JP3001422B2 - 栽培容器 - Google Patents

栽培容器

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JP3001422B2
JP3001422B2 JP8206218A JP20621896A JP3001422B2 JP 3001422 B2 JP3001422 B2 JP 3001422B2 JP 8206218 A JP8206218 A JP 8206218A JP 20621896 A JP20621896 A JP 20621896A JP 3001422 B2 JP3001422 B2 JP 3001422B2
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苺や葉物野菜の栽
培、花卉の栽培などの高床栽培において用いる栽培容器
に関する。
【0002】
【従来の技術】苺や葉物野菜などの栽培は、従来から土
耕栽培が行われているが、育苗から収穫にいたる一連の
作業は、中腰やしゃがんだ姿勢での作業が多く、かつ苗
の運搬など重労働を伴う作業である。このような労働条
件を改善するために、栽培用容器の改良や、立ち作業に
よる栽培、いわゆる高床栽培の実施が一部において行わ
れている。
【0003】本出願人も苺や葉物野菜などの栽培容器と
して、培土の量が少なくてすみ、根の成長のよい栽培容
器を開発し、また、この栽培容器を保持する装置および
散水や施肥に好適な補助装置を開発した(実公平6−1
6495号公報参照)。図8はこの補助装置をセットし
た栽培容器を保持装置により保持した状態を示す斜視図
である。
【0004】図8において、80は保持装置、81は保
持装置のフレーム、82は保持装置の支柱であり、91
は先細り円筒状の栽培容器、92は散水・施肥用の補助
具である。このように栽培容器91を保持装置80にて
保持することにより、栽培作業の効率化および労働条件
の改善をはかることができる。
【0005】また、栽培容器を高所に保持する手段とし
ては他に種々の手段が考えられ、本出願人は、複数個の
容器本体を連結部材で連結した栽培容器を架台に架けわ
たして保持する手段を開発し、特願平7−132727
号として特許出願した。
【0006】図9は上記先願にかかる栽培装置の一例を
示す斜視図であり、栽培容器100は、合成樹脂製の2
個の容器本体101a,101bの上部を連結部材10
2で連結したものである。容器本体101a,101b
は、断面形状が半円形状で、先細り状のテーパを有する
筒状容器である。連結部材102は、容器本体101
a,101bの上端から延長するかたちで容器本体10
1a,101bと一体的に形成されており、保持装置の
係止用フレーム110の形状に合わせて半円形状に形成
されている。
【0007】この栽培装置による栽培は、栽培容器を近
接して配設しても差し支えない場合に適用することがで
き、1回の係止動作で1箇所の係止位置に、従来の栽培
用容器の2個分を係止することができるので、栽培容器
の係止作業の能率を高めることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、たとえば苺
の栽培においては、温度管理が極めて重要であり、初期
段階では、地上部と地下部の生育のバランスを維持して
草勢の急激な変化を避けることが収量の安定化につなが
り、開花始めの時期においては、夜間の温度は8〜10
℃、昼間の温度は25〜28℃が温度管理の目標とされ
ている。収穫初期以降は、草勢の維持と果実着色の安定
化のために、夜間の温度は5〜6℃、昼間の温度は22
〜25℃が温度管理の目標とされている。
【0009】本願の対象とする高床栽培においては、栽
培容器が地上に設置されているので、気温の温度変化の
影響を受けやすく、そのため、土耕栽培の場合に比べて
より温度管理が重要となる。
【0010】高床栽培であっても、ハウス栽培の場合は
ハウス内の雰囲気温度を管理することによって、上記目
標温度を保つこと自体は比較的容易であるが、大型のハ
ウスの場合は、ハウスの容積が大きいので、暖房装置な
どが大がかりとなり、エネルギー消費量も大きくなると
いう問題がある。
【0011】一方、露地栽培における高床栽培では、栽
培容器と保持装置の外郭をビニールシートなどで覆い、
さらに地面に蓄熱用水封ダクトや温水パイプを設置する
などして温度管理を行っているが、このような方法で
は、地上に設置した栽培容器の温度を数℃の温度範囲に
維持することは困難である。
【0012】そこで本出願人は、図9に示したような高
床栽培装置において、対向する2個の容器本体の半円形
状の弦の部分の間に、通風により膨らむ合成樹脂製のホ
ースを設置し、このホースに温風を供給して栽培容器を
加熱する方法を開発した。
【0013】この温風加熱法によれば、ホースに温風を
