JP3000415U - ファインダの密閉構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 液晶表示板を有するファインダにおいて、密
閉構造の省部材化、コストダウンを図ること。 【構成】 ファインダ本体の途中液晶表示板２５を配置
し、この液晶表示板２５を含むファインダ本体内の光路
の少なくとも一部の前後を密閉するファインダにおい
て、上記液晶表示板２５を構成する偏光板２５ａを、液
晶板本体２５ｂから離反して上記ファインダ本体１０の
入射側開口部１３に密閉状態で固定したこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、液晶表示板を有するファインダに係り、より具体的には、ファイン ダ光学系の一部または全部を密閉する密閉構造に関する。

【０００２】

【従来技術およびその問題点】

レンズシャッタ式カメラなどに搭載される実像式ファインダにおいて、対物レ ンズ群の焦点面上にあるいはその前後近傍に光学素子、例えば透過型の液晶表示 板（ＬＣＤ）を配置し、この液晶表示板の前方にコンデンサレンズを配置したも のがある。その一例を図３に示したが、このように対物レンズ群Ｌ１のほぼ焦点 面の近傍に光学素子（コンデンサレンズ６３）が配置されている場合、コンデン サレンズ６３の第一面６３ａ、第二面６３ｂ、あるいは液晶表示板６５にゴミな どが付着すると、そのゴミは焦点面の近傍に位置するため、撮影者には合焦状態 で視認されてしまい、被写体像に重なって非常に目障りになる。

【０００３】 そこで、光学素子を含むファインダ光路の一部を、周辺空間から密閉すること が考えられる。例えば、筒状の空間を構成するファインダ本体５１内に、ダハミ ラー６１、コンデンサレンズ６３、液晶表示板６５（第一の偏光板６５ａ、液晶 板本体６５ｂ、第二の偏光板６５ｃ）、ペンタプリズム６７、接眼レンズＬ２を 収納する。そして、ファインダ本体５１の入射側開口５３を第一のカバーガラス ６８で密閉し、射出側開口５４を第二のカバーガラス６９で密閉する構造が提案 された。 しかし、このファインダの密閉構造は、密閉用の二枚の透明ガラス板（カバー ガラス６８、６９）の分だけ部材が増加し、組み立て工程が増加し、コストアッ プしていた。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は、上記従来のファインダの密閉構造の問題に鑑みてなされたもので、 液晶表示板を有するファインダにおいて、密閉構造の省部材化、コストダウンを 図ることを目的とする。

【０００５】

【考案の概要】

この目的を達成する本考案は、液晶表示板は偏光板を備え、その偏光板は液晶 表示板からある程度離反しても差し支えないことに着目してなされたもので、フ ァインダ光路中に液晶表示板を配置し、この液晶表示板を含むファインダ光学系 の光路の少なくとも一部をファインダ本体により密閉するファインダにおいて、 上記液晶表示板を構成する偏光板の一枚を、上記ファインダ本体の入射側開口部 または射出側開口部に密閉状態で固定したこと、に特徴を有する。

【０００６】

【実施例】

以下図示実施例に基づいて本考案を説明する。図１は、本考案を適用した実像 式ズームファインダの一実施例を、ファインダ本体の蓋を外した状態で示す平面 図、図２は同実像式ズームファインダを対物レンズ群を除いて示す正面図である 。この実像式ファインダは、例えばレンズシャッタ式カメラに搭載される。

【０００７】 この実像式ファインダは、光学素子として、ズーム機能を有する対物レンズ群 Ｌ１（Ｌ11、Ｌ12）、ダハミラー２１、コンデンサレンズ２３、液晶表示板２５ 、ペンタプリズム２７、接眼レンズＬ２およびカバーガラス２９を備えている。 これらの光学素子のうち、対物レンズ群Ｌ１を除く、ダハミラー２１、コンデン サレンズ２３、液晶表示板２５、ペンタプリズム２７、および接眼レンズＬ２が 、ファインダ本体１０内に装着されている。そして、ファインダ本体１０の射出 側開口部１４には、この開口部１４を密閉し、また接眼レンズＬ２を保護する部 材としてカバーガラス２９が固定されている。

