JP3000045B2 - 鉄骨構造体の仕口およびその製作法 - Google Patents

鉄骨構造体の仕口およびその製作法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、閉鎖型断面の鉄骨柱
を使った鉄骨構造体の仕口およびその製作法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の閉鎖型断面の鉄骨柱を使った鉄骨
構造体の仕口1には、たとえば、図10から図16に示
す構造のものがある。図10および図11に示すもの
は、横断面が円形の鋼管を切断して、建物の階高に等し
い長さの柱部2a、2aと、仕口の上下方向の長さ
に略等しい長さの短い柱体2bとを作り、鋼板を加工し
てダイヤフラム3A、3Bを作り、長い柱部2aの上
端をダイヤフラム3Bの下面に突合せ溶接し、短い柱体
2bの下端をダイヤフラム3Bの上面に突合せ溶接し、
短い柱体2bの上端をダイヤフラム3Aの下面に突合せ
溶接し、長い柱部2aの下端をダイヤフラム3Aの上
面に突合せ溶接し、各ダイヤフラム3A、3Bの所定の
辺3aに鉄骨梁4のフランジ4aを突合せ溶接し、梁4
のウェブ4bを短い柱体2bの周面に溶接して鉄骨構造
体の仕口1を形成するものである。図12および図13
に示すものは、図10および図11に示すものと同様
に、横断面が円形の鋼管を切断して、長い柱部2a
2aおよび短い柱体2bとし、かつ鋼材を鍛造して環
状体5A、5Bを形成し、長い柱部2aの上端を環状
体5Aの下面に突合せ溶接し、短い柱体2bの下端を環
状体5Aの上面に突合せ溶接し、短い柱体2bの上端を
環状体5Bの下面に突合せ溶接し、長い柱部2aの下
端を環状体5Bの上面に突合せ溶接し、各環状体5A、
5Bの周囲の所定位置に造られた辺5aに梁3のフラン
ジ3aを突合せ溶接して、梁3のウェブ3bを短い柱体
2bの周面に溶接して鉄骨構造体の仕口1を形成するも
のである。
【0003】図14および図15に示すものは、角形鋼
管柱2の外形と略一致する形状の開口を有する鋼製の短
角筒状の補強板6A、6Bに水平ガセットプレート7を
水平に突設し、仕口の鉄骨梁3の上下のフランジ3aに
対応する角形鋼管柱2aの部分に、それぞれ前記補強板
6を嵌めて溶接等により固定し、上方の補強板6Bの水
平ガセットプレート7と下方の補強板6Aの水平ガセッ
トプレート7との間に垂直ガセットプレート8を垂直に
配し、垂直ガセットプレート8の内側縁8aを角形鋼管
柱2に溶接し、その上下縁8bをそれぞれ上下の水平ガ
セットプレート7に溶接し、水平ガセットプレート7に
鉄骨梁3のフランジ3aを突合せ溶接し、鉄骨梁3のウ
ェブ3bを垂直ガセットプレート8に溶接して鉄骨構造
体の仕口1を形成するものである。図16に示すもの
は、梁取付部の上下部の角形鋼管柱2に柱を貫通する多
数のボルト通し孔を穿ち、上下方向の両端に複数のボル
ト通し孔を穿った取付板9を鉄骨梁3の端部に溶接し、
鉄骨梁3の端部を角形鋼管柱2の梁取付部分に当て、鉄
骨梁に溶接した取付板9のボルト通し孔および角形鋼管
柱2のボルト通し孔に長いボルトを通し、ナットを回
し、これらのボルト・ナットbnにて鉄骨梁3の端部を
角形鋼管柱2に締め付けて、鉄骨構造体の仕口1を形成
するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図10および図11に
示すものは、鋼管の切断、鋼管とダイヤフラムとの突合
せ溶接等に多くの工数が必要なため、鋼管柱の仕口部の
生産効率の向上の障害になっており、鋼管柱の価格上昇
の要因になっている。そのうえ、鋼管柱の内部がダイヤ
フラムにより区切られているため、鋼管柱内にコンクリ
ートを充填する所謂鋼管コンクリート構造にすることが
できない欠点がある。図12および図13に示すもの
は、板状のダイヤフラムの代りに、鋼材を鍛造して造っ
た環状体5a、5bを使うから、鋼管柱内にコンクリー