供給することにより、膨らんだホースが対向する栽培容
器本体の半円形状の弦の部分に接触し、伝熱により栽培
容器が局部的に加熱されることなく、均一に加熱される
という効果がある。しかし、この温風加熱法において
も、栽培容器が加熱されるのはホースと接触している側
のみで、反対側からは放熱されるので、充分な加熱効果
が得られにくいという問題がある。
【0014】本発明において解決すべき課題は、高床栽
培において栽培容器を温風で加熱するにあたり、栽培容
器からの放熱を抑制して加熱効率を高めることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の栽培容器は、栽培容器を架台に設置して植物
の栽培を行う高床栽培において用いる合成樹脂製の栽培
容器であって、断面形状が半円形状で、先細り状のテー
パを有する筒状の容器本体の、前記半円形の円弧に相当
する部分を他の部分よりも断熱性を高めた構造としたこ
とを特徴とする。
【0016】前記の断熱性を高める手段として、前記半
円形の円弧に相当する部分の内側及びまたは外側に断熱
性の優れた合成樹脂シートを装着することができる。断
熱性の優れた合成樹脂シートとしては、たとえば発泡ポ
リスチレンのような発泡合成樹脂製のシートを用いるこ
とができる。この発泡合成樹脂製のシートを、容器本体
の半円形の円弧に相当する部分の内側または外側、ある
いは内側と外側の両方に装着することにより、半円形の
円弧に相当する部分を他の部分よりも断熱性を高めた構
造とすることができ、容器中の培土からの伝熱と放熱が
抑制される。
【0017】また、前記の断熱性を高める手段として、
前記半円形の円弧に相当する部分を断熱性の高い部材で
形成することもできる。断熱性の高い部材としては、厚
さ方向の中間に空気層や発泡合成樹脂層を介在させた多
層構造の部材を用いることができる。多層構造の部材を
用いた場合は、断熱性の程度を調節することが容易にな
る。
【0018】また、前記のように発泡合成樹脂製のシー
トを容器本体の内側に装着した場合や、多層構造の部材
を用いた場合には、外側の部材の一部分を切り欠いて放
熱面積を減らすようにすることもできる。
【0019】このようにして容器本体の半円形の円弧に
相当する部分の断熱性を高めることにより、対向する容
器本体の間に設置した温風ホースからの伝熱により加熱
された容器本体中の培土の熱が、容器本体の半円形の円
弧に相当する部分から放熱されるのが軽減されるので、
加熱効率が高められる。
【0020】また、温風ホースにより栽培容器を加熱す
る場合、これに用いる栽培容器としては、前記構造の2
個の栽培容器のそれぞれの容器本体の上部を連結部材で
連結し、2個の容器本体の半円形の弦に相当する部分ど
うしが対向する姿勢に形成した栽培容器を用いるのが、
架台に栽培容器を設置する作業能率を高める点において
好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
における栽培容器を示す図であり、同図(a)は全体斜
視図、同図(b)は同図(a)のA−A線断面図であ
る。図2は図1の栽培容器を対向させて係止用フレーム
に架けわたした状態を示す斜視図である。
【0022】本実施形態における栽培容器10は、断面
形状が半円形で、先細り状のテーパを有する合成樹脂製
の容器本体11の上部に、架台に架けわたすための係止
片12を形成し、半円形の円弧に相当する部分の内側に
発泡ポリスチレンのシート14を装着したものである。
容器本体11の下端には水抜き用の孔13が形成されて
いる。容器本体11の大きさは、全長約20cm、半円
形の弦に相当する部分の長さは上端が約10cm、下端
が約8cmである。この栽培容器10を図2に示すよう
に、2個の栽培容器10を対向させて係止用フレーム6
0に架けわたし、さらに係止用フレーム60の長手方向
に多数連続して架けわたす。
【0023】この栽培容器10においては、容器本体1
1の半円形の円弧に相当する部分の内側に、断熱性の優
れた発泡ポリスチレンのシート14を装着していること
により、容器本体11の半円形の円弧に相当する部分を
他の部分よりも断熱性を高めた構造とすることができ、
対向する容器本体11の間に設置した温風ホース70に
より栽培容器10を加熱する際に、この部分からの放熱
が抑制される。
【0024】また、この栽培容器10においては、それ
ぞれの栽培容器10が係止用フレーム60に対して自由
に回動することができるので、温風供給により膨らんだ
ホース70に対して馴染みが良く、ホース70と栽培容
器10の良好な接触状態が得られる。また、栽培容器1
0を垂直面に対して角度を持たせにして栽培容器を加熱
することができる。
【0025】図3は本発明の第2の実施の形態における
栽培容器を示す斜視図であり、図4は図3の栽培容器を
