JP3000522B2 - 誘導式運搬車 - Google Patents

誘導式運搬車

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JP3000522B2
JP3000522B2 JP9-234970A JP23497097A JP3000522B2 JP 3000522 B2 JP3000522 B2 JP 3000522B2 JP 23497097 A JP23497097 A JP 23497097A JP 3000522 B2 JP3000522 B2 JP 3000522B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工場内、倉庫内
等の床面に敷設した磁気テープ等の誘導体による誘導路
に沿って走行させ各種の物品を無人で運送させる誘導式
運搬車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、予め設定した誘導路に沿って走行
させ各種の物品を無人で運送させる誘導式運搬車が国内
及び外国で種々開発され実用に供されている。本出願人
も登録実用新案第3013716号及び平成8年特許出
願第196618号の磁気誘導式運搬車を開発し実用に
供している。
【0003】前記登録実用新案に係る磁気誘導式運搬車
は、図9に示したように、1台の磁気誘導型操舵駆動ユ
ニット3が台車の車台6の下面部の中央よりも少し前寄
り位置(前輪4に近い位置)に着脱自在に取り付けられ
ている。この磁気誘導型操舵駆動ユニット3は、誘導路
の磁気テープが発生する磁気(磁力線)を検出する磁気
センサー8を前部に備え、1個の駆動輪1及びこれを駆
動するモータ2、並びに同駆動輪1の自動操舵装置とか
ら成る。前記車台6の下面の四隅位置に車輪4,4’が
取り付けられている。前輪4は操舵性の良い自在キャス
ターで、後輪4’は固定車輪である。また、車台6の後
部に電池31が設置され、主として磁気誘導型操舵駆動
ユニット3の自動制御を統括する制御装置32が磁気誘
導型操舵駆動ユニット3の後部下面部に設置されてい
る。
【0004】一方、前記先願発明に係る磁気誘導式運搬
車は、図10に示したように、2台の磁気誘導型操舵駆
動ユニット3,3を持ち、1台は台車の車台下面の前寄
り位置(前輪に近い位置)に、他の1台は後寄り位置
(後輪に近い位置)に、各々車台6の前後方向に略対称
な配置で、同車台6の下面部に着脱可能に取り付けられ
ている。前記2台の磁気誘導型操舵駆動ユニット3,3
は、各々の前部・後部に、誘導路の磁気テープが発生す
る磁気(磁力線)を検出する磁気センサー8a,8bを
備えている。2台の磁気誘導型操舵駆動ユニット3,3
の構成及び機能は、上記した登録実用新案に記載された
ものと同様であるが、この磁気誘導式運搬車の場合は常
に2台の磁気誘導型操舵駆動ユニット3,3を併用運転
し、走行方向の前側に位置する磁気センサーで誘導路を
検出して前進走行又は後退走行を行う。そのため、車台
6の下面部の四隅位置の車輪4は全て操舵性の良い自在
キャスターである。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】上記の登録実用新案
に係る磁気誘導式運搬車(図9)は、車台6の前寄りに
位置する駆動輪1が台車を牽引する形で走行し、且つ操
舵する構成であるため、駆動輪1を逆転させて後退走行
させるときは、駆動輪1の推進力の向きと台車の重心位
置及び同台車の走行抵抗の向きとが複合的に働くことに
なり、この磁気誘導式運搬車を駆動輪1のみで操舵する
ことは事実上不可能である。従って、この磁気誘導式運
搬車の用途は閉ループ状の誘導路を一方向へ走行する用
法に限定され、後退走行を必要とするような複雑な誘導
路を走行させる用法には適用できない。
【0006】上記の先願発明に係る磁気誘導式運搬車
(図10)は、前進走行と後退走行の双方を2台の磁気
誘導型操舵駆動ユニット3,3を併用して行う。つま
り、2台の磁気誘導型操舵駆動ユニット3,3は各々の