トを充填することができ、鋼管コンクリート構造が可能
であるが、図9および図10に示すものと同様に、鋼管
の切断、鋼管とダイヤフラムとの溶接等に多く工数が必
要であり、生産効率の向上を阻害し、鋼管柱の価格上昇
の要因になっている。図14および図15に示すもの
は、鋼管を切断しない点で生産効率の向上に役立つが、
短角筒状の補強板の製作、補強板への水平ガセットプレ
ートの突設等に多くの工数が必要であり、また、各水平
ガセットプレートは補強板を介して連結されているだけ
であり、各鉄骨梁に作用する力を仕口全体に分散させ難
い欠点がある。図16に示すものは、角形鋼管柱2の梁
取付部に多数のボルト通し孔を穿ち、鉄骨梁の端部に複
数のボルト通し孔を穿った取付板9を溶接するため、鋼
管柱2の耐力が減少し、かつ穿孔、溶接等の加工に多く
工数が必要になり、生産効率の向上を阻害し、鋼管柱2
の価格上昇の要因になっている。この発明の解決しよう
とする課題は、前述の従来技術が具有する欠点をもたな
い鉄骨構造体の仕口を提供すること、換言すると、鋼材
の切断工数が低減でき、熟練を必要とする溶接作業が最
少にでき、鉄骨柱の精度を問わず鉄骨の生産性の向上に
寄与し得る鉄骨構造体の仕口およびその製作法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するための手段として、次の構成を採用する。この
発明の構成は、閉鎖型断面の鉄骨柱とH形断面の鉄骨梁
とが結合されている鉄骨構造体の仕口において、環状体
がその開口を鉄骨柱の外周の寸法より大きくして形成さ
れ、鉄骨梁のフランジに対応する鉄骨柱の部分に環状体
がそれぞれ嵌められ、環状体の内周面と鉄骨柱の外周面
との間の隙間の一部または全部が該隙間に打ち込まれた
多数の楔片で満たされて、環状体が鉄骨柱に対して不動
にされ、鉄骨梁のウェブが鉄骨柱に直接または鉄骨柱に
固着したガセットプレートを介して固定され、鉄骨梁の
フランジが環状体に溶接されていることを特徴とする鉄
骨構造体の仕口にある。閉鎖型断面の鉄骨柱としては、
たとえば、鋼管または角形鋼管を使う。環状体(スチフ
ナリング)は、たとえば、鍛造、切削加工、鋳造等によ
り一体に製造したり、複数の扇形またはL字形の部材を
溶接等により環状に結合(一体化)して製造したりす
る。環状体の環状の部分の幅および厚さは、鉄骨梁に作
用する力を環状体をとおして仕口全体に確実に分散させ
ることができる寸法とし、鉄骨梁等に作用する圧縮力、
引張力等に充分耐え得るようにする。好ましい実施例に
あっては、環状体の環状の部分はその幅をその厚さより
も大きくする。環状体の開口を鉄骨柱の外周の寸法より
大きくし、鉄骨柱に嵌め、環状体の内周面と鉄骨柱の外
周面との間に、多数の楔片を打ち込み得るような寸法に
する。
【0006】ガセットプレートは、鉄骨柱の鉄骨梁の取
付位置に、その内側縁を鉄骨柱の周面に溶接(例えば、
隅肉溶接)し、ガセットプレートの一方(上方)および
他方(下方)に環状体を位置させるようにする。たとえ
ば、上方の環状体の下面をガセットプレートの上端面に
当接させ、下方の環状体の上面をガセットプレートの下
端面に当接させると、一対の環状体が所定位置に位置で
きるように、ガセットプレートの寸法を定め、その溶接
位置を決める。この発明の鉄骨構造体の仕口において
は、鉄骨梁のフランジから鋼管柱への圧縮力Pcは、図
6に示すように、一方の側の楔片をとおして鋼管柱への
支圧力Pとして伝播され、鉄骨梁のフランジから鋼管
柱への引張力Ptは、図7に示すように、反対側の楔片
を通して、鋼管柱への支圧力Pとして伝播される。鉄
骨梁は、そのウェブをガセットプレートに固定してか
ら、そのフランジを環状体のフランジ取付部に固定す
る。好ましい実施形態においては、鉄骨柱に溶接したガ
セットプレートに鉄骨梁のウェブをボルト・ナットによ
り固定してから、鉄骨梁のフランジを環状体に溶接す