係止用フレームに架けわたした状態を示す斜視図であ
る。
【0026】本実施形態の栽培容器20は、図1の栽培
容器10の容器本体11と同様な形状の合成樹脂製の2
個の容器本体21a,21bの上部を連結部材22で連
結したものである。連結部材22は、容器本体21a,
21bの上端の直線部の縁から延長するかたちで容器本
体21a,21bと一体的に形成されており、保持装置
の係止用フレーム60の形状に合わせて円弧状に形成さ
れている。この栽培用容器20を、図4に示すように、
2個の容器本体21a,21bを振り分けるようにして
連結部材22を係止用フレーム60に跨がらせ、連結部
材22の頂部の係止用孔を係止用フレーム60の係止用
突起に嵌め込んで、栽培容器20が動かないように係止
する。
【0027】容器本体21a,21bは、図1の栽培容
器10の容器本体11と同様に容器本体21a,21b
の半円形の円弧に相当する部分の内側に、断熱性の優れ
た発泡ポリスチレンのシート24を装着している。これ
により、図1の栽培容器10の容器本体11と同様に、
容器本体21a,21bの半円形の円弧に相当する部分
は他の部分よりも断熱性が高くなる。
【0028】図5は本発明の第3の実施の形態における
栽培容器を示す図であり、同図(a)は斜視図、同図
(b)は同図(a)のB−B線断面図である。
【0029】本実施形態の栽培容器30は、発泡ポリス
チレンのシート34を容器本体31の半円形の円弧に相
当する部分の内側に装着して断熱効果を高めるととも
に、容器本体31の半円形の円弧に相当する部分の一部
分を切り欠いて放熱面積を減らすようにしたものであ
る。
【0030】本実施形態の栽培容器30は、断面形状が
半円形で、先細り状のテーパを有する合成樹脂製の筒状
体の、半円形の円弧に相当する部分の長手方向の一部分
を切り欠いた容器本体31の上部に、架台に架けわたす
ための係止片32を形成し、半円形の円弧に相当する部
分の内側に発泡ポリスチレンのシート34を装着したも
のである。容器本体31の下端には水抜き用の孔33が
形成されている。容器本体31の大きさは、全長約20
cm、半円形の弦に相当する部分の長さは上端が約10
cm、下端が約8cmである。
【0031】容器本体31の半円形の円弧に相当する部
分の切り欠き部35と非切り欠き部36の面積比率は約
3:2であり、非切り欠き部36は、内側に装着する発
泡ポリスチレンのシート34を保持できる程度のバンド
状としている。この栽培容器30を図2に示した栽培容
器10の場合と同様に、2個の栽培容器30を対向させ
て係止用フレームに架けわたし、さらに係止用フレーム
の長手方向に多数連続して架けわたす。
【0032】栽培容器30は、半円形の円弧に相当する
部分の長手方向の一部分を切り欠いているので、これに
より、容器本体31の半円形の円弧に相当する部分から
の放熱が軽減され、図1に示した栽培容器10の場合よ
りも、温風ホースによる加熱効率が高められる。
【0033】図6は本発明の第4の実施の形態における
栽培容器を示す図であり、同図(a)は斜視図、同図
(b)は同図(a)のC−C線断面図である。
【0034】本実施形態の栽培容器40は、断面形状が
半円形で、先細り状のテーパを有する筒状体に組み立て
た合成樹脂製の容器本体41の、半円形の円弧に相当す
る部分の部材44を、厚さ方向の中間に空気層45を介
在させた三層構造の部材としたものである。栽培容器4
0の全体的な形状と大きさ、容器本体上部の係止片42
および容器本体下端の水抜き用の孔43は、図1の栽培
容器10と同じである。
【0035】栽培容器40は、半円形の円弧に相当する
部分の部材44を、空気層45を介在させた三層構造と
したことにより、半円形の円弧に相当する部分からの放
熱が軽減され、温風ホースによる加熱効率が高められ
る。
【0036】図7は本発明の第5の実施の形態における
栽培容器を示す図であり、同図(a)は栽培容器の斜視
図、同図(b)は使用状態を示す斜視図である。
【0037】本実施形態の栽培容器50は、架台に架け
わたすための係止片52を両端部に形成した合成樹脂製
の板材を共通の基板53として、この基板53上に連続
して複数個の容器本体51を形成したものである。個々
の容器本体51の形状と大きさは図6の栽培容器41の
容器本体41と同じであり、この容器本体51も図6の
栽培容器40の容器本体41と同様に、半円形の円弧に
相当する部分の部材54を、空気層を介在させた三層構
造としている。
【0038】この栽培容器50を使用する場合は、図7
(b)に示すように、2個の栽培容器50を係止用フレ
ーム60に対向させて架けわたし、対向する基板53の
間に温風ホース70を設置する。ホース70に熱風を供
給したとき、膨らんだホース70が基板53の全面に接
触し、ホース70からの熱は基板53を通じて個々の容
器本体51を効率的に加熱する。さらに、半円形の円弧