進行方向の前側に位置する磁気センサーにて誘導路を検
出して強制操舵しつつ前進走行又は後退方向を完全に同
一の条件で行うから、曲線走行時に尻を振ることなく一
定の車幅で走行する。そして、前進走行と後退走行の組
み合わせを必要とするような複雑な誘導路での使用に何
の問題もない。
【0007】しかし、図10の磁気誘導式運搬車は2台
の磁気誘導型操舵駆動ユニット3,3を併用するから、
磁気誘導型操舵駆動ユニットが1台である場合よりも製
作コストは2倍以上に増大する。しかも前後2台の磁気
誘導型操舵駆動ユニット3,3を前進走行と後退走行に
併用するため、及び同期運転するための制御装置が複雑
化する。また、車台の前後に2台の磁気誘導型操舵駆動
ユニット3,3を取り付けるため前後方向に長い車台が
必要になり、磁気誘導式運搬車全体の大きさ(長さ)が
大型化する。のみならず、誘導路のコーナー部の走行に
際して、前後2台の磁気誘導型操舵駆動ユニット3,3
を同期運転して内輪差又は外輪差を再小限に抑制する制
御を実施しても、磁気誘導式運搬車が同コーナー部を走
行するために最小限必要な走行幅の拡大を避けられない
から、狭い場所での使用に問題がある。
【0008】したがって、本発明の目的は、操舵駆動ユ
ニットが1台であり、しかも前進走行と後退走行の運転
を何の不自由もなく行えるように改良した誘導式運搬車
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決するための手段として、請求項1の発明に係る誘導式
運搬車は、少なくとも四隅位置に車輪を備えた台車の車
台下面部に操舵駆動ユニットが取り付けられ、床面の走
行路に沿って敷設した誘導体が発する誘導信号により誘
導され走行する誘導式運搬車において、前記台車の四隅
位置の車輪は全て自由・固定の切替えが自在なキャスタ
ーであること、前記台車の車台下面部の略中央に1台の
操舵駆動ユニットが進行方向の前後へ単独に自走自在
に、かつ車台に対して着脱可能に取り付けられているこ
と、前記操舵駆動ユニットの前部及び後部にそれぞれ誘
導体の誘導信号を検出するセンサーが設置されているこ
と、前記操舵駆動ユニットは、誘導式運搬車の前進走行
と後退走行の切替え操作に伴い車台に対し単独で進行方
向前側へ自走してその運転位置が変更されること、前記
キャスターは、誘導式運搬車の前進走行と後退走行の切
替えに伴い進行方向前側のキャスターが自由車輪に、後
側のキャスターが固定車輪に切替わること、をそれぞれ
特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1に記載し
た誘導式運搬車において、操舵駆動ユニットと合一に移
動するスライドベースに、台車の四隅位置のキャスター
に向って接近し又は遠去かる切替え板が設けられてお
り、各キャスターには前記の切替え板が接近し又は遠去
かる動作を利用してキャスターの旋回を拘束し又は解放
するロック板が付設されていることを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
記載した誘導式運搬車において、台車の車台下面部に
は、操舵駆動ユニットの前端又は後端の制止位置にマグ
ネットが取り付けられていること、前記マグネットの磁
気は、誘導式運搬車の前進走行と後退走行の切り替え操
作に従って進行方向後側のマグネットの磁気が解除さ
れ、前側のマグネットの磁力で操舵駆動ユニットの運転
位置が固定されること、をそれぞれ特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1又は2若
しくは3に記載した誘導式運搬車において、操舵駆動ユ
ニットの駆動輪を接地状態と浮上状態とに切替える切替
え機構が設けられていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態及び実施例】図1及び図2に示した
誘導式運搬車は、上部構造の図示を省略した台車の車台
6の下面部の四隅位置に自由・固定の切替えが自在なキ
