JP3000044B2 - 眼鏡の蝶番 - Google Patents

眼鏡の蝶番

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JP3000044B2
JP3000044B2 JP10325898A JP10325898A JP3000044B2 JP 3000044 B2 JP3000044 B2 JP 3000044B2 JP 10325898 A JP10325898 A JP 10325898A JP 10325898 A JP10325898 A JP 10325898A JP 3000044 B2 JP3000044 B2 JP 3000044B2
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和夫 平野
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マルマンオプティカル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼鏡の構成部材で
ある智とテンプルとの外側面が通常の同一面をなす状態
から、さらに外側に開くことができる構造の眼鏡の蝶番
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、眼鏡を装着している者の顔の側部
にテンプルがフィットして弾接するようにした眼鏡用ば
ねつき蝶番が知られている。例えば特公平6−6426
4号公報には、智とテンプルとの外面が同一面にある状
態から、テンプルをさらに外側に開くときに、蝶番軸で
なくてテンプルと智とが当接した部分を支点として、テ
ンプルが回動する構成が記載されている。そして、この
構成では、テンプルが智に対して外側に開くときに、前
記蝶番を構成するための蝶番ユニットがテンプルに対し
てスライドするようになっている。
【0003】また、前記のように眼鏡を装着している者
の顔の側部にテンプルがフィットして弾接するようにし
た眼鏡用の蝶番において、構成が簡単になるものとして
実開昭64−3820号公報に記載されているように、
テンプルの外側に開口している横溝に対して智の平板部
が貫通回動するようにして、テンブルの内外の回動を可
能にしたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の蝶番において、特公平6−64264号公報のもの
は、蝶番ユニットがテンプルに対して確実にスライドす
ることができるようにするため、あり溝加工を必要とし
ており、その分、製造コストが高くなっていた。さら
に、小さな眼鏡部品の狭い部分に、あり溝あるいは複雑
な加工を施す必要があるため、眼鏡全体および蝶番部分
における機械的強度が問題となる。
【0005】また、実開昭64−3820号公報のもの
は簡単な構成になる点で利点があるが、外観上、蝶番部
分の横溝が見えてしまい、眼鏡のデザインとして重要視
される全体としての一体感がなく、さらに、非使用時に
テンプルを折り畳んだ状態では智の平板部が突出してし
まい、これも眼鏡のデザインとしては問題となる。
【0006】本発明は、前記従来の問題を解決し、簡素
化された構造でありながら、外観上、眼鏡として違和感
のある部位がなく、一体感および高級感を打ち出すこと
ができ、智とテンプルとの外側面が通常の同一面をなす
状態から、さらに外側に開くことが円滑に行える構造の
眼鏡の蝶番を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、眼鏡の智とテンプルに設けられる蝶番で
あって、外蝶番体と、外蝶番体の一部に挿入される中蝶
番体と、前記外蝶番体と中蝶番体とを貫通し、かつ外蝶
番体と中蝶番体とが相対的に回動可能であるように支持
する回転軸体とを備えてなる眼鏡の蝶番において、前記
外蝶番体と前記中蝶番体との間における前記回転軸体の
外周部に、リング体の一部にスリット部が設けられ、か
つ撓んで外側に向かう弾性力を有する2つの弾性腕部が
形成された平板体を介在させ、前記弾性腕体の一方を前
記外蝶番体の一部に係止させ、他方を前記中蝶番体の一
部に係止させ、前記テンプルを前記智に対して外側に開
くときに、前記スリット部が狭くなり、かつ前記各係止
部分に弾発力を与えるように構成したことを特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0009】図1は本発明の一実施形態を説明するため
の眼鏡の蝶番部分を分解した平面図、図2は同眼鏡の蝶
番部分を分解した正面図、図3は同眼鏡の蝶番部分を組
付けた状態を示す一部断面平面図である。
【0010】図1〜図3において、1はレンズ保持枠
(図示せず)の側部に固定される智2に設けられる外蝶
番体であり、内側壁1aに上下一対の受け部3a,3b
が突設しており、上部の受け部3aには貫通孔4が設け
られ、下部の受け孔3bには雌ネジが刻設されたネジ孔
5が設けられている。
【0011】7はテンプル8に設けられる中蝶番体であ
り、中央に貫通孔9が設けられ、かつ前記受け部3a,
3bと外側形状がほぼ同じになっている挿入部10が設
けられている。貫通孔9の周囲はすり鉢状の凹部11が
形成されている。
【0012】15は回転軸体としての雄ネジであり、軸
部15aに弾性を有する合成樹脂からなる筒体16が周
囲を覆うように設けられており、下部にネジ部15bが
設けられている。
【0013】20はNi−Ti合金材等の超弾性の特性
を有する材料、あるいはステンレスからなる平板体であ
るワッシャーであり、リング体の一部にスリット部21
が形成され、撓んで弾性を有する腕部22,22が一対
設けられる構成になっており、さらに両腕部22,22
の外側先端には、係合爪部23a,23bが突設されて
いる。
【0014】また、前記外蝶番体1の内側壁1aにおけ
る受け部3a,3b間には、中蝶番体7が挿入された状
態で、その中蝶番体7が支障なく回動するために設けら
れた第1溝部25と、ワッシャー20が設置される一対