る。また、鉄骨柱に溶接したガセットプレートに鉄骨梁
のウェブを溶接する場合があり、鉄骨梁のウェブを鉄骨
柱に直接溶接する場合もある。鉄骨梁としては、上下に
フランジを備えたもの、たとえば、H形鋼を使う。そし
て、梁は、鉄骨造、鉄骨コンクリート造または鉄骨鉄筋
コンクリート造にする。
【0007】また、この発明の構成は、閉鎖型断面の鉄
骨柱とH形断面の鉄骨梁とが結合されている鉄骨構造体
の仕口の製作法において、環状体をその開口が鉄骨柱の
外周の寸法より大きくなるように形成し、鉄骨梁のフラ
ンジに対応する鉄骨柱の部分に環状体を嵌め、環状体の
内周面と鉄骨柱の外周面との間の隙間に多数の楔片を打
ち込んで、前記隙間の一部または全部を前記楔片で満た
して各環状体を鉄骨柱に固定し、鉄骨梁のウェブを鉄骨
柱に直接または鉄骨柱に溶接したガセットプレートを介
して固着し、鉄骨梁のフランジを環状体に溶接すること
を特徴とする鉄骨構造体の仕口の製作法にある。好まし
い実施形態においては、その開口を鉄骨柱の外周の寸法
より大きくしかつフランジ取付部をその周縁部に形成し
て環状体をつくり、鉄骨柱の所定位置にガセットプレー
トを溶接し、鉄骨柱に前記ガセットプレートを挾んで一
対の環状体を嵌め、環状体をガセットプレートの端面に
当接させて位置決めし、環状体の内周面と鉄骨柱の外周
面との間の隙間に多数の楔片を打ち込んで、前記隙間の
一部または全部を前記楔片で満たして各環状体を鉄骨柱
に固定し、各環状体をガセットプレートの端面に当接さ
せておくだけでこれに固着しないようにする。このよう
にすると、溶接作業を極限まで減少させることができで
きる。環状体の内周面と鉄骨柱の外周面との間の隙間の
一部または全部に打ち込んだ多数の楔片が弛んで移動す
る恐れのある場合は、打ち込んだ楔片を鉄骨柱または環
状体に固定する。鉄骨柱に嵌めた環状体を所定の位置に
位置させて、環状体の内周面と鉄骨柱の外周面との間の
隙間の一部または全部を多数の楔片で満たす作業は、鉄
骨製造工場で行ってもよいし、建築現場で鉄骨柱を建て
てから行ってもよい。この発明の構造体は、その鉄骨柱
が閉鎖型断面の鋼材で形成されており、その周囲に環状
体が嵌められ、環状体が多数の楔片を介して鉄骨柱に不
動にされているもので、鉄骨柱内の空間をさえぎるもの
はなにもないから、鋼管コンクリート構造にしても、コ
ンクリートの充填の障害になるものはなにもない。そし
て、鋼管コンクリート構造にすることにより、鋼管柱の
支圧力等が高められる。
【0008】
【作 用】この発明の鉄骨構造体の仕口は、環状体がそ
の開口を鉄骨柱の外周の寸法より大きくして形成され、
鉄骨梁のフランジに対応する鉄骨柱の部分に環状体がそ
れぞれ嵌められ、環状体の内周面と鉄骨柱の外周面との
間の隙間の一部または全部が該隙間に打ち込まれた多数
の楔片で満たされて、各環状体が鉄骨柱に対して不動に
され、鉄骨梁のウェブが鉄骨柱に直接または鉄骨柱に固
着したガセットプレートを介して固定され、鉄骨梁のフ
ランジが環状体に固着されているから、環状体の内周面
と鉄骨柱の外周面との間の隙間の一部または全部を多数
の楔片で満たすという比較的簡単な作業で各環状体を鉄
骨柱に固定でき、環状体と鉄骨柱との結合に溶接を使わ
ないから、結合の正否の検査も容易である。そのうえ、
鉄骨柱に結合した環状体に梁鉄骨のフランジを直接溶接
するから、鉄骨梁に作用する力を環状体および前記楔片
をとおして鉄骨柱に確実に伝播させることができる。
【0009】
【実施例】実施例1が図1ないし図7に示され、閉鎖型
断面の鉄骨柱として円形の横断面の鋼管を使い、環状体
12A、12Bを鋼材の鍛造により一体に造る例であ
る。環状体12A、12Bは、図1および図2に示すよ
うに、その環状の部分の幅wが厚さtよりも大きく、そ
の開口12aの内径dが鋼管柱11の外径dより大
きくなっている。なお、環状体12A、12Bは、図5
に示すように、その厚さtが鉄骨梁13のフランジの厚