ャスター4を備えている。図1と図2に示した車台6は
図示の便宜上平板状に表現しているが、実際には図9に
示したようにパイプ材を継手により連結して枠状に組立
てたものなどが使用される。各自在キャスター4は、図
4,図5に詳示したとおり、車台6の下面に固定した取
付板18に対して、車輪42を支持するブラケット40
の上端に設けた垂直な回転軸44が軸受45により水平
回転が自在に取り付けられ、自在キャスターの機能を備
えている。
【0014】前記取付板18の側面部、更に詳しくは図
2において左右方向の内側の側面に、自在キャスター4
を固定車輪に切り替えるロック板14がヒンジ140に
より上下方向への起伏回動が自在に設置されている。ロ
ック板14は図4の方向に見ると下向きにП形状をなす
(図4)。一方、取付板18の同じ側面部には、前記ロ
ック板14の前記П形状の内側に納まる突部142が設
けられている。図4,図5に実線で示したようにロック
板14が自重作用(又は図示省略のねじりコイルバネの
作用)により略水平姿勢にまで下向きに回転し、該ロッ
ク板14のП形状の内側に突部142が納まると、自在
キャスター4のブラケット40の水平回転が拘束され、
固定車輪の状態になる。逆にロック板14が鎖線図示の
位置まで上向きに回転し、突部142の拘束が外れると
自由車輪になる。
【0015】車台6の下面部の略中央に、1台の操舵駆
動ユニット3が、ユニット取付板20を介して着脱可能
に取り付けられている(図2)。ユニット取付板20
は、図2のように複数のボルト21により車台6の下面
へ着脱可能に取り付けられている。このユニット取付板
20の下面に設けたスライド機構9(図7)を介して操
舵駆動ユニット3が当該誘導式運搬車の進行方向の前後
方向へ単独に(相対的に)自走自在に取り付けられてい
る。この操舵駆動ユニット3の構成及び機能は、上記
[従来の技術]の項で述べた先願発明に開示したものと
略同様である。即ち、操舵駆動ユニット3は、駆動輪1
及びこれを駆動する走行用の正逆回転可能なモータ2、
並びに同駆動輪1の操舵用モータ11を含む自動操舵機
構とから成る。
【0016】スライド機構9は、例えば実公昭62−8
429号公報に記載されて公知であるように、平行に相
峙する二つの軌道部材の間に複数のベアリングボールが
順に循環するように組込まれた構成である。図7におい
て、ユニット取付板20の下面にボルト9cで取り付け
固定された一方のスライドレール9aと、同スライドレ
ールに沿って滑走するスライダー9bとの間に複数のボ
ール9dが順次に循環するように介在する構成とされて
いる。下側のスライダー9bは取付板19に固定されて
おり、左右二つの取付板19,19は共通板22へ取付
られ、共通板22がスライドベース10の上面に固定さ
れている。
【0017】前記スライドベース10の下面に操舵用の
太陽ギヤ23が固定され(図3,図6)、該太陽ギヤ2
3の中心に位置する垂直な旋回軸(図示省略)の下に駆
動輪1のホルダベース7が旋回可能に支持されている。
ホルダベース7の下面に走行用モータ2が設置されてい
る。また、ホルダベース7の一側部に取付けた操舵用モ
ータ11の操舵ギヤ24が前記太陽ギヤ23と噛み合わ
され、自動操舵可能に構成されている。ホルダベース7
の前後の端部に磁気センサー8a,8bが設置され、床
面25の走行路に沿って敷設した誘導体としての磁気テ
ープ(図示省略)が発する誘導信号たる磁気を前記磁気
センサー8a又は8bで検出して誘導される。そのため
ホルダベース7の一部に制御装置12が付設されてい
る。但し、床面に敷設する誘導体としては、前記した磁
気テープの他に、電線や磁性体又は光学誘導テープなど
を敷設し、それらが発する磁気又は光学的な誘導信号を
センサーで検出する構成で実施することもできる。
【0018】上記の構成であるから、始動スイッチによ
り駆動輪1が前進方向又は後退方向に回転駆動される
と、その推進力により先ずはスライド機構9より下のス
ライドベース10と共に操舵駆動ユニット3が、静止を