【０００８】 なお、対物レンズ群Ｌ１の一方のレンズ群Ｌ12は、図示しない駆動機構に支持 され、かつ撮影レンズのズーミングに連動して光軸と平行に移動され、ズーミン グする。また、本考案は、対物レンズ群Ｌ１をファインダ本体１０に装着する構 造にしてもよい。さらに本考案は、ズームファインダ、固定焦点ファインダにか かわらず適用できる。

【０００９】 ファインダ本体１０は、ファインダ光路に沿う方向に分割形成された筐体１１ および蓋１２から構成されている。筐体１１は、ファインダ光路の入射、射出方 向および上方の三方が開放された横断面コ字形状を呈していて、上部に嵌合され た蓋１２により上方の開放が閉鎖されている。そして、筐体１１および蓋１２の 内側面により、横断面長方形の光路が形成されている。なお、これらの筐体１１ および蓋１２は、通常、合成樹脂により成形され、その材質および色は反射率が 低いものが好ましく、例えば黒色で形成される。

【００１０】 液晶表示板２５は、周知の通り、マトリックス状に配置された多数の液晶素子 を有する液晶板本体２５ｂと、液晶板本体２５ｂの前後に配置された２枚の偏光 板２５ａ、２５ｃとを備えている。この液晶表示板２５は、図示しない制御、駆 動回路により、シャッター速度、絞り値、露出モード、ストロボ情報、ドライブ 情報などの情報や、フォーカス範囲を示すフォーカスフレーム、測光範囲を示す 測光フレーム、パノラマまたは標準サイズの撮影画面範囲、あるいは近接撮影時 の撮影画面範囲を示す撮影フレームなどが表示される。

【００１１】 本実施例は、ファインダ本体１０の前方の開放部である入射側開口部１３を、 液晶表示板２５の一方の偏光板２５ａで密閉したことに特徴がある。このファイ ンダ本体１０の他方の開放部である射出側開口部１４は、カバーガラス２９によ り密閉されている。なお、本実施例では、ファインダ光路をファインダ本体１０ の光学的な前後端部においてその間の区間を密閉する構造としてあるが、前後端 部ではなく、光路途中においてその間の光路を密閉する構造にしてもよい。

【００１２】 この実像式ズームファインダによると、次にように被写体像が観察される。対 物レンズ群Ｌ１を透過した被写体光束は、Ｐ偏光成分またはＳ偏光成分が第一の 偏光板２５ａを透過してファインダ本体１０内に入射する。ファインダ本体１０ 内に入射した被写体光束（被写体像）は、ダハミラー２１の一対のダハ面２１ａ によりほぼ直角横方向に反射され、コンデンサレンズ２３により集光され、液晶 板本体２５ｂ、第二の偏光板２５ｃを透過する。ここで、ダハミラー２１による 反射により、正立被写体像が、液晶板本体２５ｂ上またはその前後近傍に正立像 として形成される。

【００１３】 第二の偏光板２５ｃを透過した被写体光束は、ペンタプリズム２７で二回反射 されて、対物レンズ群Ｌ１の光軸と平行に後方に導かれ、接眼レンズＬ２および カバーガラス２９を透過して、ファインダ本体１０の外に射出される。したがっ て撮影者は、カバーガラス２９および接眼レンズＬ２を介して、被写体像を正立 像として観察できる。

【００１４】 第一の偏光板２５ａは、入射側開口部１３を形成する筐体１１および蓋１２の 縁部に接着固定する。なお、筐体１１および蓋１２の開口部１３に臨む周縁部に 溝を形成し、その溝に第一の偏光板２５ａを嵌合する構成にすれば、位置決めお よび固定作業が容易になる。また、第一の偏光板２５ａの固定手段は接着剤に限 られず、ねじ、スナップなどの留め具でもよい。

【００１５】 以上の通り本実施例は、ファインダ本体１０の入射側開口部１３を、液晶表示 板２５の第一の偏光板２５ａにより密閉したので、ファインダ本体１０を密閉す るためのカバーガラスが一枚不要になり、部品点数が削減され、軽量化された。