さtよりも、たとえば、裏当て板Bpの厚さだけ厚く
造られている。環状体12A、12Bに、その周縁部1
2bの鉄骨梁13の取付位置に対応する部分が直線状に
切除され、フランジ取付部12cが形成されている。開
口12aの内周面12aは、図5に示すように、後記
する楔片16の傾斜面16aの傾斜角と略一致した傾斜
面にする。ガセットプレート14は、その上下方向の寸
法を鉄骨柱に取り付けられる鉄骨梁13の上下のフラン
ジ13aの内側面間の寸法に略一致させてあり、梁取付
位置に対応する鉄骨柱の部分に溶接により固定する。た
とえば、ガセットプレート14の内側縁14aを鋼管柱
11に隅肉溶接する。二つの環状体12A、12Bを、
ガセットプレート14を挾んで鋼管柱11に嵌める。図
1および図2に示すように、環状体12Aの下面をガセ
ットプレート14の上端面に当接させ、かつ環状体12
Aを鉄骨柱の長手方向に対して直角に維持した状態にし
て、環状体の内周面12aと鉄骨柱の外周面11aと
の間の隙間15の一部に多数の楔片16を打ち込み、ま
た、環状体12Bの上面をガセットプレート14の下端
面に当接させ、かつ環状体12Bを鉄骨柱の長手方向に
対して直角に維持した状態にして、環状体の内周面12
と鉄骨柱の外周面11aとの間の隙間15の一部に
多数の楔片16を打ち込む。隙間15の幅に広狭の差が
あつても、楔片16の打ち込み量を変えるだけで、隙間
15の広狭の差に容易に対応することができる。楔片1
6として、たとえば、図3および図4に示す形状のもの
を使う。この楔片16は鋼製で開口12aの内周面12
の傾斜角と略一致する傾斜面16aを有している。
図1、図2および図5に示すように、環状体の内周面1
2aと鉄骨柱の外周面11aとの間の隙間15のう
ち、鉄骨梁13のフランジ13aの環状体12Aへの取
付位置に対応する部分の隙間に、多数の楔片16を打ち
込み、環状体12A、12Bを鉄骨柱11に固定する。
【0010】所定位置に環状体12A、12Bを取り付
けた鉄骨柱11を建築現場に搬入し、鉄骨柱11を建
て、図1および図2の左側に示すように、ガセットプレ
ート14端面にH形鋼の鉄骨梁13のウェブ13bの端
面を対向させ、添え板spを当ててボルト・ナットbn
にて固定し(またはガセットプレートと鉄骨梁のウェブ
とを重ねボルト・ナットbnにて固定し)、あるいは、
図1および図2の右側に示すように、ガセットプレート
14と鉄骨梁のウェブ13bとを溶接する。次に、環状
体12A、12Bのフランジ取付部12cに鉄骨梁13
のフランジ13aを突合せ溶接bwする。建造の適宜の
段階で、鋼管柱11内にコンクリートcを充填して鋼管
コンクリート構造とし、鉄骨構造体の仕口10を完成す
る。環状体の内周面12aと鉄骨柱の外周面11aと
の間の隙間15に楔片16を打ち込む作業は、鉄骨製造
工場で行ってもよいし、建築現場で鉄骨柱11を建てて
から行ってもよい。建築現場で行う場合は、鉄骨製造工
場で梁取付位置に対応する鉄骨柱11の部分にガセット
プレート14を溶接する段階において、鉄骨柱11の長
手方向のガセットプレート14とガセットプレート14
との間の柱の部分に一対の環状体を嵌めて仮止めしてお
く。実施例1は、隙間15に楔片16を打ち込んで、環
状体12A、12Bを鋼管柱11に結合(固定)するも
のであるから、熟練者でなくとも環状体12A、12B
と鋼管柱11とを容易に結合でき、また、ガセットプレ
ート14と環状体12A、12Bとを溶接により結合す
る必要もないから、溶接作業を極限まで減少させること
ができる。そのため、溶接の正否の検査を最少にするこ
とができ、鉄骨柱等の製作工数が低減でき、鉄骨工事費
の低減、鉄骨の生産性の向上を図ることができる。
【0011】実施例2が図8に示され、閉鎖型断面の鉄
骨柱21として四角形の横断面の角形鋼管を使い、環状
体22A、22Bを鋼板を切削加工して造る例である。
環状体22A、22Bは、その環状の部分の幅wを厚さ