保つ車台6に対して単独で(又は相対的に)図1又は図
3に例示したように自走し、同駆動輪1の位置が誘導式
運搬車の進行方向(前進又は後退)の前側寄りの位置へ
偏位し、誘導式運搬車を牽引するのに適切な運転条件が
整う。
【0019】前記操舵駆動ユニット3の始動当初の前記
自走に伴うスライドベース10の移動を利用して、台車
の四隅位置の自在キャスター4を、前輪が操舵容易な自
由車輪に、後輪は走行安定性の高い固定車輪に切り替え
る。その手段として、スライドベース10に切替え板5
が取付けられている。この切替え板5は、図1と図3の
対照で明らかなように、操舵駆動ユニット3及びスライ
ドベース10に許容された移動ストロークの限度内で、
その前端又は後端が各自在キャスター4に附属するロッ
ク板14のカムフォロア141へ必要十分に到達する長
さに設けられている。しかも、切替え板5の前端及び後
端部には、前記カムフォロア141を介してロック板1
4を図5に鎖線で図示したようにブラケット40の突部
142から完全に外れる高さ位置まで押し上げる角度の
傾斜面5aが形成されている。
【0020】従って、操舵駆動ユニット3の運転当初の
前記自走により切替え板5が接近した進行方向前側の自
在キャスター4は、図5又は図6に示したように前記傾
斜面5aがカムフォロア141を介してロック板14を
上向きに回動させ、突部142から外して自由車輪の状
態に切り替える。このとき逆に、同切替え板5が遠のい
た後方側の自在キャスター4は、切替え板5による規制
力を失ったロック板14がその自重作用等により下向き
に回動して突部142を拘束し、固定車輪の状態に切り
替える。
【0021】上述したような運転条件を確定する手段と
して、車台6の下面には、スライドベース10の前端又
は後端が接近して、切替え板5がロック板14を切替え
動作を完成した位置(制止位置)に、丁度スライドベー
ス10の前端又は後端が当接する電磁石15,15が固
定されている(図2参照)。つまり、この誘導式運搬車
の運転を開始し又は再開する当初に、前進・後退の切替
え操作(スイッチング操作)を行うと、操舵駆動ユニッ
ト3の走行用モータ2が始動され、駆動輪1が回転する
と操舵駆動ユニット3の自走が始まる。と同時に、前記
切替え操作(スイッチング操作)により、それまで操舵
駆動ユニット3の一部をなすスライドベース10が接触
していた電磁石15の磁気が解除され、前記操舵駆動ユ
ニット3の自走に際しスライドベース10が電磁石15
から離れることを容易ならしめる。そして、相対的に静
止した台車に対して操舵駆動ユニット3のみが単独で自
走を続け、そのスライドベース10が前進方向に位置す
るもう一方の電磁石15へ突き当たり磁気吸引力で強く
接合した段階で、操舵駆動ユニット3と車台6とは再び
多少の外力や振動などが作用しても離れない程度の一体
的関係を結び、誘導式運搬車としての走行を始める。従
って、スライドベース10は良磁性材料で作られてい
る。こうした誘導式運搬車の進行方向の切替えに伴う操
舵駆動ユニット3の位置の変化を図1と図3に表現して
いる。
【0022】前記操舵駆動ユニット3の自走と共にスラ
イドベース10が前方の電磁石15へ接触するのと同時
に、同スライドベース10に取り付けてある切替え板5
の傾斜面5aが、接近した自在キャスター4のロック板
14のカムフォロア141の下側へ図5のように潜り込
み、更なる前進と共にロック板14を上向きに回転さ
せ、遂にはロック板14を突部142から完全に外れさ
せるに至る。その結果、誘導式運搬車の進行方向の前輪
となる当該キャスター4は旋回が自在な自由車輪とな
り、駆動輪1による操舵機能が働き易い構成となる。逆
に、スライドベース10の前記移動と共に切替え板5が
離れ、誘導式運搬車の進行方向において後輪となる自在
キャスター4は、直ちにそのロック板14が自重作用等
により下向きに回転して突部142を拘束する状態とな
り、当該キャスター(後輪)は旋回が不能の固定車輪の
状態となる。従って、誘導式運搬車の走行時に後部がフ
