JP3000744U - 浸透型排水桝 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的簡単な構成のもとに、排水中の異物に
よる目詰まりおよび有機物に繁茂する藻類等による目詰
まりを容易に排除することができるようにすること。 【構成】 上方開口部４がある容器状排水桝における側
壁１内面に浅い凹部９を形成するほか、この凹部９に複
数個の通水孔１０を穿設し、かつこの凹部９にはフィル
タ１１を着脱自在に設け、また底壁２に開口部８を設け
てこの開口部８にもフィルタ１２を着脱自在に設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、排水路に設ける浸透桝に関し、詳しくは雨水あるいは下水等の排水 を処理施設へ送水することなく、比較的近距離において地中に浸透させるための 浸透桝に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

雨水あるいは下水を地中に浸透させるための従来の浸透桝は、無底筒状コンク リートブロックを埋設し、内部に流入した排水を桝の底部から地中に浸透させる ようにし、あるいは桝の側壁にスリットを穿設してこのスリットを通して地中へ 浸透させるようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の構造によれば、排水中の異物による目詰まりおよび有機物の付着に 起因する藻類および黴類の繁殖による目詰まりのため、浸透機能が阻害される不 都合があり、その浸透機能を回復するためには浸透桝内部を埋設状態のまま洗浄 する必要があるばかりでなく、浸透桝周囲の土質自体の浸透機能をも低下するこ とになり、従ってこれらの洗浄には煩雑な作業並びに長時間を要し、メンテナン スコストが著しく高価となる欠点がある。

【０００４】 そこで本考案の目的は、比較的簡単な構成のもとに、排水中の異物による目詰 まりおよび有機物に繁茂する藻類等による目詰まりを容易に排除することができ るようにすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、上部が開口状態の容器状排水桝における側 壁内面に浅い凹部を形成するほか、この凹部には比較的大きい複数個の通水孔を 穿設し、かつ前記凹部にはフィルタを着脱自在に設け、更に上方開口部には蓋板 またはグレーチングを冠設したことを特徴とし、また容器状排水桝の底壁部に開 口部を設けてこの開口部にもフィルタを着脱自在に設けたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

桝の側壁および底壁に設けたフィルタが流入排水中の異物並びに有機物を捕捉 するから、そのフィルタを適切な時期に交換もしくは洗浄することにより濾過機 能が回復し、排水は常時効果的に地中に浸透され、なおフィルタの濾材として活 性炭，カキ殻等を選定することにより有害物質の吸着除去が可能である。 また上方開口部はフィルタの出入および桝内部の点検に役立つほか、側壁内面 に形成した凹部はフィルタの安定的嵌合に役立ち、凹部の通水孔はフィルタを通 過した排水を地中に導出し、なお凹部を形成した側壁は通水孔が穿設されている が、その壁体によりフィルタを受止めて内方からの圧力によるフィルタの変形が 防止される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例について詳細に説明する。 本考案の浸透型排水桝としては、例えば図１および図２に示すように、４面の 側壁１，１と底壁２とからなるコンクリート製の方形容器状本体３における上方 開口部４に受段５，５を設けて蓋６（グレーチングでもよい）を冠設するほか、 側壁１，１には排水の流入口７および流入口形成用凹部７′を設け、かつ底壁２ には大きな開口部８を設けるほか、各側壁１，１の内面には浅い方形の凹部９を 比較的広範囲にわたり形成すると共に、これら各凹部９，９には外方に漸次拡開 する複数個の通水孔１０，１０を貫通状態に穿設し、かつ各凹部９，９および底 壁２における開口部８にはそれぞれフィルタ１１，１１および１２を内方から着 脱自在に嵌設する。

【０００８】 上記浸透型排水桝の設置に当たっては、基礎用の栗石１３を敷き詰めてその上 に本体３を載置すると共に、流入口７に排水管１４を接続した状態のもとに埋設 し、かつフィルタ１１，１１および１２を上方開口部４から挿入した後、これら をそれぞれ各凹部９，９および底壁２における開口部８に内方から嵌設し、その 後開口部４に蓋６を冠設する。

【０００９】 前記フィルタ１１および１２については、ステンレススチールあるいはプラス チック製の枠体１５の内部に濾材１６を嵌着もしくは張設したものでよく、濾材 １６としては例えばステンレススチールあるいはプラスチック等の錆を生じない 材質により、網，小径孔を多数穿設したいわゆるパンチング板，スポンジ，不織 布，フエルト状マット等、用途に応じて種々採択することができる。

【００１０】 濾材１６として、カキ殼の粉体層と獣毛フエルト層とを交互に積層した構成の もの、あるいは活性炭を適用してマット状に形成したものを採択してもよく、こ れらによれば単に固体を除去するほか、各種有害物質を除去することができる。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、次のような効果がある。 ａ．側壁内面に複数の浅い凹部を形成してこの部分に通水孔を穿設したから、厚 いフィルタの安定的嵌設に好都合であるほか、通水孔が穿設された側壁によりフ ィルタを受止めてフィルタの変形を防止することができる。 ｂ．排水桝の側壁および底壁にフィルタを設け、これにより流入排水中の異物並 びに有機物を捕捉するから、そのフィルタを適切な時期に交換もしくは洗浄する ことにより濾過機能が回復し、排水は常時効果的に地中に浸透され、なおフィル タの濾材として活性炭，カキ殼等を選定することにより有害物質の吸着除去が可 能である。 ｃ．フィルタを着脱自在に設けたから、フィルタの交換が容易であるほか、洗浄 に際しての取外し並びに取付けが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の浸透型排水桝を設置した状態を示す縦
断側面図である。

【図２】本体の要部の横断平面図である。

【符号の説明】

１ 側壁 ２ 底壁 ４ 上方開口部 ６ 蓋 ８ 開口部 ９ 凹部 １０ 通水孔 １１ フィルタ １２ フィルタ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方開口部（４）がある容器状排水桝で
   あって、側壁（１）内面に複数の浅い凹部（９）を広範
   囲にわたり形成するほか、これら各凹部（９），（９）
   には比較的大きい複数個の通水孔（１０），（１０）を
   貫通状態に穿設すると共に、フィルタ（１１），（１
   １）を内方から着脱自在に設け、更に上方開口部（４）
   には蓋（６）またはグレーチングを冠設したことを特徴
   とする浸透型排水桝。
2. 【請求項２】 容器状排水桝の底壁（２）に開口部
   （８）を設けてこの開口部（８）にフィルタ（Ｉ２）を
   着脱自在に設けた請求項１の浸透型排水桝。