記載の考案は、請求項１の構成に加えて捺染糊が１６０℃〜１ ７０℃で可塑化することを特徴としている。この場合、１６０℃〜１７０℃で圧 着加熱すればよいので、捺染糊の上に印刷した図柄をアイロンなどによって、容 易に転写することができる。また、この温度で圧着加熱することができるので、 ポリエステル，アクリルなど種々の繊維の布地に転写捺染を施すことができる。 また更に、捺染糊が１６０℃以上の温度で可塑化する場合、コピー機内などのよ うに２００℃近い温度の雰囲気を一時的に通過しても捺染糊が流動化しない、こ のため、捺染糊表面にカラーコピーなどを使って図柄を印刷することもできる。

【０００９】 更に、請求項３記載の考案は、捺染糊表面に平滑化処理が施されているので、 その捺染糊表面に、一層容易にかつ正確に印刷することができる。 また更に、請求項４記載の考案は、基材および捺染糊が透明または半透明であ るので、捺染糊表面に印刷した図柄を基材の裏側から容易に見ることができる。 本考案は請求項２記載の考案と同様の構成を有するので、図柄を布地に転写する ときは、前述のように、基材の裏側からアイロンなどを当てて圧着加熱する。こ のとき、基材の裏側から図柄を見ることができるので、図柄の転写位置を容易に 確認することができる。

【００１０】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面と共に説明する。図１は、実施例の布用転写シー トとしてのカラーコピー用転写シート１を表す斜視図である。図に示すように、 本実施例のカラーコピー用転写シート１は、基材としての半透明の上質紙３片面 に、親水性のアクリル樹脂エマルジョンを主成分とする透明の捺染糊５を塗布し て構成されている。なお、カラーコピー用転写シート１はハガキ大に形成されて いるが、この他種々の大きさに形成することもできる。また、上質紙３には表裏 面にシリコンコーティングが施され、そのコーティング面に捺染糊５が塗布され ている。なお、上質紙３としては、パラフィン漬けにしたものを使用してもよい 。更に、捺染糊５の表面には周知の平滑化処理が施されている。

【００１１】 このように構成された本実施例のカラーコピー用転写シート１は、次のように して使用される。すなわち、先ず、捺染糊５の表面に水性インクを使用した家庭 用印刷機、例えば、ワードプロセッサやプリントゴッコ（商品名：理想科学製） などによって、或いは水性サインペンなどで直接描くことによって、図柄７を形 成する。続いて、捺染糊５の表面を布地に当接させ、１６０℃〜１７０℃の温度 でアイロンなどによって圧着加熱すれば、図柄７を布地に転写することができる 。

【００１２】 ここで、捺染糊５はアクリル樹脂エマルジョンを主成分としているので、前述 のように１６０℃〜１７０℃で可塑化し、上記アイロンによる圧着加熱によって 容易に図柄７を布地に転写することができる。また、捺染糊５は親水性であるの で、上記水性インクとの親和性が優れている。このため、家庭用印刷機によって 良好に図柄７を印刷することができる。しかも、捺染糊５の表面には平滑化処理 が施されているので、原図を正確に布地に転写することができる。更に、捺染糊 ５は１６０℃以上の温度で可塑化するので、コピー機内などのように２００℃近 い温度の雰囲気を一時的に通過しても流動化しない、このため、捺染糊５の表面 にカラーコピーなどを使って図柄７を印刷することもできる。

【００１３】 また、上記アイロンの温度で転写捺染を行うことができるので、本実施例の布 用転写シートは、ポリエステル，アクリルなど種々の繊維の布地に転写捺染を施 すことができる。従って、一般家庭での転写捺染に、より好適である。 更に、カラーコピー用転写シート１はハガキ大の大きさであるので、上記家庭 用印刷機による印刷およびアイロンによる圧着加熱作業をきわめて容易に行うこ とができる。また、本実施例では上質紙３を半透明、捺染糊５を透明な素材で構 成している。このため、図柄７を上質紙３の裏面から見ることができる。図柄７ を布地に転写するときは、上質紙３の裏側からアイロンなどを当てて圧着加熱す るのであるが、このように上質紙３の裏側から図柄７を見ることができると、図 柄７の転写位置を容易に確認することができる。従って、図柄７の転写捺染を一 層容易にすることができる。また更に、本実施例の捺染糊５は親水性であるので 、布地との親和性もよく、転写後の布地の通気性もよい。また、転写された図柄 ７の洗濯堅牢度も優れている。

【００１４】 なお、本実施例では基材として上質紙３を、捺染糊５としてアクリル樹脂エマ ルジョンを、それぞれ使用しているが、基材，捺染糊としてはこの他にも種々の 素材を適用することができる。上記のように基材として上質紙３を使用すれば強 度の点で優れた特性が得られるが、例えば耐熱性樹脂のシートを使用すれば透明 度および製造コストの点で優れた特性が得られる。

【００１５】

【考案の効果】

以上詳述したように、請求項１記載の考案では、基材の片面に塗布された捺染 糊は親水性であるので、水性インクを使用した家庭用印刷機で容易に図柄を印刷 することができる。そして、捺染糊を圧着加熱することにより、家庭用印刷機で 印刷した図柄を容易に布地に転写捺染することができる。また、捺染糊が親水性 であるので、布地との親和性もよく、転写後の布地の通気性もよい。更に、転写 された図柄の洗濯堅牢度も優れている。従って、家庭で容易に図柄の転写捺染を 楽しむことができる。

【００１６】 また、請求項２記載の考案では、請求項１の構成に加えて捺染糊が１６０℃〜 １７０℃で可塑化するので、捺染糊の上に印刷した図柄を、アイロンなどによっ て一層容易に容易に転写することができる。また、ポリエステル，アクリルなど 種々の繊維の布地に転写捺染を施すことができる。従って、一般家庭での転写捺 染に、より好適である。更に、カラーコピーなどを使って図柄を印刷することも できる。

【００１７】 更に、請求項３記載の考案は、捺染糊表面に平滑化処理が施されているので、 その捺染糊表面に、一層容易にかつ正確に印刷することができる。従って、細か い図柄も容易に転写捺染することができる。 また更に、請求項４記載の考案は、基材および捺染糊が透明または半透明であ るので、捺染糊表面に印刷した図柄を基材の裏側から容易に見ることができる。 図柄を布地に転写するときは、基材の裏側からアイロンなどを当てて圧着加熱す るが、このように基材の裏側から図柄を見ることができると、図柄の転写位置を 容易に確認することができる。従って、図柄の転写捺染を一層容易に行うことが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のカラーコピー用転写シートを表す斜視
図である。

【符号の説明】

１…カラーコピー用転写シート ３…上質紙 ５…
捺染糊 ７…図柄

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材の片面に親水性の捺染糊を塗布した
   ことを特徴とする布用転写シート。
2. 【請求項２】 上記捺染糊が１６０℃〜１７０℃で可塑
   化することを特徴とする請求項１記載の布用転写シー
   ト。
3. 【請求項３】 上記捺染糊表面に平滑化処理を施したこ
   とを特徴とする請求項１記載の布用転写シート。
4. 【請求項４】 上記基材および上記捺染糊が透明または
   半透明であることを特徴とする請求項２記載の布用転写
   シート。