【００１６】 以上の説明では本考案を、光軸が同一平面内に位置するズームファインダに適 用した実施例について説明したが、本考案は、ズーミングしないファインダにも 適用可能であり、図示実施例に限定されない。例えば、二組の反射光学素子とし てダハミラー、ペンタプリズムに代えてダハプリズム、ペンタミラーで構成して もよく、またポロプリズム、ポロミラー、あるいは、これらと同様の作用を果た す反射面を有するプリズム、ミラーを用いたファインダにも本考案は適用できる 。要するに本考案は、偏光板を有する液晶表示板を備えたファインダーにおいて 、偏光板を、カバーガラスなどの光路密閉部材に代えて光路を密閉する構造であ ればよいのである。

【００１７】

【考案の効果】

以上の通り本考案は、ファインダ本体に液晶表示板などを収納する密閉型ファ インダにおいて、液晶表示板の偏光板の一枚を、液晶板本体から離してファイン ダ本体に固定し、ファインダ光路を密閉する構造としたので、ファインダ本体の 光路を、特別な密閉部材によらずに、ゴミなどの侵入を防止できるファインダの 密閉構造の提供が可能になり、さらに部材、組み立て工程の削減をも図ることが 可能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用した実像式ズームファインダの一
実施例を、ファインダ本体の蓋を外した状態で示す平面
図光軸を通る面で横断して断面を示す平面図である。

【図２】同実施例を、対物レンズ群を除いて示す正面図
である。

【図３】従来の実像式ズームファインダを図１と同様の
状態で示す平面図である。

【符号の説明】

１０ ファインダ本体 １１ 筐体 １２ 蓋 １３ 入射側開口 １４ 射出側開口 ２１ ダハミラー ２３ コンデンサレンズ ２５ 液晶表示板 ２５ａ 第一の偏光板 ２５ｂ 液晶板本体 ２５ｃ 第二の偏光板 ２７ ペンタプリズム Ｌ１ 対物レンズ群 Ｌ２ 接眼レンズ

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ファインダ本体内の光路途中に液晶表示
   板を配置し、この液晶表示板を含むファインダ光路の少
   なくとも一部の区間を密閉するファインダにおいて、 上記液晶表示板を構成する偏光板の一枚を、上記ファイ
   ンダ本体の入射側開口部または射出側開口部にその開口
   部を遮閉する状態に固定したこと、 を特徴とするファインダの密閉構造。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記液晶表示板は、
   上記ファインダ本体内において、二組の反射光学素子の
   間に配置され、上記液晶表示板の偏光板の一枚は、上記
   ファインダ本体の入射側開口部に固定されているファイ
   ンダの密閉構造。
3. 【請求項３】 請求項１または２において、上記反射光
   学素子を構成する二組の光学素子は、ダハミラーおよび
   ペンタプリズムであることを特徴とするファインダの密
   閉構造。
4. 【請求項４】 請求項３において、上記ファインダ本体
   の他方の開口部はカバーガラスにより密閉され、上記偏
   光板および上記カバーガラスにより密閉されたファイン
   ダ本体内に、ダハミラー、コンデンサレンズ、液晶表示
   板の液晶板本体と他の偏光板、ペンタプリズムおよび接
   眼レンズが収納されているファインダの密閉構造。
5. 【請求項５】 請求項１ないし４のいずれか一項におい
   て、上記ファインダ本体は、ファインダ光路に沿って延
   びる筐体および蓋から構成されているファインダの密閉
   構造。
6. 【請求項６】 対物レンズ群と、ダハミラーと、コンデ
   ンサレンズと、液晶表示板と、ダハミラーと、接眼レン
   ズとを備えたファインダにおいて、 上記ダハミラー、コンデンサレンズ、液晶表示板、ペン
   タプリズムおよび接眼レンズをファインダ本体内に収納
   し、かつ上記液晶表示板を構成する偏光板の一枚を、上
   記対物レンズ群による結像面から離反した位置に固定
   し、ファインダ光路をファインダ本体とで密閉したこ
   と、 を特徴とするファインダの密閉構造。