の第2溝部26とが形成され、第2溝部26の端部には
ワッシャー20の腕部22,22における一方の係合爪
部23aが係合する係止段部27が形成されている。さ
らに中蝶番体7の挿入部10における上下面の一部に
は、ワッシャー20の腕部22,22における他方の係
合爪部23bが係合する係止突部28が形成されてい
る。
【0015】図3を参照して前記構成の蝶番の組付けを
説明する。まず、中蝶番体7の挿入部10を外蝶番体1
の受け部3a,3b間の第1溝部25に挿入し、さらに
外蝶番体1の両第2溝部26にワッシャー20をそれぞ
れ挿入する。この挿入によって、ワッシャー20は、中
蝶番体7の挿入部10と各受け部3a,3b間に介在す
ることになり、さらにワッシャー20の腕部22,22
の係合爪部23a,23bが、それぞれ係止段部27と
係止突部28に係合する。
【0016】前記の状態で外蝶番体1の貫通孔4,ネジ
孔5と、中蝶番体7の貫通孔9との位置合わせを行いな
がら雄ネジ15を挿入する。すると、上部の受け部2a
の貫通孔4の周囲に雄ネジ15の頭部15cが係止し、
下部の受け孔3bのネジ孔5にネジ部15bが螺入す
る。この状態で各部材は連結されて蝶番として機能す
る。通常、外蝶番体1と中蝶番体7とは、雄ネジ15を
支軸として図3に示す両蝶番体1,7の外側面が同一面
になる位置と、テンプル8が折り畳み状態となる位置と
の間で回動する。
【0017】ここで、テンプル8を図4に示すように、
図3に示す状態からさらに外側に回動させるときには、
ワッシャー20の腕部22,22の係合爪部23a,2
3bが、それぞれ係止段部27と係止突部28に係合し
ているが、ワッシャー20にはスリット部21が形成さ
れているため、テンプル8を腕部22,22の弾発力に
抗して外側に回動させることにより、腕部22,22は
内側に撓み(スリット部21の隙間が狭くなる)、この
撓みが可能な範囲内でテンプル8を弾力的に外側に回動
させることができる。
【0018】前記テンプル8の回動時、ワッシャー20
は多少の変形を生じるが、その変形は、中蝶番体7にお
ける貫通孔9の周囲に形成されているすり鉢状の凹部1
1が逃げ部となって蝶番の回動に支障を与えることはな
い。さらに雄ネジ15の軸部15aに弾性を有する合成
樹脂からなる筒体16が設けられているため、この筒体
16が蝶番におけるクッションとなって、ワッシャー2
0の弾性作用がより安定することになる。
【0019】
【発明の効果】前記のように本発明によれば、外蝶番体
と中蝶番体との間に、一部にスリット部が設けられて2
つの弾性腕部が形成された平板体を介在させ、前記弾性
腕部の一方を前記外蝶番体の一部に係止させ、他方を前
記中蝶番体の一部に係止させ、前記テンプルを前記智に
対して外側に開くときに、前記スリット部が狭くなりか
つ前記各係止部分に弾発力を与えるように構成したこと
により、簡素化された構造でありながら、外観上、眼鏡
として違和感のある部位がなく、一体感および高級感を
打ち出すことができ、智とテンプルとの外側面が通常の
同一面をなす状態から、さらに外側に開くことが円滑に
行える眼鏡の蝶番を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための眼鏡の蝶
番部分を分解して示した平面図である。
【図2】本実施形態における眼鏡の蝶番部分を分解した
正面図である。
【図3】本実施形態における眼鏡の蝶番部分を組付けた
状態を示す一部断面平面図である。
【図4】本実施形態における眼鏡の蝶番部分における外
方へ回動させた状態を示す一部断面平面図である。
【符号の説明】
1 外蝶番体 2 智 3a,3b 外蝶番体の受け部 7 中蝶番体 8 テンプル 10 中蝶番体の挿入部 11 すり鉢状の凹部 15 雄ネジ(回転軸体) 15a 軸部 16 筒体 20 ワッシャー 21 スリット部 22,22 腕部 23a,23b 腕部の係合爪部 25 第1溝部 26 第2溝部 27 外蝶番体 28 中蝶番体の係止突部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼鏡の智とテンプルに設けられる蝶番で
    あって、外蝶番体と、外蝶番体の一部に挿入される中蝶
    番体と、前記外蝶番体と中蝶番体とを貫通し、かつ外蝶
    番体と中蝶番体とが相対的に回動可能であるように支持
    する回転軸体とを備えてなる眼鏡の蝶番において、 前記外蝶番体と前記中蝶番体との間における前記回転軸
    体の外周部に、リング体の一部にスリット部が設けら
    、かつ撓んで外側に向かう弾性力を有する2つの弾性
    腕部が形成された平板体を介在させ、前記弾性腕体の一
    方を前記外蝶番体の一部に係止させ、他方を前記中蝶番
    体の一部に係止させ、前記テンプルを前記智に対して外
    側に開くときに、前記スリット部が狭くなりかつ前記
    各係止部分に弾発力を与えるように構成したことを特徴
    とする眼鏡の蝶番。
  2. 【請求項2】 前記平板体をニッケル−チタン材等の弾
    性に富んだ材料によって形成したことを特徴とする請求
    項1記載の眼鏡の蝶番。
  3. 【請求項3】 前記弾性腕部に、前記係止部分において
    係合して前記平板体の抜け落ちを防止する係合爪部を設
    けたことを特徴とする請求項1記載の眼鏡の蝶番。
  4. 【請求項4】 前記回転軸体における少なくとも前記平
    板体の設置部分の周囲に弾性を有する樹脂材を設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の眼鏡の蝶番。
  5. 【請求項5】 前記平板体が設置されている前記外蝶番
    体と前記中蝶番体との間における少なくともいずれか一
    方の面に、前記平板体が変形したときにその変形部位が
    入り込むすり鉢状の凹部を形成したことを特徴とする請
    求項1記載の眼鏡の蝶番。
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