ラフラと不安定に所謂お尻を振ることを防ぐ。
【0023】台車の各自在キャスター4が前記したよう
に誘導式運搬車の前進走行と後退走行の切替えに伴って
自由車輪と固定車輪に切替えられることを考慮して、各
自在キャスター4の構成は、図6に詳示したように、ブ
ラケット40の軸孔43が、垂直な旋回軸の位置を中心
として前後方向へ適度に長い水平な長孔として形成さ
れ、車輪42の車軸41は前記軸孔43の中を移動可能
とされている。その結果、上述したように誘導式運搬車
の進行方向が前進と後退に切り替わると、誘導式運搬車
の走行開始と同時に各自在キャスター4の車輪42は、
その車軸41が軸孔43中を滑動して進行方向の後側端
部に位置した状態で走行することになる(図1と図3の
変化を参照)。その結果、特に自由車輪となった前輪側
の自在キャスター4に関しては、車輪42の車軸41が
旋回軸の中心よりも進行方向の後側に位置し、操舵を鋭
敏に行うことができるのである。
【0024】次に、操舵駆動ユニット3の駆動輪1を、
走行に必要な接地状態と、路面から完全に離れた浮上状
態とに切替える切替え機構13の構成を主に図7と図8
に基いて説明する。切替え機構13の重要性は、誘導式
運搬車に搭載した電池の充電、或いは誘導式運搬車に発
生した機械的、電気的な故障の修理のため、手押し操作
により誘導路から目的の場所に向って誘導式運搬車の移
動を容易ならしめるにある。
【0025】切替え機構13としては、まず上記したス
ライドベース10が、図7に示したように、平たい箱形
構造で上下に嵌まり合う上ケース101と下ケース10
2との組み合わせで構成されていることを前提とする。
両ケース101と102は複数の垂直なガイドピン10
3に沿って垂直方向に相対移動が可能に組み合わされて
いる。ガイドピン103には圧縮用のコイルバネ104
が設置され、同バネの両端は上ケースと下ケースに当接
されている。従って、両ケース101と102は常に上
下方向に開くバネ力を受け、結局下ケース102が押し
下げられている。上述したスライド機構9の下半部は共
通板22を介して上ケース101の上面に固定され、下
ケース102の下面に操舵駆動ユニット3の操舵用の太
陽ギヤ23が固定されている。そして、図示を省略した
垂直な旋回軸以下の操舵駆動ユニット3は下ケース10
2の下面に取付けられている。
【0026】図1と図3に示しているとおり、操舵駆動
ユニット3の垂直な旋回軸(図示は省略)の中心線P
(図8)と直交する水平な中心線上の位置であって、ス
ライドベース10の特に上ケース101の両側壁を水平
方向に貫通する高さ位置に支軸132が設置されてい
る。スライドベース10の左右の両側部には、図8に示
したカム形状線133を持つ平板状のカムプレート13
1における基端部の上角位置が、前記支軸132へ回動
可能に取付られている。両側2個のカムプレート131
は、支軸132を仲介として対称的配置の関係に固定し
た構成とされている。下ケース102の下面部であって
前記支軸132の垂直下方の位置に、カムフォロア13
5が、前記カムプレート131のカム形状線133が支
軸132を中心として回動する範囲において干渉を起こ
すように突き出して設けられている。そして、左右2個
のカムプレート131,131を合一に回動させる手動
ハンドル16が各カムプレート131の自由端寄り位置
に左右対称的配置で、且つ水平横方向へ長く突き出して
設けられている。
【0027】前記カム形状線133は、図8に明示した
ように、支軸132とカムフォロア135が前記垂直な
中心線Pの上下に離れて位置し、駆動輪1が床面に接し
て推進力を発揮する接地状態において、支軸132の中
心からカムフォロア135の下端までの距離がAである
場合に、支軸132を中心として前記A寸法よりも十分
に大きく余裕をもつ半径Rを基準とする直線部133a
をもつ。そして、図8のカムプレート131の反時計回
り方向へ約90゜の回転範囲にわたり、駆動輪1が床面
25から完全に浮上して空転する上昇距離hを前記A寸
法から差し引いた半径rへと次第に変化させる円弧部1