よりも大きくし、その開口22aの寸法を角形鋼管柱2
1の外周の寸法より大きくする。環状体22A、22B
の周縁部22bの形状も角形鋼管柱21の外周の形状に
類似した平面形状にする。四角形状の環状体22A、2
2Bの外周部の辺の中途の部分をフランジ取付部22c
とする。ガセットプレート24の取付方は実施例1と同
じである。実施例1と異なる点は、幅の広い楔片26を
使う点だけであるから、その詳細な説明は省略する。実
施例1および2において、楔片16、26が弛んで移動
する恐れのある場合には、楔片16、26を鉄骨柱1
1、21または環状体12A、12B、22A、22B
に固定する。たとえば、図9に示すように、楔片16、
26を鉄骨柱11、21または環状体12A、12B、
22A、22Bに溶接する。この場合の溶接は、楔片の
鉄骨柱または環状体に対する移動を防止するためだけの
もので、簡単な溶接でよい。この場合の固定手段は溶接
に限定されるものではない、他の適宜の固定手段が採用
できる。また、場合によっては、楔片16、26を打ち
込まない隙間15、25の部分にセメント等を充填し、
楔片の移動を阻止し、かつ力の伝播等が均一になるよう
にしてもよい。なお、楔片と楔片との間に隙間が生じた
場合も、その隙間にセメント等を充填するとよい。
【0012】
【発明の効果】(イ)請求項1に係る発明の鉄骨構造体
の仕口は、閉鎖型断面の鉄骨柱とH形断面の鉄骨梁とが
結合されている鉄骨構造体の仕口において、環状体がそ
の開口を鉄骨柱の外周の寸法より大きくして形成され、
鉄骨梁のフランジに対応する鉄骨柱の部分に環状体がそ
れぞれ嵌められ、環状体の内周面と鉄骨柱の外周面との
間の隙間の一部または全部が該隙間に打ち込まれた多数
の楔片で満たされて、環状体が鉄骨柱に対して不動にさ
れ、鉄骨梁のウェブが鉄骨柱に直接または鉄骨柱に固着
したガセットプレートを介して固定され、鉄骨梁のフラ
ンジが環状体に溶接されているから、次の〜の効果
を奏する。 鉄骨柱を造るために、閉鎖型断面の鋼材
を短く切断しないから、切断工数が低減できる。 環
状体と鉄骨柱との結合に溶接を使わないから、熟練を必
要とする仕口の製作における溶接作業を激減させること
ができできる。 環状体の内周面と鉄骨柱の外周面と
の間の隙間を多数の楔片で満たして、環状体が鉄骨柱に
対して不動になっているものであるから、隙間を大きく
とることができる。 隙間を大きくとると、鉄骨柱お
よび環状体の寸法、精度等にバラツキがあっても、環状
体を鉄骨柱に容易に嵌めることができる。そのため、鉄
骨の生産性の向上が図られ、鉄骨工事費の低減を達成す
ることができる。 (ロ)請求項2に係る発明の鉄骨構造体の仕口は、その
開口を鉄骨柱の外周の寸法より大きくしかつそのフラン
ジ取付部を周縁部に設けて鋼製の環状体が形成され、鉄
骨柱の所定位置にガセットプレートが溶接され、ガセッ
トプレートを挾んで一対の環状体が鉄骨柱に嵌められ、
これらの環状体がガセットプレートの一方または他方の
端面に当接され、環状体の内周面と鉄骨柱の外周面との
間の隙間の一部または全部が該隙間に打ち込まれた多数
の楔片で満たされて、環状体が鉄骨柱に対して移動しな
いようにされ、鉄骨梁のウェブがガセットプレートに固
定され、鉄骨梁のフランジが環状体のフランジ取付部に
溶接されているから、上記(イ)の効果を奏し得るだけ
でなく、仕口の製作時の鉄骨柱に嵌められた環状体の位
置決め作業が容易になる。
【0013】(ハ)請求項3に係る発明の鉄骨構造体の
製作法は、環状体をその開口が鉄骨柱の外周の寸法より
大きくなるように形成し、鉄骨梁のフランジに対応する
鉄骨柱の部分に環状体を嵌め、環状体の内周面と鉄骨柱
の外周面との間の隙間に多数の楔片を打ち込んで、前記
隙間の一部または全部を前記楔片で満たして各環状体を
鉄骨柱に固定し、鉄骨梁のウェブを鉄骨柱に直接または
鉄骨柱に溶接したガセットプレートを介して固着し、鉄