に相当する部分の部材54は、空気層を介在させた三層
構造であるので、半円形の円弧に相当する部分からの放
熱が軽減され、温風ホースによる加熱効率が一層高めら
れる。
【0039】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。
【0040】(1)断面形状が半円形状で、先細り状の
テーパを有する筒状の容器本体の、前記半円形の円弧に
相当する部分を他の部分よりも断熱性を高めた構造とす
ることにより、対向する容器本体の間に温風ホースを設
置して栽培容器を加熱する際に、容器本体中の培土の熱
が、容器本体の半円形の円弧に相当する部分から放熱さ
れるのが軽減されるので、加熱効率が高められる。
【0041】(2)半円形の円弧に相当する部分の内側
及びまたは外側に断熱性の優れた合成樹脂シートを装着
することにより、半円形の円弧に相当する部分を他の部
分よりも断熱性を高めた構造とすることができる。
【0042】(3)半円形の円弧に相当する部分を断熱
性の高い部材で形成することにより、半円形の円弧に相
当する部分を他の部分よりも断熱性を高めた構造とする
ことができる。また、たとえば部材の厚さ方向の中間に
空気層や発泡合成樹脂層を介在させた多層構造の部材と
することにより、断熱性の程度を調節することが容易に
なる。
【0043】(4)2個の栽培容器のそれぞれの容器本
体の上部を連結部材で連結し、2個の容器本体の半円形
の弦に相当する部分どうしが対向する姿勢に形成した栽
培容器を用いることにより、架台に栽培容器を設置する
作業能率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における栽培容器
を示す図であり、同図の(a)は全体斜視図、同図
(b)は同図(a)のA−A線断面図である。
【図2】 図1の栽培容器を対向させて係止用フレーム
に架けわたした状態を示す斜視図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態における栽培容器
を示す斜視図である。
【図4】 図3の栽培容器を係止用フレームに架けわた
した状態を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態における栽培容器
を示す図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は同
図(a)のB−B線断面図である。
【図6】 本発明の第4の実施の形態における栽培容器
を示す図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は同
図(a)のC−C線断面図である。
【図7】 本発明の第5の実施の形態における栽培容器
を示す図であり、同図(a)は栽培容器の斜視図、同図
(b)は使用状態を示す斜視図である。
【図8】 従来の栽培容器の保持装置の例を示す斜視図
である。
【図9】 従来の栽培容器の保持装置の別の例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50 栽培容器 11,21a,21b,31,41,51 容器本体 12,32,42,52 係止片 13,33,43 水抜き用孔 14,24,34 発泡ポリスチレンのシート 22 連結部材 35 切り欠き部 36 非切り欠き部 44,54 部材 45 空気層 53 基板 60 係止用フレーム 70 温風ホース

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面形状が半円形状で先細り状のテーパ
    を有する筒状の栽培容器を架台に設置し、対向する2個
    の容器本体の半円形状の弦の部分の間に通風により膨ら
    んで前記弦の部分に接する合成樹脂製のホースを設置し
    て植物の栽培を行う高床栽培において用いる合成樹脂製
    の栽培容器であって、前記容器本体の半円形の円弧に相
    当する部分を他の部分よりも断熱性を高めた構造とした
    ことを特徴とする栽培容器。
  2. 【請求項2】 前記半円形の円弧に相当する部分の内側
    及びまたは外側に断熱性の優れた合成樹脂シートを装着
    した請求項1記載の栽培容器。
  3. 【請求項3】 前記半円形の円弧に相当する部分を断熱
    性の高い部材で形成した請求項1記載の栽培容器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3記載の2個の栽培容器
    のそれぞれの容器本体の上部を連結部材で連結し、2個
    の容器本体の半円形の弦に相当する部分どうしが対向す
    る姿勢に形成した栽培容器。
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