33bと、及び半径rを基準とする直線部(接線部)1
33cをもつように、カムプレート131を切り抜き加
工した板端縁(エッジ)としてカム形状線133が成形
されている。
【0028】従って、図8に示す位置から、作業員が左
右どちらかの手動ハンドル16を押し下げるように時計
回り方向Eへ回すと、カムプレート131は支軸132
を中心として回転が進む。その過程で、まずカム形状線
133の円弧部133bがカムフォロア135の下面に
接し、その後はカムプレート131の回転の進みにした
がい、カムフォロア135を押し上げるリフト量が増大
する。カムプレート131の回転が約90゜進み、半径
rの直線部133cがカムフォロア135と接触する段
階で、カムフォロア135は予定の上昇ストロークhを
達成する。そして、そのままの位置で逆戻りすることな
く力の平衡を保って安定な支持状態となる。即ち、カム
フォロア135と共に下ケース102に取付けた操舵駆
動ユニット3の駆動輪1はh寸法だけ上昇して床面から
完全に浮上し、空転する状態となる。従って、駆動輪1
に働いている走行用モータ2の磁気抵抗、及び伝動機構
その他の機械的抵抗を一切受けることなく、台車の自在
キャスター4を利用してこの誘導式運搬車を目的の場所
まで軽く移動させることができる。
【0029】逆に、この誘導式運搬車を誘導体を敷設し
た誘導路にまで運んで誘導運転を始めるに際しては、や
はり作業員が誘導式運搬車の左右どちらかの手動ハンド
ル16を図8の反時計回り方向Fへ引き上げるように回
す。すると、カムフォロア135がカム形状線133の
変化に応じて下降してゆき、約90゜回した段階で図8
の状態に復帰し、駆動輪1が床面に接地した運転可能状
態となる。なお、この運転状態を確定するため、カムプ
レート131は、図8の位置を位置決めボルト手段13
4によって固定する。
【0030】図中の符号17は誘導式運搬車の前後に取
付けたバンパーである。
【0031】
【本発明が奏する効果】本発明に係る誘導式運搬車は、
1台の操舵駆動ユニットが運転開始の当初にスライド機
構を介して誘導式運搬車の進行方向前側へ自走して偏位
し、前進時及び後退時ともに駆動輪が誘導式運搬車の平
面的な重心位置よりも前側に位置し、誘導式運搬車を牽
引する形の推進力を発揮して走行するから、前進・後退
ともに全く同一の条件で誘導路に沿って走行する。した
がって、閉ループの誘導路を一方向に周回する運転のみ
ならず、前進と後退をくり返す往復運転や前進・後退を
複雑に組み合わせた走行の運転にも何の支障もなく適用
できる。即ち、誘導路は閉ループ状に限らないから、広
く適用性に優れた荷役作業に寄与せしめ得る。
【0032】しかも、操舵駆動ユニットは1台であるか
ら製作コストを比較的に低く抑えることができると共
に、車台の前後方向長さを必要最小限度に小さく設計で
き、制御装置も簡単に構成できるほか、誘導式運搬車の
走行に必要な誘導路の車幅スペースも必要最小限度で済
ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘導式運搬車の前進走行時を示し
た正面図である。
【図2】本発明に係る誘導式運搬車を示した底面図であ
る。
【図3】本発明に係る誘導式運搬車の後退走行時を示し
た正面図である。
【図4】キャスターの自由・固定切替え機構を示した説
明図である。
【図5】キャスターの自由・固定切替え機構を示した説
明図である。
【図6】キャスターの自由・固定切替え機構を示した説
明図である。
【図7】スライド機構及び切替え機構を説明した説明図
である。
【図8】切替え機構を説明した説明図である。
【図9】従来技術を示した正面図である。
【図10】従来技術を示した正面図である。
【符号の説明】
1 駆動輪 2 走行用モータ 3 操舵駆動ユニット 4 キャスター 5 切替え板 6 車台 7 ホルダベース 8a 磁気センサー 8b 磁気センサー 9 スライド機構 10 スライドベース 11 操舵用モータ 12 制御装置 13 切替え機構 14 ロック板 15 電磁石 16 手動ハンドル 17 バンパー 18 取付板 19 取付板 20 ユニット取付板 21 ボルト 22 共通板 23 太陽ギヤ 24 操舵ギヤ 25 床面