骨梁のフランジを環状体に溶接するものであるから、上
記(イ)効果を奏し得るだけでなく、前記隙間に広狭の
差があつても、楔片の打ち込み量を変えるだけで、隙間
の広狭の差に容易に対応することができ、環状体を鉄骨
柱に嵌めてこれに固定する作業が非常に容易になる。 (ニ)請求項4に係る発明の鉄骨構造体の製作法は、そ
の開口を鉄骨柱の外周の寸法より大きくしかつフランジ
取付部をその周縁部に形成して環状体をつくり、鉄骨柱
の所定位置にガセットプレートを溶接し、鉄骨柱に前記
ガセットプレートを挾んで一対の環状体を嵌め、各環状
体をガセットプレートの端面に当接させて位置決めし、
環状体の内周面と鉄骨柱の外周面との間の隙間に多数の
楔片を打ち込んで、前記隙間の一部または全部を前記楔
片で満たして各環状体を鉄骨柱に固定し、各環状体をガ
セットプレートの端面に当接させておくだけでこれに固
着することなく、鉄骨梁のウェブを前記ガセットプレー
トに固着してから、鉄骨梁のフランジを各環状体のフラ
ンジ取付部に溶接するため、上記(ハ)の効果を奏し得
るだけでなく、鉄骨工場、建築現場等で環状体と鉄骨柱
との間の隙間を多数の楔片で満たす場合における一対の
環状体の鉄骨柱に対する位置決め作業が容易になる。そ
のうえ、各環状体をガセットプレートの端面に当接させ
ておくだけでこれに固着しないから、熟練を必要とする
仕口の製作における溶接作業を極限まで減少させること
ができる。 (ホ)請求項5に係る発明の鉄骨構造体の製作法は、打
ち込んだ楔片を鉄骨柱または環状体に固定するから、楔
片が鉄骨柱または環状体に対して移動する恐れを皆無に
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の鉄骨構造体の仕口を図2のA−A線
で断面した平面図
【図2】図1に示すものをそのB−B線で断面した立面
【図3】実施例1に使う楔片の側面図
【図4】図3に示すものをそのC−C線で断面した立面
【図5】図2の要部を拡大した立面図
【図6】鉄骨梁に圧縮力が作用した場合の支圧力の伝播
の仕方を示す概略的な平面図
【図7】鉄骨梁に引張力が作用した場合の支圧力の伝播
の仕方を示す概略的な平面図
【図8】実施例2の鉄骨構造体の仕口を図2のA−A線
と同様な線で断面した平面図
【図9】楔片を固定した場合の図5と同様な要部の立面
【図10】従来の鉄骨構造体の仕口を横断した平面図
【図11】図10に示すものを縦断した立面図
【図12】従来の他の鉄骨構造体の仕口を横断した平面
【図13】図12に示すものを縦断した立面図
【図14】従来のその他の鉄骨構造体の仕口を図15の
E−E線で断面した平面図
【図15】図14に示すものをそのD−D線で断面した
立面図
【図16】従来のその他の鉄骨構造体の仕口の斜視図
【符号の説明】
10 仕口 11 鋼管柱 11a 外周面 12A 環状体 12a 開口 12a 開口の内周面 12b 周縁部 12c フランジ取付部 13 梁鉄骨 13a フランジ 13b ウェブ 14 ガセットプレート 15 隙間 16 楔片 20 仕口 21 角形鋼管柱 22A 環状体 22B 環状体 23 梁鉄骨 24 ガセットプレート 26 楔片 bn ボルト・ナット fw 溶接(隅肉溶接)部 bw 溶接(突合せ溶接)部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 道彦 東京都中央区銀座八丁目21番1号 竹中 工務店 東京本店内 (72)発明者 原 誠 東京都中央区銀座八丁目21番1号 竹中 工務店 東京本店内 (72)発明者 小南 勝義 東京都中央区銀座八丁目21番1号 竹中 工務店 東京本店内 (72)発明者 日坂 次男 東京都中央区銀座八丁目21番1号 竹中 工務店 東京本店内 (56)参考文献 特開 昭59−44442(JP,A) 特開 平6−101269(JP,A) 特開 平5−255972(JP,A) 特開 平6−117049(JP,A) 実開 昭50−104409(JP,U) 実開 昭50−104412(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/00 501 B23K 9/02 E04B 1/24 E04B 1/58 508

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】閉鎖型断面の鉄骨柱とH形断面の鉄骨梁と
    が結合されている鉄骨構造体の仕口において、環状体
    の開口を鉄骨柱の外周の寸法より大きくして形成さ
    れ、鉄骨梁のフランジに対応する鉄骨柱の部分に環状体
    それぞれ嵌められ、環状体の内周面と鉄骨柱の外周面
    との間の隙間の一部または全部が該隙間に打ち込まれた
    多数の楔片で満たされ、環状体が鉄骨柱に対して不動
    にされ、鉄骨梁のウェブが鉄骨柱に直接または鉄骨柱に
    固着したガセットプレートを介して固定され、鉄骨梁の
    フランジが環状体に溶接されていることを特徴とする鉄
    骨構造体の仕口。
  2. 【請求項2】閉鎖型断面の鉄骨柱とH形断面の鉄骨梁と
    が結合されいる鉄骨構造体の仕口において、その開口
    を鉄骨柱の外周の寸法より大きくしかつそのランジ取
    付部を周縁部に設けて鋼製の環状体が形成され、鉄骨柱
    の所定位置にガセットプレートが溶接され、セットプ
    レートを挾んで一対の環状体が鉄骨柱に嵌められ、これ
    らの環状体がガセットプレートの一方または他方の端
    に当接され、環状体の内周面と鉄骨柱の外周面との間の
    隙間の一部または全部が該隙間に打ち込まれた多数の楔
    で満たされて、環状体が鉄骨柱に対して移動しないよ
    うにされ、鉄骨梁のウェブがガセットプレートに固定さ
    れ、鉄骨梁のフランジが環状体のフランジ取付部に溶接
    されていることを特徴とする鉄骨構造体の仕口。
  3. 【請求項3】閉鎖型断面の鉄骨柱とH形断面の鉄骨梁と
    が結合されている鉄骨構造体の仕口の製作法において、
    環状体をその開口鉄骨柱の外周の寸法より大きくなる
    ように形成し、鉄骨梁のフランジに対応する鉄骨柱の部
    分に環状体をそれぞれ嵌め、環状体の内周面と鉄骨柱の
    外周面との間の隙間に多数の楔片を打ち込んで、前記
    間の一部または全部を前記楔片で満たして各環状体を鉄
    骨柱に固定し、鉄骨梁のウェブを鉄骨柱に直接または
    骨柱に溶接したガセットプレートを介して固し、鉄骨
    梁のフランジを環状体に溶接することを特徴とする鉄骨
    構造体の仕口の製作法。
  4. 【請求項4】閉鎖型断面の鉄骨柱とH形断面の鉄骨梁と
    が結合されいる鉄骨構造体の仕口の製作法において、
    その開口を鉄骨柱の外周の寸法より大きくしかつフラン
    ジ取付部をその周縁部に形成して環状体をつくり、鉄骨
    柱の所定位置にガセットプレートを溶接し、骨柱に前
    記ガセットプレートを挾んで一対の環状体を嵌め、環状
    ガセットプレートの端面に当接させて位置決め
    環状体の内周面と鉄骨柱の外周面との間の隙間に多数の
    楔片を打ち込んで、前記隙間の一部または全部を前記楔
    で満たして各環状体を鉄骨柱に固定し、各環状体をガ
    セットプレートの端面に当接させるだけでこれに固着す
    ることなく、鉄骨梁のウェブを前記ガセットプレートに
    してから、鉄骨梁のフランジを各環状体のフランジ
    取付部に溶接することを特徴とする鉄骨構造体の仕口の
    製作法。
  5. 【請求項5】打ち込んだ楔を鉄骨柱または環状体に固
    定することを特徴とする請求項3または4記載の鉄骨構
    造体の仕口の製作法。
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