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも四隅位置に車輪を備えた台車の
    車台下面部に操舵駆動ユニットが取り付けられ、床面の
    走行路に沿って敷設した誘導体が発する誘導信号により
    誘導され走行する誘導式運搬車において、 前記台車の四隅位置の車輪は全て自由・固定の切替えが
    自在なキャスターであること、 前記台車の車台下面部の略中央に1台の操舵駆動ユニッ
    トが進行方向の前後へ単独に自走自在に、かつ車台に対
    して着脱可能に取り付けられていること、 前記操舵駆動ユニットの前部及び後部にそれぞれ誘導体
    の誘導信号を検出するセンサーが設置されていること、 前記操舵駆動ユニットは、誘導式運搬車の前進走行と後
    退走行の切替え操作に伴い車台に対し単独で進行方向前
    側へ自走してその運転位置が変更されること、 前記キャスターは、誘導式運搬車の前進走行と後退走行
    の切替えに伴い進行方向前側のキャスターが自由車輪
    に、後側のキャスターが固定車輪に切替えられること、
    をそれぞれ特徴とする誘導式運搬車。
  2. 【請求項2】操舵駆動ユニットと合一に移動するスライ
    ドベースに、台車の四隅位置のキャスターに向って接近
    し又は遠去かる切替え板が設けられており、各キャスタ
    ーには前記の切替え板が接近し又は遠去かる動作を利用
    してキャスターの旋回を拘束し又は解放するロック板が
    付設されていることを特徴とする、請求項1に記載した
    誘導式運搬車。
  3. 【請求項3】台車の車台下面部には、操舵駆動ユニット
    の前端又は後端の制止位置にマグネットが取り付けられ
    ていること、 前記マグネットの磁気は、誘導式運搬車の前進走行と後
    退走行の切り替え操作に従って進行方向後側のマグネッ
    トの磁気が解除され、前側のマグネットの磁力で操舵駆
    動ユニットの運転位置が固定されること、をそれぞれ特
    徴とする請求項1又は2に記載した誘導式運搬車。
  4. 【請求項4】操舵駆動ユニットの駆動輪を接地状態と浮
    上状態とに切替える切替え機構が設けられていることを
    特徴とする、請求項1又は2若しくは3に記載した誘導
    式運搬車。
JP9-234970A 1997-08-29 1997-08-29 誘導式運搬車 Expired - Lifetime JP3000522B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-234970A JP3000522B2 (ja) 1997-08-29 誘導式運搬車
US08/949,856 US5988306A (en) 1997-08-29 1997-10-14 Automatically guided vehicle
CA002217814A CA2217814C (en) 1997-08-29 1997-10-28 Automatically guided vehicle
CN97123094A CN1094858C (zh) 1997-08-29 1997-12-05 自动引导式车辆

Applications Claiming Priority (4)

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Publication Number Publication Date
JPH1173223A JPH1173223A (ja) 1999-03-16
JP3000522B2 true JP3000522B2 (ja) 2000-01-17

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